telepathyの感想

葉穂々さん
評価:☆☆☆☆
運転免許持ち、ということは、主人公達の年齢は20歳前後でしょうか?
読後感の良い青春のお話でした。

好きポイント
・サイコソーダの描写。
・ガーディの独白全般。特に、焼きそばが食べたいガーディ。
・サメハダーのデザイン入りの帽子を買ったルリ。
・ラストシーンの情景の美しさ。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆
聴覚障害を扱った挑戦的な作品でした。
字数の割に登場人物が多く、把握するのが難しいところがあり、また数人は活躍の機会も少なかったので、キャラを絞っても良かったのでないかな、と思います。
また、落とし所も個人的にはあまり良い印象ではありませんでした。実際、耳が聴こえなくても手話とかでよく喋っているのを見ていると、言葉で喋って聞こえる奇跡と言うのがいまいちピンと来ないものがありました。
頑張って手話を覚えたとか、こちらから歩み寄る姿勢を見せる方向だと良かったなぁ、と思ってしまいました。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆☆
聴覚障害という取り上げにくいテーマに真摯に向き合った文体が美しい、珠玉の青春ラブストーリーでした!
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆☆
耳が聞こえない故に他の人との対話や意思疎通でいつも一歩引いてしまうノノカ。聞こえないということが想像できないがためにノノカとの接し方が分からないマコト。そして、人と言葉が通じず、難しい言葉が分からないなりに精一杯に人の気持ちを察しようとするガー公の、三者三様の心の揺れ動きが実に繊細に描かれていました。特にガー公の、ポケモンである故に言葉での人との意思疎通ができないでいる様子、相手の表情や口調から言葉の意図を読み取ろうとする姿勢は、恐らくは聴覚障害者であるノノカの姿とオーバーラップさせたものであり、そのようにしてノノカの抱えている不便を(もちろん人とポケモンの間にある意思疎通の困難さと聴覚障害の困難は違うけど)完全ではなくとも読者に想像させている、その表現の仕方に、限りない称賛を送りたいと思います。
この作品の素晴らしいのは、生まれつき耳が聞こえないノノカに見えている世界や、感じている気持ち、生活の上での困難について「分からない」「想像できない」ということから逃げずに、真っ向からそれを描いたことです。ノノカと多くの気持ちを共有できていると思っていたガー公ですら、ノノカの気持ちに同調する以上のことができていない自分にショックを受けるシーンがあります。
生活に困難を抱えている人の苦しみを分からないことを、分からないとそのまま描くのは、ともすれば不理解と傲慢の姿勢を見せてしまうことに繋がります。しかし、この作品において、分からないということは好きな人に対する無力を表していました。その自分の無力さをマコトがありのままに曝け出すシーンはひたすらに誠実であり、こういった作品が現れたことに対し、ただありがたいと思いました。
それでもマコトはこんだけノノカの気持ちが分からずに悩んでいるのなら、やっぱり手話の一つや二つはできているべきだと思うし(みんな筆談してるのお前のせいじゃん!と思わず突っ込んでしまいました)表情や手振りのほうが理解しやすい節のあるガー公にとっては音声言語より手話のほうが分かりやすいのでは?という細かい疑問はあるのでそこらへんを詰めて欲しかった気持ちはありますが、これだけ地力のある作者さんであるので、問題なくクリアできると思います。
このようなテーマで真正面から書いてくださって、大変にありがとうございました。
あまもさん
評価:☆☆☆
紙に書く、口に出す、抱きしめる、色んな形の思いの伝え方がありますね、どれがいいとかではなく、どれも大切なんだなと思いました。言葉に声にできなくても、心が繋がっていることってとても心を救ってくれるものなんだなと思わされました。登場人物みんなの気持ちが純粋で、風景の描写も相まって美しかったです…!
ionさん
評価:☆☆
爽やかな話でした。ポケモンと人間の伝わっていない気持ちとディスコミュニケーションの話を混ぜていることに、
とても話の仕掛け、アイデアが面白い、と感じたことは覚えています。
不良児ながら、ノノカさんを思いやるマコトさんのキャラも立っていて。好感を感じます。

ただ。いや、独りよがりでいい、それでいい、なんてことはもしかしてなくて。
そこはとてもノノカちゃんのことが心配になってしまいます。いやBで最下位の作品書いた自分が言うとめっちゃブーメランですが。
手話をここまで覚えられなかったのは、一応マコトの落ち度だし、
分かり合えないのは前提なりに相手の内面を考え、聞き出し、思いやるための努力をするのがトモダチってやつじゃないんですか。
そこだけ私はどうしても気になってしまいました。まあ、この作中の年齢で期待するのも難しいんだっけか…?
そういうやる気を引き出すような、いい先生でいたいなあ、って思います。いや先生になるとかじゃない、上司的ななにかになれたらの話として。

自分の投票平均点そのものを、総評で言った通り意図的に低く設定してあるので、いろいろ語ったことは点には関係ないです。
繰り返しになりますが、とても構成とかそういうのが面白いな、と思います。
終夜さん
評価:☆☆☆
爽やかで、きらきらと眩しい青春グラフィティ模様のお話でした。
水のミドリさん
評価:☆☆☆
冒頭『僕』が文字を読めていたため人間だと思い込んで読み進めていたので、いきなり「わぁん!」って鳴いたときはあれ〜〜〜ッ!?てなりました。そのあとすぐ『人間のモジだってそのために勉強した』とあるのでそういうことなんでしょうけど、この出鼻をくじく演出は狙ったものだったのですか……? このシーン、直前にノノカが聴覚に障害があると読み手が確信する場面で、その直後にガーディが主人公だと明かしたりギャグ全振りにされると変に軽くなってしまうというか、インパクトが二重三重に襲いかかってきて受け止めきれなかったです。でもそうやってうやむやにするのが作者様の狙いなのかな……難しいところ。
という感じで読み方が分かりづらかったので、とりあえずガー公可愛いなあって読んでました。焼きそばをねだってノノカにつぶらな瞳を向ける姿は可愛いだろうし、何も知らないで玉ねぎ食べているあたりに肝をつぶし、そのあとの砂浜でマコトがノノカに対する気持ちを語り終えたシーン。
『イラッときた。僕はノノカのためになりたい。その気持ちはマコトと変わらない。だけど、こいつの方が、ノノカにできるたくさんあるはずだ。何しろ、マコトは人間だ。ポケモンと人間で難しいコミュニケーションを、僕はそれなりに頑張っているのに、人間同士のコミュニケーションに、何でそこまで悩んでいるんだ。』
そうなんですよね。そのあとにガー公自身が気づくわけですが、“聴覚に障害を持つ”ノノカよりも、“人間の言葉を理解できないし、意志を伝えることもできない”ガー公のがずっと弱者。ガー公からすればマコトが思いを伝えるのはだいぶ簡単なはずなのに、だけどそこにはガー公の分かり得ない負い目や青春が立ち塞がっていて。なんとももどかしすぎるディスコミュニケーション。
でも文字なら、伝えられる。メモ帳と砂浜に書かれた文字だけが彼らの共通言語。告白シーン、『これが私のきもち』って書くの要らないかなー? って思いましたが、いやここは文字で伝えることが大事なんですね。『きもち』ってひらがななのもキます。筆談時はやっぱり漢字は煩雑なんでしょうけどひらがなの柔らかさっていいですよね。
でもこのテーマ、非言語コミュニケーションとして文字を書かずともどうにかなったと思うんですよ。そもそもガー公、文字を覚えるより人間の喋り言葉を理解する方が現実的じゃありません……? 海の家で焼きそばをねだるのも、ビーチでマコトにせっつかれてノノカを振り向かせるのも、車窓から見える虹をみんなに見せるのも、言葉分からず文字読まずでもなんとかなったじゃないですか。文字や言語に重きを置くよりも、キャラの表情や仕草を洗練させて欲しかった。ガー公の耳が垂れていればしゅんとしてるって伝わりますし、ノノカなら耳にかかった髪をたくし上げるだけでもたぶんすごい意味を持たせられるし、正直マコトはキスくらいしてほしかったし、そういう繊細な人物描写を突き詰めていけばたぶん成り立ったんじゃないかなあ。告白シーンも↑のように文字で書く意義は理解できたんですけど、むしろ書かないで行動で表した方が伝わるんじゃないの、っていうのは正直な感想です。
カイさん
評価:☆☆☆☆
人間とポケモンはもちろん、人間と人間だって、意思の疎通って難しいですよね。五体満足の者同士でさえそう感じてしまうのに、片方に障害があった場合はその難しさはなおさらのことだろうと思います。それでも前向きに一緒に生きていこうとする若者とポケモンたちの姿に、勇気をもらえる作品でした。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆
・ガー公のキャラが素晴らしかったです。とても可愛らしかった。
秋桜さん
評価:☆☆☆
ポケモンだから大丈夫そうですがガーディ(犬)に玉ねぎはやばいなぁとか思ってしまったり。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆☆
チューケン=忠犬だとすると、ガー公は玉ねぎを食べてはまずいのでは……という野暮なツッコミはやめにしましょう。ポケモンはこの世界の動物と体の造りや食べられないものも違うのかもしれませぬゆえ。水が嫌いというところから、おそらくガーディでしょうか。
聞こえないと、離すことも難しいんだそうですね。差別用語になるそうですが、「聾唖」というそうな。ノノカさんもそういう状態なのでしょうか。だからこそ、彼女の行動には、書いた文字には、沢山の想いが詰まっている。難しい言葉はいらないって、本当なのだなぁと思わされました。Bの要素も満たしていた所にも拍手を送りたいです。

マコト手は、あと少しでノノカの手に触れそうなくらいのところまで近づいていた。
マコト手は→マコトの手は

けど、何を行っているのかはわからない。
行っている→言っている

ノノカにできるたくさんあるはずだ。
→ノノカにできることがたくさんあるはずだ。
Pさん
評価:☆☆☆☆
タイトルからしてエスパーポケモンの話なのかと思いましたが、その予想を勢いよく裏切られました。主人公のガーディは護衛兼聴導犬的な役回りなんでしょうか。
耳の聞こえないトレーナーとポケモン故に人間の言葉をすべては理解できないガーディの視点がうまく重ねられており、人語を喋れはせずとも人間の言うことは理解できているポケモンの描写が多い中で特にガーディの視点のアイデアは新鮮でした。
ガーディから見た幼なじみ4人組への素朴な感想の数々や、人慣れした愛らしいガーディが語る心情など主人公のキャラクターを立てる点は非常に長けていると思います。
人間社会や言葉を十分に理解していないポケモンを語り手にする中で人間である幼なじみ4人の情報をどう出していくのかについてかなり苦労されたことと思います。
主人公にとっては見慣れている光景ということもあるのですが、特に描写なく登場人物が次々に増える最序盤は少々状況を把握するのに苦労しました。
しかし描写が増え個々のキャラクターが差別化されていく中盤から終盤にかけては、ガーディとマコト、マコトとノノカといったキャラクターの間で起こる伝わらなさ、そしてそれがあるからこそ引き立つ以心伝心の美しさを存分に堪能できました。
森羅さん
評価:☆☆☆
ガー公かわいいです、ガー公。ポケモン(ガーディ)目線での少年少女の話ってのも短編ではあまり見かけず新鮮でした。最後のマコト君の告白がまた初々しい! 青春ですねえ、ええ。ただ、すみません。実は個人的にあまり性癖には刺さりませんでした。すみません。
(以下は自分のもやもやポイントですので、読まなくて構いません)
まず、ノノカちゃんが聴覚障害で描かれたところですが、マコトくんが「ノノカは音が聞こえないこと」についての葛藤をしたことと彼の告白が「聞こえない」からの流れでしか使われておらず、そうなるとガーディ目線で物語を展開する理由があまりわかりませんでした。でもじゃあ物語としての山場はマコト君の告白シーンなのかと言うと、最後はガーディ目線で〆られており、核となる物語がどちらなのか判断がつかずちぐはぐしてる感が僕の中で拭えなかったです(そもそも物語の趣旨を読み間違えているとのことでしたら申し訳ありません)。ノノカちゃんたち4人についても、途中まではユウト君の方がマコト君よりよっぽど出張っていて(キャラとして立っていたという意味で)、「彼は(マコト君への)焚きつけ役なのかな」と思ったのですが、マコトくんは自分で自分の気持ちを解決しちゃうので後半彼には出番がない。ルリちゃんについても男女バランスのために呼ばれたような感じで、役割がなく置物状態なのも残念でした。また、すみません。これは本当にちょっと仕事上自分がそういう場面に立ち会いやすいからなので聞き流して頂きたいのですが、「筆談」は正直かなり面倒です。「書く」という動作は非常に手間がかかり、口で話すのよりも何倍の時間がかかります。勿論、コミュニケーション手段として有用なのは間違いないのですが、仕事上電子機器が使えない場面、というわけではないのですから(彼らは友人で遊びに来ているという状況なので)防水仕様のスマホでフリック入力する方がよっぽど早いでしょう。最近はメモアプリとして発した言語をそのまま文字として画面上に変換するもの(聴覚障害を持った方用のものもありますが)もあります。このあたりはもうちょっと調べて頂きたかったなあと思ってしまいました。
猫村さん
評価:☆☆☆☆☆☆
ガーディ大好きです。ガー公かわいい。けど、焼きそばとか食べて平気なのかな…?ポケモンと動物はまた別なのかしら。最初、人間視点かと思ってたので途中こんがらがりました。そこだけ指摘させてください。大好きです。ありがとうございます。
コメットさん
評価:☆☆☆☆
まさかのポケモン視点で描かれる物語とは。読者はもちろん人間とポケモン両者の言葉が分かりますが、「ガー公」には分からないという体で展開されている。このガー公のもどかしさというかやるせなさというか、そういう感覚をありありと表現されているのは大変斬新だあなと感じました。一人称視点なのに人間が何を書いたのか微妙に読めている箇所ある……?と思った部分もありますが、それはそれ。切り口が良いなという感想に変わりはありません。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
ふと気になって文字数を調べてみたらぎりぎり一万字を超えてました。終盤に「波音」「マスク」「神経衰弱」が出てきたあたり、もしかしてテーマBで考えていたお話なのでしょうか。ABどちらでも行けそうでしたが、ストーリーに深みを持たせている分Aでよかったなあと思います。

ガー公かわいいですね。犬は玉ねぎ食べると中毒になるから与えちゃだめだとか聞きますが、「忠犬」って言葉の存在するこの世界では果たしてどうなのでしょう。
どうして普段は筆談で会話しているのにマコトがたどたどしい手話を試みたのだろう、外にいるから筆談が面倒なのかなとも思いながら読みましたが、なかなか覚えきれなかったからなのですね。そしてそれを慮ってなるべく筆談で話すようにお願いするノノカ…うーんこれはもう出来上がってますね、きっとあとはきっかけだけだったんだろうなあ…。
聞こえているはずがないのに精いっぱいの告白をぶつけて、それに「これが私のきもち」で返す…素敵すぎますよこのシーン。テレパシーなのかわかりませんが、マコトくんの気持ちの熱量は聴覚を介さずしてノノカちゃんに伝わったんですね。タイトルが素敵だなあと思わされたシーンです。

ガー公はガー公で言葉が伝わらない苦悩を抱えていて、主役たるマコトとガー公が同じ悩みを抱えている構成もうまいなーと思いました。ガー公はともかく、それをノノカがわかっているというところもまた…みんな胸の内でモヤモヤを抱えていたんですね。雨が上がって空が晴れる様に、みんな気持ちよく海水浴場を後にできてよかったなあ…
素敵なお話をありがとうございました!
照風めめさん
評価:☆☆☆
なるほど! 確かにポケモンが正確に人の言葉を理解できている保証はないですもんね。
耳が聞こえない少女との対比をさせるアイデアも良かったです。ところどころガーディが撫でて欲しいなどと本能ダダ漏れなのも可愛いですね。
ノノカとマコトの二人のやりとりもほんと可愛い! ほっこりします。
ただ、この小説を読んでいてどうしてももやもやが残りました。何故だろう、と思って何度か読み直して気付いたのですが、ガーディの設定と動きがあまりスムーズに噛み合っていないように感じます。
というのも、ガーディは人間の言葉がわからない。文字がわかるのはいいとしても、どうも文化的な面や思想思考が人間に寄せすぎているため、どうしてももやもやを感じてしまいました。
折角のガーディ目線、という事もあったので、そういった一種の人間の煩悩的表現を抑えめにすると、より「らしさ」が現れるのでは無いでしょうか。
まさかわたしの書いたサイトページの挨拶が使われるとは思ってませんでした笑! 恥ずかしいですが、ありがとうございます!
花鳥風月さん
評価:☆
さりげなくテーマBの単語が含まれているのがとてもナイスだと思いました。
この話はノノカちゃんとガー公が、言葉を介して他の人間と接することができない、というところを伝えたかったのでしょうか。
ろうあの少女というかなり重い題材を扱われていましたが、もう少しろうあであることを上手く活用した魅せ方があったんじゃないか、人間キャラの面々の掘り下げやノノカちゃんとの関わりがもっとあってもよかったんじゃないか。そして厳しいことを言うようで大変恐縮なのですが、この話を通して何を伝えたかったのかがもっと見えて欲しかったなと個人的に思いこのような点数とさせていただきました。
48095/坑さん
評価:☆☆☆
「それよりもっと撫でろ!できれば顎!顎お願いします!」かわいい。私は猫派ですがこれは揺らぐ。
 最後に見えたきのみの畑は、きのみめいじんの花畑ですね。
 私ホウエン地方だいすきなんですけども、110番道路からきのみめいじんの花畑が見えたらとても素敵ですね。そう遠くないのできっと見えますよね、ああ、素晴らしい!
 このシーンを思いついた作者さんほんと素敵。
早蕨さん
評価:☆☆
 青春小説ですねー甘酸っぱい。言葉を使えるのに使わず、もたついてるマコトに対する苛立ちや、自分がわかってなかったことへの苛立ち。聴覚障害という難しいテーマを扱いながら、そういう人間との意思疎通もテーマにまぜてくるのはいいなと思いました。ガー公があまりにも人間的すぎるとか、ガーディである必要性みたいなものも若干気になってはしまいますが、なんとなく野暮っていう気もしますし、こういうもの、として読むのが正しいんじゃないかな、なんて思いました。
はやめさん
評価:☆
 自分も一応病気という題材を扱っていたので、この作品の題材である聴覚障害に対して大きな関心を持ちながら読み進めました。あわよくば自分が知らない世界への理解を深めたいなという想いがありました。あくまで自分が感じたこととして、私自身のことは一旦棚に上げさせていただきたいのですが、すみません……。結構厳しい意見になってしまうのですが、どういう風に映ったか、ということだけ、付けた評価もふまえて感想を書きました。
 途中までは良いと思うんです。ただ、この作品は二点ほど疑問な部分が残りました。
 まず、一点はガーディの存在意義ですかね。ポケモンによって綴られる地の文や、ポケモンのキャラクター自体はとても良いなと感じました。特に、ポケモンという立場やノノカのおかれる状況などと照らし合わせ、コミュニケーションの観点で意思疎通というもののむずかしさを語る部分は、これひとつとってもお話が書けると思うほど、素晴らしい着眼点と感じた部分です。が、ノノカに対してガー公の方からこれといった働きかけをしているわけではなくて、物語内で良くも悪くも中継者というか傍観者の域を出なかったような気がしました。ノノカを多分支えているであろう存在として、もうひとアクション何か欲しかったです。
 二点目は、聴覚障害の描き方なんですが、これについて私は全く関与していない領域なので、細かいことは言えません。作者さんが関係者などであれば、私の感想は無視してください。どういう風に題材をお話の中で活かしていくのかという小説的観点として読んだ時、率直に言うと「聴覚障害じゃなくてもよくない?」と思ってしまったところがあります。それがどんな場面に表れているかというと、最後の告白のくだりだと思うんですよ。
 マコトが自分の言葉を聞き取れない相手に対して、ぽつぽつと語る場面があるわけですが、幼稚園の頃から付き合いがあるなら手話を覚える余裕があったのではと思ってしまいますね……。ましてや告白しようとしている相手の立場に立つならなおさら。
 「結局、どんなものか分かりようもなかった」と締めていますが、分かりたいという姿勢を見せるのであれば、既に行動を起こしているのではないか? というのが、どうしても引っかかってしまいます。あとカーニバルの文章を用いられていますが、筆談でコミュニケーションをとる相手に対して、要求が酷というか、正直逆効果な気がしました。で、これがノノカに届く、というのも、結構厳しいなと思いました。何が言いたいかと言うと、マコトがノノカのことを好きなのであれば、もっと相手の状況を背負う有言実行の姿勢が欲しかったという印象です。それがあれば、今持っている彼に対する印象とは、全然違うなと思いました。
 諸々の理由から、題材に対する期待のハードルを自分で高めてしまった部分がありました。ただ、用いるのであれば、その点にも気をかけたような描写が欲しかったな、というのが個人的な想いです。作者さんの次回作を楽しみに待ちたいと思います。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
 聴覚障害、という扱いにくそうなテーマをしっかりと書き切った話。
 最初、なぜか主人公のことを人間だと勘違いしてしまいました。恐らくポケモンだとわかる描写が途中まで出てこなかったのが原因だと思われます(よく見ると「同調以外に~これが精一杯だった」とあるので、察しようと思えれば察せたのでしょうか)。
 話ている「言葉」は通じないのに、「文字」はわかるのですね。ノノカさんと彼らのやり取りを見て、または教えられて覚えたのでしょうか。主人公は印象に残ったのですが、なぜか彼以外の印象はあまり残りませんでした。彼らの詳しい背景が書かれていないからですかね?
 テーマBの単語が出てくることから、文字数を突破してしまったのでテーマAに変えたという感じでしょうか。もしBのネタを見て読者が楽しめるように、という思いで書かれたのでしたらすみません。
 ノノカさんのために頑張る主人公がかわいかったです。彼の思いがいつか実現することを願いたいです。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆
 海に遊びに行く若人たちというシチュエーション……うーむ……なんとも眩しい……!
 最大の魅力はガー公可愛い! 可愛い!(大事なことなので2回)「それよりもっと撫でろ!できれば顎!顎お願いします!」「さぁ、ところでですよノノカさん。僕は焼きそばが食べたいのです。この甘い香りにふさわしき旨さがあるかは、僕がこの舌で確かめねばならぬと思うのです。」あーーーもうこういう可愛い文章書けるっていうだけで尊敬しますよほんと。可愛い(3回目)。
 言語の壁、というものを表現するにあたり、人間でない存在からの視点というのは有効だったと思います。手話を使えないマコトくんのスタンス、ちょっとなあ、と思う気持ちも確かにあるのですが、私自身も語学ダメダメ人間であることを考えると、その境遇は分からないでもないです。現実に手話で会話出来る人そんなにいないでしょうし、事実難しいんですよ、普段の会話を声に頼っている私達が、それ以外の手段を取ろうとすることそれ自体が。ルリやユウトが手話でコミュニケーションを取り、自分が取れないことについて大きな引け目を感じているのかもしれませんね。そういった心情描写をもっと膨らませることで緩和できるかもしれません。
 ただポケモンのいる世界と考えたとき、エスパータイプの例えばラルトスとかキルリアとか、そういうポケモンがテレパシーで仲立ちするという発想はあるかも、って思いまして、そっち方向での介助っていうポケモン世界らしい選択肢はなかったのかなあ、みたいなことを感じました。タイトルを見た時の印象も影響しているかもしれませんが。仮にガー公に聴導犬という役割があるのなら、もうちょっと描写が欲しかったところであります。
 あと、ノノカのために声を出さないように手話のみ/所作のみでコミュニケーションを取ろうとするシーンがあったりしますが、実際聴覚障碍のある方は、手話だけでなく喋っている人の口の動きも判断材料にしていることもあるのだとか(聞きかじりなので間違ってるかもしれません)。そういうイメージがあったので、敢えて声を出さないように、というところには違和感がありました。逆に、マコトがノノカに告白するシーンは、なんとなく口の動きと態度で伝わったんだろうなあ、と。もちろん、手話プラス所作でコミュニケーションできたほうがいいことには変わりないのですよ。
 こういった難しい題材を用いられることそのものにも、そして作中での描写に関しても、もちろん賛否両論あると思うのですが、私としてはそういう課題に真摯に向き合おうとする姿勢があるのであれば、その姿勢そのものは大事になさってほしいと思っています。もちろん下調べをちゃんとすることは非常に大事ですね。
逆行さん
評価:☆☆
 切り口が凄いなあと思いました。なるほどなあ~。ポケモン視点でこういうお話を書くって手段があるとは。……思いつかなかったなあ。作者さんの発想力に脱帽ですね。 
 自分はこのお話、凄くポケモン小説ならではって感じがしたんですよね。ポケモンは人間の言葉が分かる。けれども人間の言葉を話すことはできない。その設定を上手く利用しているなあっていう印象でした。 
 ちょっと大事な場面でめめさんの詞を引用しすぎたかなあっていうのはありました(いやあうん良いですけどね。小ネタで使う分には自分も問題ないかなあって思うんですが、がっつり本筋で使ってくるっていうのは……。これがやりたかったのかなあって考えちゃう所もあるし。ただ引用の仕方は凄い上手だなあと思いました。違和感なく組み込められていたと感じます。 
 ガー公のキャラが凄く活き活きとしていたのが良かったですね。焼きそばを美味しそうに食べていたのが読んでいて微笑ましかったです。マコトに対して愚痴ったり、ノノカの心情を一生懸命考えたりする所も良いなあと。このお話で一番良かったのがガー公のキャラクターだと思います。 
 ガー公の真剣な思考も凄く真摯な感じが出ていて良かったし、おちゃらける場面は転じて可愛くて良かった。もしかしたら、もっとガー公中心で話作っても良かったかもしれないですね。後半が傍観者寄りになっていたので。ノノカに対してガー公もなにか元気づけることをするとかして。 
 結構これ書くの難しかったんじゃないかなあって思います。視覚障害の方というのを如何にしてお話の中心に持っていくか。どのように結論付けるのが良いか。凄く考えられたんじゃないかなあって想像します。こういうのを安直な気持ちで書いてはいけないっていうのは凄く理解されていると、自分は思います。 
 正直自分はこのテーマで上手く書ける自信がないですね。こういう難しいテーマに挑戦なされるっていうのは凄く勇気あると思うし、それだけでも称賛できることだと考えます。
春さん
評価:☆☆
 主人公のガー公=ガーディかな? でもこの話、別にポケモンじゃなくても良かったのでは……。せっかくポケモンの短編なのに、バトルもしてないし技も使ってないしガー公もただの犬でも代役可能なストーリーラインなのがなんだか嫌だなぁと私は思いました。途中、マコトがノノカに話しかけるシーンですが、描写が急に三人称っぽくなってます。ちょっと読みにくかったのが、ガー公の一人称で書かれていて、かつガー公には「人間の話し言葉の意味は分からない」のに、台詞がそのままだったところです。ここは人によるかもしれませんが、読み手の私の立場として、ガー公を通して世界を見ているのに、ガー公の理解できないセリフを理解できる事に強い違和感を感じました。三人称のガー公寄りで書いた方が、全体的にすっきりしたのではないかなと思います。それかいっそのこと、マコト視点でガー公に助けてもらうとか。
 また、メイン人物のマコトとノノカは、キャラの掘り下げが甘い気がします。ノノカが森で泣くシーンの前段階として、ノノカが傷ついたり、何かに耐えていたりするシーンをさりげなくさし込んでおくと良かったと思います。これでは、ノノカは勝手に森に行き、勝手に一人で泣きだしただけになってしまう。マコトも、ノノカの事を本当に大事に思ってるのなら、なぜガー公と会話?したシーンで「たかが耳が聞こえないくらい」と言えるのでしょうか。ノノカにとって、「たかが」と言えないことであることくらい、本気で考えたのなら理解しているはずです。子供のころからの付き合いなら、手話くらい覚えろよと思いました。告白シーンも、ノノカに伝わらないことが分かってて気持ちを一方的に吐き出すのは、単純に自分が楽になりたかっただけなんじゃないのか? と思ってしまいました。彼はノノカに伝えたい事があったから話したのでしょう。ジェスチャーでも地面の字でもいいから、話し言葉以外で必死に伝えようとした方が、「ノノカに伝えたい」という想いが感じられたと思います。
 障害を持つ人は、ただ弱いだけではありません。ノノカちゃんの優しさと同時に、自身の障害を受け止めて生き抜こうとする強さも表現できたら、より魅力的だったのかな、と思います。
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 ガー公の食い意地やなでなでポイントといった犬視点が可愛かったです。不思議なのですが、ガー公は人間の字は読めるのに人語は理解できないのですか? 人間たちの日常会話を完璧に理解しろとまでは言いませんが、口語という下地なしに識字能力を獲得する設定はやや強引に感じました。音の記号にすぎない文字から感情を読み解れる、という意味でタイトルがテレパシーだったのでしょうか。しかしラストで「同調以外のことはいつか」とあるので、こちらがテレパシーの由来でしょうか。脱線しますがすみません、ガー公が火を噴いてバトルをする訳でもなく、ポケモンというより現実の飼い犬に近い描写がなされているからこそ一言申し上げたいのですが、犬にタマネギはNGです。ガー公はきっと大丈夫だと思いますけども、後学のためになると思ってどうぞ頭の片隅にとどめて置て下さいますよう……ノノカとマコトの仲が最後はいい感じに進展して、よかったですね。投稿、お疲れ様でした。
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 ガー公かわいい。ひたすらにかわいい。大事なことなので二度言いました。"僕はノノカの『チューケン』なのだからな!""さぁ、ところでですよノノカさん。僕は焼きそばが食べたいのです。"このふたつが底抜けに好きです。
 人間の言葉が話せないガー公と、声を使うことができない聴覚障碍者のノノカを軸にして、違いを持つ相手と通じ合おうとするコミュニケーションの難しさと尊さを描いたストーリー、とても素晴らしいと思いました。最初と最後の"きれいだね"の対比が特に素敵。
 改行が多めに使われていて、圧迫感を感じない文章構成になっているのも個人的高評価ポイントです。
北埜とらさん
評価:☆☆☆
 ABどちらのテーマも使ってみたという粋な計らいですかね? まさかのめめさんのかっこいいポエムまで引用されていて驚きました、テーマ組み込み力が凄まじい……!!笑
 難聴の少女との恋、気持ちの伝え方について。難しいテーマに取り組みましたね。この問題をポケモンと人間の意思疎通の問題と絡めているのが面白いです。ガー公は人間で自分より意思疎通の方法を持っているはずなのにうじうじしているマコトにいらついたり、自分は分かろうとしてきたつもりだったけど結局何も分かっていなかったと無力感を感じたり。「ついてこい!」と言いたいのに「あぁ、気をつける!心配するな」と返されるようなことが日常茶飯事のポケモン達、もどかしさを感じる場面と言うのは人間が想像しているよりもはるかに多いことでしょうね。障害を取り扱いながらも、ガーディ目線の愛らしさ、随所に光るみずみずしい描写とそれに重ね合わせるような心情描写、そして若い男女の甘酸っぱいやりとり、まさに青春小説! という感じで、爽やかな読了感でした。
 ガーディは人間の言葉が声では分からないけど、文字では分かる? この設定には少し「?」となってしまいましたが、私はポケモンではないし動物でもないので、そういうこともあるんだろうなと思う外にありませんね。しかしものすごい勉強したんでしょうねガー公……じきに声も理解できるようになりそうです。しかし、喋っている内容が理解できなくても、仕草や表情でだいたい理解しているところは、いかにも人間のそばでずっと生きてきたポケモンらしくて微笑ましいものでした。
 マコトくんの不器用でまっすぐな思いの伝え方にぐっときました。めめさんのポエムを引用した辺りは、いや、すっごく熱かった……!! 聞こえないはずのノノカちゃんに気持ちが届いたのは、声が聞こえなくても、ガー公のように仕草や表情で察するところがあったんだろうなあと。それはきっと、マコトくんが一生懸命に気持ちを伝えようとしたからこそ、伝わったんだろうなと思いました。……しかし、ノノカちゃんが寂しい思いをしていた一因は、マコトくんが手話を覚えられないからですよね……? 彼氏になるなら頑張って覚えて!! と言ってしまいたい……!!笑 今のままじゃダメだぞマコトくん、ノノカちゃんの優しさに甘えるな!! がんばれ、マコトくん!!笑
 これから男をあげていくであろうマコトくんの成長に期待、と言いたい一作でした。笑 そしてガー公も! 二人のナイトと一緒に、ノノカちゃんが幸せな人生を歩みますように……!!
 投稿お疲れさまでした!
あすぺふさん
評価:☆☆☆
Bテーマの三題噺やカーニバルの詩を用いるとは。
耳の不自由なノノカの気持ちを、マコトが少しずつ理解していくという、若々しい恋愛がとても青春だなと感じました。
砂糖水さん
評価:☆☆
リングさん
評価:☆☆☆☆
わやさん
評価:☆☆☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
一葉さん
評価:☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆
茶兎さん
評価:☆☆☆☆☆☆