心のアオの感想一覧

花鳥風月さん
評価:☆☆☆

最初のセリフからインパクト絶大でした。主人公のメンタルマイナスからのスタートということは、ここからカタルシスが生まれるのだろうか……! とワクワクハラハラしながら読ませていただきました。

『望まない進化』って、あの世界だと本当にありそうですよね。原作の世界を使っているところから、よりそれを実感します。
主人公のシャワーズのトレーナーも、もともとはポケモンのことを大事に考えるお方だったんですよね。それが時間を追うにつれ、データや勝利にこだわるようになった……。現実世界の我々を彷彿させます。
ただ、シャワーズには何も救いがないのかというとそうではなく、仲間のルカリオが支えになってくれました。ひとりぼっちじゃなくてよかった!!
最後の最後でハッピーエンドになったところもホッとしました。シャワーズがグレて、トレーナーさんに復讐したらどうしようとか思いましたが、おじさんの杞憂に終わりました。

さて、ここからは完全に好みの話になるのですが。
トレーナーさんがシャワーズを捨てたことの遠因に『データ』というものがありました。いわゆるポケモンの裏データにあたる個体値とかですね。
せっかく原作世界という舞台が用意されている中で、現実に引き戻されるかのような用語が現れて、わたしの頭の中で世界観が一気に音を立てて崩れてしまいました。夢から覚めたような。
また、トレーナーさんがシャワーズを再び仲間に引き入れる前に、もうワンクッションあってもよかったかなぁと思いました。シャワーズの視点に集中し、分かりやすい話になった反面、トレーナーさんの葛藤とか勝ちにこだわるようになるまでの変化があると、感情移入しやすかったかもしれません。
誰にでも起こり得るような話、わたしもゲームのポケモン大事にしてあげようと思いました。
投稿お疲れ様でした!

北埜とらさん
評価:☆☆☆

 推し(※シャワーズ)〜!と思ったら望まない進化でアワワワってなってしまいましたもふもふでもシャンプーハットでもシャワーズかわいいじゃない!!でもイーブイくんが最後はきちんとシャワーズの姿になったことを前向きに受け入れてくれてホッとしました。イーブイっていろんな可能性があるからこそ、こういう風に、その子が望んでいない進化先に進化させられてしまう事例多々ありそうだなあ〜。人間には言葉が通じないから意志も伝えづらいし、希望通りの進化先に進化できなかった場合のイーブイたちの葛藤は凄そうです、一旦進化したら元に戻れないしね。とても面白いテーマでした。
 まさかすぎるお店の陳列棚から落っこった石で進化を果たすという展開!! それをイーブイにキレる理不尽な主人さんですよ。主人さん水の石の代金はちゃんと払ったんだろうか……笑 廃人系主人さん、三値ってゲーム的すぎて創作世界の中で見るのは苦手な人も多いのかもしれませんが、三値を語らせることによって彼のキャラクターが非常に分かりやすく提示されていたので、キャラ付けの一要素として個人的には大いにアリだったのではないかと思います。ポケモンを贔屓する! 理不尽にキレる! 人前で罵倒する! 挙句に捨てる! と非道極まりない様を見せつけてくれたので、彼の行動自体は本当に典型的な悪人トレーナーという感じで擁護不可能ですが笑 私は闇の同人屋なので「絶対イーブイとルカリオが結託して痛い目にあわせる展開だ……」と思っていましたので、主人が溺れているとルカリオが言い出した時にはリアルに「えっ!」と声が出ました。あれだけ酷い目に遭わされたトレーナーを(ルカリオのためとはいえ)命懸けで助けに行くシャワーズの健気さよ……許してもらえて良かったな!!
 いかにも英語台詞のお題を消化するために入れられたような「One for all , all for one」がラストで見事に回収されたのが見事すぎてめっちゃ膝を打ちました、このくだり大好きです笑。主人改心しましたが、普通に改心しただけだと「絶対同じことやるやろ……」と穿った目で見てしまいそうになるので、「カプ・コケコにお灸を据えられた」という改心ポイントが失神中の出来事とは別に用意されていたのが良かったなと思います。カプに怒られたらそりゃ恐ろしいし、人間の邪な心を抹殺するくらいの特殊な力、カプなら持っていても不思議ではない……笑 作者さんの意図だったかは図りかねますが、カプの恐ろしさを勝手に実感させられたような気がしました。「貴殿等の主は“ One for all , all for one ”などと申しておったが、言と動に矛盾が生じておった」この台詞本当好き!!カプに目の前でこんなこと言われたら私もビビり倒しますわ……!!笑
 進化したてのシャワーズが当然のようには泳げないという発想もすごく光っていたと思いますし、海になぞらえた心理描写も巧みで美しかったです。見どころいっぱいの可愛らしい作品でした。投稿おつかれさまでした!

あしゃまんさん
評価:☆☆☆

 上手くまとまってるなぁと思いました。別離からの和解という流れは王道を上手く押さえてて、面白かったです。
 1つ気になるのが、冒頭の地名で誤字ってます……地名の誤字は場所の設定間違えかねないので気をつけた方がいいです。
 厳選というメタな発想をポケモン世界観に落とし込まれているのは賛否両論かもしれませんが、それが上手くまとまっていれば、個人的には好物です。

 楽しませていただきました!

猫村さん
評価:☆☆☆☆

ちょっとした青春映画を見てるみたいで、面白かったです。登場人物が沢山いるけど分かりやすい。その点はすごい。
演劇をテーマにしているのも楽しかったです。終盤、ライムが特に精神的に成長してるのが良かった。
執筆お疲れ様でした!

ラプエルさん
評価:☆☆

イーブイの望まない進化を題材にした作品…拙作と似ていてちょっと嬉しいです。
我儘で勝ちに固執するトレーナーが、自らが望んでいた進化とは違う結果を遂げたせいで激昂して手持ちから外してしまう…けれども命を救われた上にカプにも諭されて考えを改める…王道な仲直りでほっこり読めました。

ただナッシーの出番が少ない上にその後の活躍もなかったこと、アーカラ島なのに守り神がカプ・コケコになっていること(原作だとアーカラの守り神はカプ・テテフです)などちょっと粗が目立っているかなあと…
砕いたモンスターボールからシャワーズに似合ったダイブボールに変える場面など光るところはたくさんあっただけに少し残念でした。

BoBさん
評価:☆☆☆☆☆

 開幕シャワーズの沈み具合とナッシーの明るさが対照的に描かれていたところで引き込まれましたね……! イーブイの誤進化は結構そこかしこで起こってそうで怖いですよね……。そこにデータ至上主義のご主人が合わさっての災難、胸が痛みます……!
 そんな中でずっと味方でいてくれたルカリオがかっこよかったです! ご主人が溺れた後にシャワーズに助けを求めてきたのも、泳ぎ慣れていないシャワーズに頑張って泳ぎを教えてるところも、健気でまっすぐだなぁと思いました……! 
 最後に改心したご主人とどんな風に歩んで行くのかも楽しみです! ありがとうございました!

円山翔さん
評価:☆☆☆

 アーカラ島の守り神はカプ・テテフですね……でも、私の中で素早いイメージはカプ・コケコだったりするので、このシーンにはよく合っているのかもしれません。
 ブルーな気持ちと、体の色と、最後に入ることになったダイブボールと。どれも「アオ」なんですが、全部少しずつ色が異なるんですよね。そのあたりを踏まえてのタイトルかなって思うんですがどうでしょう。個人的に、トレーナーの彼をあんまり好きにはなれそうにないなぁと……でも、ちゃんと最後には受け入れられたんですよね。窮地を乗り越えることで生まれるこういう絆はいいなって思うんです。トレーナーの彼が、助けられた時の気持ちを忘れず、攻撃の高いシャワーズを活かせる戦い方を考えてくれたらなって思います。

夜月光介さん
評価:☆☆☆☆

8・心のアオ 主張するビンゴ 3ビンゴ以上

ストーリー評価 65点 小テーマ不合格 なし

総合評価 65点

『感想』

ひたすらに優しくて、眩しい。心が洗われる様な物語。

自分だったら、と考える小説作品だったと思います。
自分だったら、自分を捨てたトレーナーを自分の命をリスクにして
助けに行こうなんて絶対思わないでしょうし、
トレーナーの方だとしたらシャワーズをもう一度パーティに入れたりしないと思います。
命の恩人だったとしても、自分の『強くなりたい』と言う気持ちを裏切る事になるからです。
それに、自分だったら『自分の決断』を曲げられないですよ。

この作品は心が歪んでいる自分とは違い、繊細で綺麗で、透明な作品です。
『悪意』はこの作品の中に1%も無い。純真で優しくて、
自分が触れるのが怖くなってしまう位……とにかく善意の塊なのです。
同時に、この作品は『レートバトルに執念を燃やすガチユーザー』に
警鐘を鳴らす意味もあった作品だったのではないかと思いました。

一番になる事。それは大事な事です。
ただ一番になる為に様々なものを犠牲にし、結果一番になった結果よりも
不幸な事が沢山生まれた。それでは駄目なのだ。
作者はそういう事を伝えたかったのではないでしょうか。
メッセージが明確で、文章の癖がちょっとある気がしましたが
それ程過度に気になるものではありません。
『考えさせられる』作品としてはトップクラスでしょうね。
全てのポケモンを遊んでいるユーザーに『これでいいの?』と
問題点を挙げた。素晴らしい意欲作だと思います。

草猫さん
評価:☆☆☆☆

この作品、初心というか、忘れていた思いを思い出させてくれる感じなんですよね。
トレーナーさんはいわゆる廃人なんでしょうね。ガチ勢しか意識しない言葉をかなり言ってますし。不可抗力ではあったとはいえ、自分の努力が全て無駄になったとでも感じたのでしょう。本編でも言及されていますが、強さに全てをかけていたからこそ、思いやりを失ってしまっていたんですよね......。 そこが現実的だなと感じました。こういう人は絶対にいますし。
それでも助けに向かうシャワーズはカッコ良かったですし、最初から完璧に泳げるわけではなかったのもリアリティがあって良かったです!
そして、最後の部分。確かに、トレーナーさんは反省したようですが、また二の舞にならないかどうかは分かりません。そうなってしまわない事を祈ると同時に、1人と2匹の絆がより強くなったら良いなと思います。
投稿お疲れ様でした!

ソラさん
評価:☆☆☆☆

物語は望まぬ進化をしたイーブイが落ち込んでいるところからはじまり、回想で何があったかがわかるといった展開が個人的に好きでした。
狙っていたかはわかりませんが勝ちにこだわりすぎるトレーナーに嫌悪感を覚えるような文章になっており、イーブイからみてトレーナーがどれだけ苦手な存在か明確になっていたとおもいます。
シャワーズになったばかりなのと負担がかかる泳ぎ方をしていたせいで足の筋肉がつってる描写は私だったら思い付かなかったので良い発想だとおもいました!
欲を言うなら土地神様がどうやってトレーナーを諭したのか少し気になったりもしましたが読者の想像に委ねるのもまた一興かなと思いました。

カイさん
評価:☆☆

イーブイが何に進化するかをテーマにしたお話って、イーブイの持つ可能性と同じくらい様々な描き方があって、いいですよね。
この作品は、望まない進化をしたシャワーズの物語を通じ、随所に散りばめられた「青の描写」が印象的でした。

ポケモンを対戦ゲームとして楽しむ人がよく使う俗称(厳選とか努力値とかHABCDSなど)が、この作中で使われていたことについて私見を少し述べます。
私はこの表現はありだと思います。確かにこれはゲームとしての俗称ですが、ポケモンの世界で真剣にバトルの勝利に向き合う人にとって必要な情報が、どんな俗称で呼ばれているか私は知りませんし、原作中に描写もありませんからね。こういうふうに表現されていても私はそこまで違和感を覚えませんし、バトルで勝利することに憑りつかれているトレーナーのキャラクター表現としては良かったんじゃないかなと思います。
結構物議をかもしている点だったそうなので、そうなのかーと思って個人的には気にならなかった、ということを述べておきました。でもまあ、好き嫌いが分かれるというのも理解はできます。

さてそんなバトル狂のトレーナーさんでしたが、海難を経て勝つことよりも大切なことを思い出したようで本当に何より。シャワーズもルカリオもトレーナーさんも、これからいろんな「アオ」を心に映してくれればいいなと思います。

あと、できれば固有名詞や土地の位置関係は、自信がないと思ったのであれば、調べてほしいです。個人的な話で申し訳ないのですが、私、アローラのこと大好きなんですよ……。なので、ちょっと、「アーカラ島の守り神カプ・コケコ」という誤認は捨て置けないです……悲しかったです。すみません。よろしくお願いします。

投稿お疲れ様でした!

春さん
評価:☆☆☆☆

 これ読みながら「ごめんな……あぁ……ごめんよ……」ってめっちゃ思ったんですよ。いや、ゲームとかでも命中がちょっと低めの技とか外されたりすると「ちっ!!お前ェ!!ちゃんと働けやゴルァ!!」とか言っちゃいませんか???そりゃあ外したりするよなポケモンだって生きてるんだもんな……。小説とかで描写する時も、完璧に指示こなしてたりするし……そいつは無理な話だぜフゥー!!!!ちょっとポケモンの立場や気持ちも考えて、これからは書こうと思っちゃったよね……。大切なことを……私は教わった……断罪されたのは、まさか、私……???
 トレーナーはクソ野郎ですけど、シャワーズは好きですね~。前半部分のシャワーズのくだり好きです。心がささくれだってつんけんしてるシャワーズきゃわわ!「こうも熱いと蒸発しそう」のところ、実はちょっとふふってなりました。そうね、あなたシャワーズだから蒸発するかもしれんよなって考えると面白いですよね~!
 クソトレーナーから解放されたひゃっほいとはならずに、壊れたボールを持っていってしょんぼりしちゃうあたり、シャワーズ可哀想……。自分は悪くないって分かってるのに、でも見捨てられたって気持ちになっちゃうんですよね……。
 ルカリオがメスって珍しい?ような気がします。でもメスのルカリオもキリッとしてて格好いいなぁ。男装の麗人って感じしないですか?褒められてはしゃいじゃうとこも可愛い……。シャワーズに掴まっているシーンとかも想像するとなんか可愛い。
 シャワーズがトレーナーを助けようと思った理由が、ルカリオの為っていうの良いと思います。主人の為に働こうとは思えんよな……。うーん、トレーナーを許す理由は、謝罪して終わり!!っていうより、個人的にはトレーナーが二匹の為にどっか命をかけたり、助けたりするシーンがあると心情的に納得できたような気がします。口だけなら!!なんとでも!!言えるんだよ!!!!!ってトレーナーに思っちゃう……。
 ところでポケモンの細かい描写すっげぇ良くないですか?フェチ発言っぽいんですけど、イーブイが熱を逃がすためにぶるぶるってなるシーンとか、シャワーズになって初めて泳ぐときに凄く気持ちが良くてびっくりしたりとか。そういう細かいシーンの描写がとてもポケモンらしくて私好きです。
 補足で、他の方も指摘してるかもですが、「・・・・・・・」じゃなくて、「……」で書くとベリーグッドですよ~!「…」は偶数個で使うのが基本です。「!」とか「?」とかは、その後に文章が続く時は半角スペースを空けるのも大事! こんなふうです! 結構、「文章ルールに則ってないと読まない! 価値も感じない!!」って人が一定層いるので、もったいないですよ。

ptさん
評価:☆☆☆☆

よく一度進化失敗したくらいで手持ちを逃がせるようなトレーナーが十年以上もいろいろな地域を旅できましたね……こいつ何やってきたんだろ
ゲーム上でしかやりたい放題できない廃人ならわかりますけど、実際にこういうことする/できるんですねえ。
売り物で勝手に進化しておいて気に入らないから捨てるって、企画内でもトップクラスのクズですよ。しかも責めるのは店側の落ち度ではなくイーブイの不注意についてですか。さすがです。
そら土地神様にも成敗されますわね。こいつ絶対またやるぞ。信頼するなシャワーズ。これで十何年もやってるんだからな
見事作者の術中にはまってしまったよ! トレーナーのヘイトしか書いてない!
裏を返せば、厳選なり育成なりをしている自分に返ってくるんですよねえ……

Pさん
評価:☆☆

「ピカチュウかイーブイを出す」を過去形でクリアする消化法、バトルを通して語られるトレーナーとルカリオの人柄や扱いの差など工夫が凝らされていたと感じます。
トレーナーを助けるため生まれて初めて水に触れ水ポケモンとしての本能的な親しみと泳いだことのない経験不足を同時に覚えたり、その経験不足にもかかわらずみるみるうちに泳ぎを修得していくシーンはそれまで全く馴染みのないことを得意とする姿にも進化できるイーブイならではのもので、その特殊性を改めて感じました。
また、必要に迫られた形とはいえ水ポケモンとして泳ぎ、生きてみることで自分がなってしまった姿を少しずつ肯定していく様子も望んでいなかった姿に進化したことへの現実的な救いとして映りました。
トレーナーは作中でも示される通り非常に勝利に対し貪欲で、イーブイに対しては暴君とも呼べそうな振る舞いをしていただけに最終盤の変心ぶりはやや急に映り、カプ・コケコにどのようなお説教を喰らったのか大変気になりました。
それだけに「今現在の彼がこれからも続けば」好きになれるかもしれない、という限定つきでの同行を決める結末には納得感がありました。もしもダメだったらすぐにでも逃げ出していただきたい。

照風めめさん
評価:☆☆☆

ルカリオってコメットパンチ覚えるんですね! USUMからとは知りませんでした。
原作ゲーム準拠のバトルも見所ありましたし、シャワーズとルカリオの関係性も良かったです。
特にわたしはナッシーがいい味出してるなあ、と思いました。
やっぱりイーブイは色んなタイプに進化できるし、進化先によって能力も違うからこそ望んだタイプに進化できない、というだけで大きなドラマになるんだなあと思いました。
望んだように進化しないイーブイを棄てたトレーナーがピンチに陥り、進化した結果が怪我の功名となってそのトレーナーを助ける。というのが分かりやすくて良かったです。

本作をよりブラッシュアップさせるポイントは、「キャラクターの筋を通す」ことです。
本作はシャワーズ達のトレーナーが、ストーリーの都合で立場をコロコロと変えるため、物凄く情緒不安定な人間に見え、物語が終わっても本当にこれでいいのかな、と思ってしまいました。
というのも、ルカリオが述べていたトレーナーの過去をまとめるとどうもトレーナーがDV加害者にしか見えなくなってしまいます。
元々は穏やかだったのに、ある日を境に突如ポケモンに厳しくなり、挙げ句の果てに思い通りに行かなければポケモンを逃がす。自分が助けられるとお前が必要だと言いだす。
この一連の流れを見ると、トレーナーとルカリオとシャワーズは歪んだ共依存関係のように見えなくもなく、トレーナーが本当に反省してるのかどうも疑った目で見えてしまいました。
ストーリーありきでキャラを作るのではなく、ストーリーとキャラを切り分けて作り、このキャラをこのストーリーに乗せるにはこういう性格や背景が必要だ。あるいは、このキャラはこういう性格や背景だからこのストーリーが必要だ、と相互干渉させた方が上手く見えると思います。
また、進化のシーンも子供に怒ることがあっても、なにもシャワーズに怒る必要はないんじゃないかなと思います。ここも主人公の極端過ぎるキャラ付けが働いてしまったように見えました。
シャワーズに怒るなら、例えば砂浜掘って遊んでたら埋まっていた水の石に触れて進化してしまったとか、シャワーズ自身に非がある手段を取らせるべきだったと思います。
しかし、ストーリーを作る力は十分にありますし、作品が手がけるテーマそのものはとても面白かったです。
そういった意味でも今後が楽しみだと思いました。

rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆

 主人公の健気さがとても可愛らしい小説だったと思います。それだけにその主人公が虐げられるストーリーラインはとても王道で良かったです。
 少し思ったのは、この作品では悪役であるトレーナーのが悪役っぷりが振り切れすぎていたのではないかなと言うところです。結局最初から最後までただただムカつく存在であった主人公に改心的なフォローがあまり感じられませんでした。一応カプにお仕置きはされているんですけど、前半で見せていた悪役っぷりとのバランスが取れていなかった風に感じました。この先このトレーナーが本当に改心して主人公と上手くやっていけるのでしょうか。

フィッターRさん
評価:☆☆

 ポケモンを身勝手な理由で傲慢なトレーナーが事件を機に悔い改めて、ポケモンと和解するというお話をポケモン目線で描いた試みは面白いのですが、あれだけひどい仕打ちを受けたのに、涙浮かべて一言言っただけで和解、というのはややばかりあっさりしすぎてはいないかと思います。トレーナーさんあんまり反省しているように見えないです。コケコに叱られているところを伝聞にするのではなくシャワーズも見届けていれば、もう少し説得力が出たかなと思います。
 バトルシーンやルカリオへの恋愛感情が、あまりお話の本筋にかかわらないのに書き込まれているところも気になります。本筋とうまく噛み合っていなくて、お話で何を描きたいのかが散らばってしまっているように感じました。

坑(48095)さん
評価:☆☆☆

 しゃわしゃわ。
 シャワーズに進化したばかりのイーブイが、泳いだことない、って言っていたのが好きです。今まであまり意識したことなかったんですが、なるほどたしかに。ノーマルタイプから水タイプに変わったからといって、瞬時に泳ぎ方を身につけるわけじゃあない。
 ルカリオと泳ぐシーンでだんだん泳ぎ方を掴んでいくところもよかったし、慣れてきたところで足攣っちゃうのもリアルでした。

しろあんさん
評価:☆☆☆☆

ブイズ大好きなのでシャワーズ(もといイーブイ)が主人公でヤッター!となりました。しかしお話はシャワーズがトレーナーに捨てられた所から始まり、まさに彼は心のアオ状態でしたね……!
あまりにも理不尽な理由で捨てられて、トレーナーの事を嫌いに思ってもなお、壊れたモンスターボールを持ち出して楽しかった時の事を思い出している所が、シャワーズの葛藤がよく伝わってきて感情移入がしやすかったです。
>多分ナッシーは自分なりの言葉で、深海の奥底まで沈んだ僕をすくい上げようとしてくれたんだと思う。直接見た訳じゃ無いけど、影の位置が変わったから、きっと長い首を上げて賑わうビーチを目で指してるんだと思う。
>だけどそんな彼のさざ波を、僕は荒れ狂う大波ではね除けてしまう。自分でも驚くぐらいの大声だったから、近くにいたコソクムシ達が怯えて逃げていってしまっていた。
ここの表現、めちゃくちゃ好きです……!「海」や「波」を使った感情の表現が、舞台がアローラのビーチである事も相まってより一層際立っていたように思います。
それからルカリオの優しい性格が良いですね……あるいみ、シャワーズが捨てられた後、一番葛藤を抱えていたのは彼女なのかもしれませんね。長年付き合って来たトレーナーの事も、自分が恋心を抱いていると気づいたシャワーズの事も、どちらも大切にしたいと思っていたのですから……

最後はトレーナーが反省し、シャワーズに謝罪して手持ちに戻すというオチに終わりましたが、私としてはこのお話はハッピーエンドで終わってほしいので、トレーナーにはこれからずっとポケモンに対する思いやりの心を忘れないでいてくれたら良いなと思いました。
投稿、お疲れ様でした!

早蕨さん
評価:☆☆

 イーブイが望まない進化をしてしまうという題材が、凄く面白いなあと思いました。後戻り出来ませんし、一生に一度のこと、それがあのような出来事で決まってしまうのは、本当に辛い。更に、それを肯定してもらえないというのはもっと辛い。もっとグレてしまっていいぐらいだなあと思いましたし、それを唯一慰めてくれたというか気にかけてくれたナッシーをもっと重要なキャラクターにして、焦点をあてて欲しいなあと思いました。
 トレーナーがあのような考え方になってしまった理由が書かれていないので、ルカリオもただ理想個体で言う事を聞くから好きなんだと思うと、ちょっぴり切ない。ルカリオはトレーナーを好きなのに、トレーナーはそういう目で見て一緒にいるのでしょうか。(作中に明記があったらすいません)
 命を救われて考え方を変えたトレーナーですが、彼のバックボーンが見えないのでどうしてもまた同じ様な事をやるんじゃないかなあなんて思ってしまいます。
 またシャワーズになった事を、イーブイ自体は後悔していたのでしょうか。ブラッキーかサンダースだというセリフはありましたが、シャワーズが絶対嫌だって事はきっとないんですよね。シャワーズになった自分をまったく認めてもらえない、肯定してもらえないというところがやはりきついんですよね。自分がどう思うかというのは大切だとしても、やっぱり他人の評価で自分を見てしまう、というのは誰しもあるはず。その辛さを書くのがうまいなあと思いました。ナッシーをもっと出してあげてえええ笑
 あのトレーナーと一緒で大丈夫かああああと思いつつも、命を救われた事できっちり自分を見直せたと信じたい! シャワーズ、ルカリオと一緒に、今度こそ素晴らしい関係性を作っていって欲しいなあと思いました。
 投稿、お疲れ様でした!

雪椿さん
評価:☆☆☆☆

様々な進化先があるイーブイだからこそ起こった「事故」と、その後を描いた話ですね。
私は完全にポケモンエンジョイ勢なため、個体値についてはあまりわからなかったのですがAは攻撃力でHは体力のことでしょうか。シャワーズって特殊技に長けているイメージなので、確かに攻撃が高いとバトルでは大変そうだと思いました(進化によって変化が起こった可能性もありますが)。
トレーナーが改心してのハッピーエンドですが、最後の一文が見方によっては何とも不穏ですね……。シャワーズはこの先トレーナーが改心する前に戻る可能性も考えているのでしょうか。いや、それだと素直にボールには入りませんよね。シャワーズがルカリオと一緒に幸せに暮らしていけるといいな、と思える作品でした。

トビさん
評価:☆☆☆

この小説はあくまでポケモン側からこの世界を見ているので、トレーナー側がどうやってポケモンの能力パラメーターやポケモンのとくせいを把握しているのかをえがく必要が無いのが面白い所だと思います。他の地方を10年以上旅をしているとのことですが、主人公はゲームプレイヤーを模しているのでしょうか。進化した時に真っ先にシャワーズを責めたこのトレーナーは本当にダメですね。本当に改心したのかちょっと心配になりました。ルカリオちゃんが主人公に入れ込んでいるような感じがなおさら心配です。というかこのお店の管理もだめだよねと思いました。ただ、第三者の管理ミスで進化してしまうという発想はとても面白いなと思いました。
また、言葉が通じないトレーナーに対して話が通じているような掛け合いの描写をされているのが上手いなと思いました。

バトル描写も迫力があり、コケコ様がお仕置きしてくれるっていう展開も面白かったです。厳選厨へのメッセージが込められているのかなとも思いました。また、タイトルもおしゃれで好きです。

乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆

進化の石に間違って触ってしまって間違って進化してしまう、まさに悲劇と絶望のブルースですね。こういうこともあるのかなぁ……と思うと恐ろしいですね。でも店の管理も悪いですよね、絶対。笑
今まで泳いだこともなかったのに海に入るとすぐにちゃんと泳げるようになる描写が凄く良かったです。
しかしこのトレーナーとルカリオの関係が、どうしてもDV男と付き合ってる彼女に見えてしまうんですよね……笑 
ルカリオ「でもこの人にもいいところがあるから……」ってめっちゃ言いそうで……(こら
絶対このトレーナーは会心してないと思います。そのうちきっとまたやらかします。(謎の確信)

逆行さん
評価:☆☆

イーブイが連続で続きましたね。こちらのイーブイも凄く魅力的で可愛らしかったです。こちらはイーブイの一人称視点のお話ということもあり、イーブイの心情が丁寧に描かれている所が読み応えありました。
トレーナーに逃されたポケモンがどういう感情を抱いているのかが、はっきりと分かって面白かったです。

トレーナーがいわゆる廃人さんなんですよね。『理想個体A極振りのタックルをなめるな! 』とか言ったり、イーブイを3ヶ月も厳選し続けたり。いや3ヶ月って凄いですね。現実の廃人も3ヶ月ぐらい粘ることあるかもしれませんけど、この人は実際にタマゴを孵すべく走り回っている訳ですからね。足腰めっちゃ鍛えられそうですね。

でも、ゲームのバトルと、実際のバトルって全然違うんですよね。そもそもターン制じゃないから、交互に攻撃する訳じゃないという。倒れている相手に追い打ちかけたりもできてしまう。攻撃を防御することでダメージを軽減させることが可能だったり、必中技であるスピードスターが必ずしも相手に命中させられるわけじゃなかったり、全然ゲームとは異なるんですよね。この小説では、その差異みたいなのが巧く描かれていたように感じました。イーブイのトレーナーはデータしか見なくなってしまっていたようですが、実際のバトルはデータだけ見ても勝てないというのが良く分かります。個人的には「かわせ!」も見たかったですけどね(笑)

廃人って実際にいるとこんな感じなんですかね。トレーナーの邪険な雰囲気を良い具合に表現できていたように思います。ルカリオがそんなトレーナーでも慕っていたのは、昔の彼は別にそうではなかったんでしょうね。それこそ、One for all , all for oneの精神を大事にしていたのでしょう。

全体的にイーブイの心情が凄く丁寧に描かれていたように感じました。海になぞらえた心理描写や、アローラの特徴と重ね合わせた心理描写、が至る所で輝きを放っていたかのように思えます。

>僕は何も出来ない、そうは思ってるけど、想い慕ってるひとを悲しませたくもない。強くて憧れてた彼女の弱い部分を見てしまった、って言う事もあるけど、子供みたいに泣きじゃくる彼女に何も言えなくなってしまう。心なしか空が暗くどんよりとしてきた気がするけど、こんなモヤモヤした気分を晴らしたい。こう思っている自分がいるのも事実。だけど彼女が助けたいって思っているのは、僕を捨てた、大嫌いなトレーナー。その彼女は僕が一番慕っていて、憧れ想っているルカリオ。

特にこのあたりの葛藤が、凄く丁寧に描かれているなあと感じました。トレーナーのことは嫌いだけど、後に恋愛感情を抱いていると分かるルカリオのことは悲しませなくない、という葛藤が良いですね。ここはお話の肝となる部分でもあり、すごく練ってあるように感じました。この小説って全体的に誤字が目立つんですけど(すいません)、でも力を入れるべき場面の文章に関しては、しっかり書けているなあと思います。

全体的なストーリーラインも凄く良くできていたと思います。お話の起承転結もちゃんとまとまっていたし、最後はトレーナーと和解して綺麗にハッピーエンドって感じでしたね。でも、

>今この瞬間の彼がこのまま続けば、少しは好きになれるかもしれない、って思いながら・・・。

最後の一文がちょっと不穏な感じの雰囲気もあるんですよね。今後もしかしたら、この瞬間の優しい彼がこのまま続かず、再びデータしか見なくなるようなトレーナーになってしまう可能性もありそう。果たして今後、トレーナーとシャワーズはうまくなっていけるのだろうか。色々と想像を巡らせてくれる終わり方だなと感じました。

イーブイが進化の石に不慮の事故で触れてしまい望まない方向に進化してしまったというのは、アイデアとしてはとても面白いと思います。ただ現状の描き方だと、「イーブイよりも少年たちに怒るべきじゃ……」っていう感じてしまう部分がありました。トレーナーは事の一部始終を全く見ていなくてイーブイが自分で石を触ったのだと勘違いしてしまった、みたいな感じにしたほうがここは良いかなあと個人的には感じました。

全体的に、イーブイ、そしてシャワーズの心境を巧く描いた小説でした。今後も作者さんの小説に期待しております。投稿お疲れ様でした!

ionさん
評価:☆

文字数をとって丁寧に描かれているおかげで、楽しさがこちらまで伝わってきて、泳ぐシーンが非常に好きでした。
作品全体的なことを言えば、ここでシャワーズでもやっていけそうなものを感じるわけですが。
なんだかんだ今までで読んだ作品で最もぼくがイメージしている海洋帝国アローラの風を感じたなあと。

水のミドリさん
評価:☆☆

イーブイって何にでもなれるからこそ、望まないものになってしまったときの絶望ってスゴそうですよね。まして落ちてきた進化石で勝手にシャワーズにされるの、かなり辛いな……私ブイズじゃシャワーズ推しなので引き取りますね……。退化できるアイテムの開発が急がれます。
冒頭で主人公を慰めてくれるナッシーいいですよね。十メートル以上の背丈と地面ばっか見てるシャワーズじゃ会話しづらくない? テンションの高さ低さが具体的な上下として描かれるの、技ありと思います。主人に対して盲目的なルカリオもな……ふとしたキッカケで捨てられるようなことがあればシャワーズ以上に闇落ちしそう。いいキャラでした。
泳ぐシーンや主人を助けようとするシーン、私が書くとしたらこう、シャワーズの遺伝子に刻まれた本能が〜、とか、あれだけ嫌っていた主人を目の前にするとなぜか体が勝手に動いていた〜、とか、ご都合主義的に流しちゃうんですよ。でもそこをちゃんと、ルカリオに泳ぎ方を教わるし、彼女と一緒にいることと天秤にかけて主人を助ける決心をする。心理描写ちゃんとしてる方だ!
捨てられてからのシーンとそれまでの経緯が交互に描かれる構造ですが、そのねらいがイマイチ伝わらなかったでしょうか……。そのまま時系列順に書いた方がストレートに分かりやすかったと思います。冒頭で主人公の種族をぼかすよりも、シャワーズだと見せておいた方がルカリオが助けを求めに来てくれた理由も伏線として成り立ちますしね。

まーむるさん
評価:☆☆☆
セリさん
評価:☆☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆
はやめさん
評価:☆☆
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
白銀さん
評価:☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆
くちばシュウさん
評価:☆☆
コメットさん
評価:☆☆☆
砂糖水さん
評価:☆☆☆