約束の感想

Ryoさん
評価:☆☆☆☆
集落の寄り合いとかよくわからん石碑とか人間関係の狭さとか、田舎感が最高でしたね…バスの後ろの婆ちゃんの会話一つとっても「ポケモン世界のガチの山村」感が出てて素晴らしいです。あとこの舞台を活かした「波音」の使い方がかなりツボりました。
後半の、俊二と千恵のすれ違いの種明かしっぽいところがちょっと冗長かなぁとか、一番最初の一文だけ三人称なのがやや不自然気味なので、集落の誰かに「勝浦さんとこの千恵ちゃんかね」とか言わせたほうが自然ではないかなとか思ったりしましたが、全体的には落ち着いて読める雰囲気の小説でした。この誰にも内緒のオチもハートにくるものがありますね。
コメットさん
評価:☆☆☆☆☆
読んでいると自分の故郷を思い出してノスタルジックな気分に浸ってしまいそうです。身近で日常的なお話に、丁寧にポケモン要素を練り込まれたような感じがする作品ですね。新たに交わされた約束が何なのか、語らずに終わるというのもとても良いです。読んでいるこちらが少しこそばゆくなるような、一部影を落としつつも微笑ましい一作でした。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
田舎への帰省、わくわくしますよね。都会に住んでそろそろ3年、長い列車に慣れた頃に田舎の短いボロ電車に揺られると色んな感情がこみ上げてきます。千恵ちゃんがバスに揺られて田園地帯を走ってる時も同じような気持ちなんでしょうか。

入院はトレーナーの持つポケモンから怪我をさせられたからってことみたいですが、このときまだ旅の途中で10歳ですよね…?女の子が怪我するまで痛めつけてしまうなんてやべえ…ロケット団をよっぽど強く恨むことがあったのでしょうか。
そしてそれを聞いてカントーまですっとんでいく俊二君もやばい。もうこの時点で確実に惚れちゃってるじゃないですかあ…すごいなあ。改めてポケモンの世界の10歳は逞しいなあと思いました。

お盆に帰省して、故郷と実家に懐かしさを感じながらイワンコを紹介して、地元の友達と遊んで、昔のことを思い出して…俊二君と再会して。
物語自体はあまり波があるわけでもなく、俊二君との再会以外は割とどこでもある普通の帰省。その俊二君との再会もポケモンに襲われたところをカッコよく助けられたとかでもない。総じて展開が穏やかで見せ場らしい見せ場って部分に欠けているのがちょっぴり残念ですが、物語全体の雰囲気がまったりして落ち着いているし、これでいいのかもしれません…読後は非常にすっきりしてました、ありがとうございました。
森羅さん
評価:☆☆☆
田舎の風景の描写がとても綺麗です!! 「ポケモンのいる日常」の描写が本当に素敵で、原風景に近いものを非常に丁寧に描かれていらっしゃって、脱帽の一言です。そしてそして「甘酸っぱいなああもおおおぉぉお」って感じでした。やきもきしてしまいましたよもう! だからこそ最後「よかったね!」と心から拍手を送りましたよ!!
ですが、難を挙げるのであれば、文字数制限もあったのだと思いますが、場面転換が非常に多くて、時間の経過や『今どこで何をしているところなのか』がわかり辛かったです。あと、イワンコやオオスバメ、エモンガなどがその場その場の置物で、後の物語に登場しない・話に上がらない・繋がってこなかったのは残念でした。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
甘酸っぱい話でした。子供の頃に交わした「約束」が心の中の重しとなってしまった主人公。そんな主人公が「約束」を交わした相手とひょんな(?)ことで再会し、再び約束を交わす……。うん、甘酸っぱい(二回目)!
互いに背負い込んでいた二人が星空の下で交わした「約束」の内容、少し気になりますが内緒の方がよさそうなのでそのままにしておきます。新たな「約束」はずっと破られない、固い「約束」になるといいですね。
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆☆
現実的なものを含みながらも、ポケモンが溶け込んでいる風景がとてもいいなと思いました。
作品を読み終えたあとの余韻が好きです。
ionさん
評価:☆☆☆☆
爽やかな話。考察しがいのない…
回収されないというか、その爽やかさを出すのにあまり生きてる感じがしない設定多いですけど、ぜんぜん悪いことでなくて、生活感を出すには役立っています。
っていうのは特に主人公のトレーナーやめたことなどにかかっていて。まあ人生そういうもんだよな、別のことに喜びや楽しみ見つけられるもんだよな、と。
あと波音の使い方。そうだよ観光業や公のお金で地元disってどうするんだよ。なんかあるあるネタ。どこで見たのかすぐには思い出せないけど…
たぶん考察しがいがあれば自分にとって⭐︎7だったけど難しい言葉はいらないし誰にも内緒のままでいいので、自分が外れ値だと思うんでこれが世間的には⭐︎7だと思います。
終夜さん
評価:☆☆☆☆☆
切なくも、甘酸っぱい気持ちに胸が満たされました。
めぐりあい、と呼んでいいのかは微妙なところですが……あの事件が起きたからこそ、今の千恵ちゃんと俊二くんが存在し、再会して「本当に破らない約束」を交わせたのですね。
俊二くんの「お前に人生狂わされたなんてこれっぽっちも思わねえよ。俺はお前が思ってるほど弱くねえ。だから気にしなくていいんだ。」発言、とっても漢前ですね!!
でも最後の「だって、幼馴染の仲だろ?」は、ちょっぴり残念に思ってしまいました。
これから彼らの関係は、更に進展していくのだろうか……もう付き合ってしまえよ!!!
という突っ込み自体、野暮でしょうか。暫く悶えてしまいそうです。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆
凄く丁寧な文章を書かれる方だな、と感じました。これはどちらかと言うと、A部門で3万文字ガッツリ使って読みたかったですね。
ただ、前半の描写に比べて、後半の流れが急であるように感じました。
正直な読了感を申しますと、「そっちの展開になっちゃったかあ」というところです。
トレーナーを辞めた主人公の何ともいえない寂しさを、ひたすら日常描写を続けることで表現するような作品であることを期待してしまっておりました。あまりにも期待が大きかっただけに、凄く残念な気持ちになってしまいました。すみません。恐らく、作者さんはそれができる方だと思うので、猶更なのです。
葉穂々さん
評価:☆☆☆
何と言いますか……特に盛り上がるイベントも無く主人公達が自己解決してしまったため、「この作品は一体何だったんだろう」という読後感が残ってしまいました。
しかし、帰省シーンの雰囲気は投稿作品の中でも抜群に良く、大変素晴らしかったです!
秋桜さん
評価:☆☆☆☆
丁寧に書かれていてとても良かったです。ラストシーンも余韻があってとても好きです。ただ俊二との再会の仕方が私の好みとはズレていたかな、と。
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆
ロケット団と間違えられて襲われる。しかも生死をさまようほどの大怪我だ。これ、俊二君が報復した相手が千恵ちゃんに怪我させた人だと考えると、非常に業が深いです。
バトルで強くなることに何の意味があるんだろう、という一文に強く感銘を受けました。そうなんですよね、どんなことでも意味を考えてしまうと立ち止まらざるを得なくなってしまう。そういう悩み、苦しみ、後悔を緻密な文章で表現されていて感服しました。他にもイシツブテが道に出てきたり、ディグダが土を耕していたり(ここすごく好きです)、主人公の例えにたびたびポケモンが挙げられたりとポケモン世界に生きている雰囲気が細やかに作り上げられていて素晴らしかったです。
ただ、イワンコがあまりお話しのうえでキーパーソンにならなかったのが残念でした。てっきり電気ポケモン相手に千恵ちゃんを守ろうとバトルするとか、なんらかの役割を担っているだろうと思って読んでいたのですが、けっきょくなにもなく……。オオスバメを他人に又貸ししているのも、いくら重宝されているからといえ微妙な行為です。他の部分が丁寧なので、主役たちのポケモンに対する扱いがちょっと雑だったのが気になりました。
とはいえ、全体的に作者様の力量が高く、そういった部分さえ気にしなければ特に違和感もなく楽しめました。特に最後の何を約束したのか読者にはわからないところ、余韻があって良かったです。
水のミドリさん
評価:☆☆☆
ポケモンのいる風景。描写がめちゃくちゃ丁寧だし物語の展開もちゃんとしてるのに、なぜか記憶に残りませんでした。忘れるたびに読み返してしゅごい……と唸るのにすぐ思い出せなくなりますごめんなさい。文章のリズムにメリハリが薄く、時空間がちょくちょく飛んで集中できず、印象に残るシーンがなかったからでしょうか。再会後の怒涛の説明文も少しきつかったです。ラストカットまでのタメが重過ぎて、そこにたどり着かないうちに集中力が切れてしまいました。
灰戸さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
のどかな風景にのどかな田舎にのんびりしながら、散りばめられた過去の出来事に自然と引き寄せられ、楽しく拝読しました。作品背景と同様のんびり進行していく感じが良かったです。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆
ずっと心に引っかかっていた約束、それを解いてくれたのも俊二君だった、また約束したのも俊二君だった、本当に特別な存在だったんですね。幼い頃一緒にいた男の子との再会、当時は言えなかったけど、10年という時間を経て素直になれたシーンが大好きです。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆
これを読む前に、「小さい頃に交わした約束が果たされずに別れてしまった少年少女のお話」を考えた私は予知夢でも見ていたのでしょうか。まさにそんなお話で。「破らない」約束ができる自信がないからこそ、この二人が眩しく思えてしまいます。
真っ黒な服を着ていたからといって、ロケット団だと決めつけ攻撃したそのトレーナーは、悪事を働く輩を懲らしめてやらねばならないという正義感に従ったのだと思うのです。しかし、結果的にはやりすぎてしまった。ポケモンの力は人間をいとも容易く壊してしまうのに、その力を人に向けてしまった…ジョウト地方でワタルさんがカイリューに破壊光線を指示した時のような感じでしょうか…それに対し、俊二さんは別の正義感――幼馴染を傷つけられたことへの反抗心から、ロケット団排斥運動をする人を傷つけてしまった…正義感を持つのは大事なことだと思います。しかし、誰かを傷つけるためにそれを振るうのは、まだ、受け入れがたく思ってしまいます……
故郷っていいなぁと、改めて感じました。台詞からも、「」で囲まれない台詞からも。
照風めめさん
評価:☆☆☆
こういう日常の中にポケモンがさりげなく生きている世界観、めちゃくちゃ好きです。
至る所から我々がいるような世界で、ポケモンが共存している感じがたまりません。
この作品は波音の使い方が中々面白いと思いました。
黒い服だから攻撃されるのはまだわかるんですが、そこから活動家をカントーまで襲撃!? 十歳にしてはすごい行動力ですね。
最初の約束は叶わなかった、ということに対して最後に新しい約束を交わす、という流れがとても綺麗だと思いました。
ただ、全体的に世界観を見せたいがあまりに場面展開が多く、少し読みにくいなと感じてしまいました。おそらく作者さんが書きたい内容は十分に理解できるのですが、全体としては要素が全て途切れ途切れで少し穴があるように感じました。
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆
えー…すごく文章力があってうまい作品だと思います。ただあのほんと申し訳ないんですけど、甘酸っぱい青春ものというかなんというか…が苦手なのでちょっとコメントしづらいです。
イワンコの存在、このストーリーにいりますかね?いや、しばらくポケモンを連れてなかった主人公が故郷に連れて帰るというのに意味はあるとは思うんですけど、そのあとは…?何かしらの活躍する場面が欲しかったです。全体的に丁寧に書かれているのはいいのですが、それ故にイワンコ必要だったかな…?と思ってしまいました。
あと、間違って送られたメールの宛先は…?直接ストーリーに関係ないから省いたのかもしれないですが、ちょっともやもやしますね…。
一万字だと足りなかったんでしょうか。
徐々に明かされる過去など、ほんとすごく上手な作品だけに、細かいところが気になってしまいました。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
あまずっぱ~~い!!もうたぶん青春とかいう年じゃないだろうに…可愛い…推しカプ…。
カイさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
ああぁこの作品めちゃくちゃ好きです!
まずですね「ポケモンがいる世界」の描写力が圧倒的に強い。イシツブテで止まるバス、ペラップのようにおしゃべりするご婦人、嘘ついたらハリーセン百匹飲ます、居酒屋で飲まれるモモンチューハイ……文章の隅々にポケモンの生きる世界の空気が満ちていて、まずそれが最高に好きです。
そしてそんな世界観の中でゆっくりと、至極ゆっくりと明らかになっていく千恵の過去と思いに、終始ドキドキしながら物語に浸ることができました。

秀逸だなあと思うのは、このお話って起承転結の構造でいうと「承」の割合がめっちゃ長いんですね。これはちょっと変わった――少なくとも今の私には手出しする技術のない構造です。じゃあどうやってその長い「承」を読ませているかというと、宮寺俊二とはどんな人なんだろう、何を約束したんだろう、なぜ守れなかったんだろう……とちょっとずつ疑問と解を小出しにしているんですよね。それでゆったりと流れる時間と描写が続く文章も全く飽きることなくすらすらと頭に入ってくる、うちに転結で一気に締めるという、とても高度なテクニックによって構成された作品だと思いました。脱帽。

二人の関係が下手な恋愛でまとめられていないのも好きですね。再び約束を交わして、でもそれが何のかは彼らだけの秘密、という締めくくり方がもうもう大好きです。何を約束したんだろうなあ……って余韻に浸れました。はぁ。良い…(*´ω`)
非常に完成度の高い素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
あぁ、なんだかほっこりしました。幼馴染みって良いですよね……!((
「誰かを傷つけるためにポケモンの力はあるんじゃない」っていう千恵の思いがグッときましたね。でもそこにトレーナーを諦める事は俊二との約束を破ることになってしまう、という葛藤が上手く交えられていて、結局は諦めたけど10年もの間負い目を感じ続ける事になったというのが……!最後に二人が再会できて本当に良かったなと思います。
今度は一体何を約束したんだろうか……!もうなんというか、素晴らしい作品でした!良かったです!
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆
 舞台の背景になっている田舎町の情景描写がとても緻密で引き込まれます。畑を耕すポケモンとか、お年寄りの会話だとか、中学校が隣町だとか、そういった要素がお話の要所にちりばめられているところが、すごくいい雰囲気を出していると思います。
 ふとしたことで狂ってしまった運命の歯車を、重荷として背負い続けていたような千恵の心理描写が心に刺さりました。"10年前のことじゃなくて、10年間のことだった。"という文章が好きです。10年間も心に持ち続けていたわだかまりにしてはいささか解決する過程があっさりしていたようにも思いましたが。
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 田舎へ帰省する雰囲気がよく味わえました。コガネからヒワダ方面へ向かったところにご実家があるんでしょうか。地理的な興味が湧きました。時系列が少し気になったのですが、千恵がトレーナーのポケモンに襲われて入院、入院中に見舞いに来た俊二にスバメを渡してトレーナーを辞めると宣言、退院後に修司がカントーで事件を起こすのですよね。でしたら、トレーナーを辞めると決めるほどの心の傷を受けたせいで俊司が事件を起こした、と千恵は考えているようですが、あの決断=トレーナーを辞めることは後悔していないと言っているのに、俊二が出奔したという責任感を10年抱え込んでいるのは、後悔とはまた違うのでしょうか。悩める乙女心に理屈を求めても無駄かもしれませんが、千恵の感情がちぐはぐしているような気がしました。スバメ(のちのオオスバメ)にしても、いきなり他人に丸投げされたことで千恵を恨んだり寂しがったりしなかったんでしょうか。元々性格がさっぱりした仔だったんですかね。メールの宛先が結局誰だったのか、ストーリー上は重要ではないかもしれませんが、やはり気になりました。最後は無事に再会できて、未来の明るそうなハッピーエンドでよかったですね。投稿、お疲れ様でした。
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆
 田舎の日常風景と共に始まるこの作品。路線バス内で繰り広げられるおしゃべりなおばさ……お姉さま方の会話など、すごくリアリティがあると思います。そのほかにも整備されていないだろう道で、イシツブテを避けたりとか、変化のない風景とか……。
 ポケモントレーナーになろうと、かつて幼馴染と約束していた主人公。でもそれも遠い記憶。中学、高校と出て今では大学生。そんな娘を迎える家族の暖かさが程よく表現できていてすごくいいと思います。かつては名うてのポケモントレーナーだったご隠居に、幼馴染と一緒にお墨付きをもらったのにも関わらず何故主人公はトレーナーにならなかったのか、読んでいてすごく引き込まれる構成でした。
 過去に自分が傷つけられたことが原因で俊二が結果的に警察のお世話になってしまった。これすごく重い過去でした。自分ではどうすることができず、さらに俊二との約束も達成できぬまま、10年間を過ごす……。俊二とも碌に接触できないが故に一人でふさぎこむしかない……。一生もののトマウマですよ。そして再びポケモンに襲われそうになるところを、今度は駆けつけた俊二に助けてもらう。これって依然ポケモンに傷つけられたときと対比になってますよね。前は間に合わず道を踏み外してしまうことになった俊二が、今度は千恵を助けることに成功する……。まあそれは結果的に襲い掛かったわけではなかったにせよ、なるほどうまい対比になっていると思いました。あと背丈の表現とか、すごくいいです。10年もあってなかったら身長も逆転してるよなあ。
 そして最後の最後で再び約束を交わす2人。これがどんな約束なのかは……。想像するだけで楽しくなりますね。
 作品投稿、お疲れ様でした!
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆
 田舎の情景が見事に描写されていて素敵でした! 甘酸っぱい……
 とはいえお父さんの「ちょっと痩せたか」には娘さんもそれはセクハラと指摘するのに、直後の「料理下手じゃお嫁に行けないぞ」というセクハラ発言には無反応なのがやはり気になって仕方ない かなしいことです
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆☆
 森絵都とか江國香織とか瀬尾まいことか角田光代とかが集まったティーン向けアンソロジーにしれっと並んでいてもおかしくなさそうな、そんな感じを感じました(?)。挙げた作家に似ているとかではないのですけども、うーん、なんと表現すれば良いのでしょう。
 なんだろう、読んでいてほっとします。この作品の、このお話の空気がとても好きです。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆
 文章の綺麗さ、緻密さにやられました。少しずつ盛り上がってくるお話なのに、おそらく字数制限のせいか、なんとかまとめざるを得なかった、という印象を受けます。言っていることは理解できますし、最後の展開は急いだのでしょうし、きっと入れたい展開がまだまだあったんじゃなかったのかなと思います。フルパワーの物語でぜひぜひ読みたい、と思わされる作品でした。
ポリゴ糖さん
評価:スキップ
 冒頭の雰囲気や締めのところなど、褒めていただけているところは私自身も好きなところです。本当にありがとうございます。
 ただ、なんだか色々な要素を詰め込もうとして文字数上限を超えパンクしてしまうという状態でした。1万字で表現することの難しさよ……。私自身の課題が見えて来たところがあるので、これを機にもっとレベルアップしていかないとですね!
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
 作中に漂う雰囲気が素晴らしい作品でした。
 一万字という文字数のせいか、少し展開が急だなと感じてしまいました。
 これは重箱の隅をつつくような指摘なので気にしないでいただきたいのですが。主人公が襲われたところから俊二が活動家を襲撃し、批判を浴びるという展開にちょっと無理があるんじゃないかなと感じました。
春さん
評価:☆☆☆☆
 ポケモンと、トレーナーについてちょっと考えるお話。
 ポケモンが比喩や世間話にちょこちょこ登場するのが少し嬉しいです。言い回しに含まれてると、ほんわかした気持ちになります。
 ポケモンが人を傷つける。ポケモンバトルの意味を考えた事はいままであまりなかったのですが、「強さを求めることに意味はあるのか」と問われると……答えはすぐには出せません。考えてみれば、バトルをすることを好む人もいれば、好まない人や怖いと思う人もいて当然で、それに気がつくことができたのはこのお話のおかげだと思います。世の中には、実感が伴わないと、理解できない恐怖もある。その一つが、「ポケモンの力」だったのかな、と思います。冷静に考えると、人間なんて簡単にひねりつぶせますしね! 怖くなるのも仕方がない。
 俊二君は張り切って頑張り過ぎてしまったね。行動力と愛があるのは素晴らしいけど、まさかジュンサーさんにお縄になるとは……。あまり罪に問われなくて本当によかったねぇ……。そうなったらなったで、千恵ちゃんの心にさらに深い傷を残した気がする。
 「自分のせいで誰かの人生が狂ってしまったかもしれない」って経験は、誰しも一度はするんじゃないかなと私は思います。本当にそれで狂ったのかもしれないし、違うのかもしれない。結局、当人同士が納得しない限り、狂わせた側は罪の意識にとらわれ続けることになる。千恵ちゃんの呪縛を解いたのは俊二君で、解けるのも彼だけだった。ある意味で、奇妙な関係性ですね。
 最後の約束はあれこれ考えられるけど、言葉にはできない、しない約束だから意味がある、のかな?言葉だと縛ってしまうことにもなるし。そう考えると、ロマンチックな終わり方だったと思います。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆
 とっても空気がおいしい作品でした……!! 田舎らしい空気というか、「都会に住んでいる人が田舎に帰ってきたときに感じる空気感」みたいな、優しさや懐かしさみたいなものが文章の随所に溢れているようで、素敵です。私は居酒屋に友達と集まってるシーンが好きです、そうどうせ恋愛の話になるんだ、そして話はコロコロ転がるんだwww(『隣町の』居酒屋ってとこがド田舎っぽくてイイ……!笑)。波音を穂波で消化されているところがまたたまりませんね、そうかあその手があったかあ! おいしい空気と、美しい情景が随所に光る作品でした。
 また自然や暮らしの中にポケモンがいっぱい息づいているのが凄く良いなあ。メインとなるイワンコの可愛らしさだけでなく、田舎の風景の中にちりばめられている(ちりばめられているという言い方も変ですが)ポケモン達や、また比喩や細かい言い回しにも、とても自然に丁寧にポケモンが馴染んでいて、いかにも「人とポケモンが一緒に住んでいる世界」を覗かせてもらっているような気持ちになることができました。
 帰省の穏やかな時間を過ごしながら、何度も、何度も、繰り返し匂わせられる不安、心の枷。「ロケット団に傷つけられた」ではなく、「ロケット団と間違えられて傷つけられた」であるところが奥深くて良かったです。どういう展開になっていくのかあと思いつつも、なぜか、どことなく、おそらくハッピーエンドで終わるんだろうなと思いながら読める空気感が好きでした。現れてくれた俊二さんは、なるほど、千恵さんの王子様ですね……!笑 俊二さんが千恵さんの一個下ってところが少女漫画っぽくてめっちゃイイ!! おそらくほとんど性を意識しなかったろう頃に別れた二人が、長い年月を経て再会して、「どういう顔をすればいいのだろう」から「うるさい、バカ俊二」までの間に、一気に空白が埋められていくような気がして、へへへキュンとしました……へへへ……青春ですねえ……青春!! 最後のシーンなんかおばさんもう……おおう……恥ずかしくって……エヘヘヘヘ!!(コメント不可能)
 個人的な印象としては、もっともっと字数をかけてじっくり読ませてほしいなあと思う作品でした。千恵さんの過去のこと、俊二さんとの約束、彼の過ちとその後の生きざま、家族の思い、そしてイワンコのこと、一万字に詰め込むには少し要素が多すぎて、やや消化不良なのかなという印象です。あと千恵さんから俊二さんの元に渡った元・スバメのことを活かしてほしかったなあという……というか俊二さん待ってその元・スバメ人に譲っちゃったの……!?www えっいいの!? あれですかねこいつの顔を見たらあいつのこと思い出しちまうからみたいな……げへへへ……えっいいの!?(二度見)でも幸せならオッケーでーーーす!!!! 幸せになってね!!
 投稿お疲れさまでした!
逆行さん
評価:☆☆☆☆☆
 いやー、がっつり文学という感じでした。特に前半ですが故郷の描写がもの凄い。道路上のイシツブテを避けながら山を登るっていうのにまず心をガシッと掴まれました。その後も乗客の会話、稲の絨毯等等、思わず光景が目に浮かんでくるような描写には圧倒されました。作者さんの文章力はエゲツなく高いと思われます。ここまで文章力あると何を書いても上手いんだろうなあ。 
 人物描写も非常にリアリティがあり、それが物語により惹き込ませることに有用に働いていたと思います。母親が帰郷してきた娘をやたら心配してきたり、痩せたんじゃないかと聞いてくる父親がいたりと「あるある」と思わせる描写でした。このあたりも作者さんの実力が発揮されている部分だと思います。 
 6,7段落がちょっと駆け足気味になってしまったのが残念だったかなあと思います。これも字数足りなかったんでしょうなあ。俊二の真相など物語の核心部分が一気に解説されてしまって正直あまり印象に残らなかったです。 
 この小説って1~5段落目に「*」区切りで回想が入っているじゃないですか。5回も回想を入れるというのは物語の雰囲気を作る上でかなり効果的だったと思われます。ただ1万文字という制限で5回も回想入れるのはちょっと贅沢しすぎた感じはあります。回想は2回ぐらいで纏めれば字数を削減できたかもしれません。 
 後は設定が複雑な部分があって、それでまた文字数を使っちゃった部分がありましたかね。主人公のバックボーンは、シンプルに「野生のポケモンに襲われた」で良い気がします。それで「俊二がそれを助けようとしたんだけどなんかやらかした」とか、そういう感じでも良かったかなあと個人的には思います。 
 凄い細かいことなんですけどエモンガの伏線が若干弱かったかなあと思います。申し訳ないことに自分は伏線を覚えていなかったです。 
 主人公のバックボーンを「野生のポケモンに襲われた」ってことにすればここも良い感じにできそうですかね……。「過去に野生のポケモンに襲われて、今回もあのときのようにまた襲われた」ってすればいい感じに纏まりそうな気がします。 
 ちょっと否定的な部分の感想が長くて申し訳ないです。個々の描写は凄い良かったので全体的な評価はむしろ高めですのでご安心ください。これらからも作者さんの小説に期待しております。投稿お疲れ様でした。
はやめさん
評価:☆☆☆
 「山登りを始めたところに現れた道路上のイシツブテを避けさせるために時間を費やして」というのが良い。生活の中にポケモンが当たり前に根付いている息づかいが感じられて、その他にもちらほら見え隠れする生き物の気配に、ああポケモン小説を読んでいるなあという気分に浸れます。
 なのでその分、10000字内の展開がやや唐突だったのが、どうしても惜しい点だなぁと思ってしまいました。俊二との再会までをより焦らす形でもよかったのかな、と私は読んでいて感じてしまいました。ルール上の制限があるから仕方ないのですが、15000字ぐらいだとよりこの作品の真価を発揮出来たのではないかと感じます。最後のネタばらしが一気に説明的な文体になった気がして、そこだけ燃焼し切らなかったです。
 ロケット団排除を謳う思想家襲撃は、若気の至り……というよりも、思いやりが行きすぎた方向に作用することがある子どもらしさのように思えます。実際にこのような事件は起こりそうだし、警察にお世話になるというのは若い頃そう珍しいものでもないので、彼らはある意味でそれを笑い飛ばしていけるほど成長するだろうなという期待を抱きました。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
1万字という厳しい字数制限を感じさせない、非常によくまとまったハイレベルな短編であると思います。
帰省時というシチュエーション上、全編にわたって展開される田舎描写も見事な「あるある」感が詰まっており、そうした状況下でよくある家族、級友など周囲の人々との交流がストーリーを進めていく話運びも含め、非常に緻密に計算されたものと感じます。
約束を交わした二人の運命を変えた事件も、旅立ったばかりで街の事情をよく知らない子の不注意と、10歳にもならない子の短慮故というのは納得しやすいものに仕上げられていると思います。(おそらく)単身でジョウトからカントーまで旅立ってしまう9歳児はかなり行動力に溢れているように思えますが、旅をする年代であり旅をしても大丈夫と太鼓判を押されていたこと、そしてなにより約束の相手であるライバルを失ったことというのはそれだけ深い傷だったのでしょう。
バトルはせずとも10年振りの再会を果たし約束を結び直した彼らの未来に幸あれ。
リングさん
評価:☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆☆
風間深織さん
評価:☆☆☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
黒糖さん
評価:☆☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆
天波八次浪さん
評価:☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆
えびフライさん
評価:☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
あすぺふさん
評価:☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆
小樽ミオさん
評価:☆☆☆☆☆