デザインジーニアスの感想一覧

北埜とらさん
評価:☆☆☆☆

 この作品はなんといっても緊迫のバトルシーンでしょうね、異能バトル的要素でも魅せながら、UBの桁外れの恐ろしさと言うのが極めてよく表現されていたと思いました。SMで軽い気持ちでフェローチェとバトルして手持ち全滅させられたことを思い出しましたよ……笑
 立待の月、メレメレの花畑、花弁の舞う美しい月夜に浮かび上がるフェローチェの白い体の輝きが目に浮かぶようです。ゲッコウガや11さんと繰り広げられるバトルの息を呑むほどの壮絶さも手に取るように伝わってきました、特にフェローチェの蹴りの一撃の凄まじさというのが挙動攻撃結果描写語彙実によく描かれていて凄い。壮絶さとは、美しさと紙一重であるのでしょうね。かっこよくて圧倒的で実に美しいバトルシーンでした。好きなのが、異世界からやってきた異物であるフェローチェが、知らないはずの「トレーナー」という存在を理解・学習して、そちらを先に潰そうと動いてくるという展開。UBの身体能力が強力なだけでなく、知能も持ち合わせているという点が、この化物のヤバさを如実に表していますよね。そこからの決着も、過不足のないハイレベルなバトルシーンに仕上がっていたと感じます、う~ん実にお見事でした。
 ドゥーズさん、トレーズさんのお名前はフランス語で12、13。ドゥーズさんと11さんの間ではイレブン、トゥエルブというという英語?数字?の名前で呼び合っている。なんでだろ……? 眼の色などを見る限りトレーズさんもミュウツーなのでしょうね、「おとうさん」と表現されているトレーズさんのことも、ドゥーズさんのことも11さんのことも、それからカナメさんのことも、本作を読む限りでは考察材料が少なくて、どうやって生きてきて今は何をしているのか、はっきりと分からないのですが、作品全体に漂うどこか陰鬱な空気感や、合間合間に挟まれる過去回想のようなパートの雰囲気はとても好きでした。連載作品の一話のような作品でしたね~私もニャスパーちゃんにちゅ~る食べさせてみたいです。投稿お疲れさまでした!

円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆

 ドゥーズが非常に特異な道を歩んできたことがひしひしと伝わってきました。11との会話然り、途中途中で挟まる回想然り。彼女の性格はそれゆえなのでしょうか。回想で名前のみ出てきた「カナメ」という人物が気になって仕方がありません。
 バトルの描写が素晴らしかったです。……ごめんなさいこれ以上に上手いこと書ける気がしません。一瞬でも気を抜いたらやられてしまうという緊迫感、UB:BEAUTYの攻撃のすさまじさ。ゲームでは普通のポケモンとあまり変わらない印象しかなかったものの、実際に相手取ったらこうなるのかもしれないと思うと、背筋が冷えます。そんな様子が素晴らしく描けていると思いました。
 鈍感な私は最後までタイトルの意図に気付けなかったのですが、フェローチェの体の造り、もしくは11と12が造られたことに起因する何かでしょうか、と思っています。

ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆

>「…違う。消耗が少なかったんじゃない、消耗する『暇が与えられなかった』からだ」

序盤でのこの言い回し素敵でした、負け惜しみともとれますし相手の凄まじいスピードを表現しているともとれますし…ほんの些細なことなのかもしれませんが、この表現かなりお気に入りです。

『きょうだい』の中で唯一、メタモン細胞を人間の形にとどめているドゥーズ。『きょうだい』たちは一体なんだったのでしょうか、ミュウツーのコピー体をたくさん作って競わせたりデータを取ったりする研究対象なのかな…?
11以外の他の個体、カナメたちを殺して何処かへ消えた『いちばんつよくてこわいきょうだい』のことも気がかりです…凶暴性が強かったから破壊の限りを尽くしたのかなあ。

>自分も相手も納得して戦わねば最大限の力など発揮できるのは不可能であり、またそれを実行させるのも共に多くの場数を踏んで経験を積まないと互いの呼吸が合わない。現時点でそれが100%実行できるのがゲッコウガと11だけなので、ドゥーズが本気で戦う時にはこの二体を連れて行くのだ。

終盤のバトル、ドゥーズは11と精神接続してメガシンカのパワーを発揮していました。それならば100%同じように呼吸を合わせて戦えるゲッコウガももしかして、きずなへんげのような状態でシンクロしながら戦えるのでしょうか…
そして、ドゥーズは自身の能力で歪ながらも『きずな』を作れたからメガシンカできたのか、それとも二人は凸凹ながらも絆が通じていたのかなあなんて思いました。『奇妙な絆』と表現された二人の心、果たしてどれくらい本当に繋がっていたのかなあ…?

凄まじいスピードと爆発的なパワーで息もつかせぬ猛攻を見せつつ、戦局を見てすぐ司令塔であるドゥーズに狙いを切り替える。フェローチェ、本当に手強い相手でした。そして、読み手側に『手強い』と感じさせることができたのは間違いなく作者様の文章力によるものでした。いやあ、まるで映像を見ているかのような臨場感…一瞬で襲いかかるフェローチェ、懸命に応戦するゲッコウガと11、そしてドゥーズ…リベンジマッチの熱量は凄まじかったです!

蛇足ですが、

>わたしの他にも「12になれる個体」は沢山いるんだってこと。その証拠に、今わたしの目の前にある大きな水槽には沢山の「わたし」がいた。みんな眠っている。わたしと同じ顔で、わたしと同じ体で、わたしと同じ色のわたしが沢山眠っている。

>わたしはわたしたちが眠っているボタンに手を伸ばす。わたしの代わりなんていらない。ここはわたしの場所だ。わたしの代わりに別のわたしがカナメに甘えるのなんて許さない。お前たちの場所なんていらない。わたしの場所を取らないで。取られるのだったら、次なんていらない。わたしが上手くやればいいだけなんだから。わたしは天才なんだから。わたしが、12番目のミュウツーだから。
 ごぼごぼと音を立てる水槽の中で沢山のわたしが崩れていく。その中でたった一人が目を覚まして、わたしの目を見た。「なんで?」と問いかけるあの顔が、あの目が、今でも忘れられない。でもこれでいいんだ。わたしは悪くない。わたしはひとりでじゅうぶんなの。

ここのシーンや精神接続の要素、エ◯ァンゲリオンをイメージされたんですかね?
もし違っていたら大変申し訳ないのですが、ポケモンの世界観を破壊することなく上手に絡ませていて上手だなあと思いました!

ptさん
評価:☆☆☆☆

人工ポケモンの11番目の個体として人間とリンクするミュウツーと、そのチームのお話でよいのでしょうか。
地の文ではプロである人間とチームの高い自尊心が見え、UBに対するリベンジにこだわる一方で、挿入される11の研究対象時代の思い出から、自分が承認されるという欲求があけすけに吐露されており、結果UBを下し、自尊心と承認が侵されることなく安心させられました。最後に一人と一匹がこう統合されるのですね。

夜月光介さん
評価:☆☆☆☆

29・デザインジーニアス 主張するビンゴ・1

伝説・幻のポケモンを登場させる

ミュウツーのみ。この小テーマは本当に判断が難しいですね。

大人を出す

間違いなく20歳以上だと思われる男性が登場しています。

本文を一万五千字以上にする

23000文字。成立しています。

劇中でポケモンバトルをする

間違いなくポケモンバトルを行っています。

劇中で日本語以外のセリフを使う

一言台詞が多いですが、『単語では無く台詞』と感じる箇所がある為
成立しています。

ストーリー評価 70点 減点 -10 総合評価 60点

『感想』

ポケモンと人間の中間にいるもの。『デザイナーベビー』の究極形。

『デザイナーベビー』と言う単語、皆さんは知っているでしょうか。
人の細胞や染色体を受精卵の状態の事から自在に入れ替えて、
『完璧な人間を作る』計画及びその計画によって生まれた人間の事です。
もしこれが上手くいくのならば、10m位高くジャンプする事が
出来る人間や、泳いでも疲れを知らない人間、人間の何倍も頑丈で
パンチ力が通常の数倍と言った様な、まさに超人を作る事が出来る
技術であるとされています。

人間が最強のポケモンと合体し、キメラになったとしたら。
ミュウツーの細胞と人間の細胞を組み合わせた、『人間ならぬ人間』が
誕生したとしたら?この作品はそんな『もしも』に焦点を当てた
ストーリーが展開されます。過去に自分もそういった事を妄想し、
そういったキャラクターを作った事がありましたが、
経過及びその実態をリアルに描写したと言う点においては
作者さんの実力の方が遥かに上でしょう。

ポケモンの心にリンクして、ポケモンの潜在能力を極限まで引き上げる力。
まさに一心同体となり、強敵に挑む『ミュウツーと人間の中間』。
『怪物』ならでは過激な思想と独善的な性格は、ポケモンの強さが人間に
宿った故の『副作用』と見る事も出来そうです。
自分勝手だから、他の『自分候補』を消してしまう。そして自分が
完璧だと思っているからこそ、自分の勝利を信じて疑わない。
まさに『人間の姿をしたミュウツー』であり、作者の方はそれを意識して
物語を完成されたのでしょう。お見事な作品でした。

ソラさん
評価:☆☆☆☆☆

遺伝子研究、デザインベイビーといった方面の要素とポケモンを織り混ぜた作品でしたね。
ミュウツーという存在から一見扱いにくそうな要素を見事にはめ込んで物語を展開しているのが凄いなーと思いました。
ちょくちょくニャスパーがかわいくて最初からシリアス路線で物語は進行しますけど重苦しさはそこまで感じませんでした。
終盤にかけての戦闘シーンはスタミナを削ることに徹するケッコウガと攻撃にまわる11さんで見せ方が大分変わるので面白かったです。
ところどころに描写される過去の回想シーンで主人公はどういう存在かの補完してるのもよかったです。

あしゃまんさん
評価:☆☆☆☆

 どういう仕掛けがあるのかとこわごわ進んでいるうちに、次第に過去が明かされて行き、最後はキレイに落ちる、という構図が計算されてるなぁと思いました。
 ニャスパーや、何故そんな実験があったのかなど、明かされない話も含めて物語の世界観の演出になってて凄いです。

 楽しませていただきました!

花鳥風月さん
評価:☆☆☆

まずすみません、このタイトル見た時「デザイナーの話かな?」と勘違いしていました。ガッツリSF系の作品でしたね。

しょっぱなから病院で目覚めるシーン!ことの重さが伝わってくる導入だと感じました。ここだけでこの物語の世界観を感じ取ることができました。
モンスターのつづりにユーロ……もしかしてドゥーズさんはカロスかガラルの出身なのかな?と思ったら本当にカロスの人だった!細かいですね

>【昔、一つしか与えられなかった知育菓子を「もっと頂戴」と要求して大泣きしていたのを忘れたのですか?】
>「だって作って食べるタイプのお菓子とか創作意欲湧くもんじゃない? それなのに限られた材料で作れって……足りないに決まっているじゃん」

今回の企画まで「知育菓子ってなんぞや?」と思っていたおじさんですが、ねるねるねるねとかのことだったんですね。ここで知育を回収するアイディアは予想していませんでした。確かに用意されたもの以外を混ぜてみたい好奇心ありますよね。これ足したらおいしくなるかな?みたいな。

そしてこの物語のスパイスともいえる時々挟まれる日記?独白?みたいなもの。ところどころひらがなのままなのがいい味出してますね。ジーニアス(天才)なのかもしれないけど、脳とメンタルが比例してるかと言われたらそうじゃないみたいな。ゾクゾクしますね。
あとはこの物語全体を通して感じたのですが、バトルの描写が綿密且つ細かいですね。

>誰かに手を握ってもらわなくても、ひとりになっても、誰にも怒られるひつようなんてないし、やくたたずと言われるひつようなんてない。おまえらなんて誰ひとりいらない。わたしをほめない奴はいらない。わたしをほめてくれて優しくしてくれるのはカナメだけでいい。カナメさえいてくれれば、いい結果を出さなきゃって思えるから。
これ、これ、これですよ。書き手のカナメさんに対する思いが切実に伝わってきます。

ポケモンとSFって非常に相性がよかったりするのですが、非常に本格的な作品だと感じました。
投稿お疲れ様でした!

BoBさん
評価:☆☆☆☆☆

 フェローチェとの戦いも、研究所での記憶も壮絶ですね……! 読んでいて背筋が冷える場面がいくつもありました……! 特に水槽の中の他の12達が崩れていく場面が一番怖かったです。一方で日常的な場面ではニャスパーやゲッコウガを気にかけていて、だいぶ丸くなったのかなぁとも感じました。
 このミュウツー達は何を目的として作られたのか、11と12はこれから旅を続けてどうなっていくのか、このお話の前後共に気になるので機会があれば是非見てみてたいですね……! ありがとうございました!

カイさん
評価:☆☆☆☆

ま た す ご い ア ロ ー ラ が 来 た 。
今企画ではアローラを舞台にした作品も多くて、この作品もその一つ。アローラ好きとしては大いに喜んでいるところなのですが、なにぶんどのアローラも「もはや私の知っているアローラではない」って感じで、目が白黒しっぱなしです。いやーこのアローラもすごかった。
メガミュウツーVSフェローチェの高能力ポケモンバトルは純粋にめちゃくちゃ迫力がありました。そこに至るまでのポケモンも含めた登場人物のキャラクター付け、11と12の壮絶な過去もすごく説得力があり、それがハイライトのバトルの説得力に繋がる流れは本当に綺麗でした。
結局フェローチェと奇妙な絆を結ぶのも独特の余韻で、彼らの物語がまだまだ続くことを予感させます。

あとトレーナーとポケモンとの関係として描かれている(実際にはポケモンとポケモンとの関係になるのでしょうか?)ニャスパーとゲッコウガが、とても可愛く魅力的でした。いいなあゲッコウガ。強くてカッコいい。自分も育ててみたくなっちゃいました。

投稿お疲れ様でした!

狛織アオさん

 まず後半の展開が急に早くなった。急ぎ気味で終わってしまったので、結局ドゥーズとは……トレーズとは何者だったのか、説明が殆ど無かったですね。誤字脱字もちょいちょいあった。一話完結の物語としては物足りない。伏線も回収しきれていない。当然だ、何故ならこの作品の作者は無推敲でぶん投げてしまった作品なのだから。作者は私、禍月アオさ!!!!ちくしょう!!!!作者予想でも知ってる人にバレてた!!!草生えた。はい、自作です!!!!身も蓋もないこと言ってしまうと殆ど全て行き当たりばったりの展開なので割と深い意味は無かったりするんですがTwitterでこっそり読ませていただいた皆様の感想はひぇ…と声を漏らすくらい嬉しかったです。ありがとうございます。
 考察、殆ど合ってます。作者冥利に尽きます。ここからはうんちくというか本編に入れる余裕が無かった私個人の自己満解説のようなものですが読んで下されば幸い……。まずドゥーズは人です。ミュウツーなのかと聞かれてもイエスと答えます。どちらもドゥーズです。人間でもなければポケモンでもない。最も近い表現で言えば人為的に作られたサイキッカーでしょうかね。彼らがモンスターボールを浮かせたり心を読んだりするように、ドゥーズも条件付きだが他者の心へ自在に踏み入ることができる。物理的な力は非力な人間そのものだが殆ど全ての生物の精神に干渉しうる超能力がドゥーズの中にあります。「信頼」というキーで発動するメガシンカをポケモンの意思に関係なく強制的に行えても、11の場合は元々築いていた「信頼」とは違った歪な関係がメガシンカ発動のキーと認識されているんですよね。こればかりは私の低い語彙力では何とも説明しきれないのでお察しくださいとしか言えません……ご都合展開と言われてもそうですねーと返しますし、「信頼」と認識させられる関係性もメガシンカの要素になり得ると言われたらそうですねーと返します。端的に言えば明確な答えが出ないのがドゥーズの力、ドゥーズの存在を表します。モデルとなったのは映画「ミュウツーの逆襲」でジョーイさんを洗脳した力です。なのでポケモンがポケモントレーナーやってる!というのもドゥーズを表すものの一つなのかもしれません。ついでに述べると11のモデルは映画「神速のゲノセクト」に登場したミュウツーです。ゲッコウガは勿論ですが、人間に距離を置きながらも一応同族で兄弟のドゥーズにも彼女は「信頼」に似た何かを抱いています。ドゥーズも同じです。しかし互いを本当の意味で信じるようなことはない。不器用なんです。彼らは。元々「信頼」とは何だろうと私自身がずーっと考えているのですが分からない。そんな意味でメガシンカはできるが「信頼」している訳ではない心情を入れています。モデルがモデルなので11はどちらかと言えば女性的な個体です。性別無いんですけどね。気づいているかどうかは分かりませんが、ドゥーズも性別がありません。生殖器と呼べるものが未発達のまま成長してしまったので一般的な視点では性別不明です。なので物語の最初から最後までドゥーズを表す三人称は名前を除いて一切使っている描写は無い筈です…多分。最後にドゥーズとトレーズについてですが、仕事で使用しているコードネームです、今回はホームグランドであるカロスからアローラに出張していました。二人の本名は別にあります。しかしそれらを説明してる描写が作中に全くない!!!!!!謎のままで終わって私的には後味悪い!!!!今回は全体的に説明不足と感じます、作者の私だけが分かっていても読み手が分からないと私が面白いと感じても読み手は面白くないし謎が残ってモヤモヤするだろうと猛反省です。申し訳ないです。
 登場人物の名前について同様の考察をしていただいたことについては、11、ドゥーズ、トレーズは全員ミュウツーに関係している点は合っています。11とドゥーズ(12)はカナメから生み出された個体ですが、トレーズのみ人間です。ここも説明していないというよりはフェローチェとの戦闘の話でしたので蛇足だと思って説明の描写を省いていました。本編でやれと怒られそうなのですが、もう終わってしまったことなので整理ついでに蛇足の蛇足として説明でよければ聞いてください。脇役と考え殆ど説明が無かったこのトレーズ、あることがきっかけで後天的にミュウツーに変異させられる実験をされた元一般人です。失敗してしまったので目以外は見た目も力も人間のままですが短時間だけ怪力を発揮してしまうようになっている設定があります。本編では全く活躍無しですね。敵が強すぎるので私の力量では見せ場を作ってあげられなかったこの男は、悪運が強いので変異の苦痛にに耐えてギリギリで死ななかった男です。アクション洋画の主役張れそうな男です。本編では全く活躍ry。カナメとは旧知の仲。昔はカナメのことが好きでしたので、彼女から単刀直入に「精子を提供してくれ」と言われて「は?????」と訝しがりながらも好きな人の頼みだったのであっさり渡した男です。下心は多少なりともあったんじゃないですかねこの男。自分が渡したものが何に使われたか知ったのはカナメを失ったドゥーズが彼の元へ現れた時でしたので、トレーズの中ではカナメと瓜二つの顔を持つドゥーズは望まない存在として拒絶されています。それはドゥーズも同様に思っていることなので作中での二人の会話は殺伐としています。
 長々と書き連ねてしまいましたが、上記の解説を本編に入れられたらもっと理解の得られる作品になっていたのかなーと思っています。好きか苦手かが分かれそうな作品になりましたが、一番やりたかったフェローチェとのバトルを書ききれたのでその点ではとても満足感があります。最後まで読んでくださった方、最後まで読めずに閉じた方、触りだけ読んでくださった方、どんな方でも拙作に触れていただいたことを深く感謝しております。また作者が長ったらしい感想と解説を一人書いていたにも関わらず温かい感想やアドバイスや疑問を下さった方、本当にありがとうございました。とりあえずは執筆お疲れ様、私。

rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆☆

 とにかく描写と書き込みがすごい小説だなと思いました。全体的に不穏な雰囲気というか、一癖も二癖もあるキャラクターたちがいたと思います。
 間違いなく楽しめる作品だったと思うのですが、少し設定を出し惜しみにしたところがあったのかなという印象でした。もちろん作者さんの中では固まっている世界観があるとは思うのですが、この作品の中で提示されている情報ではちょっと自分では追いきれないと思ってしまいました。

照風めめさん
評価:☆☆☆

ポケモンと人間が同調して戦う発想が面白いですね!
ドゥーズも11もキャラが立っていて面白かったです。設定の作り込みも凄かったと思います。
UBとの戦いも白熱していたと思います。
ニャスパーも可愛かったです。
カナメだったりカナメの夢だったりと謎が多かったのですが、作中で解決して欲しかったなあと思います。
短編コンテストは投稿された作品以上の情報を入手出来ないので、作中で処理できる謎は処理してもらえれば、読了感が向上したと思います。

Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆

ウルトラビーストVS改造型ミュウツー、圧倒的な力のぶつかり合いを描く戦闘シーンがとにかく圧巻の作品で、主人公が強調する「敗けたら全員死ぬ」という言葉が実感をもって読んでいるこちらにまで伝わってくるようでした。
フェローチェの細い身体からは想像しがたい素早さ・攻撃力や格闘タイプであることへの理由付け、それへの対抗策としてのゲッコウガの負う役割、エスパータイプを活かした11との精神リンクによるメガシンカやメガミュウツーの真の力の解放など随所にバトルに対する深い考察を元にした描写が見られ、そうしたものを読むのが非常に好きな身としてはとても楽しかったです。
手持ちのニャスパーや弟妹の誕生を心待ちにするイーブイ、スーパーで見かける子供たちなど随所に子供の姿が描かれるのが気になっていたのですが、回想で語られる主人公の出自や、研究所(?)にいた頃の他者に依存した子供であった主人公と、現在の我が儘でありつつも自身で仕事をこなし生活する主人公を見ているとこの話のもう一つのテーマは子供や成長であるのかなとも思え、そうした目で見るとこちらの世界を何も知らないフェローチェまでも生まれたばかりの子供のようにも見えてきます。最後に描かれていた互いの共感に踏み込んでみたいような、そこを問うのも野暮なような。

坑(48095)さん
評価:☆☆☆☆

 今回の企画でいちばんかっこいいと思ったのが、この作品のゲッコウガでした!
『ゲッコウガは自分の役割を理解している。<中略>勝てなくてもドゥーズが勝てば自分の価値でもある。』
 かっこいい!! 自分が華でなくてもいい、味方が勝てばそれでいい。忍の中の忍!!
 フェローチェとの戦闘シーンは、フェローチェのとんでもないヤバさがひしひしと伝わる緊迫感が凄まじかったです。UB、ウルトラビーストってやばいやつだったんだよなと改めて思い出しました。

草猫さん
評価:☆☆☆☆☆

「ジーニアス」の意味を知らなかったので調べてみたのですが「(創造的な)天才」という意味だったんですね......まさに、この作品にピッタリです。
この作品は、時折あった伏線が物凄いなと思ったのが自分の印象です。 「彼」の苦悩や、カナメがいる事の喜び 。 そして、ある事をきっかけに今へと繋がっていく......。 ポツポツと色々な事が明かされ、最終的には全てが1つへと集約されるんですよね。 読後感が爽やかな感じでした。
あと、バトルシーンもこれまでに無いような感じで面白かったです! 特にメガシンカでは[絆が歪なもの→疲労が大きい]というのはよく考えられていたのだなと感じます。 ゲーム中だと、どのポケモンでも普通に出来てしまいますしね......。
そして最後に1つ! ニャスパーが可愛すぎて死にそうです() 本当に所々の仕草が可愛すぎて......この作品を大いに彩ってくれたと思います!
投稿お疲れ様でした!

雪椿さん
評価:☆☆☆☆☆☆

これは恐らくSFに入る作品ですね! SF好きなので楽しみながら読ませて頂きました!
タイトルを見て過去に話題になったあるものを思い出したのですが、まさかミュウツーの話だったとは。ジーニアスとはそういう意味だったのですね。ドゥーズという名前にも意味があったのをツイッターの感想(考察?)で見ていて「そうだったのか……!」と思いました。英語のままだとあまり名前らしくないから彼女本人が考えたのでしょうかね(当たっている気がしない)。
ニャスパーの体毛が淡紅色とあったので、色違いなのでしょうか? 普通だと薄紫色と言われそうですし、恐らくそうですよね。色違いのニャスパーかわいい。パイルジュースを飲んでいるニャスパーもかわいい。とりあえずニャスパーかわ(強制終了)
少し謎が残るようにも思えましたが、フェローチェも捕獲され彼女と共感していたのでよかったなと思いました。

早蕨さん
評価:☆☆☆

 冷静であり、熱いバトルが映える作品でした! ゲッコウガのトレーナーに従順な姿勢も好きですし、11のメガシンカも、燃える展開ですねえ。
 物語の背景として、作られた天才、ミュウツーという名の天才が活躍する話だとは思うのですが、12である彼女の目的はなんなのでしょうか。カナメさんの夢とは、なんなんでしょうか。
 カナメさんの隣にいる事を最大の目的としているのならば、12の競争相手は全ての兄弟であり、全ての生物達だということですかね。全ての生物に勝つことで、自分が上に立つことで、カナメさんの隣に居られるのだと実感することが出来るということなのでしょうか。
 もしくは、カナメさんの目的が人間を作る事なんだとしたら、それはカナメさんにとって12は最高傑作でしょう。「わたしの代わりはわたししかいない」というセリフから読み取れるのは、カナメさんが唯一自分の目的とするものを作れたからということでしょうか。
 この物語はまだまだ先の話が作れそうですねえ。壮大な話を僕は書けないので、本当にこういうのを思いついて書ける人は凄いと思います。
 研究所とは一体。一番怖いきょうだいとは今どこに。色んな謎も残しつつ、フェローチェと最後は打ち解けるような姿には、12が本当に人間に近づいているんだなと、安心しますね。
 投稿、お疲れ様でした!

トビさん
評価:☆☆☆☆

序盤から引き込まれました(*'ω'*) 満身創痍でベッドに横たわるドゥーズと、嫌味で会話を広げるトレーズ。自分が勝たなければ気が済まない、勝てるバトルしかしたくないというドゥーズと、扱いづらいとあえて思考する11。会話文が洒落ているし、キャラクタの個性もそれぞれ分かるのでとても面白いなと思って読みました。ドゥーズが駄々っ子なのがかわいいですよね。見た目は女性ですが、きっと生まれてからさほど時間が経っていないのだと思いますし、ヒトとは感性が違うのかもしれませんし、また、ヒトらしいなとも思います。

ドゥーズの過去を匂わせる独白のシーンの入れ方が面白いなと思います。つかみどころのない、ふわふわとしていて、上から順に読んでいくと知能が向上しているともとらえられるような描写と、現在の彼女が生きて動きのある描写との対比が面白かったです。この二つは独立したものではなく、きっとドゥーズがずっとずっと心の奥に思い続けているものなのかなと感じました。記憶って多少なりとも自分の動きにリンクするものだと思うので、あえてそうしないことでドゥーズの根底にある、感情や記憶を表しているのかなとも思います。
フェローチェというどの世界線から来たのか分からないポケモンと、科学の力によって生み出されたポケモンとヒトとで共感しあうというストーリーの仕舞い方がすごくいいなあと思いました。しかもフェローチェっていうセンスがいいですよね。汚れたところを触らない神経質な所とか、ドゥーズに似てるし。いいコンビになるんじゃないでしょうか。面白かったです!

乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆

とにかくハードなバトルが印象的でした。手段を選ばず、非合法的で強力なパワーを振り回すように扱う戦いが格好良かったです。それに至るまでにきっちり準備を整えていく感じも好きです。とにかくハードな感じが良かったです。
途中に挟まれる過去の話が、謎を提示しているようで読者を混乱させるマイナス効果寄りになっているのが残念だったなぁ、という印象でした。UB戦に向かう時点で「そもそもこの二人? 三人? は何者なのか(キャラと関係性、そこに誰がいるのかも自分には把握が難しく……)」という疑問が全く解消されずに進んでいくのに、更に新たな謎を提示されてしまい脳が混乱状態になってしまいました。ついていけないままに読み進めて、最終的に何だったのかもよく分からず、折角の世界観に自分が入り込めなかったのが残念でした。
精神接続とかドゥーズとゲッコウガの関係とか、要所要所でワクワクできた(本当にハードなバトルがかっこいいんですよ)ので、前半のエピソードの配置や過去話の挟み方を変えると大分読み易くなるのかな、という気がします。

逆行さん
評価:☆☆☆☆

バトルシーンの巧さが際立つお話だったと思います。とにかく迫力が半端なく、臨場感の出し方が非常に巧いなあと感じました。一歩間違えれば主人公が殺されてしまう恐怖感凄かったです。トレーナーを狙えば良いことに途中でウルトラビーストが気付く所が恐ろしいですよね。しかもフェローチェ素早すぎるから離れても危険という。ウルトラビーストは本当に恐ろしいなと思いました。戦闘力は勿論のこと、その凶暴性がありありと描かれていたように感じます。壊れたウルトラボールの描写も恐ろしさを表現するのに効果的に働いていたように思いました。

暴れているウルトラビーストを捕獲するという、ストーリーラインとしてはシンプルなのですが、その分描写に力を入れた作品であると感じました。

ゲッコウガが最初にやられてしまった訳ですが、決して咬ませ犬には終わらせずに、もう一度主人公を守るという見せ場を作った所も良かったです。主人公のミュウツーの絆のみならず、ゲッコウガとの絆もしっかり強調されているなあと感じました。

要所要所に挿入される主人公の日記のような記述もすごくミステリアス感があって良かったです。読んでいて非常にワクワクしました。

序盤のスーパーメガやすで買い物したりパイルジュースを飲んだりするシーンも好きなんですけどね。ただ見ようによっては蛇足になったり、お題を回収するために入れたみたいにも見えてしまうんですよね。でも好きなシーンだし、ニャスパーもとてもかわいかったので、バッサリ削るのもちょっと勿体ないなあという感じます。特にゲッコウガとニャスパーが子供達群がれているシーンが面白かったです。
欲を言えば序盤の日常シーンが後半のバトルシーンに効いてくると更に好きになれたかなと思います。知育菓子のねるねるねるねみたいに技と技が混ざり合って凄い技になるとか、そういう伏線回収を入れるのはちょっと冷めますかね。でも、なんか、もうちょっと遊べたかなあという印象があります。

最後フェローチェが丸くなった所も良かったです。この後元の世界に帰っちゃうんですかね。続きも気になる所です。また別のウルトラビーストが襲ってきたときに力になってくれたりとかもしそうですね。とりあえず、元の世界に行く前にジョウトの素麺とか食べてこの世界を堪能しておくと良いですね。

ウルトラビーストの捕獲に焦点を当てたお話で非常に惹き込まれました。それでいてポケモン達の仕草なと、細かい所も丁寧に描かれていたお話だったように感じます。お疲れ様でした!

しろあんさん
評価:☆☆☆☆

凄く奥が深そうな作品だなぁと思いました……!というのも、ドゥーズ達の過去が合間合間に挟まれる独白の中で語られてはいるのですが、何故ミュウツーの心を持ちながら人間として生まれてきたのかが謎だったんですよね……(もしかしたら私が理解しきれてないだけなのかもしれませんが)研究所が壊れた後、どのような経緯でトレーズと出会ったのかも気になりました。
フェローチェとのバトルシーンがとてもカッコよかったですね。バトルの迫力はポケスト25の作品の中でもトップクラスだったように思います!特に11とドゥーズの精神がリンクした後、フェローチェの蹴りが目の前まで迫っている時にギリギリでゲッコウガが救い出す所とか、めっちゃクールです……!そこのシーンを読んだときに、頭の中でその様子が鮮明に映し出されていました……!

カッコいいシーンもさることながら、ニャスパーが子供達にもみくちゃにされている所など、微笑ましいシーンなどもあって面白かったです!
投稿、お疲れ様でした!

フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆

 人間ともポケモンとも言い切れない存在であるドゥーズの、一風変わっているけれども、確かに深くつながっている絆が印象的なお話でした。トレーナーとしてもポケモンとしてもイレギュラーなやつら、という面々なんですけれども、だからこそチームになれているし、異世界からやってきたフェローチェとも絆を結べた、というような印象を抱かせてくれました。
 バトルシーンの描写は圧巻で、命さえとられかねないフェローチェの強大さがありありと伝わってくるようでした。時折挟まれるドゥーズの回想も面白い演出だったと思いますが、『カナメ』の存在など、本編とのつながりが良く見えない所もままあったのが難点かなと思います。

水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆☆

ポケモン×サイバーパンク! 私たちが知っているポケモン世界からズレたテクノロジーや感覚を、さも当然のように描いて読み手に納得させてしまうの、すごい勇気いる書き方だと思うんですよ。冲方丁のマルドゥック・スクランブルにハマっていた私としてはこういう文章読めてありがたいです。こう、主人公の会話の転がし方サイコーですよね。「……〝聞こえているよ〟11」【〝聞こえるように〟考えていました】のテレパシーのやり取りとか、1ミリも素直じゃないとことか、バトル以外には関心をもてないとことか、クセのある主人公を見事に読者の味方につけさせておりました。
これはとても不思議だなァと読了後に感じたことなのですが、12番さん、私の頭の中でいつのまにか紫髪でゴスロリ気味な衣装を着ていたのですよね。そしたら読んでいくうちに紫髪って書かれているし、想像通りループタイ着けていたし、それまでどこにも明記されていないのに読み手に細部まで想像させるキャラの作りこみに感心させられました。その端々がセリフににじみ出ていたんでしょうか。
主人公がフェローチェに敗れたシーンから始まるので、物語の目的がハッキリしていて連続する長文にも割とストレスなく読み進められました。しかし肝心のリベンジ戦が読むのに時間かかったですか……。バトル中に精神接続とかの説明を挟まれると集中が途切れてしまいます。この文体なら冒頭から明かして物語を展開させた方が魅力的だったですかねえ。そういうサイバーパンク要素は先出しにしておいて、バトルではフェローチェばりのスピード感ある描写が読みたかったなあ。
あといちばん言いたいことですがタイトルがカッコいい。今大会ベストタイトル賞。デザインジーニアス――『デザインマンション』『デザインチャイルド』と同じような意味と捉えると、『設計された天才』って、こう、それだけで主人公のキャラクタや悲壮な運命をほのめかしているように思えます。12体いるミュウツーの、さらにその中で偽物だと仲間はずれにされ、力を持った兄弟の暴走により研究所を壊され唯一の理解者を失い、死んだカナメの夢に縛られ放り出されたことまで、彼女の手によって『設計されていた』。ここがね、なんかもう今後の物語に無限大の想像を膨らませてくれるんです。続編が出たら間違いなく追いかけるんだろうな私……。

春さん
評価:☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆
セリさん
評価:☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆
はやめさん
評価:☆☆☆☆
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
白銀さん
評価:☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆
ionさん
評価:☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆
くちばシュウさん
評価:☆☆☆☆
コメットさん
評価:☆☆☆☆
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆