ぼくの空の感想一覧

北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆☆

 あ〜……いいですね、好きです。読みやすい文章にスーッと目が流れそうになるのを、押しとどめて、ゆっくりと味わいたくなるような、そんな一作でした。なんだか童謡のようだと思います(童話ではなく)。空を飛び続ける「ぼく」が、小さくて優しいいくつもの物語に出会う。それらとの出会いを通して「ぼく」が得たものは、生きるということ、その自由と不自由、何になることも出来ないが、願うならどこででも生きていけるということ……申し訳ないことに私の読解力が至らず、分かるような分からないような……という感じではあるのですが、「分かるような分からないような」という掴み所のない雰囲気こそがこのお話なのかなあとも思いますし、「分からなくてもいいか」と思える何かもこの作品は持ち合わせている気がするんですよね、それはきっと優しさなんですよね。この作品の大部分は感傷的な優しさで出来てる。そんな命の物語。うん、こういう、ふんわりと優しくてちょっぴり切ない、感傷的な物語が、私は大好きなのだなあ。
 どのエピソードもとても好きなのですが、一番は「5.廃墟の空」のぬいぐるみのお話がもうめっちゃ好きでした。「ぼく」の正体はてっきりリザードンだと思い込んでいましたので、男の人が帰ってきたときああなんて綺麗な世界なんだろうなと思いましたし、それにぬいぐるみが「帰れ」と言ったとき本当にふっと世界が止まったような感覚を受けましたし、「へんしん」というワードが出てきたとき、そのあとの「ぼく」とぬいぐるみの一連のやりとりを読んでいるとき、ああこれは決して綺麗なだけの世界の物語ではなかったと、でもすごく優しいお話なんだなあ、とぐっ……ときたんですよね。子ペンギンの話も大好きだし、火蜥蜴と黒狐のお話も大好きだし……う〜ん好き!! この作品の良さみを言語化する語彙を持ち合わせていなくて申し訳ない、癒しです。幸せです。
 結局「ぼく」の正体がなんだったのかも私は分からなかったので(ミュウでないならメタモンなのかな……?とは思うのですが)他の方の考察なども楽しみに待ちたいと思います。重量感のある本大会の作品群の中で、ゆるふわ癒し感傷系として非常に光っていることだなあと感じました。優しいお話をありがとうございました。投稿お疲れ様でした!

まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆☆

何でも出来るけど何でも出来ないというような、器用貧乏さから来る鬱屈が段々と伝わって来るのが良かった。

猫村さん
評価:☆☆☆☆☆

メタモンやミュウ説を他の方の感想で見たのですが私は読んでパッと出てきたのはラティオス又はボクっ娘ラティアスでした。というかそのつもりで読んでました。
同士…いる…?居そうにないかな…
不思議感もあるけどふんわりしていて好きな作風でした。
最後「ぼく」の正体が知りたかったなぁ…笑
執筆お疲れさまです!

ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

好きです。すっきり読めました。
章区切りが短く、一場面読んでまたすぐ違う場面に変わるので退屈せずに読めました、それでいて且つ場面ごとのストーリーもしっかりとしていてとてもよかったです!

三で「お前の子か?」と聞かれていたことであー主人公はリザードンかあと思っていましたが、五でようやくメタモンだったんだなあと気付けました。(もしかしたらミュウだったのかもしれませんが、コピーリザードンと戦ったときに力の差が歴然だったのでメタモンだと思っています)どうして『ぼく』視点なのに主人のことがわかったんだろう…と思っていたら化けていたんですね。
五のシーンが特に好きでした、各地の話に目を輝かせながらも主人の話のときが一番楽しそうだったり、振りかぶった割に力がこもってないパンチだったり、次は本当の姿で来てくれよって言ったり…いやあ…こういうのすき…。

>何にでもなれる自分は、何にもなれないと思っていた。しかし、それは違った。
 何にでもなれるということは、どんな環境にも対応できるということだった。
 何にでもなれるということは、何者になるか自分で選べるということだった。
 この世界の全てが、ぼくの帰る場所なのだ。
 どこへ行ったっていい。どこへ帰ったっていい。何になったっていい。自分のままでいたっていい。それができるように、ぼくの体はできていたのだ。
 ぼくにはその自由が与えられていたのだ。

この解釈の仕方大好きです!
当てもなく世界を飛んで、どこにも帰る場所がなくとも、どこでも自分の帰る場所になっているんだ、どこへ行ったっていいんだというこのシーン、なんだか元気が出ました。

>新たな生きる場所、帰る場所を探し、そこに順応して生きる。誰かと協力して、苦境を乗り越えて生きる。そういう強さを、皆持っていた。そしてたまたま、ぼくもそういう力を持っていた、それだけのことだった。

順応できる場所で生き、合わなければ淘汰され、順応できていたとしてもその場所がいつ無くなるかわからない…コピーポケモンたちが『場所』を探していたように、誰もが場所を失えば新たな安息の地を求めて旅をするのかなあ。親や帰るべき一つの場所を持たずとも、『ぼく』もみんなと変わらないのかなあ。ミュウツーの言葉を借りれば「みんな同じように生きている」んですもんね…
いやあステキな作品でした!!うまく言葉にできなくて申し訳ないのですが、とにかく好きです!!

円山翔さん

おそらく、この物語の作者様は
よくSkyというゲームをやる方
みたいですね。登場する場面が
いくつかを除きゲーム内で見
たものでした。好きなゲーム
だけに、世界観に浸れました。
気になったのは主人公の正体。
あれはメタモンですね。
理想を言うともうちょっと芯
がはっきりした方がよいかと。
というのも、どこかの空を舞
う主人公が、その訪れた場所
ごとに誰かに出会う。
ざっと見るとこんな感じで、
言いたいことが結局なにか
まったく分からず……
すみません、半分嘘です。

お楽しみいただけましたでし
ょうか? この作品の作者は
見ての通り私です。
いやあ、期間中頃に思い付い
たのですが、どうにかここに
出すことができました。
綺麗な作品がいいというのが
あって、つい最近始めたばか
りのスマホゲーム「Sky」
が物語で再現できたらいいな
と思って書き始めました。
うーん、結局自分でも芯が
ごちゃごちゃな気がしますが、
ざっと世界を再現できたから
いいかな、なんて。
まあ、細かい事は後で語りま
す。

大事なことは何度でも申し上げます。
お読みいただきありがとうございました。

夜月光介さん
評価:☆☆☆

13・ぼくの空 主張するビンゴ・1

伝説・幻のポケモンを登場させる

ミュウツーが登場しています。

大人を出す

人間の大人が登場しておらず、ポケモンの『大人』の定義が
あまりにも難しいので、小テーマ不成立とさせて頂きます。

本文を一万五千字以上にする

16000文字。成立しています。

劇中でポケモンバトルをする

バトルらしいシーンがあまり見受けられなかった印象を受けます。

劇中で日本語以外のセリフを使う

何語かは解らないのですが、満たしているのは間違いない様です。

ストーリー評価 50点 減点 -10 総合評価 40点

『感想』

旅は続く。様々なポケモンと出会って交流して、続くったら続く。

作品の質で言えば、『何を伝えたいのか』がぼやけてそこまで
ハッキリしない印象を受けました。『何を伝えたいのか』は凄く
重要です。主人公達とポケモンとの触れ合いとそれぞれの心情は
しっかりと伝わってくるのですが、物語の『幹』に相当するものが
弱い様な気がしました。

『大人に変身したポケモン』が登場した場合、小テーマが成立しているかどうか
微妙であると言う点も、ビンゴが成立していると言う主張を弱くしている様な
気がします。ポケモン主体の物語なのでこの小テーマをどうするのか
作者の方は悩まれたと思うのですが、他の作者の様に
『主人公が目撃した』レベルでも良いので登場させた方が良かったのかもしれません。

色々言いましたけれど、この作品から伝わってくる
『ハートフルな印象』は相当強い。温かみを感じます。善意で作られた
小説と言うか、登場人物全てに思いやりがあって優しい世界が
形成されている。ミュウツーですらそうやって生きている。
その『優しさ』が書けるのは作者の大きな武器だと思います。
自分はそういう『綺麗な世界』を書くのが不得手と言うかなかなか出来ない事なので、
その『武器』を磨き上げれば誰にも負けない作品を作る事が出来るでしょう。
これからもっと上に行けると思います。また綺麗で純粋な作品を読ませてください。

あしゃまんさん
評価:☆☆☆☆☆☆

 読み終わって、思わずため息を付いてました。いろんな人(ポケ?)生と出会いながら、空を飛んでいく主人公の、どこにでも行けるからこそ居場所がわからないという悩みが切に迫ってきて、だからこそ最終章が見事に胸に刺さりました。

 楽しませていただきました!

BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆

 全ての章が「空を飛んでいた」から始まるの好きです! 語り口も相まって、なんだか童話のような雰囲気だなぁと思いました……!
 哲学的なテーマと落ち着いた雰囲気から、何度もかみしめたくなります。主人公の優しさはもちろん好きですが、僕が特に好きなのは廃墟のジュペッタですね。健気で明るいけれど、寂しがり。可愛いです。抱きしめてあげたくなります。
 野生のメタモンの中には、こんな風に他のポケモンに変身しながら各地を旅する子もいるんだと思うと、夢が広がりますね……! ありがとうございました!

花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆☆

THE・雰囲気勝負。自然の雄大さできましたか。こういうのいいですね。なんかこう、絵本というか詩集みたいなのを読んでいるような感じで、ささくれていた心が癒されていくかのようです。個人的今大会の浄化枠です。実際にささくれていた時この作品を読んで心が澄んだ水のようにクリアになりました。
孤島、草原、雨林……いろんな自然の世界を飛び回り、いろんな出会いと別れを繰り返していく。これ、個人的に強いと思いました。飽きがないというか、引き込んでいくというか。場面が変わっていくのに、話の軸はブレずに楽しませていただきました。
アァアアアアア~~~~~~~ポニータがママと再会できてよかったのに素直に嬉しさを感じられないぼくくん(ぼくくんと勝手に呼ばせていただきます)!!
その理由もちゃんとわかっているっていうのがまた切なさを感じます。浄化枠と言いましたが、この作品が一筋縄ではいかないことを示された気がしました。
>ぼくは痛みを感じさせないように、笑顔を作って手を振った。
むりしんどいぼくくんに感情移入しました、これ打ち込んでて目頭が熱くなってます。
あとめちゃくちゃダメな大人の発言させてください。ヒトカゲって尻尾の炎が消えると死んじゃうって設定ありますよね。炎が弱くなるのに比例してヒトカゲが弱っていくのって、こう(自主規制)
居場所を見つけられなかったぼくくんとヒトカゲ。心が通ったのでしょうか。見ていてあったかかったです。
海原のキミも飛びたいよね、ポッチャマだよねキミ、空飛びたいよね。アニポケのポッチャマが空中で翼をバタバタさせてる姿を思い出させます。自然に暮らすポケモン達がかわいい! かわいいとふつくしいの融合ですね。
へんしんが裏目に出ちゃうぼくくんしんどい、でもご主人様の帰りを待ち続けていたジュペッタもしんどいですね。誰も悪くないだけにこれはクる。
からの暴風域でのカイリューとのやりとりですよ! ストーリーが他の子達と比べて濃いかって言われるとそうじゃないかもしれないけど、ぼくくんが救われてる気がしました。その後のミュウツーとのやりとりがさらに補強してくれている気がします。

こんな感じで言いたい放題でしたが、この作品の雰囲気めちゃくちゃ好きです。ただ、すごい雰囲気ができているだけに「ジェット機」とか「ストイック」って人間的な言葉が組み込まれてるのがめちゃくちゃ惜しい! こう思ってしまうことに罪悪感を覚えるほど、この雰囲気めちゃくちゃ好きなんです。
おじさんもまたここに帰ってきたいです。ぼくくんとまた、自然を巡る旅をしたいです。
投稿お疲れ様でした!

ソラさん
評価:☆☆☆☆☆☆

すごく素直な文章がとても心地よかったです。
出会ったポケモンの名前は極力伏せて、あくまで主役から見た視点でその存在がどういった見た目をしているのか書いてあるのが統一感があってよかったと思います!
何にでもなれるからこそ不自由。
でもそれでいいという考え方を最後はしている感じでしょうかね?
帰る場所を求めていたけど最後は自身が持つ能力と向き合って、前向きにとらえていたのがとてもよかったです!

ptさん
評価:☆☆☆☆☆☆

ちょっとうまく書けませんけど……

何者でもあり、何者でもないものが自分とは何者かを探す長い長い旅の、ほんの一場面。
自分を見失った人にぜひ読んでもらいたい作品。
ひとつひとつの出会いが短いものでしたが、いずれも自分を形成するためには欠かせない、密度の濃いもので、全てぼくを形作る礎になっている。
最後、これまで回った場所を訪ねていきたい、空は繋がっているというところ。
逆説的に自分の居場所にたどり着いているんですよね。

草猫さん
評価:☆☆☆☆☆

これを読んだ後、心が洗われるような心地がしました。 シリアスな感じなのに、どこかほんわかするというか......。浄化される.......。
まず、オムニバス形式な所は凄いと感じました。一つ一つの物語に愛着が湧くんですよね......しかも最後のまとめ方も綺麗。主人公はメタモンなんでしょうかね? 彼についての想像も広がります。
あとは、ポケモンの種族名を出さずともそのポケモンの姿が思い浮かべられる所から、作者さんの技術の高さが感じられました! 考えてみると、この作品に種族名出すのは合わない感じがしますしね......。 雰囲気作りにとことんこだわったのかなと感じました!
生きる上で自由な事は素敵だけど辛い事もある......それを提示した上での答えは本当にグッと来ました。
投稿お疲れ様でした!

Pさん
評価:☆☆☆☆☆

読み進めるにつれて次々に様々な「空」を持つ場所とそこで生きる人々の姿が「ぼく」の語る素朴な文体で綴られる構成は、児童文学を読んでいるようでこの形式自体に良い味があるなと感じました。
その中で徐々に明かされていく語り手の情報は家族も愛する人も夢もなく、とあまりにも空虚で、そんな中で彼が向かう「帰るべき場所」とはどのようなものかという期待や想像が膨らむとともに、その空を巡る遍歴が増えていくにつれて「ここまでないない尽くしの人が求めていて、そしてこれほどあちこちを回っても見つからないもの、そもそも存在していないのでは?」という不安も表裏一体に存在しているように感じていました。
しかしそれが的を得ていると分かっても、その先で語り手が辿り着く「世界すべてがつながっている自分の空」という壮大なスケールの結論は、素朴な子供のようでいて他の誰にもできない「へんしん」という芸当を当たり前にやってのけるこのポケモンならではのものと映りました。
余談として「3.雨林の空」辺りまで語り手の外見情報がほとんど出てこない中、読者がそれぞれどのようなポケモンを想像していたのかが非常に気になります。ジラーチかミュウかなと思っていた。

しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆

温かいけど、少し寂しい。そんな雰囲気を感じさせる作品でした。率直に言うととても好きです((
何故「ぼく」がいろんな場所の空を飛んでいたのか。私は「ぼく」には確かに帰る場所があったけれど、ずっとその場所を思い出せずにいて、当てもなく空を飛び回ってそこを探し回っていたんじゃないかと解釈しています。

上手く言葉に出来ないのですが、各地で出会うポケモン達にはそれぞれの営みや夢があって、それが「ぼく」との対話の中で語られていくのがすごく、いいなぁ~……!と思いました。家族を第一に考えるけど、よそ者の心配もしっかりしてあげる黒狐さんとか、不可能だと分かっていても夢を追い続けるペンギンくん(?)とか、とても素敵ですよね。ぬいぐるみさんも帰らぬ主人を待ち続けているのが、ちょっぴり悲しいけど健気で好きです……!
「ぼく」も無責任な発言や行動を避けてはいるものの、困ってるポケモンが居たら何とかしてあげようとするお人好しさんなのが良いですね。その性格故に色んなポケモンの笑顔や感謝を受け取って、何も持たない自分を虚しく感じてしまうのかもしれませんが……
終わり方もとても好きです。自由である事を不自由に思うけど、でもそれを受け入れようとする「ぼく」の心情が優しく語られていて良かったです。
投稿、お疲れ様でした!

照風めめさん
評価:☆☆☆☆☆

すごい綺麗な小説でした。読み終わった時の爽快感がハンパない!
主人公がオムニバス調に色んな場所で色んな出会いをしてきてますが、どれも味わい深くて好きでした。
特にどれか一つを選ぶのであれば、ポッチャマのところとか好きだったなあ。
叶わないから諦めるということをせず、必死に前を向いて、ちょっとの達成では満たされないその向上心。さしずめこのポッチャマはエンジニア向きですね!? 人間も空を飛ぶことを諦めずにHow toを考えた結果飛行機ができたと思えば、ポッチャマもいつかきっと何かを成し遂げそうな気がします。
印象深いやりとりが多かったのですが、特に最後の自問するときの
> 何にでもなれるということは、どんな環境にも対応できるということだった。
> 何にでもなれるということは、何者になるか自分で選べるということだった。
ここが好きです。
主人公は「何か」を追い求めていたのですが、それ一つにすがる必要はないとの気付き、いいなあと思いました。
マネジメントさえできれば何にでもなれるというのは絶対な武器ですもんね。
一つのことに特化した生き方に憧れる気持ち、とても分かりますが、おそらく向こうからすれば何にでもなれる生き方もまた羨ましく思うような、そう思います。
楽しく読ませてもらいました。

rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

 これは優しくて良い小説でしたねー。短編の中で短編をいくつも重ねていく方式なんですけどそれがすごくいい味出してましたね。
 主人公がへんしんできるという特性をよく生かしていたと思います。二度三度読み返したい作品だと思いました。
 よくこれを3万字以内でまとめましたね、自分などは結構文字数をかさ増ししないとしんどくなる性格なのでこういう作品は羨ましいです。

春さん
評価:☆☆☆☆

 旅をする系の話が好きなんですね~。旅ものの小説ばっかり読んでしまう……。あちこちでいろいろな人や考え方に触れられるのが旅ものの醍醐味ですよね!それでいて、主人公はよそ者という立場が好きなんですよ~!
 この話も主人公は関わりはするけど決して深入りは出来ないところがまた良き……。あちこちを飛んでいく話なので、好きなシーンがそれぞれの人ごとでありそうですよね!ちなみに私は人を助けるカイリューの話が好きです!始まりのところの孤島の空も好きですね~背中で「ついてくるな」って言うのがまた渋い……。語りすぎず、行動で示していたのがめっちゃ良かったです!雨林の空も好きです。必死に生きているポケモン達の日常を垣間見てる感じが……っていうか、この話の何所が良いって、毎日を懸命に生きているポケモン達の一幕を見られる所にあると思うんですよね!それが最後の主人公のセリフにもつながってる。壮大な物語があるわけでもなく、その日常やちょっとした出来事、物語の一部を切り取っているからこそ凄く良いと思います。でもジュペッタちゃんのシーンは、「主人公お前酷すぎるぞ……」って思っちゃいました……。いやぁ昔、私も似たような事をしたことがあって、相手は烈火のごとく怒り狂ってしばらく口をきいてくれなかった思い出が……。その場しのぎの優しさで、偽りの喜びを与えることほど残酷な事はないんだなぁって思いましたよね……それを思い出して、そりゃあジュペッタもキレるよなぁ……って……。あーでも、深く考えると主人公は、ジュペッタのトレーナーが死んでいることに気がついて、ジュペッタを解放してあげるためにあえてやったのかなぁ……。
 子ペンギンのところも良かったです。「自分の力で飛ばないと意味がない」的な事を言って頑張るのもまた良いですよね!そんでもって、少しだけど飛べた時、「今、僕、とんだ?」的な事を言ってたのもめっちゃ良かったです!ああ~可愛いんじゃ~!!ずっと見守っていきたい……成長を見守りたい……。

坑(48095)さん
評価:☆☆☆☆☆☆

 すごく好きな作品です。
 元々こういう、お話がいくつか集まっているかたちの作品が好みなんですが、こちらは特にひとつひとつがとても良い……
 人形のシーン「二度とその姿で、ここに来るんじゃねえ」
 ここすごく鳥肌立ちました。
「また来なよ。今度は本当の姿を見せてくれよ」
 この台詞もとても好き。帰るべき場所ではないかもしれないけどまたもう一度訪れてほしいと思ってしまう。
 海のお話もとても好きで、子ペンギンのためにていねいに言葉を選んでいるところにやさしさを感じました。
『その努力が実ることはないかもしれない。けれど、きっと今日のように子ペンギンを生かすことはあるのだろう。』この落とし方が素晴らしい。やさしい。
 出会えてよかった、こころからそう思えた作品でした。

カイさん
評価:☆☆☆☆☆

たくさんいるポケモンの、どの種族を描写しているのか明言しない作品は、場面を思い描くことができないのであまり好きではない……はずでした。でもこの作品は好き。なんで好きか上手く言葉にできないんですけど、たぶん言葉にできないことが一番の理由じゃないかなあと言う気がします。

描かれている情景は、どれも特別言葉にする必要のないような、日常。でも日常って、一日だって同じ日はないじゃないですか。同じように流れているように見える時間の中で、確かに何かが起きて、誰かが笑って、誰かが泣いて、一日ごとに特別なそれらを重ねて束ねて「変わらぬ日常」なんて表現するんですよね。
空を飛んでいるぼくにとっても、同じ空はひとつもなくて、物語の終わりで静かに何かを知って、感じたぼくの姿が、たまらなく「日常への愛しさ」を体現しているように感じました。
静かだけど、力強い拍動を感じる、そんな作品だと思います。好きだなあ~って感情が、じわ~っと体に染み渡っていく感じ。ああ~、好きだなあ~~~……。

投稿お疲れ様でした!

早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆☆

 いろいろ想像の広がるお話でした。皆それぞれ自分が適応できるところで暮らして、自分が出来ることをやっていく。人形でさえ、自分は偽物っていうアイデンティティがあるからこそ、本物か偽物かなんて関係ないって思えてるんだろうなあと思います。
 自分のアイデンティティが薄い感覚は想像しか出来ませんが、その妙な虚しさを本当に上手に書ききっていると思う。これぞ小説って感じがします。
 自分が何者か、何者になりたいかっていう事さえ分からず、全てになれてしまう彼は、一番孤独なのかもしれません。
 私事になってしまいますが、友達にハーフの子がいます。その子は自分がどっちの国の人間か、なんて明確なアイデンティティは持てていなくて、ふわふわしてると言っていました。でもその子は人間である以上社会生活に適応していて、どの国の人間だっていうアイデンティティを持つ必要は別にない。
 何にでもなれる彼だって、ポケモンであるっていう、広い意味での自分を持って欲しいなって思いました。
 しみじみするけど、それだけじゃない。
 自分のあり方、人のあり方、いろんなことを考えさせられる作品でした。
 投稿、お疲れ様です!

雪椿さん
評価:☆☆☆☆

主人公の種族ならではのテーマだな、と思いました。確かにメタモンって何にでも変身できるので、基本的にはどこでも生きられそうですね。居場所をどこでも作れるせいで居場所がないというのも何となくわかる気がします。
話を最後まで読んでから(主人公の正体が何となく察せた状態で)もう一度読むと、部分部分で「これはこういうことだったのか……」と思えるポイントが複数ありました。あれらは伏線の一部だったのですね(今更気が付いた←え)。
なぜリザードンに変身して旅をしていたのかが気になりますが、そこは最後の方にかかっているのでしょうか。作者様の解説を待ちたいところですね。

トビさん
評価:☆☆☆

いくつものシーンが折り重なって一つの物語を作っている手法が面白いですね。一人称がとても叙情的で美しいなと思います。
お話ごとに主人公の一人称が様々なことに気づいていくさまがいいなと思いました。帰る場所がない、僕を待つ人も居ない、親も知らない、そして子も居ない、夢も無く、何にでもなれるけれど、何ものでもないという主人公の僕は、自分のアイデンティティを探し続けていました。そして、僕にはどこへ行っても、何になってもいいという自由が与えられているということに自分一人で気づきます。全体的に穏やかな雰囲気でしたが、強い意思を感じる作品でした。

逆行さん
評価:☆☆☆☆

しみじみと心に深く突き刺さってくるお話、という感じでした。1つ1つのエピソードがすごく練られていて面白かったです。
本当はそれぞれのエピソードに感想を書いていきたい所なんですが、今だいぶ感想急ぎ足で書いてるので、すいませんが全体のみの感想とさせて頂きます。

主人公(メタモン?)がそれぞれの場所で生きるポケモン達と触れ合って、その場所に適応して生きたり、ときには適応できなかったりするのを見ていくというお話。全体的に性格が悪いキャラもいなければ、聖人のように良いキャラがいる訳でなくて、すごくリアルなキャラ設定をしているなあと感じました。カイリューは例外なのかもしれませんが。

みんなそれぞれ自然環境の中で懸命に生きている姿が描かれていたように感じます。それらのポケモンに対して主人公が、一緒に走り回ったり、見ているだけだったり、助けてもらったり、様々な立場から触れ合っているのが面白いと感じました。これは他の人から聞いた話なのですが、終盤になるにつれて主人公のアイデンティティが薄くなっていく構成になっているみたいですね。確かに6番とかはカイリューに助けられるだけで、特に主人公は何もしませんでした。なるほどなあ。面白い構成ですよね。アイデンティティーが薄くなっていくのであれば、最後に「自由とはなにか」について考えるというのにも繋がっていく気がします。

全体を通して「自由」というテーマをよく描けていたと思います。特にこれと言った粗もなく、完成度も非常に高いお話であると感じました。

強いて言うならばもう一工夫欲しかったかなあという気がします。いや、このままでも十分良いんですけどね。ただこういう形式のお話で勝負する、上位を狙っていくのであれば、『ひかりのいし』や『ハートがつくるものがたり』みたいに、ビンゴという仕組みを利用して面白いことをやって欲しかった気がしますね。もう一工夫入れようって考えたときに、ビンゴっていうのを利用するのが一番丁度良い感じが自分はしました。具体的にどうするの? って言われると何も思いつかないんですけどね(すいません)。

こういうシンプルなお話は難しいですね。どこを見るかによって評価が大きく変わってくる気がします。

ジュペッタの話に関してはすごく工夫されているなあと感じました。メタモンが男に変身してジュペッタを慰めようとするという発想はナイスです。「二度とその姿で、ここに来るんじゃねえ」ってジュペッタが言ったときはちょっとビビりました。てっきりジュペッタが男になんか恨みでもあるのかと。見事に騙されました。

後ヒトカゲの話が何気に肝なんですよね。順応できない者は、淘汰されていってしまう。それが現実なのかもしれません。でも別にヒトカゲを助けないポケモンが悪いとかではないんですよね。ポケモン達はそれぞれ自分の子供とか、守るべきものがあったかもしれないし、襲われる可能性があるから、助けることができないのは仕方がないことでしょう。

何回も読むにつれて徐々に味が出てくる作品であると感じました。この後メタモンがどうなるかも非常に気になる所です。果たして自分の居場所は見つかるんでしょうかね。仮に居場所が見つからなかったとしても、「旅をする」ということが彼の居場所なのだと思います。

乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆

広い世界に、どこにも故郷を持たないポケモンのお話。透明感のある世界が良かったです。
「ぼく」は何のポケモンだったのか、というところについて、最初はミュウかなぁ、と思っていましたが、次第にメタモンなのかもしれない、という思いに変わっていきました。なんにでもなれる身体を与えられた意味について考えるというのは、そういうことなのかなと。ミュウならミュウツーももっと強く反応したでしょうしね。
出会いと別れを繰り返していくうち、徐々に寂しい別れが減っていくような印象を受けました。旅での出会いが彼の悩みが徐々に浮き彫りにし、浄化されていくプロセスを表しているのかな、と思いました。
全てが自分の帰る場所、という帰結はオムニバス形式の本作の締めには非常にふさわしいものだと思いました。ほっこりしました。ありがとうございました!

フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

 非常に美しいお話だったと思います。それぞれだけでも美しい情景が描かれる7つの掌編が、最後で1つにまとまる美しさ。この構成に心を打たれます。
 何にでもなれるがゆえに何にもなれない。どこにでも順応できるがゆえにどこにも帰れない。そんな自由のもたらす苦しみを主人公が実感しながらも、それと同時に自由であることの尊さを知る。『自由』を描く物語として、非常に完成度の高いお話です。そんな主人公のポケモンはなんなのか、メタモンなのかミュウなのか、あるいはドーブルなのかをあえて描いていないところも、主人公が何物でもないがゆえに何にでもなれる存在であることを強調しているところも、また素晴らしかったです。

水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆

子ペンギン編でわかることですが食う食われるが普通の野生世界なのに、黒狐が火蜥蜴を介抱してくれるのがね……やさしい。ありがとうを伝え、またありがとうを貰う旅。直接「ありがとう」と書かれていない章もありますが、ポッチャマも痣リザードンもそう言っているのが私には聞こえましたよ。誰も死なないキノの旅みたいな雰囲気ありました。
おなじ空で繋がった短編集みたいな文章構造ですが、冒頭から主人公の輪郭が次第に明らかになってくる展開もステキ。ゾロアークと手を繋いだところあたりで察することはできましたが、ジュペッタ編で屋敷の主人にへんしんして帰ってくるところがね……。あるはずのない急展開やら「帰れ」と突っぱねられるとこやらジュペッタの背負っているものやら、なんだかすごく圧倒されました。冒頭と末尾が空で統一されているのも、ぐるっと一周回ってきた感じがあってヨシです。
おそらくメタモンの主人公、何がキッカケでリザードンの姿で旅をするようになったのでしょう。生まれた研究所を破壊したミュウツーたちだって居るべき場所を探しているのに、彼には帰る場所はない……ミュウツー以上に凄惨な過去があるのでしょうか。これは好みの問題ですが、彼が生まれ育った大地を捨て空を居るべき場所と決めた過去を妄想させてくれるような終わり方のが好きだったですかね。
ポッチャマの「夢を持つことの大切さ」みたいな書き方がちょっとテーマから浮いているように思えます。あとゾロアークは幻影使ってほしかったなあ。そうすればもっと物語本筋のテーマに沿えたのでは?

セリさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆
はやめさん
評価:☆☆☆☆
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
白銀さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆
ionさん
評価:☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆
くちばシュウさん
評価:☆☆☆☆☆
コメットさん
評価:☆☆☆☆☆☆
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆☆