仮面舞踏祭の夜の感想

乃響じゅん。さん
評価:☆☆
雰囲気が良かったです。
不思議な少女が「私を見つけて」と呼びかける、物語の始まりとしては最高のシチュエーションだと思います。
ただ、少女を見つけた後の出来事がふわっとしていて、カタルシスを得られなかったように感じました。
少女出会った後の展開について、「えっ、それだけ?」というのが正直な感想でした。もう少し何かが欲しかったです。
森羅さん
評価:☆☆☆☆☆
謎の少女が夢の中で「私を見つけて」とか言うのが物語のツカミとして素敵でした! めっちゃドキドキしてしまいましたよ。頭の中で「謎の少女、再び」を流しながら読みました。祭りの非日常感とそもそものアルトマーレの街の造りに惑わされている感が素晴らしかったです。そして、カノンやボンゴレがでてくることで映画水の都を知っている人は大概「あれ、ラティアスのことは??」ってなるじゃないですか。まずそこで違和感を覚えさせられるわけです。「この街は本当にあのアルトマーレか」って思わせられる。主人公と一緒に惑わされる。その感覚がとても楽しかったです。真夜中の鐘が鳴るときに相手を見付けられるという結末もとてもロマンティックでした。最後、これは全てボンゴレさんが「夢に囚われてはいけないよ」といったとおり、また主人公が最後言った通り夢(夢幻に惑わされていた)だったという事でしょうか。それともラティアスの「ここにいるひとたちは」の台詞から、主人公は夢のはざまの様な「ポケモンのいないどこかここではない世界」に落ち込んでいたのでしょうか。とても不思議で、非日常感がたまりませんでした。
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆☆
舞台も好きですし、作品の雰囲気も好きですし、読み終わったあとの余韻も好きですし、全てが素敵で好きな作品です!ありがとうございました!あとは私の解釈間違いをしていなけれな……ドキドキです。
秋桜さん
評価:☆☆☆☆
焦燥感がすごかったです。しっかりと描写されていたのですがすいません、結末があまり読み取れませんでした。
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆
水の都知らないからなんて感想かけばいいか分からないよぉ((
でも文章の書き方はすごく上手だなと感じました!「違う、彼女は────」という文の繰り返しで、主人公が必死になって少女を探しているのが伝わってくるし、比喩表現とかも分かりやすくて良いなと思いました。
私もこういう文章が書けるようになりたいな!((
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
水の都の護神をモデルにしたストーリー。あれいいですよね、大好きです…興行収入歴代最低を記録しながらもファンの人気投票で一位を獲得してるあたり、熱心なファンも多いはず。

最初はボンゴレさんがラティアスの秘密の庭を守ろうとしてるのだと思ってました。サトシがやってきたときのようにカノン(に化けたラティアス)を追いかけている主人公を煙に巻こうと意味深な言葉を口にした。でも違ったんですね。
主人公が見ていたのは夢の世界だった、ポケモンがいなくなった夢の世界だった。ラティアスを見つけたことですべてを思い出して夢から覚めたんですね。なんだかキミにきめたの中盤を思い起こさせる展開です。

違う。彼女は~の件を繰り返すシーン、主人公が必死になって仮面をつけた人々を観察している感じがすごく伝わってきます。
ラストシーンの「だけれども。」から続く一文のラッシュもリズミカルでいいですね。

ストーリー上ポケモンの姿が全然出てこないのは仕方ないですが、日常感が出すぎててちょっぴり寂しさを感じたので評価は☆5ですが、ストーリー全体の雰囲気はすごく好きです。素敵な作品をありがとうございました。
照風めめさん
評価:☆☆
水の都だけではなく、昨年の映画にあったポケモンがいない世界も彷彿とさせました。
さて、あらかじめ水の都の映画を見ておらず、そこまで設定を分かっていない前提の元感想を書かせていただきます。
夢であった少女を追いかける時の焦燥感が良いですね。テンポが良くて、ぐいぐい読めました。
しかしその一方で、わたしはどうしても謎が残ってしまいました。紐解くことが出来なかったので、それを記しておきたいと思います。
●最後の最後で、ふたりぶんの笑い声とありましたが、ラティアスはまだしもラティオスは何処にいたのでしょうか。
ラティオスはボンゴレ老人なのでしょうか?
だとすると、今度はカノンが何者なのかの説明がつかなくなってしまいます。実はやっぱりカノン=夢であった少女なのでしょうか?
・主人公は絵のスランプがゆえに悪夢を見た。
・ラティアスは夢を通じてスランプから脱却させるよう努めた。
・ボンゴレ老人は夢に囚われてはいけないと話した。
→ボンゴレ老人はラティアスのやろうとしていることを阻害しているのではないか?
ボンゴレ老人がラティオスであるならばラティアスとラティオスの主張が食い違ってしまうので、ボンゴレ老人はラティオスではないと思います。であれば、結局ラティオスはどこにいるのか分かりませんでした。(そもそもラティ達はなぜ主人公に手を差し伸べるのか? でもそれを問うのも野暮な気もする……)
全体のお話の流れとしては綺麗だと思います。スランプを乗り越えるきっかけが夢だっても良いですよね。
アルトマーレである以上ポケモン世界だと思わせながら、実はポケモンのいない夢の世界である。というトリックも面白かったです。
砂糖水さん
評価:☆☆
幻想的なお話…なのはいいんですが、ちょっとよくわからなかったです…。雰囲気は好きです。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
少し変わった夢から始める、ある青年と仮面舞踏祭の話。
仮面舞踏祭で自分を捜して欲しい、という少女を見つけるため主人公は街中を走り回りますが、この街ではポケモンの存在を忘れられていた、というまさかの事実。結局この出来事ですらも「夢」というオチでしたが、主人公は再び「目的」を見つけ飛び出していきましたね。
「ポケモンが忘れられた世界」という設定のためかポケモンがあまり出てきていませんでしたが、それすらも話にいい影響を与えていると思えてしまう。そんな不思議な作品でした。
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆
夢幻の中を彷徨い歩く。水の都の不思議な話です。
夜の中、訪ね人を求めて駆ける主人公の焦燥感が素晴らしかったです。

不思議な雰囲気に浸ることができましたが……私には上手くラストの解釈が出来ませんでした。
うーん、これは一体どういうことなのか?
カイさん
評価:☆☆☆
夢の中の夢のお話ですね。アルトマーレを舞台に選んだのがなかなか独自性があり面白かったです。いいよねアルトマーレ…。最後の場面は、無事にラティアスとの再会を果たしたと解釈します。幻想的なお話でした。
Pさん
評価:☆☆☆
夢でたった一度見ただけの少女を追い求める主人公、雲を掴むような話に対してあまりにひたむきすぎるその姿についボンゴレさんの「いつまでも夢に囚われてはいけないよ」という言葉に深く頷きたくなりましたが、まさかそれもが伏線とは。
仮面舞踏会という祭りの場であるのにポケモンの姿を一匹も見ないというのは確かにおかしい、と気付いたのは夢が覚める当該のシーンに入ってからでした。お見事。
しかしポケモンが一切登場しないという縛りのせいもあると思うのですが「年に一度の祭りの期間」、しかも折り返しも過ぎて終盤戦に入っているにもかかわらず、仮面の描写の他は「世界は平凡そのもの」だったり「ゆったりと時間が過ぎていく」シーンがあったりと終始あまりお祭り感を感じられず、そこはややもったいないことと感じてしまいました。
本元のお祭りでは仮面のみならずドレスなどで当時そっくりに仮装をするそうですし、着飾った人々の中仮面も何もつけない普段着の主人公がただひたすらに人捜しをしている、そしてラティアスもまた夢で見た通りの普段着に白い仮面でいるというだけで十分に二人の異質さを強調できたと思います。
しかし文字通り、夢が覚めるようにすべての種明かしをされて世界がひっくり返るその感覚はおそらく目指された通りのものと思います。
ionさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
今回のテーマについて触れることはしないけど、じぶんの中でもそれは大きい葛藤だけど、
テーマのために織られた、無駄なもののない綺麗な絵って印象を受けました。

二次界隈から例をあげるとたとえばレイコさんみたいに、
いろんな異なる価値観がせめぎあう、ぼくが理解できないものがある世界。
雑味や誰かにとっての不純物(それは誰かにとっての綺麗なものでもあります)がある、ひとつにまとめられない世界だと、
そう現実世界(作中世界?)を定義して、その中の葛藤を映す作品の方が、より自分は好きなんですが。
ここは主人公の夢、内的世界なのでそういうのは不自然だし、(そしてとらさんの仰る通り、短編の一形態としても)これはひとつの”アリ”な形なんでしょう。

ふたりぶんってどっちなんでしょう。
ラティアス・ラティオスか、ラティアスと他の誰か(例:この話の主人公)か。取り立てて語る必要あるよ!
またここで某映画みたいにどっち問題が最後に持ち上がるの、すごく綺麗です。
うみねこって話も、初代ミュウツーでのボイジャーのセリフや、映画公開当時キャモメはたしか発表されてなかったこと含めると面白い仕掛けですよね。
綺麗な絵として楽しませてもらいました。
あまもさん
評価:☆☆☆☆
ロマンチックでもあり、不思議でもあり、少し怖くもあり、常に仮面舞踏祭の雑踏の音や雰囲気に包まれているような物語でした。華やかな仮面の中に、不思議に生える白い質素な仮面がさらに夢心地の不思議な雰囲気になっていてよいですね…。夢写しやラティアスの体温などラティアスやアルトマーレの特徴がたくさん詰め込まれていて楽しかったです…!
水のミドリさん
評価:☆☆
ラスト取り立てて語ってくれないと分かりません。読解力がつまようじ並で申し訳ない。アルトマーレと仮面舞踏会の取り合わせは素敵。その2要素だけで作品の雰囲気が確立されています。地の文が極端に心理描写に傾いていたのは、楽しむには映画を見ていることが前提だったからかしら。読み手を絞る勇気は評価に値します。でもミステリの展開のさせ方はいただけないですねえ。トリック解明のためのヒント収集だけって文章、読んでてひたすら辛いんです。主人公もラティ使いだったり逆に仮面少女から追いかけられたりこのままじゃ夢に閉じ込められて出られなくなる! と判明したり、思わず続きを読みたくなるような他の魅力があればよかったのですが……。どうにか行き着いた種明かしもしっくりせず、町の住人がポケモンを忘れた原因も判然としないし、それをラティアス(?)が主人公に夢として見せた理由も謎。この作品を読んでると思っていた読者自身が夢を見させられていたんですかね……?
コメットさん
評価:☆☆☆☆☆
アルトマーレネタで来るとは思いませんでした。映画の内容をしっかり押さえた上で展開される捜索劇は、目を瞠るものがありました。いやあ、本当映画を観ている人にとっては堪らない要素が随所に散りばめられてて素晴らしい。何となく予想こそしていても、カノンの名前が出て来て以降の展開にはわくわくしっぱなしでした。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆☆☆
アルトマーレをうまく使っていて、ゾクゾクしました。
終夜さん
評価:☆☆☆☆☆
アルトマーレが舞台の、何とも幻想的な作品。
カノンちゃん、懐かしいな~。ボンゴレ老人のお言葉も深みがあっていいですね。
世界のあらゆるところに生きていたポケモンたちを、今の今まで忘れてしまっていた……という恐怖感は、去年の映画(君に決めた)でも確かちらっと描写されていたように思いますが、ポケモン世界の住人にとってはショックが凄まじそうですね。
アルトマーレの街で開催される仮面舞踏祭、是非とも行ってみたいものです。
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆
とても幻想的で、アルトマーレという街そのものに宿る神秘性がさらに物語を彩っていたように思います。
さて、この夢に出てきてしゃべる人は謎の少女、カノン、ボンゴレだけなのですが、彼らのことをおそらく主人公は知らないのではないかと考えています。カノンとボンゴレを知っているのは謎の少女で、彼女が作った夢の世界を主人公が歩き回っていたのではないかなと。夢だとわかっていて読み直すとなるほど、夢のなか独特の描写もありますね。特に最後の少女に駆け寄るシーンでなかなかたどり着けないところとか、けっこうあるあるでした。
ほんの一夜の夢物語、秋の夜長にぴったりの作品でした。
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
この作品を読み終わってから暫く何も考えられなくなるほど圧倒されました。いや、引き込まれたというか、魅せられたというか。酔った、というのが正しい表現なのかもしれません。感想が上手く言葉にできなくて大変申し訳ないのですが、とにかく美しい。アルトマーレの街や少女のミステリアスな美しさに心を奪われました。また、主人公の追体験が可能な視点で書かれているため、本当にその世界にトリップしたような気分になれました。今のは主人公の思考か、それとも自分の思考か、読んでいてそれがわからなくなるほど彼と自分自身がぴったりシンクロしました。そして作品を読み終えるその瞬間、夢幻の世界が泡のように消え去ってしまうあの感覚が、なんとも堪りません。中毒性が非常に高く、例えるなら麻薬のような作品でした。不思議な作品をありがとうございました。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
いい意味で小説というよりも質のいい詩を読んでいるようでした…!15分のドラマとかでありそう!
逆行さん
評価:☆☆☆
 非常に幻想的で美しいお話でした。アルトマーレってラティオスの映画に出てきた町でしたっけ。あんまり覚えていない。少女の正体はラティアスでしょうか。「私たちを覚えていない」と言っていたことからポケモンであることは確実でしょうし、たぶんそうなのかな。 
 謎が多い話だなあとは思いました。結局ラティアスはなんのために夢をみせていたのかなあ、とか。何故町の人たちはポケモンを忘却してしまっていたのかなあとか。
 ただ全体を通してミステリアスな雰囲気を醸し出しているため、ある程度分からない部分があっても押し通せてしまうというのが恐ろしい所。最後の『取り立てて語る必要もないだろう』は読者に対して挑発しているような感じがしました(え?)ほらほら、このお話解読してみろよって。そう言われるとこっちも悔しくなって、ついつい読み込んでみたくなってしまいます。これが作者さんの作戦だとしたら大成功かもしれませんね。 
 主人公が少女を探している所は楽しく読めました。違う、この人でもない、と仮面を被った人物達を見て回るシーンはとてもワクワクしました。『違う。彼女は長い顎髭など生やしていない』って書いてあったから、顎髭が生えてる人も少女じゃないかって確認したんですかね。さすがに顎髭生えてる人はワザワザ確認しなくても少女じゃないって分かるような気がしますが……。仮面被っていたから分かりにくかったのかな。 
 オチも良かったと思うんですけど、ただごめんなさい、なんか腑に落ちないというか。ループエンドなんでしょうかねこれ。まだ主人公夢の中にいるんじゃないのかなあこれ。主人公がずっと夢の中に囚われて現実に帰ってくることができないってオチかなあ。だとしたらボンゴレの「いつまでも夢に囚われてはいけないよ」って名言をある意味生かしているんですが。 
 ただあんまりこの解釈に自信がありません。結果発表後に一番作者さんから自作語りを聞いてみたいお話ですねこれは。宜しければお聞かせ下さい。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆
 雰囲気がある作品だと思いますが、分かりづらかったです。もっとわかりやすく書いていればもっと星をつけたと思います。
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 水の都の護神!
 カノンが怪訝に「何のこと?」と言うシーンは映画にもありましたね!
 ロマンチック全振りな作品。
 むげんポケモンが見せた夢。ボンゴレさんは「いつまでも夢に囚われてはいけないよ」とは言ったけれど、夢の全部が全部ムダだとか無意味というわけじゃない。私はそう感じました。
 大好きな映画の舞台だったとか、そういうのを抜きにしても、やっぱり雰囲気から何からとにかく好きな作品です。
春さん
評価:☆☆☆☆☆
 水の都の守り神。懐かしい映画が出てきましたね、カノンちゃん久しぶりです。これは映画後のお話ですね。夢に出てきた彼女は、ラティアスかな? 私たち、というのは今まで世代を繋いできたラティ達のこと、だと考えました。ラティ達の「夢移し」をうまく使って、幻想と現実と織り交ざったお話を仮面舞踏会(カーニバル)をベースに、見事に描かれたと思います。真夜中の鐘、12時の時計はシンデレラの魔法が解けてしまうことと重ねての事。絵描きの少年は、何かスランプでも持っていたのでしょうか。このことをきっかけにして、何か得るものがあったように感じます。
 仮面には、正体を隠す意味があります。日本のお祭りでもお面をつけたりしますが、あれは神様や帰ってきたご先祖様たちの正体がばれたりしないためのものと聞きました。もしくは、仮面などを与えることで、本来は実体なきものが形を得ることが出来る、とも。仮面やお面をつけた相手に、名前を聞いてはいけないとも言いますね。アルトマーレの元ネタがヴェネチアなので、もしかしたら違うかもしれませんが、ラティが現れることができたのは、仮面をつけることができるカーニバルの時期だったからこそ、なのかと思いました。それとも、すべては夢の中ゆえに、絵描きの少年がさまよったあの場所は、アルトマーレの人々の記憶の集合体だった、とか。あやふやで、はっきりしない記憶の連続。それを暗喩的に表したのが仮面?
 色々と深読みできる短編だと思います。特に絡めた題材の選び方が上手いと思いました。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆
 冒頭から作品全体に漂っている焦燥感が堪らなく好きです。主人公が誰なのか、どういう状況なのか、まったく分からない状況で、開始一行目から物凄い勢いで物語が動き始める、このスピード感がとても良い。素晴らしい掴みだったと思います。そこからの人物描写の中にうまく舞台説明を含めていたりと、情報の出し方も適切と感じました。物語に入り込みやすかったです。からの、えっ見つかっちゃうの!?ww からの、あっ違うんだ!! という振り回されっぷりも、気持ちよく楽しむことが出来ました。大聖堂の場面やカノンの絵で繰り返し提示される違和感も、凄く綺麗に回収されていて膝を打ちました。そのギミックに富んだ作中で、カノンの思いや主人公の成長(というより変化?)もしっかりと描かれており、作り込まれた作品だなと感心するのですが、その思いや成長の内容については、よくよく考えると、結構ふんわりしているなという印象です(ふんわりしていることは一概に悪いことではありませんが……)。
>君は夢のお告げを遂げることに夢中になって、本当に大切なことを忘れてはいないかい?そればかりに目を奪われて、君がやるべきことを見失ってはいないかい?
 主人公は彼のやるべきこと、「本当に大切なこと」を見つけることが出来たんだろうか。彼にとって、「夢のお告げを遂げること」にはどんな意味があったんだろうか。分かるような、分からないような……。もしかしたら主人公にとっても、形のないもの、言葉にならないものであって、彼は絵を描き続けることで、これからそれを見つけていくのかもしれません。ただ、もしも、
> 先が見えない以上、道標は夢だけなのだ。
> 夢の中でもらった賞賛の言葉を、今度は現実で聞けるように。
 ここがもし、彼の「本当に大切なこと」に掛かっているのだとしたら、ちょっと彼のメンタルが心配です……。夢の中で褒められたことだけを心の支えに、誰かに褒められるために絵を描き続けるって、まあまあ危ういのではないかという気がするのですが……。考えすぎかな。創作の動機としても人によってさまざまですもんね、私が心配することではないか。
 どうにしろ、この主人公の気づきと、カノンが「ポケモンがいない世界」をあえて主人公に見せた意味が、微妙に剥離しているな、という印象はあります。カノンが伝えたがっていた「ポケモンがいない世界、『私たち』を覚えていない人々の中から、カノンを見つけ出させた意味」を汲んだ主人公が、カノンの願いを叶える(?)ために絵を描いていくことを決意する、とかだったらまとまりがあって綺麗だったかな? ただちょっと色々と理解が甘いのでトンチンカンなことを言ってたら申し訳ないです。それともあれかな、恋だったのかな。カノンに恋をしたから、またカノンに褒めてほしくて、絵を描き続けることを決めたとか、そういうアレ? あれよく分んなくなってきた……すいません(謝罪)
 最後のあたりの節の「そして――」の意味、ボンゴレおじいさんがラティオスだった説をひとまず推しています。だとして、彼らが夢の中で主人公にこういう形で接触したのは、どういう意図だったんだろうか。主人公の絵が好きなのに悩んでいるのを放っておけなかったとかなのかなあ。理解が甘いあまり感想が迷走してしまって申し訳ありませんが、ともあれ、よく凝られていて幻想的な素敵な作品だったと思います。

 ところで、最後の「そして――」の部分なんですが、一読目では「これ以前の物語のすべてはラティアス達が見せた幻覚でした!」というオチなのかと思って、「えええ今まで読んできたものなんだったの!?www」という衝撃に包まれました笑。
>あなたの目に見えるものが、必ずしも見た通りの姿をしているとは限らないのだから。
 という部分を深読みしたのと、後はラティ達の能力を「イメージ映像を伝える能力」「光の屈折を操って姿を変える能力」と考えていて「夢を見せる能力」という風には解釈していなかったのでそう考えたのですが、確かに映像を見せる能力があるなら夢を見せることも可能かもしれないですね。こちらの説も完全には棄却できないと思っているのですが、真相はいかに……。
 投稿お疲れさまでした!
早蕨さん
評価:☆☆☆
 何もわからない掴みから、ひたすら焦燥感に煽られながら少女を探す主人公の姿とその展開は、読んでいる人を引き込むのに十分な力があると思いました。少女はラティですよね? 彼女はただ戯れていただけなのでしょうか。主人公に幻想? 夢? 見せ、自分を見つけてもらう。その幻想的な描写はとても綺麗でしたし、心奪われるものがありました。
はやめさん
評価:☆☆☆
 不思議と疾走感を覚える作品でした。文章のタタタッと畳み掛けるようなリズムが幻惑世界に誘ってくれるおかげでしょうか。
 スランプに陥ってたところ、アルトマーレに迷い込んで夢映しを見せられた?? というより導いていたのでしょうか。夢の中の称賛を夢で終わらせるのではなく、現実のものに出来るように……というメッセージが伝わってきました。
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
 アルトマーレカーニバルの作品を本当にありがとうございます好き本物のカーニバルありがとうございます とても幻想的な作品でした……とてもアルトマーレやカーニバルの雰囲気があって輝いておられました……
 作者さんには伺ってみたいですね 7月29日に当企画が告知されたとき、ラジオ視聴チャットで当方が「テーマBのお題の一つにマスクがあるからアルトマーレを舞台にしたカーニバルの作品が出ないか楽しみにしている」とあの場でこっそり申し上げたのをご覧になっていたでしょうか
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆
 アルトマーレといえば、水の都の護神、でしたかね。ボンゴレ老人も映画の中に実際に出てくるキャラクターだとか。申し訳ないことに映画を見たことがないので細部に仕込まれたネタに気付けていないのですが、アルトマーレのモデルになっているらしいヴェネツィアの町並みを必死に少女を探しながら走る主人公の姿を想像して楽しませていただきました。いや苦しむ姿をニタニタ笑いながらって方面じゃなくて、若さっていいな、的なあれです。
 全体の雰囲気として、夢の中の描写らしいな、というのは思いました。個人的な感覚ですが、夢の中だと誰かとの会話や自分の行動はよく覚えているのですが、風景や時間経過の感覚はけっこうぼんやりなんですよね。そのあたりの雰囲気づくりは上手いのだと思いました。「いつまでも夢の中に囚われてはいけないよ」という言葉を振り切るほどの目的意識を持ち続けられるかどうかは、私には分からないところですが……。
 このあたり個人的な考察になりますが、少女=ラティアス=主人公に夢を見せた存在だという風に読み取っています。違ったら申し訳ないですが。夢を見せた目的も、ちょっかいとか悪戯とか、あるいは悩める人間への啓示のようなものなのかもしれませんが、でもその中で「ポケモンの概念がない世界」を見せた理由は謎ですね……。謎は謎でいいのですが、それを受けて主人公が、当たり前のように周りにいたポケモンの姿を少しでも気にするようになったとか、そういう繋がりがあってもいいよな、と思いました。
 幻想的な雰囲気は本当に夢を見ているような感覚でした、映画もいずれ視聴したいと思います。
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆☆
 そうくるかあ……。主人公が見ていた夢は本当に夢の世界だったのか……。ポケモンがいないアルトマーレで探し回った日々は全て脳が見せた想像だったのか……。何かが足りない感覚、それはまさかのポケモンという存在だった。これが判明したときは切なくもありちょっと感動しました。カノン、確かラティアスの映画に出ていた少女ですよね。私、あの映画好きなんですけど見た後にいつも悲しくて切ない気分になるので、そういう意味であまり見たくない気分になります……。まさか死んじゃうなんて……。
 ボンゴレ老人も『いつまでも夢に囚われてはいけないよ』とヒントを出しており、これはうまいなあと何度もうねりました。そして主人公が探していた少女は『探してくれたこと』に意味があるといい、お礼をいって消えていく……。こういう神秘的な展開本当にすきです。夢の世界であるアルトマーレと共に消えていくのではなく、アルトマーレの夜に淡く消えてくのが……もう……。
 作品投稿、お疲れ様でした! 素敵な作品でした。 
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 ああ……夢オチだったんですね。謎めいていてふわっとした雰囲気で、一体どんな顛末になるのだろうと期待していた分、ちょっぴり予想外でした。劇場版に登場する水の都アルトマーレ、そのモデルのヴェネツィアといえば、ヴェネチア・カーニルとその目玉の仮面コンテストは有名ですよね。題材にリアリティがありました。ひとつ思ったのですが、仮面を被ったまま絵を描くのって難しそうですよね。どうしても視野が狭くなりますから。作者様は水の都の護り神の映画に強い愛着とリスペクトがあるのだろうと感じました。主人公さん、次は夢オチではなく現実で理想を叶えられるといいですね。投稿、お疲れ様でした。
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 "まるで夢のようなその光景が、本当に夢だったと気付くのは、もう少し先の話である。"という冒頭の文章の意味づけがとても素晴らしいと感じました。次の行のことを言っているのかと思ったら、本当の意味が分かるのは最後の最後という……
 『神経衰弱』をトランプのゲームの意味として使った作品では、その使い方が一番巧みだったと思います。"これでは質の悪い神経衰弱だ。種類の違うトランプをごちゃまぜにして、その中に存在するかしないかも分からない、あらかじめ与えられた手札と同じ絵札を、たった一つ見つけなければならないのだから。"この比喩表現、このカーニバルに寄せられた作品に使われたすべての比喩表現の中で一番好きかもしれません。
 最後になりますが、地の文が語り手の心理にかなり比重を置いて書かれていて、語り手の外面の世界が描かれるのが最後の2段落のみに絞られているところが、すべては主人公の夢だったという物語の大筋にとてもマッチしていたと思います。幻想的な雰囲気の出し方がとても素晴らしくてほれぼれしました。
小樽ミオさん
評価:☆☆☆☆☆
リングさん
評価:☆☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆
Ryoさん
評価:☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆
風間深織さん
評価:☆☆☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆
黒糖さん
評価:☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆
天波八次浪さん
評価:☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆
えびフライさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆