冒険のはじまりだ!!の感想

砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
食べ物が美味しそうな話は総じて面白い、ということでめっちゃよかったです。
特に事件があるわけでもなく、ただ二人が話して食べて、というだけなのに面白い。まだ何が始まったわけでもないしこれから始まる話なのに、物足りなさは全然ないしむしろ読んで満足感がある。作者さんの技量の高さが伺えます。すげえ。
しーちゃんの大人を感じさせるところがアクセントになってて物語を引き締めつつ、みっちゃんの冒険を始めたばかりのわくわく感が新鮮な気持ちがとても読んでいて心地よかったです。今年の映画を意識したポケモンと一緒ならどこへでも行けるっていうの、あれめっちゃ好きだったのですごく…いいです。好き。
やばいなあ、面白い。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆
自分にとっての当たり前は、それを知らない別の誰かにとっては未知の世界。この気持ちを忘れないように生きていきたい今日この頃です……みっちゃんとしーちゃんの掛け合いがいいなって思いました。何がどういいのか筆舌に尽くしがたいのですが、なんというかこう、日常の中で交わされそうな自然の会話ながら、しみじみと思うところがあるというかなんというか。ふんわりとした感想で申し訳ありません。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆☆
旅は素晴らしいですよね。初めて自分一人で県外へ出て、本州の西から東へ何百キロと移動したときの感動は忘れられません。山と家しかない田舎から、人が犇めく大都会へ。ただ何となくイメージしていた世界を、実際に自分の全身で感じられる素晴らしさをよーく知っているので、みっちゃんの「冒険を始めてよかったな」という言葉が一日目にして出てくるって気持ちもよーーーくわかります。

しーちゃん絶対めっちゃ元気で活発な少女ですよね。バイクなんか乗り回しちゃって、ビールぐいっといっちゃって。あついあつい叫んで。サラッとあのアニメのセリフを心中で叫んでるあたり本質はオタクなのかもしれませんが。
みっちゃんもそれに負けてない。関東の暑さにもへこたれずに、ポッちゃんと一緒にポケモンリーグを目指すと意気込んでいる…本当にこの二人は元いじめられっ子だったのかと疑わしくなるくらい、眩しくて元気いっぱいの女の子たちです。読んでて楽しい。

なんでもない夏の一日を過ごしながら、お互い変わらないねーって談笑しつつ明日から続いていく冒険に思いを馳せる…終始穏やかな流れながら、ポッちゃんに感じたシンパシーの語りや、見るもの全部が未知のものだったと気づかされる独白、細かな描写が丁寧に書かれているなあという印象でした。夏にぴったりの一本でした、ありがとうございました!
カイさん
評価:☆☆☆☆☆☆
学生時代の親友と会って近所をぶらぶらしてカフェに入っておしゃべりする。たったそれだけのお話なのですが、たったそれだけの時間がとてつもなくかけがえなく、美しく、前向きに描かれていて、爽やかな気持ちになれました。随所の比喩表現の言葉選びが綺麗で、お題の単語も大変さりげなく使用されていました。素晴らしい。ワカバの当て字が面白いなーと思いました。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
大人になってからも、冒険はできる。大人になってから読むと凄く刺さる作品でした。少なくともおっちゃんな自分にはガン刺さりしました。
「頑張れよ。わたし応援してるから。みっちゃんの冒険」とか、「冒険を始めてよかった」という、ともすればクサいくらいのストレートなセリフが、本当に良いんですよねぇ。
言葉を失うタイプの良さでした。良い……
みっちゃんを冒険に連れ出したのは、長年励まし合っていたしーちゃんではなく、譲渡会で出会ったポッちゃん。みっちゃんが新しい景色を体験する時、いつもポッちゃんが隣にいる。しーちゃんの言葉や考えの中に、ちょっと寂しいような、悔しいような思いが混じっているのが本当にいいですね。しーちゃんもこれから輝いて欲しいです。
最初みっちゃんとしーちゃんがどっちがどっちかこんがらがったのは内緒です。
ところで、北海道では飲み会の後に締めパフェなるものがあるそうですが、本当ですか?笑
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
出てくる食べ物が美味しそうだった話(おい)。
これは現実と絶妙にリンクしていますね。今年の夏の暑さやら、出てくる食べ物やら。クリームソーダは美味しそうだと思いましたが、私は炭酸系が苦手なので羨ましいとしか思えないという(何の話だ)。
出てくる地方や町の名前が漢字なのもいいですね。ワカバが読めない……と思ったら、本当にそういう字があったという驚き。そして出てきたメロンパフェが美味しそうという。あと、最後に出てきたスイカもなかなか美味しそうでしたね(おい)。
何かほぼ食べ物のことしか語っていない気がしますが、主人公と一緒にみっちゃんの冒険を応援したくなる、そんな作品でした(色々とすみません)。
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆☆
冒頭の描写は鎌倉の海を連想させました。あそこの中心街の渋滞はえげつない。バイクに乗らないので想像ですが神奈川沿いをツーリングするの楽しそうですねえ。初めて見たシュロをヤシの木と間違える、パフェとクリームソーダをいっしょに頼む、延々とコースターをひっくり返すポッタイシ……。リアリティの塊ですねえ。裏路地の穴場カフェや縁側で夕涼みする描写の密度が適切で、テーマをしっかりと下支えしています。長い間会わず転身したみっちゃんへの心からの応援と、ちょっぴり羨ましく思う気持ち。キャラの内面を直接描かずとも浮かび上がらせる緻密な描写は思わず唸ってしまう読後感でした。
コメットさん
評価:☆☆☆☆☆☆
冒険は子供だけの特権ではない。そしてその大小に関わらず、冒険とはその人の捉え方次第なのだ。そんな事を気づかせてくれる一作でした。少年少女が活躍して胸を熱くしてくれる作品は数多あれど、大人の冒険を後押ししたくなるような作品はそう多くない。読んでいるこちらまで大きく揺さぶられました。二人と一匹の描写がとても丁寧なお陰で、大きな展開こそ起こらなくとも、人となりや世界観にすごく惹きつけられました。
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆
一人称視点で違和感なく文章を書くのは非常に難しいことだと思いますが、この作品はむしろ一人称でよかったと思わせてくれました。暮れなずむ空、なんて言葉がすっと出てくるなんてなー羨ましいなー!本当に巧いです。常からそつなく書いている感じがします。ただ、主人公の心情を事細かに描写しすぎているような気もします。ここは好みの問題なのですが、すべてを丁寧に手取り足取り教えてもらうと少しばかり物足りすぎる気持ちになってしまうんですよね。
「大人になっちゃったんだねえ、あたしたち」という一言にしみじみ。大人向けのやさしいポケモン小説ですね。近年のポケモン映画から引用しているセリフもあって、知っている人はニヤリとするのではないでしょうか。(意図して引用しているのか偶然被ったのかはわからないものの)
冒険というと少年少女が山あり谷あり一期一会の出会いの果てに、というイメージがあったのですが、こういう邦画のようなおだやかな冒険観もいいですね。面白かったです。
リングさん
評価:☆☆☆☆☆
ポケモンというコンテンツに惹かれる理由がこれだ! と思えるような、冒険の良さを詰め込んだ作品だとおもいます。ポケモンらしさをストレートかつ簡潔に表していますね。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
タイトルからは打って変わった穏やかで日常的な光景ながら、それは確かに自分の知らないものと出会う「冒険の第一歩」なのだという繋げ方を非常に面白く感じます。
個人的な話ではありますが、私もシンオウもとい北海道から出た際にだいたい似たようなことで驚き続けていた記憶があり、その時感じたあらゆることに対する新鮮さを克明に思い出しました。そうして強く想起できるほど、そうした体験の際の気持ちをリアルに表現されていると思います。
また、シンオウから出てきたという「みっちゃん」の感じ方、言葉、生活習慣等、幅広い部分にとても親近感を感じていて、そちらの描写も見事なものと感じています。食べ物はだいたい甘いし縁側が実在しているとは思っていなかった。たぶん作中のメロンは中まで緑色なんだと思っています。ソノオ産がオレンジ色。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
まず、すっごく美味しそうな小説でした…!食べ物全部がキラキラして見えました、夏の良さがぎゅっと詰まった小説でした…!なんといっても、バドワイザ―…!と失礼しました…あまりにも美味しそうだったもので、夏に帰りたくなりました。この食べ物やいろんな景色のように、冒険はきっときらきらしたものになるのでしょうね。日常のありふれたものが美しく見える、素敵な小説でした。そして、日常は私達の過ごしている世界のようなのに、ここはポケモンの世界なんだとひしひしと感じさせるものがあり素敵でした。自分のことをかっこいい、好きだと言ってくれるだれかがいるだけで力が沸いてきますよね。
秋桜さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
とても良かったです。すり抜けをしないのに好感をいだきました。乗っているのはビグスクでしょうか? それとも描写してないだけでマニュアル車なのか、少しバイクをかじっているので気になってしまいました。キャラ同士の関係や心理描写等、とても好みでした。
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆☆
たとえ大人になったとしても、冒険の一歩を踏み出してみれば色んな発見があるかもしれない。そんなメッセージが伝わってくるようなお話でした。とりあえずみっちゃんとしーちゃんのやりとりが微笑ましくて良かったです!
ポッちゃんもとても可愛かったですね。やっぱりポケモンは色んな人に元気や勇気をくれるんだなぁ……
私も周りの色んな変化に気づいて「冒険」してみたいなと思いました。とても良い作品でした!
終夜さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
しーちゃんとみっちゃん、そしてそこに加わるポッちゃんのトリオ。
いやはや、めんこいですねえ……10代から時を経て、大人になった彼女らの心の交流。
私もちょうど同年代だからか、この作品は実にしみじみと、心に沁みましたとも……。
夏だろうと、ジャケットにグローブを着込まなければならない。確かに安全運転ってとても大事ですよね!!しーちゃん、しっかりしていらっしゃる。
「どれだけ遠くへ行ってもさ、山があって川があって町があって海があって、それがずっと続くだけで、どこへ行っても世界なんて変わり映えしないんだろうなって思ってたんだ。」
おそらく、上記は去年の映画(君に決めた)から、
「ポッちゃんのトレーナー探しをしてたボランティアの人がね、こう言ってたんだ。『ひとりじゃできないことでも、ポケモンが隣にいてくれれば、なんでもできるような気持ちになれる』ってね。」
この辺りは、今年の映画(みんなの物語)からの引用、かな?
どちらも無理なく作中に組み込まれていて、作者さん凄いな~、と感嘆致しました。

「自分にとっての当たり前は、別の誰かにとっては未知の世界。それは人生も、身の回りの風景も同じ。」

ここの文章、めちゃめちゃ好きです。好きすぎて泣けてくるレベル。
また一からゆっくり時間をかけて読み返したくなるような、瑞々しい作品でございました。
願わくは、みっちゃんとポッちゃんの旅路が、どうか素敵なものへとなりますように。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
これは至る所に道産子が散りばめられてますね~!作者さん実は道民じゃなかったりして…へへ…と思ってましたが最後の語尾の「さ」が自然だったので流石と思いました!
ionさん
評価:☆☆
こうなれることが希望、という言葉に感銘を受けた作品でした。
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
お題をそっちの言葉で使っているのかと驚き、私には思いつかないお話への組み込み方だなと思いました。
現実とリンクしつつも、それでもポケモンが溶け込んでいる風景がとても好きな素敵な作品です。
森羅さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
ああ、くそっ。 って思ってしまいました。これはもう、突き刺さる。本当に最高でした。
ゲームを『さいしょからはじめ』たときのような心地よい高揚感とワクワク感が読んでいる間止まりませんでした。この「ポケモンと一緒ならどこへでもいけるよな!」というのを文面からひしひしと感じて、『みっちゃん』の壮大な冒険を心から応援したくなります。この作品で、最高なのが10代の少年少女ではなく「大人になっちゃったんだねえ、あたしたち」っていうところなんですよ! バイクに乗って、仕事の話をして、お酒を飲んで。作中の彼女たちの行動は紛れもなく『大人になっちゃっ』ていて、それでもまだ何でも選べるのだと訴えてくれるのがもう本当に『大人になっちゃた』僕には最高に刺さったのです。
また、作者様は北海道の方なんですかね。風景描写は勿論ですがシンオウ(北海道)の描写が非常に事細やかで、「へええ」と思いながら読みました。縁側って絶滅してるんですね……。少し不思議だったのは『しーちゃん』の「わたしだって、みっちゃんと同じように"普通"じゃない人生を歩んできた。ポケモントレーナーになったことはないけど、"普通"じゃないことに挑戦するようなことだって、みっちゃんより先にいろいろやってきた。」のところでした。勿論彼女にも彼女の人生があって、それには少なからず「他の誰も経験したことがないだろう出来事」があったのだろうことはわかるのですが、『しーちゃん』には何があったのだろう……。良ければ是非、作者様の口から聞きたいですね!
照風めめさん
評価:☆☆☆☆☆
あ、これは本物の道民の方だ。(方言やイントネーションが)
キャラクターがとにかく活き活きして可愛いですね! とても素敵です!
世界観も丁寧に描かれていて、彼女らと同じ空間に浸ることが出来て楽しかったです。
普通のことだけじゃなくて、自分のやりたいことをやっちゃおう。みっちゃんのその気持ち、本当によく理解できます。
普通に旅する人たちとは違って歳を行ってから旅に出る、という姿に、思い立った時に遅すぎるという事は無い、という黒柳徹子の言葉を思い出しました。
そしてなによりポケモンパワー! 今年の映画を思い出す、一人じゃできなくてもポケモンと一緒なら頑張れる! とても素敵です。
タイトルでビックリマークが二つなのは、みっちゃんとしーちゃんの二人を表しているのでしょうか?
全体を通して、勇気をもらったような気がする、素敵な作品でした。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
「概念の夏の最高峰」という言葉が頭に浮かびました。
こういう!青春を!やりたい!今からでも!(お酒が飲める歳であろうが、キラキラ輝いている人はいつだって青春なのです)
素敵な友達とオートバイに二人乗りして「あっつーい!」って叫びながら海沿い走って、カフェでおしゃべりしながら冷たくて美味しいもの食べて、夜は縁側で夏の夕暮れを感じながらスイカって、もう最高に夏じゃないですか。
なんかこの瑞々しくて爽やかで、ちょい甘酸っぱい感じの会話と、ザ・日本の夏っていう風景の中に当たり前にポケモンがいて、旅があって、新しい世界へのワクワクがあるのがとても素敵です。読んでいて「私の側にもポケモンがいたらなぁ」なんてことを思わずにいられませんでした。ありがとうございました。
あすぺふさん
評価:☆☆
「マスクメロン」絶対使われるだろうな、と思っていました! おいしそう……。
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆☆☆
「おどるポケモン秘密基地」信者としては、反応せずにはいられないタイトルです。名曲ですよねアレ。
「皆はどの子、貰って旅に出たのかな……♪」

大人になってからポケモントレーナーを目指す女性の話。
冒険の前のドキドキには、年齢や性別は関係ない。
とても前向きで、爽やかな夏の一作! 読んでいて元気が出来てきました。面白かったです!
逆行さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 突然出てきたエヴァンゲリオンネタに笑いました。動け、動け、動け! 動いてよ!って懐かしすぎる(笑) 
 トレーナーの旅立ちを描いた作品ですが、主人公達はもう大人っていうのが面白いと感じました。大人になってからでも夢は追えるという希望があって良いですね。 
 特に事件が起こったりする訳ではないのですが、二人のやり取りが面白くてするすると読み進められました。徹底的に何の事件も起こさないっていうのがある種の『余裕』を感じさせました。特に激しいことが起こらなくても十分に面白くできるという自信が、作品から伝わってきます。 
 非常に落ち着いた作品で、まさに「大人」の二次創作。そのように感じました。カフェ行ったり、家でお酒飲んだりするだけなのにここまで面白く出来るのは作者さんの『力』だと思います。  
 冒頭も結構好きです。この町に住んでいる自分にとっては見慣れた風景だが、旅をしている人にとっては未知の物、という物語の締めとしっかりリンクしていて、凄いなあと思いました。文章もしっかりしているし、構成もしっかりしている。本当に落ち着いているなあと思います。 
 大人の二次創作って言いましたけど、この二人の主人公にはちゃんと子供らしさも少し残っている所もいいなあって思いました。パフェ食べる前にクリームソーダ食べたり、スイカにがぶりつく所が凄く無邪気で可愛らしかったです。そもそもこの二人の口調も可愛いし。 
 パートナーがポッタイシという中進化のポケモンだったのが、非常に二人の今の状況を表していると感じました。子供って訳ではなくてちゃんとした大人だが、どこかにあどけなさも残っている、というのがぴったりだと感じました。 
 『みんなの物語』のセリフの引用も良かったですね。みっちゃんもきっとポッちゃんと一緒ならどこまでもいけるのでしょう。
フィッターRさん
評価:スキップ
 拙作B型です。作品の発想が生まれた経緯もあって、今回はバレなさそうでバレる、ちょっとバレないイメージの仮面を被って参加しました。僕の作品だと見破れたひとはどれだけいたのでしょうか。この文を書いている今からとても楽しみにしています。
 さて、殺伐とした作品が多い僕の作品ですが、今回はいたって平和なお話になりました。
 もともとは戦記物でも書こうかなーとぼんやり考えつつテーマA作品を執筆していたのですが、お題の少し捻った面白い使い方(今回だと"ダマスク"とかですね)について考えていた時、ふとこんなひらめきが頭をよぎりました。

「"マスクメロン"って、まだ出てなくね?」

 この発想が浮かんでからは、もう一刻も早くこのアイデアを形にしたい、もたもたしてたら誰かに先を越されてしまうかもしれない……! という想いを抑えきれなくなって、テーマA作品の執筆を中断して執筆を開始しました。
 僕が大好きな旅先での小さな冒険心を軸にして、今夏に行った旅行の思い出も盛り込んで、ついでに"普通"じゃない生き方を選んだ人間の想いも込めて、急ピッチで仕上げました。執筆期間はおよそ1週間です。
 この予定変更が災いして、主力に据えていたテーマA作品が色々割を食ってしまうことにもなったのですが……そのお話はまた今度に。
 以下、様々な小ネタを箇条書きで。

・主人公の「しーちゃん」は、いろいろな場所ですでに出している僕の持ちキャラのひとりです。名前が「し」で始まるバイクに乗っている女性、と言えば、僕の他の作品を見たことがある方はピンとくる方がいらっしゃると思います。
 今回は露骨にばらしたくはなかったので、終始愛称で呼ばせることで申し訳程度に隠しました。

・舞台のモデルになった場所は鎌倉市です。3年連続で通うほど大好きな街なので一度書いてみたかったんです。それが実現できてよかった。
 ポケモン世界に該当する場所が現状無いので、地名は伏せました。野良ジュロに目を見張ったことだとか、海水浴客の数に面食らったこととか、命にかかわる暑さという概念を持ち合わせていなかったことなどは僕の実体験がモチーフになっています。

・みっちゃんの深奥弁、もとい北海道弁にはかなり凝りました。メジャーどころは使わず、今時の若い道民が使うような表現を心がけて書いてます。
 歓送会での略称が『コ↑ーヒー』だったのには笑うと同時に、注目して欲しかったところでもあるので目をつけてくれたことをとても嬉しく思いました。本当は『○○さる』も使いたかったのですが使えそうなシチュエーションがなかったので断念しました。

・今回初めてグルメレポート的表現を使ったので、ちゃんと書けているかどうか不安だったのですが『メロンパフェ食べたくなった』みたいな感想を頂くことができたので胸をなでおろしています。
 実は嫩葉産マスクメロンの味は完全に想像で書いてます。道民ゆえ道産以外のメロンを食べたことないんですよ……ちなみにバドワイザーは今回書くために買って飲みました。

・作品タイトル、マスクネーム共にアニポケの主題歌のタイトルから引用しています。どちらも好きな曲です。
 『夏めく坂道』はポケモンソング史上最もポケモンソングっぽくない歌ですけど、ここ数年夏に関東を旅するときに必ず聞いている曲だったりします。

・いつもは最後に作業しつつ聴いていたBGMを入れるのですが、今回は音楽を聴きながら執筆はしませんでした。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
 女性同士の友情のような雰囲気がよく書けていてよかったです。
 もうちょっと感情に訴えるような展開やセリフがもっとあったらもっと星をつけたと思います
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 女子の友情、いいですね。冒険のはじまりだ!!というタイトルの元気の良さに比べると、しっとりした内容だったと感じました。私はバイクを持っていないし乗りもしないのでよく分からないのですが、バイクで渋滞に巻き込まれて往生してる時ってこんな感じなんですかね。秘密基地みたいなロケーションのカフェ、行ってみたいです。メニューもすごく美味しそうでした。描写が丁寧で、よだれが出そうでした。いじめを受けてフリースクールに通っていた出不精の女の子が、一体のポケモンと運命的な出会いを果たして、旅に出ると決めたってすごいことですよね。本当に、運命的という言葉がぴったりです。ボランティアさんの言葉通り、ポケモンの力って偉大です。みっちゃんが新しい生き甲斐を見つけたように、しーちゃんにも人生で多大事なものが見つかるといいですね。投稿、お疲れ様でした。
春さん
評価:☆☆☆☆
 大人の新人ポケモントレーナーの話。
 ポケモントレーナーは10歳で旅に出るのが普通ですけど、大人がポケモントレーナー目指したっていいじゃない! ずいぶん思い切った事をみーちゃんしたなぁ。二人の女子がカフェでスイーツを食べながら(スイーツの描写がやたら美味しそうでお腹が空いて困りました)、お喋りする。しーちゃんとみっちゃんが女の子同士でこういった冒険の話をしているのがなんだか好きです。冒険っていうと、男の子の専売特許みたいなところがあるし。女の子だって、大人だって、ポケモントレーナーになりたいです。きゃあきゃあスイーツを食べながらも、キラキラした目で冒険について語るみっちゃんが眩しい。
 「一人じゃできないことでも、ポケモンとなら出来る」って台詞も好きです。読みながら口元がにこっとしました。ポケモン世界らしい台詞ですね。ポケモンの話を書くときは、この言葉を忘れないように書きたいです。みっちゃんの冒険はまだ始まったばかりで、困難はまだまだみっちゃんを待っている! 頑張れみっちゃん!
はやめさん
評価:☆☆☆☆☆☆
 冒頭の流れから、もしや今年の酷暑を逆手にとったお話なのでは……と勘ぐってしまいました。ポケモンパワーがもたらす勇気と踏み出す一歩。同時に「未知の物事への気付きを得る大切さ」についても、しっかりと触れている作品でした。
 今年の映画の要素を昇華しているのも上手いですし、話のテーマとしては多くの人の共感を呼び起こせるような、ある意味で素朴なところを取り扱っている。
 不自然なく気持ちいい友情は、これからもずっと続くものだろうなと容易に予感出来ますし。私は今大会中のキャラクターだったら、みっちゃん・しーちゃんが特に好きですよ。
 中でも「カッコいい」の使い方が渋い。こういう主観的な言葉は、作中の登場人物に「言わせている」感が出てしまうと、そう思わなかった読者的には白けてしまう諸刃の剣でもあると思います。もちろん万人に賞賛される表現というのはありませんので、この使い方が違うな、と思う方もいるでしょう。しかし、私はこのカッコいいの使い方は良いな、響く使い方をされているな、という風に読んでいて感じました。みっちゃんとしーちゃんの会話って、自然なんですよ。違和感なく、自分たちが現実で友達と話すときの空気感そのままに読めていける。友達同士という題材を扱っている作品では特に、これは凄く大きなポイントだと思っています。
 また、最初に述べた未知への好奇心についても力説したい部分です。
 「バカみたいに日差しが強くて、シュロの木があって、狭い谷底に建ってる家があって、深奥と違う味のメロンがあって、縁側があって……深奥とは全然違うものを、今日1日だけでたくさん見つけられたもん」という台詞も、それまでに丁寧な下地があるからこそ活きてくるものだと思います。
 私も大学入ってたくさんの友人から刺激を貰い、世界がグッと拡張された面がありました。ひとつひとつの気付きに対して敏感になるとか、より知りたい!  っていう好奇心を強くするとか、この場所には何が待っているんだろう、ってワクワクする気持ちをこれからも大事にしていきたいですし、みっちゃんと自分を思わず重ねてしまう部分もありました。そういう点からもこの作品から溢れるポケモンパワーは強いと思います。
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆
 冒険のはじまり、といえばゲームらしく10歳の男女が旅に出るイメージだったのですが、見事に面食らいました。主人公は10歳の少年や少女ではなく、大人であること。これまた新しい……! 冒険の始まりは決まって10歳からではなく、その気があればいつでもできるというメッセージ性が感じられました。
 元々はいじめられっ子という暗い過去を持つ2人ですが、そんなこと気づかないぐらいに明るくなってました。やっぱり同じ過去を持つ2人が出会えたから悩みとかを共通できて過去を克服できるにいったたんですかね。やっぱり共通の何かを持つ友人は貴重で偉大なんだなあと思いました。それと深奥と関東の差異を感じさせる2人の会話も良いです。ヤシの木だったり、そういうところもちゃんと考えられている作品でした。
 ビール飲むシーンもすきです。『歳を取るのも悪くない』って思える人生って素晴らしいものだと思います。
 作品投稿、お疲れ様でした。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 全体通して、何か事件が起きたり壮絶なバトルがあったり、そういう動きの多いシーンがなくともこうまで魅力的なストーリーになるというところに、扱っているテーマ、キャラクターどうしの微笑ましいやりとり、タイトルでもラストの締め方からも感じられる未来への展望、そういった要素を最大限に活用する実力に裏打ちされた、静の面白さというものをひしひしと感じました。
 “普通”じゃないことに挑戦したい、それを応援したい、そういう二人の関係が眩しくて眩しくて……。みっちゃんとしーちゃんの二人が二人とも、かっこよくてかわいらしいと言いますか。それ以外にもいろいろな面が見えてきているようで、彼女たちが本当に生きている人間のようにすら感じました。1万字の短編でキャラクターを描き出そうとすると、私はかなり尖った特徴を持たせてしまいがちなのですが、そういう観念が染みついていたのを痛感させられましたね。
 説明になるところで行を多めに空けて切り替えられるようにしたりと、表現のところでも唸ってしまうような秀逸なところもあり、総じてレベルの高く、私に足りないもの、見習いたいところがたくさん凝縮されているのだと思いました!
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
 メロンパフェが美味しそうすばらしい
 そしてこのくらいの時期(投票時9月下旬)になるとたしかに35度は暑いなあと感じますね 今夏はひどく暑かった……あのおそろしい蒸し暑さを想起させる印象的な作品です。ポケモン映画のフレーズも効果的に使われていて暑い夏を思い出させてくださいました。
 ところでバイクのしーちゃんさんは本名はしほさんだったりしますかね 違っていたら本当に申し訳ない
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆
 メロンとかパフェとかメロンのゼリーとか、ほんとうにとてもおいしそうでした。
 この子ならきっとこれからの冒険をうんと楽しんでくるんだろうなあと読んでいて思いました。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 ポケモンパワー!! ポケモンパワーだ!!! 今年の映画私めっちゃめっちゃ好きで、今回の企画ではぜひともポケモンパワーをびしびし感じられる作品にたくさん出会いたいと思っていて、この作品はその最たるものであったように感じます。みっちゃんとポッちゃんのポケモンパワー、とってもよかった!! みっちゃんの年齢の成人済みという設定、これも大人の出番が多かった映画の内容を意識されたのかなあなどと考えました。おそらく自分と同世代くらいの子の冒険と旅立ちのお話、凄くグッときます。等身大の浪漫にあふれている。大人のためのポケモン小説、よいぞ……!
 全体として非常に完成度の高い作品だなと感服いたしました、まずは文章。非の打ちどころのない一人称でした、語り口がまさにこの年代の女子という感じである上、心理描写とその他描写・回想説明がものすごく自然に流れていて、どれも適切な情報量で読みやすい。だけど淡白という訳ではなく、光る表現が随所に見られ、『サウダージ』『ブルーアワー』『バドワイザー』みたいな横文字も、しーちゃんのカッコよさに絶妙にマッチしている。そして「あつい!!」のシーンに代表されるように、描写がリアルというよりは「分かる……こうなる……」っていう感じで肌馴染みするんですよね、だから感情移入してしまう。いやあ上手いなあ素敵でした。ここまで文章を自在に操れたら執筆も楽しいだろうなあ、憧れます……!!
 前半パフェ食べるとこまでは日常のシーン、しかしただのほのぼのではなく、周到に場を整えてから、
>「……頑張れよ。わたし応援してるから。みっちゃんの冒険」
 これですよね……この台詞がめっちゃ好きです。ここで一気に掴まれたような気がしました。
 そんで、後のしーちゃんの気付きで、ただの日常ほのぼのに見えていたここまでの描写のすべてが、『意味のあるもの』として回収されるんですよね。この構造がとても好きです。短編小説って特に1万字とかだと一文も無駄な文章がないくらいが理想だと個人的に思っているんですけれど、この作品はそれを完璧に達成しているのではないかと思います。というか、そう思わせるような構造になっていると言いますか。いや凄い……見習いたいところです。
 で、色々わーわーと言いましたが、この作品の一番の魅力は、私「女の子のかわいさ」だと思います。みっちゃんとしーちゃんどちらにしても、媚びすぎず、サバすぎず、絶妙にかわいく、そしてかっこいい……!! 強い個性があるわけでなし、それでいて没個性な訳でもなし。依存はしない、でも確かに親友、そんな二人の関係性が、毒がなくて爽やかで、素直に受け入れやすいんですよね。応援したくなっちゃうキャラがいるって本当に強いな。人間を書くのもうまい。そんでポッちゃんもかわいいじゃないですか。いやなんか本当に良かったです。文章もシナリオもポケモンの活かし方も演出もキャラ造形もうまい、なにもかもうまいですね、凄いなあ、全部うまかったです(こなみかん)
 このお話は、物語そのものとしては「ほとんどなにも起こらない」と言えてしまいそうなものなんですが、それどころか、このお話の先にあるみっちゃんとポッちゃんの冒険の「ひろがり」まで感じさせるような出来栄えで、読了したとき一万字以上の満足感を得ることができました。これ、ほんとすごいですね。なんか「すごい」とか「うまい」とかばっかりの感想ですいません、素直に良かったなあと思える作品でした。
 投稿お疲れさまでした!
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 う、うまい。私の語彙では到底表すことのできなさそうなうまさがあるなあと思いました。
>>環境が変わることに慣れすぎてて、そういう感覚が麻痺していたのかもしれない
 このセリフとその前後が好きです。しみじみとみっちゃんを応援したくなるようなお話でした。シュロの木に食いつく様子等、新しいものにくいつくみっちゃんの様子から、ラストのみっちゃんの話が綺麗につながっていてとても心地よかった。風景や情景がありありと浮かんで、とても読みやすくもありました。みっちゃんが変えたのは自分がじゃなくて他の人だった。しーちゃんのポっちゃんに対するその何気ない嫉妬心みたいなものが、とてもかわいいと思います。
 新しいことに取り組むのに、早いも遅いもない。素直に、純粋に感動できる心を、ずっとずっともっていたいなあと思いました。
小樽ミオさん
評価:☆☆☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆☆
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆☆
風間深織さん
評価:☆☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆
天波八次浪さん
評価:☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆☆
えびフライさん
評価:☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆