グルメなジャッジは人の気持ちがわからないの感想一覧

狛織アオさん
評価:☆☆☆☆☆☆

ジャッジ能力に優れた人の物語。報酬を金銭でなく食事という対価で依頼を引き受け、食に敬意を払いつつも他者への興味が薄いイトウ。食に敬意を払ったかと思えばタピオカミルクティー!!!!!蹴っちゃいましたけど!?!?!?再びブームが起きたものに対する皮肉的?な表現が好きです。ポイ捨てダメ絶対。イトウの熱心な仕事ぶりに反して他人の感情に疎い面が仇となって報われない経験を多く得てもそれすら殆ど苦にならずに続けてきて、見事ハッピーエンドを迎えられて良かったです。鈍感な三人が可愛い…。バトル描写も抜かりなく演出の中に見え隠れする葛藤にトレーナーとポケモンの一体感、テンポのいいバトル運びに読みごたえ抜群。非常に好みの作品です。ご馳走様でした。執筆お疲れ様です!

花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

ありそうでなかったポケモンサーカス!
どうしてもポケモン使ったエンターテイメントってコンテストやポカロンをイメージしがちなのですが、現実のエンタメにポケモンをチョイスしてくるとは……!
サーカスはもちろん、バトルにおけるポケモンの描写が非常に丁寧でした!ビンゴを見れば分かる通り、三題噺以外の要素を全て詰め込んでいるのもあって、話にまとまりを持たせるのも大変だったかと思われます。そんな中でもバトルの描写が綿密に書かれていて、妥協を感じさせないところに脱帽です。
舞台になっているタマムシシティの中に存在する、数々の食事処。高級レストランから親しみやすい食堂。まだ見ぬ土地の料理店!巡ってみたいなぁと思うばかりです(笑)。

ジャッジする力に長け、ポケモンコンサルタントとしてその力を生かすイトウさん。それだけ聞けばつよそうですし、その力を持ってない者達からすれば魅力的かもしれません。でも、いつもうまくいくことばかりではなく、その力が誰かを悲しませることもある。
万能・異能力系キャラの避けては通れない道ですが、ここでイトウさんの葛藤に触れたところ、性癖に響きました。ごちそうさまです。
また、今回の仕事のゲストでもあるツェツェグさんと、彼女に想いを寄せるクルディさんのキャラも生き生きしていました。わたしの中でクルディさんが一気に萌えキャラと化しています。いじらしい……!
タイトルのインパクトも感じましたが、読めば読むほどそのタイトルの意味が分かってエモさを感じました。
テンポ感の良さと、ストーリーの奥深さを感じる作品をありがとうございました!
投稿お疲れ様でした!

北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

 ありそうで(私が読んだことが)なかった気がするジャッジさん小説! ゲーム原作はエンジョイ勢なのであまりお世話になる機会がありませんでしたが、ポケモンGOのほうでは大事に大事に育てていたポケモンを後付け追加機能のジャッジさんに「なかなか活躍は難しそうだ」と言われ悲しかったことを思い出しました。確かにあの人たち容赦がない……笑
 ジャッジさんを主人公に据えるという時点で良い着眼点だなあと思うのですが、それをゲーム上のシステムから物語の一キャラクタに落とし込む設定がまた上手いのなんの。プレイヤーに容赦なく現実を突きつけるシステムを「人付き合いが苦手で他人の気持ちを汲み取りづらい性格」に、ポケモンの個体値を教えてくれるというキャラをポケモントレーナーのコンサルティング業として解釈したり。なるほど確かに、と思わせる原作設定の拡大解釈が非常に巧みで痺れます。んでそのイトウさんのキャラ付けがまた、報酬を食事のご馳走という形で支払わせたり、石像に話し掛けたり笑、かと思えばポップコーンを食べてみたりタピオカを蹴り飛ばしてみたりと、曲者感が凄くて楽しいんですよね。それでいて「皆と仲良くしたい」「この能力で誰かを助けたいし感謝されたい」という人並みな寂しさを持ち合わせ、その感情に折り合いをつけられない不器用な人物。変な人なんだけど、読めば読むほど愛おしさが湧いてくるんですよね……。キャラ造形が本当にいいなあ〜と思います。
 お話も、テンポのいい展開で内容も分かりやすく、くすっとくるようなシーンも随所に散りばめられており、終始楽しく読み進めることができました。サーカスという舞台には無条件にウキウキさせられます(タマゴ、乗り物、各種ポケモンの登場、進化や交換までサーカス内でお題消化させる発想はお見事の一言!)。その中で、演出上敗北を強いられることにフラストレーションを溜めている少年。「悪意」というものを匂わせ、思春期の少年を爆発間近の潜在的な脅威として描き、緊張感を極限まで高めてからの〜、一発逆転のウルトラ超絶ハッピーエンド!!笑。こっ恋だったの〜!?!?とびっくりすると共に、ハピエン大好きおばさんめちゃくちゃ笑顔になってしまいました。そうだと分かってから二周目を読むと更にニコニコさせられて楽しい! 家族同然に育った年の離れた姉のような美人さんに、いつしか恋心を抱いてしまい、家族なのにと葛藤し、けれど若い感情を抑えることは出来ず、次第に男としての自分を認めて欲しいという欲求は抑えられなくなり……くう〜っお手本のような最高のおねショタ!!(身も蓋もない発言) イイデスネエ〜!! ヒューヒュー!!! えええええっ告白したのォ!? ええええっ「受け入れた」のォ!?!? 恋のキューピットになれたのォ!?!?!?!? ああああ〜告白シーン見たかったああああ〜めっちゃ気になるううう〜!!!笑 きっと悶絶必至の告白劇を披露したにありませんねそれを目にしたイトウさんの反応も(時間を置いて回想している段階でこんだけウキウキでかわいいのですから)さぞや愛らしく面白おかしかったことでしょうなあ……!!
 このウルトラ超絶ハッピーエンド、(だれかさんのせいで)すれ違いかけていた二人が結ばれたことのみならず、自身の仕事や能力・どうにもならない性分に対して、イトウさんが一連の出来事を通して救われ、「この仕事続けててよかった」と思うことができたことこそが、本当にハッピーだなあと思えるのですよね。イトウさんとクルディくんが何がどうして大親友となるのかもめっちゃ気になっちゃいますねえ……!!笑
 コミカルでハッピーで愛おしい、素敵な作品でした。この作品がシリーズ化されたら絶対楽しいだろうなと思います笑。投稿お疲れ様でした!

あしゃまんさん
評価:☆☆☆☆☆☆

 おぉ、いいものを読んだ、というお気持ちです。
 考えてみれば当然の結論をイトウさんというバイアスを通すことで読者に意識させない手腕はミステリ好きとして見習いたいなぁと思います。

 楽しませていただきました!

まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

ジャッジに店が気に入られたならば繁盛するという点が後々何にも使われなかったのが少しだけ違和感。そんな言われが付いている独特なキャラの紹介としてしまえばそれまでだけど。
登場人物はポケモンも含めて全員しっかりとキャラが立っていてとても面白かった。
後々の事も気になる、続きがあれば是非とも読みたい、それでいてしっかりと締めてある良く纏まった話だった。

ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

序盤読んで「あーこれ面白そうだな」って思ってから、終盤までずっと「あーこれ面白いな」って気持ちで読めて、完読して「あーこれ面白かった!!」ってなりました!好きです!!

タイトルの意味はどういうことなんだろうと思いながら読み始めましたが、タイトル通りの人物が出てきてなるほどなあと思いました。慧眼を持ちながらも、変人ゆえにオブラートに包むという配慮ができず友人が居ない主人公。そんな彼を象徴するこの文章、

>別にそれでその人のすべてを知ることができるわけではない、だが、食というものは、人と違うイトウが唯一人と共有できる価値観だと彼自身が思っている。

ここ、食という要素のみながらも他人と価値観を共有できると思ってるんですよね。イトウさんは自分の言動ゆえに他人と繋がれないことをわかっていながらも、やっぱり本当は誰かと仲良くしてたいんですよねえ…こういうキャラクター好きです。好きです。

ツェツェグとクルディ、最初は本当にただただクルディが演出に従いながらも不満を抱いていただけと思っていましたがまさか恋ゆえの嫉妬とは…しかもそれが本人たち以外全員の公然の秘密だったとは…!
視点を変えてみるとクルディがイトウに嫉妬してもおかしくないように展開されてるんですよね、完成されたストーリーラインに感服です、お見事!

あと蛇足ながら、

>道端に捨てられていた、まだ中身のあるミルクティーを蹴飛ばす。幸いにも人にかかることはなかったが、内容物の歯ごたえのある炭水化物が散らばって、それを見ている人間が顔をしかめる。

ここ笑いました!!時事ネタを皮肉りながらもお上品に表現していて素敵!!
見事な作品でした!!

猫村さん
評価:☆☆☆☆

ジャッジさんを主人公にするのがまた斬新だなと思いました。そうか、依頼者に払わせて高級飯か…!人の金で肉が食いたいという皆思ってる事をさらりと実現してる姿がかっこいい。そして飯テロの数々…!いやもう美味そう。サーカスという舞台でポケモンも沢山出てきて、華やかかつ上品に纏まっている作品でした。最後「すごくおいしい」で〆てるのも好き。
執筆お疲れさまでした!

BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

 イトウさん、いいキャラしてますね……! 職人気質という筋は一貫しながら、クライアントと会っているときやバトルを見ているときと、自宅でロビィに向かって独り言のように喋っているとで感じるギャップがすごく好きです……! ジャッジという現実を突きつけるような仕事なら、ある程度人の気持ちに鈍感な方がやりやすいのだろうなと思いつつ、今回の案件では裏目に出ちゃったようでちょっとかわいそうだなぁとも思ったりしました。高級レストランでの食事を対価に要求するという最初の段階で誤解を生んでいたのはなおさら気の毒だったけど、最終的に仲良くなれたようでほっこりしました……!
 また別のクライアントの話も読んでみたいです……! ありがとうございました!

円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

 成功だけが演出ではない。失敗や焦燥を演じる事もまたプロなのだ。教訓になりました。ありがとうございます。
 石像にいかりまんじゅうを供えていたので、もしやと思ったのですが。本当にそうでした。石像のまま持ち歩いているというのもまた興味深く思います。

 このお話、私はとても好きです。特異な能力を持つ人って、喜ばれることもあれば疎まれることもあるんですよね。そのあたりの葛藤を描きつつ、ちゃんとハッピーエンドに持って行ける。素晴らしいです。恋物語としても素敵だと思いますし、恋愛が分からない私はイトウさんに大いに共感してしまいました。いえ、分からないのは恋愛だけではないかもしれませんけれど。続編があったらぜひとも拝読したい。そう思える作品でした。いっそのこと、イトウさんを主人公に据えて連載物を書いてみてはいかがでしょうか。

夜月光介さん
評価:☆☆☆

4・グルメなジャッジは人の気持ちがわからない 主張するビンゴ 3ビンゴ以上

伝説のポケモンが『描かれている』は小テーマを満たしているとは言い難い

作中に日本語以外の『台詞』が登場しない

よって、総合評価から-20点引かせてもらいます。

ストーリー評価 65点 小テーマ不合格 -20

総合評価 45点

『感想』

不変のテーマ『恋愛』と『勘違い』。身近なワードが読者の共感を呼ぶ

一言で表現するならば『軽快な小説』。まるで調子の良いジャズミュージックを
聞きながら読書しているかの如く、スッと物語が進んでいきます。
恋愛と言う誰もが抱えるテーマ、そして誰にでもありえる『勘違い』と言う
2つの大きなテーマを扱い、上手く物語を進めているのは見事です。

個人的な部分では、彼女が愛していると言う描写がもう少しあれば
物語に説得力が出たのかなと思います。読者に対して仄めかすか、
『ネタばらし』の後で愛している描写を入れるか。
そして惜しいのは、小テーマが成立していないと思われる箇所が
存在する事です。自分の感想では『3ビンゴ以上成立しているよ』と
豪語する人のミスは厳しく扱うつもりなのです。御了承ください。

VICTORYと同じく、『面白いけど大傑作と言うには格が足りない』
小説でした。テーマを満たす為の理解力も含めて、これからもっと
飛躍する才能は充分秘めていると思います。頑張ってください。

ソラさん
評価:☆☆☆☆☆☆

ゲームでよく知られているジャッジさんを主人公とした物語。
個人的に彼を主役にする発想はなかったので新鮮な気持ちで読み進める事ができました。
サーカスの描写もよく調べて書いているような気がするほど丁寧に描かれていてよかったです!
登場キャラもそんなに多くない事も読みやすい理由かなーと思いました。
途中までイトウさんのパートナーポケモンが不明で何だろうと色々予想しながら読んでいくのも楽しかったです!
ああいう能力を生まれつき持つと大体距離をおかれてしまう事や他人の感情を理解できないとわかっていながら、同じ気持ちを共有できる可能性が残されている料理を重視している事がイトウさんという人物を表現するのに説得力のあるものだと思いました!

草猫さん
評価:☆☆☆☆☆

まず言いたいのはやはり料理の描写です! タイトルに「グルメ」を冠しているだけあって凄いなと感心しました! 脳内に美味しそうな料理が浮かびまくりました!()
そしてもう1つ。 めちゃくちゃシリアスなのきたなぁと思っていたら、一気にほんわかさせられましたね......。まさか「愛情」とは本当に思わなかったです。文化というのも考えつかず、こういう発想もあるんだなぁと感心しました!
あとはイトウについてですかね。彼、本当に面白い人です。クールな感じかと思ったら、落ち込む場面もあったり、クルディに対して子供の様に怒ったり......。特に最後のシーンは、彼の可愛い感じの笑顔が頭に浮かんでほっこりしました!
彼も、ツェツェグも、クルディも。幸せになって欲しいなと思いました。ほんわかな感じと美味しい料理の余韻が残りましたねぇ......。
投稿お疲れ様でした!

ptさん
評価:☆☆☆☆

通常のトレーナーの何倍もポケモンを理解することが出来る

怖いですねえ。とても怖い。
このポケモンは私のパートナーで、何年も一緒にいる!という子だってジャッジの手にかかれば「まるであなたはこの子のことを理解できていませんね」とばかりに正しく理解してしまう。
これまで長年にわたって培われてきたように思われた自分たちの関係は、まるで何も詰まっていない張りぼてでしかなかったということですものねえ。
ゲーム中では便利な存在ですが、実際はポケモントレーナーにとって恐怖の対象でさえあるのではないでしょうか。カリスマポケモンコンサルタントとは銘打たれていますケド

今回のケースは結果的にハッピーで終われてよかった。人の心がわからないイトウ視点で語られ続けたので、見ているこっちがずっとハラハラしっぱなしでした。
イトウ視点ではなくサーカスの仲間たち視点で見れば何も心配することはなかったのに。ちくしょうだまされたぜ。
ただ、これからもイトウは危険なアドバイスや破滅を呼ぶコンサルをすると思うんですよ。今回は本当に偶然最悪のルートから最上のエンディングにたどり着けただけ。イトウも分かっていますね。
ただそれも、人の心が分からないイトウと、なんだかんだで長続きしている一番の相棒ならこう言うでしょうか
まあそれもいいんじゃないの

カイさん
評価:☆☆☆☆☆☆

は~~~もうめっちゃ好き。
まずですね、私は作中で美味しそうにご飯を食べる小説が大好きなのですよ。タイトルの「グルメ」の文字にそわそわ。さらにタマムシシティホテルの高級レストランから始まる場面にどきどき。「食事そのものを報酬にしてしまえばいい」という独特の価値観を持つ主人公・イトウのキャラクターにわくわく!と思っていたら、あっという間にストーリーに引き込まれていました。

この主人公イトウが「ジャッジマン」というのが目の付け所が本当にすごくて、そう来たか~~~っ!と膝を打ちました。ジャッジマンというのは、ポケモンのゲームを対戦までやりこんでいらっしゃる方にはお馴染みの、個体値を判定して教えてくれるモブキャラクターなんですね。個人の名前というよりは、職業というか特技というか、この作品で語られているように「ポケモンの能力を見抜く力をもった人」の俗称みたいな感じです。サンムーンではシステム的にパソコンのステータス画面で個体値を確認できるようになったので、ちょっと影薄くなってたんですけど、いや~~~まさかこんな所でお会いできるとは!素晴らしいキャラクター選びに感動しました。

特に好きなのは、サーカスの場面です。描写を通じて、人とポケモンが共演するサーカスを本当に観覧しているような気持ちになり、とても楽しませていただきました。しかも二回目の公演もすごく凝っていて、一回目の公演を踏まえるとますますくすっと笑える設定になっていて、めちゃくちゃすごかったです。もう~~~ぴょこぴょこしてるリオルめっちゃ可愛かった~~~!私ねー、あれ本当にリオルが進化したのかと思いました。プロのサーカス団ってポケモンの進化のタイミングまで調整してエンタメにしちゃうのかと。あっ、それと次に観覧する時は私、レックウザのポップコーンが楽しみです!

ストーリーの核となっている恋愛模様を、あえて人の気持ちに疎いイトウ目線で隠していたのも、絶妙な采配でした。ネタばらし後の、爽快かつほっこりした感覚がとても心地よかったです。「すごく美味い!」と叫びたくなるような、素晴らしい作品でした。

あとこの作品で好きなのは、キャラクターの名前です。イトウはまあ分かりやすいとして、ツェツェグとクルディって自分にはちょっと知識のない・思いつかない名前なので、どうやったらこういう名付けできるんだろうな~って羨ましく思います。何かおすすめのジェネレーターなどありましたら、ぜひご教授ください。

投稿お疲れ様でした!

春さん
評価:☆☆☆☆

 イトウさんが可愛い。人の気持ちが分からないって部分を設定だけにせずに、ちゃんと描写してるのすっげぇ点数高いです。最初「なんやこいつ、石像に話しかけとる~」って思ったらちゃんとポケモンだったんですよねぇ……。毎日ちゃんと報告してるイトウさんきゃわわ。短編連作として続けれそうな感じですよね~イトウさんはどうしてこの仕事を始めたのだろうかっていうか、イトウさんの幼少期とか学生時代とか地味に気になる……。お姉さんに「これ以上強くなれない」ってばっちり言っちゃって怒られちゃうところ良かったです。それはいったらあかんで~イトウさ~ん……。クルディが勘違いしちゃって悶々としてるの想像すると可愛いし面白いですよね~。おねしょた美味しい……。いやこの場合しょたおねか?クルディがなんて言って告白したのか気になりますが、それは妄想補完しておきます。

乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

これぞ大衆小説。ポケスト25、これ本気で書かなきゃ沈められるな……と読んだときに冷汗をかいた作品でした。実際片手間に書きましたみたいな軽い話よりも各々の価値観の集大成みたいな作品が多く投稿されたのはこの作品のせいなんじゃないかと思ってます。(笑)
全体を通して、「誰の目から物事を見ているのか」ということに凄く気を使って書かれているのが超好印象でした。本人に見えないものは見えないんですよね。人の気持ちに疎いイトウさんは、クルディの恋心を見抜けなかったのです。こういう書き方って本当に誰にでもできることではなく、大衆の気持ちを冷静に見抜ける目がないと書けないと思うんですよね。作者さん、実はとんでもなく人付き合い上手かったりするんだろうか。人間観察の極地に至ってるような気がします。一生使える技術ですよ。
だからこそ、一点だけ。サーカスを見たあとロビンに語りかけるシーンで、自分が人を見抜く才能があるという発言は彼らしくないような感じがしてしまいました。わざわざ言ってしまうと、驕っているような感じがしてしまいました。彼にはそういうことを言わないピュアなキャラでいてほしかったな~という思いがあります。いち読者としての押し付けです。
この話の一番好きなところは、イトウさんが「美味い」と「凄く美味い」という味覚しか持ち合わせていないと言っておきながら、後で「あるいは、全く味がしないかだ」と第三の選択肢を出してくるところです。これがもう本当にthis is 小説!!!!って感じで。上手すぎました。本当、巧妙でした。
今回の企画を確実に盛り上げてくれた作品だと思います。ありがとうございました!!!

照風めめさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

いやもうこのジャッジに着目するアイデア! 脱帽しました。確かにコンサルティングとして立派な仕事になりますよね。
イトウはほんと他人の気持ちを察するのが得意じゃないし、その反面自分の才能は天からもらったものだと自負してるところちょっとめんどくさい人ではあるんですが、コンサルティングとしての腕は確かだし、報酬を食事で求めるところとかに凄い人間味があって、良い人なんだな〜と思います。
石像(ヒヒダルマのロビンソン)には饒舌、というところも、彼の内面を引き立たせるのに一役買っていていいですね!
仕事においてハッキリと相手を否定する仕事はかなり大変なんだと思いますが、とりわけ、

>「不思議だね、例えば自分を強いと思っているおじさんに、あなたは弱いですよと言うことに抵抗を感じたことはないのに、そのおじさんを強いと信じていた子どもたちがその時に見せる落胆の表情は、心に残るんだ。そんなときと、同じような気持ちだね」

とあるように本当に人の機微が分からないわけでもないし、分かりたいと思ってるんだなあというのが伝わってきます。彼のキャラ造形がほんと素敵でした。
そんなシンプルでわかりやすい設定にトントン拍子で進むストーリーラインは本企画随一の分からせる力で、ものすごく読みやすかったです。
コンサルティングとしては一流のイトウでも、恋路には疎いが故に今回の依頼に苦心するというストーリーも絶妙でした。
今回の件でクルディという友人ができたことで、彼も少しずつ成長していくんだろうなあ。
本当に面白くて、めちゃくちゃ満足しました。
個人的にはこのシリーズであと2〜3本は読みたいな、と思います。
ビンゴもたくさん回収お見事でした!

rairaibou(風)さん

わたしがかきました

Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

タイトルの「グルメ」を体現するようなおしゃれなレストランに年若いながらも慣れていて、そしてそのスタッフにも一目置かれる客。どんな人物なのかと期待が膨らむと同時に、しかし彼は自分でこの店を選んだ訳ではなく連れられてきた人という事実が開示され、それは何故かとつい読み進めたくなる秀逸な導入を裏切らない。殺人事件が起きたりするわけではありませんが、ある種イトウさんという風変わりな名探偵による探偵ものに近い作品という印象を抱きました。
作中評価に違わずしっかりと描写されるジャッジとしての優れた才能、そして仕事人としての姿勢から読者の中で築かれる高評価を一切崩すことなく、タイトルに残された「人の気持ちがわからない」人であるという部分によって謎に満ちた物語の最後に位置するどんでん返しを成立させるその構成の技量は今コンテストの中でも一二を争うレベルではと感じています。
その他にもイトウさんと対を成せるだけのプロ意識を持ったサーカスのツェツェグさんや、実際に映像媒体で見てみたいと思わせる生き生きとしたサーカスシーンなど魅力たっぷりでどこをとっても楽しい、非常にクオリティの高い娯楽作と感じました。
「後払い」に出かける準備をしながらロビィと話す、彼にしてはとてつもなくテンションの高いイトウさんの姿が好きです。「誰かを助け、感謝されるように才能を使ってみたい」「誰かと仲良くなるために才能を役立てたい」という素朴な願いの叶った食事、それまでのものとは違って詳細が書かれていないのにもかかわらずこのシチュエーションがあるだけで間違いなく美味しいんだろうなあと思わせる。

坑(48095)さん
評価:☆☆☆☆☆

 まるで彼の別のお話をさっきまで読んできたみたいな、まるで次のページを開けばまた彼の活躍するお話が読めるような、そんなまるで連作短編の一作を読んだ心地でした。
 強いハブネークが見られたのがうれしかったです。毒を撃ったり火を吐いたり地を揺らしたり直接締め上げたり、器用に戦うハブネーク、めっちゃかっこよかったです。

早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

 構成の巧さ、文章の精密さ、ストーリーの面白さ。どれをとっても凄いなあと息を吐くばかりでした。
 事の発端はツェツェグさんがイトウ君に依頼をした事ですが、タマムシシティホテル最上階での食事が事を狂わせるきっかけになっているっていうのが、面白いなあって思います。最初の方を読み返したくなりますし、確かに気合いの入った格好をした世界標準的美人女性と若造が食事をしていたら、ただ口説いてるとしか思えないですもんね。
 次のタマムシ食堂での話は、高級レストランで打ち解ける事に成功したイトウが、もっとフランクに自分を出せるような場所としてタマムシ食堂を選んだと思われても確かにおかしくない。
 ただイトウ君の食に対する考え方を語らせているだけなのではなく、物語を作る上で、つまりクルディ君の勘違いを助長させるような形として機能しているっていうのがよく考えられていて凄いところだなって思います。
 イトウ君の一風変わったキャラクターの魅力を出しつつ物語も上手に構成している様が素敵です。イトウ君の言っている事に、はぁ、の一言で返答したツェツェグさんのまったく興味のない反応が、クルディ君との勘違いに落差を生んでいていい感じです。
 サーカスのシーンですが、やっぱりポケモン世界なので一番人気はバトルなんですね。空中ブランコとかその他びっくり人間ショーみたいな演目と違って、バトルって一番身近でいつも見ているものなのに、それが一番人気というのはあの世界ならではというか、ともすれば読者からは一見不自然さも覚えてしまうかもしれません。実際にはツェツェグさんやクルディ君よりも強い人達の試合だってあちこちで行われていそうなものですし、テレビで有名トレーナーの試合とかバンバン流してそうなものですが、四天王と互角の戦いを繰り広げたってところがポイントなんですよね。
 ただバトルが一番人気だとなんか納得いかないんですが、四天王っていうその地方に4人しかいない化け物中の化け物。それと互角に試合が出来る人間のバトルなら、あの世界のポケモンバトル人気も相まって納得感が増します。どこまできっちり考えられてるんだろう作者さんに全部伺いたいくらいです……。
 物語が山場を迎える前に、クルディ君が客先のイトウを見つける件がありますが、これは小説や創作ならではだなと思います。怒り狂っているクルディ君が客先の中にツェツェグさんをたぶらかした人間がいるだろうと思って探していたら、そういうこともあるかもしれないですもんね。
 そんな感じでかっちり構成された物語が山場を迎え、まさかのクルディ君の勘違い。鈍感&鈍感&鈍感で繰り広げられる勘違い劇を見せられたら、そりゃロビィも「もうええわ」って言いますわ! 何かちょっとシリアスな展開だったでしょそういう方向だったんじゃないの勘違いかい! ってこれ悪い意味で言ってるんじゃなくて良い意味で裏切られたんだと思っています。
 イトウ君が悪意なんて言葉を使うから何か危なっかしい方向もちょっと予想したんですが、人の気持ちが分からないっていう時点でこういうのを予想するべきだったなあ。
 長年一緒にいる綺麗な姉ちゃんを好きになる展開、それにやっと気づいて受け入れちゃうツェツェグさんの心境や複雑な気持ちは細かく描かれていませんが、イトウ君目線だとそれは野暮。でなければ興味なし。それこそわからんで押し切れるところもいいなと思いました。
 好意を持っている事自体はきっとイトウ君も素敵な事だと思っているんですよね。ツェツェグさんがクルディ君を受け入れた細かい心情なんてきっとイトウ君にはわからない。読者側からすると長年弟だったクルディ君を受け入れるのにいろいろありそうなもんだと思ってしまいますが、そこもイトウ君のキャラが一役買っていて、そこまで気にならない。主人公のキャラクターによって書くシーンを選別するって事なんですかね。
 これも意図的なんだったら本当どうなっとるんですかね。

 話の展開についてはここまでとしまして恋愛オチについてなんですが、間に入る今回の仕事に関するイトウ君の見解から疑わないといけなかったのかもしれませんが、読者からするとイトウ君が一人で喋っているのでそれに引っ張られるんですよね。
 人の気持ちがわからない、ってタイトルにもあるのに、イトウ君の事をそのまま受け入れている自分がいました。なんでだろうと思いますが、ロビィの返答を入れないところがそうさせるんだと思います。
 主人公目線のミステリーで主人公が嘘をつくのはルール違反的なものが僕の頭にはあるんでしょうね。もちろんイトウ君は嘘なんてついてないですし、独白でもない。ただ、一人語っているところを見ると、それを受け入れてしまう感じが僕にはあるんだと思います。他の方はどうなんでしょう。
 物語の展開を予想する上ではイトウ君の考えている事を疑わなければなりませんでしたね。
 勘違いってこれだけ面白く出来るものなんですねえ……とお手上げ状態です。
 
 変にイトウ君のバックボーンがないのも、僕は凄く良いと思いました。どういう経歴でどういう人生でどういう子ども時代で、とか語り出したら小説としての余韻もへったくれもない。
 イトウ君とはこういう人です。と明記されて物語中の会話で人となりを見せられれば、彼の事を想像しますし、それはツェツェグさんやクルディ君も一緒。
 見せられた限りある情報でいろんな事に想像を膨らますのも、醍醐味の一つだなって思います。もちろん、バックボーンがなくても納得感があり、問題ない展開になっている事が条件なので、難しい事やってるなあって思います。
 
 一つだけ、僕はこの物語を、よく作りこまれた洒落ている面白い物語として大いに楽しませていただいたのですが、人によっては盛り上がりに欠けるって思う人もいるんだろうなあって思います。
 分かりやすくどったんばったん激しく動いている訳ではないので、そこに物足りなさを感じる人がもしかしたらいるんじゃないかなあと。
 緻密な構成に凄く熱意を感じるので、僕としてはそこで評価されて欲しい作品です!

 最後に、このお話、お題を黒塗りにして作品を提出しなければいけない性質上、恋愛模様っていうこの話の大事な部分が開けっぴろげなんですよね。
 僕はビンゴの形を見ずにお話を読んでいましたが、このお話で恋愛要素ありって項目を見てしまったらどうなるんだろうと、そこが気になっています。
 作者さん的には、その辺どうお考えなのでしょう。

 投稿、お疲れ様でした!

しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆☆

んんんんすごく刺さりました……!個人的には今企画で1、2位を争うレベルで好きな作品です!
原作でポケモンのステータスを教えてくれるジャッジさんを主人公にするっていうのがまず面白い発想だなと思いました。ジャッジが出来るのは生まれ持っての才能で、それを利用してポケモントレーナーのコンサルティング業を営んでいるっていう設定も上手いですよね。
そしてイトウさんの人の気持ちを上手く理解する事ができないというキャラ付けが物語のトリックにもなっていて面白かったです~!正直な話、イトウさんこの仕事にはあんまり向いてないですよね……(( でも、自分の言葉で少なからず相手を傷つけてしまう事を理解している点や、食事を通して相手との価値観を共有しようとしている点などが、イトウさん自身の優しい性格が伝わってきてとても良かったと思います。
それからクルディ君可愛いですね……そりゃ好きな女性が見ず知らずの男性に高級レストランに連れられていたら怒りますわな。しかもタイミングの悪い事にツェツェグさんがお店から一人で出て行った所を目撃してしまうというのもまた……((
あと、サーカスのシーンもとても丁寧に描写されていて面白かったです!私は実際のサーカスを1回ぐらい見た事あるようなそうじゃないような……っていう人なのであんまり詳しくはないのですが、ポケモンと人間が協力して繰り広げるエンターテイメントは絶対に見ごたえがあって面白いに違いないと思いました。私も観に行ってみたいものです←

最後はまさかのクルディ君がツェツェグさんに恋をしていただけだった!というオチで「うわあああそうだったのか~!」と驚かされつつも、イトウさんのテンションの上がりっぷりに笑ってしまったりと、とにかくハッピーな終わり方でした!ビンゴも三題噺系を除いて全部埋めているというのがすごいです……!
投稿、お疲れ様でした!

雪椿さん
評価:☆☆☆☆☆☆

まさかのジャッジさんにスポットを当てるとは! サーカスを登場させることでお題を消化していることも凄いと思いました。特に進化をメタモンでクリアするとは予想しておらず、作者様の発想力にただただ感心してばかりでした。
イトウさんのキャラもいいですよね。ポケモンの能力はわかるものの、人の気持ちがわからない。終盤で彼の手持ちだと判明したロビィも話してはいないのですが、何か存在感がありました(初読時は彼のことを文字通り石像だと思っていました。気付くのが遅すぎる←汗)。
続編が出そうな要素がちらほらと見られたので、続編が出るのであれば読んでみたい。心の底からそう思える作品でした。

トビさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

まずこのクオリティの作品が、企画始まって一週間あたりで投稿されたことに非常に驚きました。冒頭、タマムシシティホテルの最上階でイトウさんとツェツェグさんについて、スタッフ目線を利用し俯瞰しているような視点で描いているシーンでとてもわくわくしたのが第一印象でした。
ゲームのシナリオ的に言えば完全にメタなポケモンの能力を見ることが出来るジャッジの能力を、イトウさんが持つ天性の才能とキャラ付けしたのが面白いなと思います。ジャッジというCPUを作品の主人公にするという発想も好きで、これぞポケモンゲーム二次創作の醍醐味だなと感じました。タマムシシティを舞台にしたのは、カントーにジャッジさんが居ないからでしょうか?(ピカブイではオーキド博士の助手がバックの中身をアップデートしてくれるようですね)
イトウさん目線でお話が進む中、クルディとツェツェグさんを巡るオチがとても鮮やかでした。
>「で? ツェツェグさんとはどんな関係なんだ?」
 予測できた質問だった。イトウは強く答える。
「それは答えられない」
ここが本当に巧妙ですよねえ~~その後の会話も含め >「こんな男のどこが良いんだ!?」まで読んでまた読み返したくなるこの言い回しと伏線の張り方に思わずニヤリとしてしまいました。このクルディくんの勢いに任せてツェツェグさんに気持ちを吐露してしまった感じがもうたまりませんな。
なんというか、ポケモンの世界のテレビで流れているドラマのようだなあと思ったんですよ。ジャッジという特異な才能を持った青年、サーカス団、そのヒロインと少年、そしてバトルとカラフルで非日常にあふれていて、きっとポケモン世界でも、ありふれた話では無いんじゃないかなあと思いました。この人気ドラマの影響で撮影に使われた料理店が大繁盛してたりして、とか考えたり。とても楽しく読ませていただきました。

逆行さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆

4番目の投稿お疲れさまでした! 凄く本格的な小説で読んでいて「これはレベルの高い小説だ!」と思いました。

とにかくお話の完成度が際立って高かった印象です。「ここもっとこうしたら良いんじゃ……」というのが全く見つかりませんでした。スキのない小説、という印象です。文章力も非常に高く、スラスラと読める感じで、飽きることなく最後まで読めました。

全体的にポケモンの世界の設定を巧く活かしていると感じました。

まず主人公が、ポケモンの個体値を判定してくれる「ジャッジ」であり、その能力を活かしてポケモントレーナーに対するコンサルティング業をやっているという点。通常のトレーナーよりもポケモンを理解することができるという設定を「なるほどーこういう風に利用してくるかあ」と大変関心しましたそして彼が、仕事の報酬を食事として出さしているという点も面白いですね。なぜか自分はプロ奢ラレヤーを思い出しました。いや、あっちはコンサルティング業やってなくて、単に奢ってもらうことの仕事にしている訳ですが(

サーカスの描写もこれまたポケモンの世界観を存分に発揮していました。リオルを進化していると見せかけたり、テッカニンが特定の「かそく」を利用していたり、とにかく読んでいて楽しかったです。れを読んでいる読者までサーカスを実際に観ているような感覚を起こさせていたかのように思います。細かい部分だとポップコーンのカップにカイオーガが描かれていたり、小ネタが盛りだくさんだった印象を受けました。読者を途中で飽きさせない工夫が凝らされていると感じました。

バトルシーンも非常にお見事で、サーカスの演目というある種やらせのバトルを巧く描けていたと思います。ザングースが口の中に毒液含んで相手に吹きかけたりとか、観客をハラハラさせるためのバトルシーンの組み立て方が良かったです。

サーカスでバトルをやることの難しい点は、「観客は別にサーカスでバトル観なくても、他で観られるだろ」って突っ込まれかねない所だと思います。ただこの小説は、サーカスでのバトルならではの臨場感や面白みを表現できており、そう突っ込ませないよう上手く作られていると感じました。恐らく作者さんも、ここに関しては注意を払ったのではないかと想像します。

この小説はとにかくポケモンの世界観を存分に活かしているのが特徴です。

この小説の面白い所は、主人公の設定といいサーカスの描写といい、ポケモンの世界観を惜しみなく活用しておきながらも、お話のオチとなるのが「人間同士の恋愛」という、ポケモンとは一切関係ない所だった点だと思っています。

実はこれは「ポケモン二次創作」という観点から見ても、凄く新しい試みがされているのではと考えました。

普通ここまでポケモンの世界観を活かすことができるなら、オチとなる部分もポケモンに関わりのあることにしようって、思うじゃないですか。でもあえて、そうしなかった。そこに二次創作の奥深さを自分は感じました。

最初読んだときは、「恋愛感情を抱いていた」というのはオチとしてはやや平凡かなと思っていました。しかしこう考えてみると、かなり斬新なオチであるとも捉えられます。

ポケモンの世界観を要所要所で活かしていたからこそ、ポケモンとは全く関係のないオチが、翻って生きたのではないかと思いました。

そして、「ポケモンとトレーナーの関係においてはずば抜けた観察力を持つが、人と人との関係においては万年赤点」という主人公の設定があることによって、オチの説得力と面白みが増しています。本当にこの小説は最初から最後までスキがないなあと感じました。

今企画で投稿された作品の中でも際立って完成度が高かった小説だと思います。僭越ながら、今後も作者さんの小説に期待しております。投稿お疲れさまでした!

フィッターRさん
評価:☆☆☆☆

 主人公であるイトウのキャラクターと、その描き方がとても巧みです。ポケモンをジャッジするという、ゲームにもあるけれど主役にはまずならないポジションの職業を持っていて、かつ彼の持つ天才的な観察眼を、バトルを第三者視点から見る様子を丁寧に描写して説得力を持たせているところに、作者さんの実力の高さを感じます。タイトルに偽りなしな弱点の描き方も丁寧でした。作品のオチを最初からずっと描写していたその弱点に起因するものにしているのも、また作劇の巧みさを感じます。
 ただ、児童と大人の恋愛感情というものを、肯定的に描いてしまっている点はマイナスポイントです。クルディがまだ酒をのむこともできない年齢である、ということを考えると、作中世界でもクルディは成人しているとみなされているわけではなさそうですし、何かしらのツッコミや批判的視点は欲しかったところです。

水のミドリさん
評価:☆☆☆☆

サーカスのシーンが楽しい! テッカニンとピエロのドタバタ劇とか、巨体で強面ツンベアーの使い方とか、いやホントにお金払って見たくなっちゃいました。プログラムを公演毎に変えているとかも(詳しくは存じませんが)興行サーカスっぽいですよねえええ。こういうものを描くときって舞台面だけに注力しがちですが、ステージよりも想像しづらい客席の描写も抜かりなくこなすことで余すことなくサーカスのテント内を作り上げておりました。主人公の隣席から図々しくポップコーンをねだる兄ともらえない妹、めっちゃサーカスの観客にいそう〜〜〜! 始めて見に来た感まるだしで、静かにショウを見る気なんてサラサラなくて、そうそうそういうのが雰囲気なんですよね。あの客席にはタキシードをめかし込んだ紳士とかはいないんですよ。場末のサーカスだもの。
冒頭の高級レストランでの開幕にとっつきにくさを感じちゃったですかね……。主人公の人物像を印象づけようという狙いなんでしょうけれど、どこかずれている彼の言動やレストラン側の仰々しい反応に読み手はどうしても寄り添えません。石像相手にしゃあしゃあと喋るし……やべえ奴? 再読すると初めから主人公に好感が持てているためスムーズに物語へと入りこめたのですが、初読でもそれが欲しかった。中盤までポケモンが出てこないのももったいないなあ。そこから主人公の視線に沿ってサーカスの見世物バトルに隠されたミステリを探す展開に繋がるわけですが、読み手が共感できるキャラクターが登場しないため「不思議だなあ」と思う対象が主人公に固定されてサーカスの謎を追うまで頭のキャパが割けませんでした。こういうクセの強い主人公は読者目線に立てる純粋なキャラを側に置いておくと映えるものです。他作品を引き合いに出しますが、『愛憎の楽園(パラダイス)』も『デザインジーニアス』も、クセ強主人公を理解してくれる相棒がいるからこそ説得力が増すもので。たとえばヒヒダルマを見習いの男の子とかにしておけば事務所での謎解きシーンも石像に話しかけるモノローグの不気味さを払拭できますし、読み手も身近な人物が活躍していて安心できるのですけれど。人の気持ちがわからない主人公に、それでも惹かれる助手とか人気出そうじゃないですか。

鶴我 零さん
評価:☆☆☆☆☆☆

ジャッジくんが人の気持ちがわからないと言っているけど、「人と食べるご飯が美味しい」と感じているところがすごく好きです。
シリーズで読んでみたくなるお話でした、ありがとうございます。

セリさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
はやめさん
評価:☆☆☆☆☆☆
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
白銀さん
評価:☆☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
ionさん
評価:☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆
くちばシュウさん
評価:☆☆☆☆☆
コメットさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆