ゼンリョク祭とチャンピオンの苦悩の感想一覧

猫村さん
評価:☆☆

キャラクター全体が元気ハツラツで可愛かったです。

ラプエルさん
評価:☆☆☆

第一印象は「すげえ!ビンゴ真っ黒だ!」ってところでした。いやあすごい…よくぞここまで…
そこからの序盤でいきなりの弟子入りの展開、いやあ最初からバリバリに飛ばしててお見事でした!

無敗のチャンピオン。
デビューから野良バトル、公式戦、全試合を勝ち抜いてるってすごいなあ…敗北を知らぬゆえに強くなりたい弟子の気持ちがわからないけど、そこを自覚して他人に協力を仰ぎつつちゃんと面倒みてあげてるところが偉いなあと思いました。

>一度も負けたことのないトレーナーなんて、このアローラにはあたし以外存在しない。だから、この悩みは、誰にも相談できない。弱音を吐けば、それは強者のエゴになる。強いあたしは、悩んではいけないから。
 勝ち続けることの。負けを知らないことの。
 そして「最強」であることの苦しみなんて、『存在してはいけないから』。
 だからあたしは勝ち続ける。それが悔しさや劣等感、嫉妬みたいな感情を産みだすんだとしても、あたしは、完全無欠、最強無敵なチャンピオンであり続ける。それが、あたしの責任であり、義務だ。

>ポケモンたちをボールから出しはしない。出してしまえば、あたしの苦しみを受け止める義務を与えてしまうから。あたしはまた、歩き始めた。

普段リーリエたちの前では「天才だから」と自信たっぷりなミヅキも、内心ではこう思っていたのか…誰にも相談できない孤高の頂、そこで戦い続けるのは苦しいよなあ…傲慢で自信過剰じゃないだけにまさしく『苦悩』してるわけですね。
肝心のゼンリョク祭はイーブイとの付き合い方に悩み、自分なんか釣り合いっこないと自棄になったレンがミヅキに支えられ、進化によってパワーアップを果たして劇的勝利!カントーリーグを制覇しながらも産まれたてのロコンで戦うことでパワーバランスがとれるという発想もお見事でした!途中までトレーナーとしての力量で優勢だったリーリエ、それをパートナーとの絆で乗り越えたレン。熱い試合でした!

最後に!

>エプロンを付けて料理をするグラジオを想像し、あたしは思わず吹き出す。漆黒のハンバーグみたいな厨二全開の料理名にこらえきれない。
「ど、どうしたんですか?」
「いや、グラジオなら闇夜のカレーライスとか言いそうだなぁって」
「……もう少し、酷いです」
 リーリエは赤面しながらそう言う。あたしはお腹を押さえた。

ここ最高でした、読んでてめっちゃ笑いました!!言いそう!!グラジオめっちゃ言いそう!!
一人でいるときもエプロン着て(今日は闇夜のカレーライスでも作るか…)とか考えてるとしたら面白すぎます、最高!!!

北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆

 おおっアローラだ!! USUMの方は未プレイなのですが、大好きなアローラのみんなに再会できてうれしいです。
 原作キャラを書くのがとてもお上手ですね。うまく書けているというか、私が原作で見たリーリエやハウくんのきちんと延長線上に本作のリーリエやハウくんがいるなあと感じられるんです。解釈一致というやつですかね。特に再現度高ッ!て思ったのはククイ博士の台詞で、
>「たぶん熱中症だ……。順を追って、“でんこうせっか”で説明するな」
>「レンを捜しつつ、イーブイの手当てをするのは、“かげぶんしん”でもしないとできないからな。ミヅキたちに手伝って欲しいんだ」
>「ミヅキのそういう所が、僕は凄いと思うぜ。そしてリーリエ。ミヅキの見立て通り、レンはきっと、次来ることがあれば物凄いビルドアップしてるはずだぜ。大丈夫か?」
 このわざに例えて話す感じも~めっちゃククイ博士~!! ククイ博士ファンなので、読んでいて嬉しくなりました。また、喋り方だけでなく、ミヅキちゃんから見たハウくん観(最大のライバル発言、ハウとのバトルが一番楽しいとか、スカル団をもう出さないようなしまキングになれそうだしハウこそすごいという台詞など)なんかも、解釈一致というよりは「この二人の関係性いいなあ」と思わされるような二人になっていて、きっと作者さんはアローラメンバーのこと好きでしっかりと考察されてきたんだろうな~と感じました。原作キャラへの愛を感じられてよかったです。
 その中でインパクト大なのは主人公ミヅキちゃんのキャラ付けですね笑。この印象が一般的なのかは分かりませんが、私の印象だと「ネットでネタ的に見かけるメタなタイプのミヅキちゃん」だな、という感じです(それをこんなキチンとした小説に落とし込まれているのがなんだか面白くはありました)。アローラで唯一、ポケモンバトル無敗のチャンピオン。彼女の強さの根拠として、手持ちポケモンのモチベーターとして有能であるという設定があったのがめっちゃ良かったなと思います。サンムーンって(その前の世代からかもしれませんが)ポケリフレで仲良しになってるポケモンは自力で麻痺治したり攻撃堪えてギリギリ踏ん張ったりします……よね(曖昧)、あれって確かにモチベーターとしての主人公を慕っているからこその行動ですもんね。そのあたりを強さの根拠として設定に入れ込んでくるのが巧いなあと思いました。
 ミヅキちゃんが自分が強いことを全く否定・謙遜しないところが面白い。それでいて憎たらしいキャラクタになっていないところがまた見事です。そのうえで、

> ……本当に、キツイ仕事だ。半端な同情は断罪され、本心からの理解は不可能で。

 ここからのワンシーンがめっちゃ良かったです。挫折を知らないからこその葛藤。強者のエゴ。子供の身で負けを知らないままチャンピオンになった、一見完璧に見えてまだまだ不完全と言うミヅキちゃんの歪さ、その認知、自身の強さを受け入れながらそれに押し潰されそうになる弱さ、そのうえでどうにか正しくあろうと藻掻く彼女の心が、短いシーンの中でも巧みに描きあげられていました。アローラって主人公が初代チャンピオンになるんですよね、シロナとかダイゴみたいな主人公が指針とできるチャンピオン像が存在しているわけじゃない。だからこその、アローラチャンピオンであるミヅキちゃんに特有の悩みだとも言えるかもしれません。
 こういう感情って、一般的にはあまり共感できるものではなさそうだと思うですが、それでもミヅキちゃんの思いを読んで、グッとくる部分があるというのは、作者さんの卓越した文章力の高さの所以だと思います。そのミヅキちゃんのことを、ミヅキちゃんとして認めているリーリエたちが傍にいるのが、尖ってて固いけど脆くてそのまま地面に墜落したらきっと粉々になっちゃうミヅキちゃんの心を柔らかく受け止めてくれるクッションのようで、危うい不安定さの中にも「きっと大丈夫だな」と思わせる優しさを感じることができました。周りのみんながいるからこそ、ミヅキちゃんが強くあれるんだろうな。いいよね。
 レンくんのイーブイを思う気持ちも、危なっかしいながらまっすぐで胸に迫りました。一人の少年の成長とパートナーとの絆、チャンピオンとしての強者の葛藤、この二つの要素をうまくマッチさせて纏め上げられているハイレベルな作品だと感じます。お題全埋めもお見事でした。投稿お疲れさまでした!

円山翔さん
評価:☆☆☆

RR団→レインボーロケット団ですね。おそらく、ウルトラサン・ウルトラムーンをやったことがある前提で書いておられると思うのですが、遊んだことのない方、なじみのない方はちょっとわかりにくい表記かもしれません。その他、けっこうな頻度で略語(ポケセン、エーパラなど)が使われているのも、評価が分かれるところかもしれません。ミヅキさんが普段からそう呼んでいる、ということでしたら、そういう設定として読み取ることもできるとは思います。

 これだけ長いお話にも関わらず、テンポよく読み切ることができました。先に書いた表記が手伝ってのこともあるのかもしれません。
 主題はレン少年の成長物語だったように思います。弱いからと馬鹿にされたイーブイと共に強くなるため、ミヅキに弟子入りをする。めきめきとバトルの才を伸ばす中で、イーブイの体調異変に気付けなかったことに落胆し、イーブイと一緒にいても良いのかと迷い始める。最終的にはちゃんとイーブイと向き合い、イーブイはニンフィアも進化して。いろんな感情を乗り越えて人が成長していくというのは、いいなぁって思いました。
 そして、この物語の中で成長したのはレンだけではない。私はそう思っています。レンに弟子入りを志願され、ハウ、リーリエ、ククイ博士、トレーナーズスクールの先生や生徒たち……いろんな人と共に彼を鍛えたミヅキもまた、短い日数の中で少し変化したのかなって思うんです。無敗であるが故の悩みを抱え、頼れるのは己がポケモン達だけ。そんなミヅキも、レンと出会い、それ以前にハウ、リーリエ、グラジオ、他にもいろんな人たちに出会い、成長したんだって感じました。

夜月光介さん
評価:☆☆☆

16・ゼンリョク祭とチャンピオンの苦悩 主張するビンゴ フルビンゴ

台詞として登場した英語が『英単語』の域から出ない事が気にかかります。
日本語と英語が1つの台詞で一緒になっている場合、
満たすのかどうか非常に微妙なのではないでしょうか。
『日本語以外の台詞』って難しい言い回しですね。

ストーリー評価 60点 減点 -20 総合評価 40点

『感想』

見せ付けた努力と野心。次に見せ付けたいのは『明確なメッセージ』

主人公の悩みがあって、ポケモンバトルがあって……
と言う一連の流れはあるのですが、『何を伝えたいのか』と言う点は
ぼんやりしている様に見受けられました。この作品は
フルビンゴを目指し、自分の事前ルールによる判定でマイナスにこそなりましたが
とんでもない『野心』と『努力』をひしひしと感じています。

この作品を作る事で皆をあっと言わせたい。フルビンゴからはそんな気持ちが
感じられます。ただ、フルビンゴを目指した結果
物語で目指すものがぼやけてしまったと言う印象です。
とんでもない努力、そして小テーマを全て満たす為何度もチェックをした事でしょう。
この作品から感じ取れる『努力の痕跡』は至る所で見受けられます。
ただ、肝心のストーリーが霧の中へ消えてしまった様に見えるのです。

終わり方が唐突で、『あれ、この話終わったの?』と言う感じにもなってしまいます。
伸びしろと言うか、『もっともっと上に行ってやる』『実力を見せ付けたい』と言う
野望と努力は十二分に感じられたので、その野心を忘れる事無く
どんどん小説を書いていけば必ず報われますし、上位進出も狙えるでしょう。
文章的な粗は無いですし全く問題はありません。
また別の機会に、作者さんの光り輝く作品を読ませてくださいね。

草猫さん
評価:☆☆☆☆☆

えー、物語についての感想を書く前に、これだけ言わせてください。 ......ビンゴ全埋め、本当に凄いと思います。25個もの要素を、30000字以内に収めて書くというのは想像しただけでも凄い......。(凄いとしか言ってないぞ自分)
では、改めて感想の方、書かせていただきます!
この作品は、とにかくキャラがみんな立ってるんですよね。 原作キャラにも、この作品だからこその魅力が生まれていると思います。特にミヅキ。彼女からは、本来「ゲームの主人公」という立ち位置だからこそ起こってしまう苦悩がはっきりと感じられました。「主人公は負けない」というのを、体現しているようで......。だから、「負けた時の気持ちを分かってあげられない」というのは、主人公の強さの影のようなものを見た気がしました。でもそんな中でも、例え不得手であっても、レンの事を本気で思っている彼女はカッコいい。ミヅキの姿からはそんな事を感じました。
あと、ハウとリーリエですね。こちら2人も、本編からの成長を強く感じましたね。ハウがゼンリョク祭りの司会をしたり、リーリエはカントーのジムをクリアして、ロコンを立派に戦わせたり......。リーリエのロコンは、アニメを意識した感じでしょうか?
また、レンやニンフィアの成長もこれから楽しみになりました! カントーに帰ってから、彼らはどうなったのかな......?
サンムーンについて色々考察してみたくなった作品でした!
投稿お疲れ様でした!

BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆

 ビンゴ全埋め……その時点でインパクトマックスでした……! アローラの空気感と、レンやリーリエやハウくん、そしてミヅキがそれぞれ抱えている悩みや課題などがしっかり描かれていて入り込みやすかったです! ビンゴの要素も多く、描かれてる内容も多い、そんな中でとっ散らからずにきれいにまとまってるのすごいなぁと感心していました……!
 ミヅキは無敗のチャンピオンだからこその悩みがある、だけどそれを話せる相手は手持ちポケモンだけというのが一番刺さって、切ないなぁと思いました……! 最後まで行っても完全に解消されてなくて、これからもひたすら隠し続けるのかなと思うと、それが続けられるミヅキはとても強いんだろうなぁとも感じました……!
 インパクトと緻密さを両立させた一作、ありがとうございました!

ソラさん
評価:☆☆☆☆

負けたことがないのもまた1つの苦しみだと感じられるお話でした。
負け知らずな彼女は負けや挫折の気持ちがわかりません。
しかし、負けたことがない人の気持ちは彼女にしかわからないのである意味1番孤独なのは彼女なのかもしれませんね。
大切に思うからこそ自分が原因で傷つけられる事を恐れていたレン君が無事に1つの壁を乗り越えられたようでよかったです!

花鳥風月さん
評価:☆☆☆

ビンゴから感じる「お題埋めてやったぜ」という力強さ。作者さんのゼンリョクを感じます。

導入部分でミヅキちゃんのキャラの濃さを感じました。なるほど、気が強い系女子ですね。おしとやかな雰囲気のあるリーリエちゃんとの対比になっていてわかりやすいです。
そしてハウくん!おま……しまキング内定か……。名言された世界観ってのは感慨深いものがありますね。一方、主人公はミヅキちゃんでもRR団が存在していた世界線ということは、この世界はUSUMの世界線なのかな?
あとルナアーラをほしぐもちゃんって言ってるのも個人的にポイント高いです。伝説のポケモンではありますが、子ども達にとってはほしぐもちゃんなんですよね。

>「……あたしたちの関係は恋愛なんかじゃない。でしょ? もっと複雑で、もっと……とにかく、あたしに遠慮する必要なんて、何一つないよ」

ちょっと白い百合の畑を耕してきますね。

>エプロンを付けて料理をするグラジオを想像し、あたしは思わず吹き出す。漆黒のハンバーグみたいな厨二全開の料理名にこらえきれない。

こ れ す き
いや、これは想像したらめちゃくちゃ笑いますよ。ただでさえグラジオくん、ゲームでもアニメでも全開だったというのに。アニメに至ってはリーリエちゃんもどっこいどっこいだったような(このコメントは氷漬けにされました)

>あたしは黙り込む。リーリエの体温が、あたしの体温と溶け合う。リーリエが生唾を呑み込む音が聞こえた。しばらくの後、あたしは体を起こす。

とかなんとか言っていたら、さっき耕した百合の畑が花開いた模様です。

リーリエちゃんがアローラロコン使うの粋ですね、アニポケでの雄姿を思い出させます。このお話、リーリエちゃんがいちトレーナーとして登場している(すなわちミヅキちゃんやハウくんと対等な立場にいる)ということもあって、リーリエちゃんの魅力が存分に詰まってますね。

チャンピオンとして苦悩したミヅキちゃんが料理作ってみようかなって言うシーンが個人的にグッときました。これ、チャンピオンとしてのミヅキちゃんじゃなくて10代なりたてのひとりの少女としての成長って感じがして好きです。
リーリエちゃんとレンくんの最後のバトルでハウくんが審判やってるのもまた粋だと思いました。
レンくんとの別れからリリィタウンに戻るENDも、どことなく爽快な雰囲気が伝わってきました。

これはあくまで個人の好みの話にはなってしまうのですが。
序盤の「ミヅキすごい!」みたいな雰囲気の中に「でもミヅキは完璧じゃない」っていうことを誰かが知っているような、そんなアクセントを加えたら、中盤超えたあたりのチャンピオンの苦悩のシーンにより説得力が出るかなぁなんて思ったりもしました。あくまで個人の感想です!

みんなゼンリョクで生きていて、ゼンリョクで目の前のことに向き合って、ゼンリョクで笑顔をつかみに行っている。そんなことを考えさせられる作品でした。
投稿お疲れ様でした!

ptさん
評価:☆☆☆☆

まず何より全部埋めということで、これは評価しなければならないでしょう。

その上でいじめられるほど弱かったカントーの子がめきめき成長していく過程を、かわいいアローラトリオに囲まれながらテンポよく読み進めることができる快作だったと思います。ただ、傍から見たらバレバレの八百長ばかりでおだてられているレンがちょっとかわいそうにも思えました。
この話の主人公はレンじゃないんですよね。
強すぎるがために周りの人たちから遠いところに行ってしまったミヅキの悲しみを描いたお話なんですよね。
レンだけでなくロコンの育成することになってますものね。それだけでなくローラやカントーを制覇してしまったとか、バトルを見ていて手加減がわかるとか、あれがいいこれが悪いとか、完全にすべてを知っている天上人の立場から物を言っていますもの。天才なんだろうねとか言ってるし。それでいて、天才だからという理由しかないから、誰にも伝えることができないし、理解してもらうこともできない。
我々が現実世界でポケモンを完全攻略した段階のゲーム中の主人公って、きっとこんな感じなんでしょうね。
レンが無邪気に成長していく裏で、非常に孤独を感じます。「負けたことがない」なんて一番刺さるでしょう。事実刺されましたけど。
だからレンがガンガンレベルアップしていくと同時に、ミヅキも別に、レベルアップのための経験値を溜めていく。ミヅキの方は元のレベルが高いからまだレベルアップには至りませんでしたが、これからもアローラの仲間たちとうまくやっていく過程でレベルアップの瞬間は訪れることでしょう。
立場の異なる二人の成長物語。快作でした。

Pさん
評価:☆☆☆☆

「不敗のチャンピオン」の存在を描いた作品が他にも見受けられる中、新人トレーナーを狂言回しに「不敗であるからこそ普通のトレーナーと同じ視座を共有できないし、その自覚があるにもかかわらずそれを吐露することを許されない」という最強のチャンピオン・サンムーン主人公の苦悩を描く視点は新機軸と膝を打ちました。
スカル団という敗北にくじけたトレーナーたちの連帯が存在するアローラを舞台にしたことで、よりその苦悩の谷は深いものとなっていると思います。
特に後半、レンを止めた後のミヅキが一人で帰り道を行きながら内心で考え、手持ちへと話しかけるシーンはたった600字程度とは思えないほど彼女自身の立場への深い自覚やこれ以前から続く絶え間ない内省を感じさせ、これまで作中でも自他共に認める優秀なトレーナーとしての力を遺憾なく発揮し続けていたミヅキの印象を大きく変えるシーンとなっていると思います。
しかしそれほど考え続けてさえ誰に対しても口に出すことがなかったと思われ「このような悩みなど存在してはいけないのだろう」とまで考えていることに対し、リーリエがずばりと迷いなくそれを言い当ててミヅキも躊躇なく受け入れるという続くシーンは感動的ではあるのですが少々唐突である印象を受けました。
しかし相談しようと真っ先に考える相手として挙げ、またそれに応えたり、それぞれの間に結ばれた深い絆や個々の成長を感じさせる描写を細かく挟んでいることはアローラを舞台として不敗のチャンピオンの話をしようとしたことと同じく、舞台の時間軸と特性を最大限に活用している点だと思います。
一番好きなのは祭りのバトルを取り仕切るハウの口上です。原作中で見たそれはてっきりハラの口調によるものだと思っていたんですが、あれが決められた口上であるとするならそれが似合う貫禄が片鱗でも出ているんだろうなと。

乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆

島巡りを終えて数年後でしょうか? アローラ4人組(一人はほとんど出てきませんが)のお話ですね。セリフ多めで、かつキャラもそれぞれしっかり立ってて読み易かったです。ミヅキがやたらサバサバした感じだったり、ダブルカップルが成立してたり(ヒューヒュー!)、実はミヅリリだったりと独自の世界線が描かれていて、面白かったです。中~高校生くらいのイメージで読んでいました。そうするとゼンリョク祭にリーリエが参加するのってどうなんだろうとか思っちゃうけどちょうどいい若者がいなかったんだからしょうがないよねってことで自分を納得させてます。ほんと、なんか青春。めっちゃ好きです。
この作品でのミヅキはガッツリ4人組のリーダーですね。一番先頭に立って、全員の進む方向を強引ながらも決めていってしまう。何だかんだ言いながらも、それに周りがついていく。このつるんでる感がなんか田舎の若者っぽくていいんですよね……最高です。
レン君の面倒を見ると言いつつ自分が直接指導するのは不適と見て、誰をどう巻き込むのが最適なのかをサッとはじき出せるこのミヅキの采配は中々にかっこいいと思うのです。

本当のミヅキの悩みを共有できるのは彼女の手持ちだけ。一緒に戦いを潜り抜けて来た、彼女だけの絆。この考え方が凄く好きです。
表立って描かれてないことではあるのですが、ミヅキは恐らく手持ちに対してとんでもない愛情を注いでいる気がするんですよね。遠い将来、ミヅキの手持ちが寿命とかで死んでしまったら、彼女は物凄く悩みそうだなぁ、と考えてしまいました。自分の半身を失うような思いをするんじゃないだろうか。彼女の次の試練は、そのタイミングのような気がします。

カイさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

(読み始めて10秒後にハウを発見し、もんどりうって感激にふるえた後、私の最愛のポケモントレーナー、ハウという男がこの企画において2つもの作品で描かれているという事実を神に感謝し、作者様に感謝し、企画主様に感謝し、涙を流しているすがた)

はー……
ありがとうございます……
ハウ登場による私のテンションマックスポイントは、6「山あり谷あり笑顔あり!」だったと完全に油断してました。まさかハウが出てくる作品がまだ来るとは思っていませんでした……いや実はタイトル見てちょっと期待したけど……でもまさか10秒でその期待が回収されるとか思わへんやん……ありがとうございます。ハウを描いてくださって本当にありがとうございますうぅぅぅぐすぐすぐす……。
この作品の主人公はハウではないので、ハウのことばっかり話すのもどうかなーと思ったのですが、だからこそハウのことばっかり話すのは私ぐらいだろうなーとも思ったので、開き直ることにします。
まずはこの作品のハウで好きなところゼンリョクで語りますね!

一番好きなのは、ゼンリョク祭りの司会&審判するところです!!!
もう~~~超カッコイイ~~~!!!ハラと同じ言葉を、壇上で紡ぐハウかっこいい……心臓止まるかと思いました。でもその直前は駆けて来て舞台に飛び乗ってるし、口上述べる前に「えっとー」って言っちゃってるし、カッコよさに不慣れさによる愛らしさが加わっているとか、今年のゼンリョク祭りでしか見られない姿じゃない…???はあ~~~尊い。
というか、この作中のハウはもしかして、しまキングなのですかね……?時々それらしい表現もあったのですが、今しまキングでなくとも成立する感じもあったので、どっちかな~とドキドキしていました。ハラさんもご健在っぽいし。まあいずれにせよハウがかっこいい事実は変わらないんですけどね。ハウは素晴らしいしまキングになりますよね、超分かります。

>「ホント、ミヅキには敵わないよ」
> ハウはそっと呟いた。その笑みはしかし、ほんの少しの悔しさを滲ませているようだった。
ここいいなあ~……。このハウがふっと見せるミヅキへの嫉妬、アローラポケモンリーグの初挑戦権あるいは頂点を賭けて戦った原作のシーンを思い出しますね。でも本気の悔しさが、ハウをもっと強くするってこと、私は知っていますとも!とか思っていたら終盤でちゃんと回収されていました(負けたレンくんを慰めるところ)。己を見つめ、後進に指導もできるハウはさすがですね。かっこいい!!

船上でレンくんを励ますハウ。
優しいな~。さすが新たなスカル団を生みださせない意気のある男。ここはミヅキとリーリエのシーンだからこそ、背景としてのハウとレンの存在が好きです。はーもうハウ優しい&かっこいいで非の打ち所がなさすぎて不安になっちゃうレベルだな。

グラミヅ&ハウリエ世界線。
……マジか!!!突然2組のカップルが成立していた事実が明かされたのでびっくりしました(笑)。いったいどんなきっかけがあったのか……。しかし「お似合いさん」と煽られたぐらいで動揺する辺り、ハウとリーリエはまだ付き合いたてなんですかね。可愛いなあ。
ところでハウリエというカップリングに「最強のミヅキ」「ミヅキを慕うリーリエ」という要素が入ると、「リーリエのことについてもミヅキに勝てないハウ」という構図が発生し、そこにエモーショナルな部分を見出すという話を聞いたことがあるのですが、本作の作者様はそれも意図されていたのでしょうか。私はハウリエについてはあまり教養がありませんので、機会があればお伺いしたいところです。……っていうかこれ実はミヅリリですよね?

>「あ、おれはハウー! ミヅキの友達だよー!」
>「そしてあたしの最大のライバルよ。
ミヅキとハウの関係でいえば、冒頭のここも好き。最強のミヅキちゃんが最大のライバルと認めているハウ。うーん、いいねえ。
この、最強のミヅキっていうのが、すごくいいキャラしているんですよね。ゲーム中の主人公(プレイヤー)って、通常負けないんですよ。あるいは負けをなかったことにされて勝つまで同じイベントを通過する。このメタ的な事実を、非常に巧くキャラクターに落とし込んでいるなと思いました。ミヅキ自身が最強を自負していて、ともすれば鼻につくような描写すらあったのですが、それが後半の「最強であるが故の孤独と苦悩」に綺麗に繋がっていく。いやーお見事でした。やっと作品の感想らしいこと言えました。

一つ気になったことがあるのですが、これ、どちらのアローラですかね?
というのは、サン・ムーンの世界(ルザミーネがウツロイドと融合した)と、ウルトラサン・ウルトラムーンの世界(RR団がいる)が両立しているんですよね。リーリエとグラジオをどちらもアローラに留めておくための、あえてのフュージョンということでしょうか。SMとウルトラの世界を混ぜちゃうっていう発想はあまり持ち合わせていなかったので、かなり新鮮でした。ここはもはや私の知っているアローラではない……いろんなアローラがあるんだなあ。私の知らないアローラで生きる、ハウや他のみんなやポケモンたちの姿が見られて、とても楽しかったです。ありがとうございました。

あー言い忘れてた。お祭りの準備を指揮しているハウもかっこよかったです!やっぱりこのハウしまキングじゃないかな!?かっこいいね!!!

投稿お疲れ様でした!

rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆

 原作キャラクターたちの空気感を上手く表現していた作品でしたね。これだけの文字数のものを一つの作品として完結させていることがまずすごいと思います。
 主人公が弟子入りを求めてきた少年に対して自分よりもリーリエのほうが向いていると考えるシーンなどはっとするような考え方でした。
 ただ個人的には主人公にあまり共感できなかったです。いや、作品のテーマとして共感できないことにはなんにも問題はないと思うのですが、主人公があまりにも強者の考え方に身を任せすぎていて、悩みというものがあまり見えなかったです。この主人公はやりたいことやってます。

照風めめさん
評価:☆☆☆

無敗ならではの悩み、なるほどなあ。
悩みは誰にでもあるもので、それを表面に出すことはとても難しい。だからこそ内側に抱え込んで余計重荷を感じちゃうんですよね。
レンと向き合うことでその悩みが表面化してしまうというお話の流れが面白かったです。
ハウやリーリエたちと主人公の関係性もとっても良かったです。
特に主人公とリーリエのやりとり! そういうのたまらなさすぎる!
レンも最初は相性さえわかってなかったのに、最後のゼンリョク祭ではしっかりと戦える素敵なトレーナーになっていたのも良かったです。
この作品の中では主人公の悩みは完全には解消できませんでしたが、いつかその日が来るといいなと思いました。

フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆

 すべてのお題を盛り込みつつ、きちんとお話をまとめているのがお見事です。もともと話し方の特徴がはっきりしている原作キャラが多いとはいえ、多人数で会話していても誰が話しているのかをちゃんとわかりやすく書いている気遣いがなされているのもグッド。
 アローラで無敗を誇るミヅキが無敗ゆえの弱さを抱えている、そしてそれをミヅキ自身が自覚していてそれを悩みにしているというところ、彼女の人の良さがにじみ出ていて好きです。

坑(48095)さん
評価:☆☆☆

 エーパラって略すんですね……! エーパラ……

 優秀であるからこその苦悩が見事に描かれていたと思います。優秀だから、出来がいいからといって、人に教えるのが上手かどうかはまた別の話。それを彼女自身がよく理解しているというのもよかった。
「……その秘訣、なんてものがあればよかったんだけどね。これは単に、あたしの才能としか言いようがない」
 この台詞がとても彼女をうまく表していて、印象的でした。

しろあんさん
評価:☆☆☆☆

ビンゴ全埋め作品だー!凄いです!このポケスト25の企画が発表された時は、「もしかしたらビンゴ全埋めしてくる作者さんが現れるんじゃないか?」と密かに期待していたのですが、いやぁ、現れましたね。お見事です!
内容としては、私がSM未プレイで主要な登場人物の事ぐらいしか知らないのですが、割と分かりやすいストーリーラインだったと思います。強くなりたいと願うレンくんと、挫折を知らないが由にアドバイスをしてやれないミヅキちゃん。お互いが何をどう悩んでいるのかというのがすぐに伝わってきました。
ただ、レンくんが自殺に走っちゃおうとするところの動機付けがちょっと弱かったかな、と感じました。イーブイの事を想っているからこその行動なのでしょうが、実質的にはレンくんの下で強くなろうと努力しているイーブイを裏切ろうとしている訳ですからね……ミヅキちゃんが必死に止めてくれて良かったです。
その後のリーリエとの対戦シーンで、イーブイがニンフィアになる所がまた良いですよね。やっぱりレンくんとイーブイはお互いに信頼し合っていたんだという事が分かりやすく表現されていました!

投稿、お疲れ様でした!

早蕨さん
評価:☆☆☆

 ミヅリリ……? ミヅグラ……? リリハウ……? いろんなものを読ませていただいて、大変満足です、ありがとうございます……!
 原作キャラが動いているところっていうのはやっぱりThe 二次創作っていう感じで読んでいて楽しいですし、わくわくしますよ。ただこれをやる上で怖いのが、解釈違いですよねえ……。こういうキャラの描き方もあるんだなあと思えますが、そうじゃない人がいる、かもしれないですよね。
 そういう意味では、ミヅキのキャラクターはまるで自分がゲームをやっているときのミヅキの姿に感じました。読者がゲーム主人公に感じる無敗のイメージは、この作品のミヅキのイメージに直結するのかもしれません。性格や話し方までは同じ解釈ではないかもしれませんが、無敗に義務や責任を感じてるのかもなあって考えるところは皆さん共感されるのかもしれませんね。
 ただ、タイトルにもなっている苦悩の部分が、あまり強く感じられなかったかなとは思います。無敗であるミヅキは、適材適所で良い、自分にはわからない出来ないと言っていますが、レン君との関わりやバトルを見て、自分も少し変わらなきゃな思い直したという事ですよね。
 無敗じゃなくてもいいんじゃないかという結論ではないんだとは思いますが、ミヅキの中にも道は新しい道が示されているというか、違う可能性を見いだせたという展開は納得感ありあすし、良い終わり方だなと思いました。ただ、苦悩している様子とか、ミヅキが天才たる所以とか、露骨に持ち上げられているシーンとかがあると、もっと納得感が上がるのかなあと思いました。
 投稿、お疲れ様です!

雪椿さん
評価:☆☆☆☆☆

ビンゴを全て埋めた、作者様の努力と苦労が垣間見える話でした。私だったらアレを全て埋めようとしたら、どこを削っても余裕で制限文字数をオーバーしてしまう……。
他の方の感想で気が付いたのですが、ここはSMとUSMをミックスしたような世界観なのですね。確かにミックスさせないとリーリエもグラジオも一緒にいることができませんからね……(あれ、USMのグラジオは帰ってくるのでしたっけ←うろ覚え)。
一度も負けがないからこその苦労は、読んでいて確かにそうなるよなと思いました。一度も負けていないのに同情されたら更に気分が落ち込みそうですし。ポケモン達だけでも闇を受け止める存在がいてよかったなと思いました(完全に闇を吐き出しているわけではありませんが)。先の展開を読む限り、これからはリーリエのことも頼るのでしょうか。頼れる存在が増えるのは彼女の心の安定にもつながると思うので、いい傾向だなと感じました。
これから町に戻る終わりが新たな始まりを迎えようとする(変わろうとする)彼女のことを表しているようで、スッキリとした読了を得ることができました。

春さん
評価:☆☆☆☆☆

 よくぞ全ての小テーマを使いきったもんだなぁすげぇ!!!っていうのが初見の感想です!いや~その点に関してはほかの人も絶対びっくりしたし、同時に「とうとう来たか……!!」って感じたんじゃないですかね~!!私も真っ黒なビンゴ見た時は「∑(・ロ・;)!?」って顔になりました!
 さてさて内容なのですが、しっちゃかめっちゃかかと思いきや、ちゃんとストーリーラインもあって、まとまりもある内容だったと思います!さらにすげぇ!!個人的にはミヅキちゃんが凄い好きです。最強であるが故に、悩むことは許されず。共感することは許されず。弱さを持つことも許されず。キャラクター単体でポケスト25を評価した場合、もしかしたら一番好きなキャラクタかもしれません。いやぁ、ストーリーとセットになってるからバラ売り?は出来ないんですけどね……どうしてもストーリーや刺さった度合いと合わせての評価にはなっちゃうんですけど、この作品のミヅキちゃんの設定というか、考え方というか、立場が凄く好きなんですよ。特に「半端な同情は断罪され、本心からの理解は不可能で。」って一文がめちゃくちゃ好きです。「負けたことないけど君の気持ち分かるよ!」とか「分かろうとしちゃいけないの!?」とか、「あなただって私の気持ちは分からないんだから、同じじゃない!」とか、なんというか、そういう流れも嫌いではないんですけど、それで急に分かり合っちゃったり、納得しちゃったりするのは、「本当にそうなの?」ッて問い直したくなっちゃうというか……ひねくれてるとそういう流れを素直に受け入れられなくなるんですかね~……。だからこの一文、というか、この一文に限らず、レンが自殺しようとしてから、それを止めて、ミヅキちゃんの独白シーンが終わるまでの文章が、安易なものやどっかで見たような展開ではなく、「この作者さんの実体験か想像かは分からないけど、きっと凄く考えて考えて、悩んだ末の結論としての文章なんだろうな」って伝わってくる展開だったのが、凄く良かったです。いや、完全に想像なんですけどね。そうだったらいいなぁって願望かもしれないですが、私はそう感じました。レンの言い分もすごく分かるんです。「天才じゃないから無理」そう感じてしまうのも仕方がないし、挫折すればするだけ、それは遠いもの、手の届かないものに感じると思う。ミヅキがそれに対して、「やめて!」って叫ぶのもすごく良かった。それを押しつけられることは、事実そうだったとしても、すごく苦しいことだと思います。「だから、あたしは理想を語ることしかできない」「理想なんて、意味ないよ……」ってやり取りも良かった。良かったしか言ってないな……。今を苦しんでいる人間にとって、理想のなんと重たいことか!てっとり早い解決方法、苦しみを取り去る方法が欲しい。医療関係の言葉で思い出したのが、『“痛み”というのは、その人の人間性を奪い去るもの』というものです。痛みはその人の思考を奪い取り、それしか考えることができなくなってしまうのです。その人の意識を“痛み”という“今”に縛り付けるもの、と私は聞きました。過去も未来も奪い取るから、“人間性を奪い取るもの”なのです。レンは体の痛みこそありませんでしたが、心の痛みによって自殺しようとしました。“今”“この瞬間”の痛みを取り除くことしか、考えられなかったのだと思います。けど、だからと言ってレンを責めることはできないと思います。痛みというのは、それだけ強いものだからです。
「僕のせいで、イーブイに迷惑をかけたくないよ……でも僕は弱いから……いつかまた失敗しちゃうから……」
ってセリフもすごく良かったです。“いつかまた失敗をしてしまう”という恐怖は、失敗したことのある人なら誰でも一度は感じるものだと思います。レンの気持ちが凄く分かるんですよ。このレンのセリフは、凄く人間らしいんです。同じ失敗をしてしまうのではないかという恐怖心、イーブイを傷つけたという罪悪感。それを受け止めるためには、強い心と勇気が必要です。それか、すべてから目をそらすか。レンは目をそらせず、正面から立ち向かって、その重さにたえきれず、自殺に走ってしまった。ミヅキのフォローがあったとはいえ、レンが踏みとどまり、イーブイの下に戻ってきたのは、素晴らしいことだと思います。ある意味で、レンはミヅキよりも強いのではないでしょうか?私は、失敗しない事よりも、失敗から立ち直り、再度立ち向かう事の方がよほど難しいことだと思います。失敗への恐怖心、周囲の視線、羞恥心。最初から全てをやり直すよりも、立ち向かうべきことが数多くある。けど失ったもの以上に、得るものは必ず多い筈です。だからその点で、負けを知らないミヅキよりもレンは強いと思いました。
 それはそれとして、ミヅキのキャラクター性はとても魅力的です。負けを知らないチャンピオン。孤独な頂点。凄く好き。実は自作でもミヅキみたいに、負けを知らないキャラをサブで出したことがあって、それだけにミヅキには懐かしさと、強く惹かれるものを感じたし、「あ~やっぱりこの系統のキャラすごい好きだわ~」ってのを再認識することができて嬉しかったです。最強ゆえの苦悩……いいよね……!!
 ちょっとレンやミヅキに思うところがありすぎて自分でも何書いてるか分からなくなってきたのですが、とにかく、ミヅキがめっちゃ良かったラブということです。ありがとうございました!

トビさん
評価:☆☆☆☆

>でも、あたしの無敗伝説において、ほとんど最初に位置する苦戦がこれな訳で。それを辛うじて超えた辺りから、あたしはどこかおかしくなってしまったような……そんな気もする。 ミヅキはとても自分の感情に素直だなと思います。ミヅキ自身がが今の立場に居る事を、自分自身がそこがおかしくなっていると感じている、しかし>「運ゲーだって立派な戦術ですーだ」 と自分の能力を肯定しているところが面白い。ミヅキの苦悩、負けたことが無い、これからも勝ち続けなければいけないというキャラクタとセリフが新鮮でした。ミヅキはポケモンの扱いが上手いが、家事などは出来ないという設定も面白いと思います。最終的にはミヅキも>「……あたしも、料理とか、作ってみようかなって思う。たまたま得意と世間の需要が一致しただけのあたしが楽な道を歩いてるの、ズルいと思うから」 と言っていますが、自分の能力を生かせるところで生きるべき、自分を >信じる心 が大切というメッセージも込められているような気がしました。また、ポケモンと深い絆を持っているミヅキだからこそ、なげやりになってしまったレンくんを絆すことが出来たのだろうとも思い、それがあったからこそのニンフィアに進化したというストーリーは、とてもいい着地点だなと思いました!

逆行さん
評価:☆☆☆☆

アローラのキャラクターが活き活きとしていてすごく面白いお話でした。ミヅキをはじめ、リーリエ、ハウというオールスターをうまく動かしていると感じました

ミヅキちゃんが先生に苦戦した所がすごく面白かったです。自分も実際に苦戦しまくりましたわ。特にコイルね。序盤から鋼タイプはずるいですよね。しかもアゴジムシのどろかけでせこい戦法やられたのを先生が未だに恨んでいるっていうのが……。別にせこくはなくて普通の戦法だと思うのですが、ゲームの世界の住民からしてみれば、「いやどんな戦法だよ!」って突っ込まれそうです。

>「いや、グラジオなら闇夜のカレーライスとか言いそうだなぁって」
>「……もう少し、酷いです」

ここが最高に笑いました。闇夜のカレーランスよりひどい表現なんですねwwグラジオのキャラクターをリーリエはよく分かっていますね。

レンくんが自殺未遂しちゃう所は難しい所ですね……。そこまで追い詰めていたことを表現したいのかもしれませんが、ちょっと行き過ぎているかもしれません。飛び降りちゃうんじゃなくて飛び降りるか迷っている所をミヅキちゃんに止められるぐらいが、丁度良かったかなあと思います。

ミヅキちゃんの悩みがなかなか独特でした。天才特有の悩みなんですかね。勝ち続けているせいで、負ける気持ちが分からないというのは、そこまで共感できるものではないし、恐らくそこまて作者さんも読者に共感させようとは考えてないと思います。だって、読者に共感されてしまったら、「この悩みは誰にも相談できない」という主人公の悩みが矛盾してしまいますからね。
でも実際、人にノウハウを共有できないというのは、天才の弱点なのかもしれませんね。そういう人って結構多いかも知れません。特にアローラの場合キャプテン制度があったり、実力者が新人のサポートするという文化が根付いています。アローラの覇者にまでなってしまうと、他人の育成ができないというのは結構致命的なのかもしれませんね。っていうことを考えると、納得できます。

内容的には良い感じに纏まってはいました。「自分だったらこうするのに……」みたいな所はすごくあるんですが、これはこれで一つの完成形だと思いましたね。地の文を少なくして会話文で話しを進めている所とか、自分とかはやらないんですけど、描写をなるべく減らすことによって、展開が多くても3万文字で収められているんですよね。たぶんポケスト25の作品でもっとも展開が多かったと思います。こういう書き方もあるんだなあと思いました。

最後リーリエがロコンと一緒にいると決意する所も、本筋とは関係ないので、いらないといえばいらないんですが、これはこれでありかなあと思いました。蛇足なんですけど、なぜか綺麗に纏まっている感じがしました。

後この作品、何気にビンゴ全部埋めてるんですよね。これもすごいと思います。「リンパ線」みたいな難しいお題もさりげなく回収していましたね。

主人公の悩みを始め、非常に独特なお話であり、自分も勉強になる所がこの話はありました。投稿お疲れ様でした。当日滑り込みを除くと、これが一番最後の作品なんですね。

水のミドリさん
評価:☆☆

会話劇だ! 冒頭から続く複数人での会話も誰がどのセリフを言っているのか混乱しないあたり、作者様は原作を相当やりこんだのでしょう。ククイ博士の口調とかそのまんまで感動しました。私はアニメも見ているので彼らの声がすんなりと再生できましたが、そうでない人は読むのに苦労しただろうなあ。ポケモンSM(とくにUSUM)をやっている人に読み手を絞る英断は素直にすごいと思います。唐突に挟まれる恋愛要素にドキッとしますね。なんかイチャつきはじめたミヅリリにはわわ……となりましたがふたりとも浮気してんじゃーーーん! ピピーっ不純同性交遊ですよ!
ゲーム基準で負け知らずのミヅキが、カントーから来たレンを引っ張り回し、バトルを叩きこむという展開。ミヅキのキャラが強烈ですね、『もう超えてしまったから』とカントーのジムリーダーのサインをいらないと切り捨ててしまうの、強さに取り憑かれてるナァと思います。無敗チャンピオンな彼女の言う「あんたは強い!」「まぁ、悪くはなかったよ」って嬉しいですけど、ある意味中身が伴ってないんですよね。そういったミヅキの言動が出てくるたびゾワリと心がささくれ立ちました。なんて鼻に付くチャンピオン! たぶんレンも同じ気持ちだったんじゃないかなあ。そりゃ勢い余って崖から飛んじゃうのも肯けます。
超絶天才主人公が駆け出しトレーナーなレンにどうやってバトルを教えるか気になっていたのですが、対戦相手にスクールの先生や生まれたてのロコンを用意するのいい工夫ですね。しかし俺TUEEE! 小説から脱却しきれていないところがなんとも……。ルナアーラでイーブイを一方的に弄ぶの、読んでいていたたまれない気持ちになっちゃいました。こればっかりは肌に合わない、としか言えないのですが。
グラジオが作った『漆黒のハンバーグ』ってそれ単に焦がしただけでしょ! 私しってるんだからね!!!

まーむるさん
評価:☆☆☆☆
セリさん
評価:☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆
はやめさん
評価:☆☆☆
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
白銀さん
評価:☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆
ionさん
評価:☆
不壊さん
評価:☆☆☆
くちばシュウさん
評価:☆☆☆
コメットさん
評価:☆☆☆☆
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆