怪盗ヒルダは方舟の夢を見るかの感想

わやさん
評価:スキップ
読んでもらっただけでも幸せ、評価までいただければ僥倖、感想なんていただいちゃったらさいさいのこうで昇天です。
“好きにやろう”。ただただその思いだけで書き上げました。決して読みやすい文章ではなかったと思います。最後まで読んでくださり、本当に本当にありがとうございました!
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆
読む映画、という言葉がしっくりくるお話でした。ヒルダがBWの女主人公というのも意外性があって面白かったです。かっこいい。ヒルダかっこいいですよ。やりたい事をやりたいようにやっていて、好感触でした。
一つだけ、ポリゴンZの下りが結局何だったのか良く分からなかったのが残念でした。映像的表現とは言え、正体不明の敵サイドの分からない話、と言うのは、読者の読む手を止めさせてしまう為、どうしても小説と相性が悪い気がします。アニメだったら分からなくても映像は流れていきますが、小説を読む速度は読者が決めるという特性上、仕方のないことではあります。極論、この話においてヒルダ側以外はどうでもいいと思いながら読んでいたので、ヒルダ&彼女のポケモン達の視点だけで描いて欲しかったなーと思ってしまいました。正直、読解力が足りず話についていくだけで精一杯なところもあったので……汗
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
読むものを圧倒させるスケールで描く、スペクタクルな物語でした!
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆☆
読み手の視覚を楽しませる、この文体。
これぞポケモン・ラノベ!
(かの知的な超鋼探偵も、怪盗ヒルダの前には強引に突破されてしまいそうです)

好きポイント
・ボブヨシ。いや、原作キャラとわかってはいるのですが……
・唐突に挿入される登場人物紹介。
・主人を守ったソルロックとエーフィ。
・ポリゴンZの口調。
水のミドリさん
評価:☆☆
疲れます!!!
読了までに3度の休憩と4度の寝落ちを挟みました。連発される体言止めや凝りに凝った擬人化、特殊な文字演出……。1文1文の修飾がくどすぎて、老害読み手はちょっと付いていけませんでした。ラードと脂身のアヒージョ胡麻油を添えて、みたいな料理をわんこそば感覚で食べさせられた気分。そういうキメ文は物語のいちばん盛り上がるシーンのみ効果的に書いて欲しかったです。もちろん作者様そんなこと分かっているでしょうし意図して書かれたのでしょうが、「これを素直な文体で読めたらなあ」って読後感はどうしても拭えません。とても素敵な表現いくつもあったはずなんですけどひとつとして思い返せないです。伏線とかぜんぶ取っ払ってストーリーを簡潔にして頭からっぽで読めるようにするか、全体が1/6くらいの分量でまとまっていれば集中して読めたかなあ。
シンボラーの「のーぷふぁん」最高に可愛かったです。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆☆☆
様々なところに散りばめられた独特な表現技法が印象的でした。
怪盗ものでありながら、詩的な文で始まり、終わるのも面白いなと思いました。
多くのキャラクターとテーマ絵がうまく絡められていて良かったです。
終夜さん
評価:☆☆☆☆☆
映画のようにダイナミックな世界観で、始終圧倒されました。
本文中に登場人物の紹介が入っているところも斬新で面白かったです。
カイさん
評価:☆☆☆☆
擬音や句点の使い方が非常に独特だなあと思いました。地の文が、徹頭徹尾詩的ですよね。言葉にリズムがあり、ミュージカルか狂言を見ているような印象を受けました。「無粋な登場人物紹介」の挟み方や、ダッシュ(―)の使い方など、文字で作品を表現するということに、限りない自由と可能性を感じさせてくれる作品です。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆
怪盗モノの王道を往くスタイリッシュなヒルダと仲間達の姿、しかしそれを支えるのは意外にも詩的な文章で、冒頭の「四十日の雨」からこれがどう本編につながるのかと強く引き込まれました。
報道すらファンに付け多数の野次馬を集めるのも納得な、彼女自身が宝のようなヒルダの姿。そしてそれを支えるゾロアーク・シンボラー・コジョンド・とどめのポリゴン2と怪盗が味方に付ければ百人力のポケモンのオンパレード。
それに対するウォットン氏のポケモンもエーフィ・ソルロックと太陽にまつわるポケモンが続き、ポケモン選定をかなり練られたらしいことがうかがえました。
小説の常道を大胆に無視した詩に近い改行・空白、句読点の配分、そして独特の擬音など構成要素のすべてが他にない唯一無二の雰囲気を構成している反面、バトルシーン等ではそのリズムが逆に視点を混乱させ、やや読みやすさに欠ける原因となってしまったように見えました。
しかしこの小説からそうした表現の一切を抜いたとしてそれはそれで楽しみを欠いてしまうのも事実。その言葉のひとつひとつが創り出す雰囲気まで含めて味わう話なんだと思っています。
お題の関係上虹が出てくる小説数あれど、昼間の虹を絵の中のみに留め現実に出るのは終始月虹としたのは珍しかったと思います。ゾロアークとヒルダの形容にもよく現れていましたが、この話がほぼ夜と闇の中で続く話であることを強く思いました。
秋桜さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
好き。すごい好き。なんだこれは。好きです。刹那という言葉は私もしょっちゅう使いますが真逆それを更に分割して使うとは。縦横無尽な文体は苦手な人も居そうですが私は大好きです。物語も映画みたいで凄く好みでした。その文体ください。とても好みでしたー!!!!!!!
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆☆
大変魅せられました!!文を読んでいるというより、見ると言う感じでした。不思議と文字を追う読み方ではなく画面全体をとらえるように読んでいました。そこもまた魅力だったように感じます。色彩や音やセリフ、全てがリズミカルで、洋画のようなハイセンスなギャグに、面白かったです~!ヒルダ一味、かっこいい!私もファンになりました…!
リングさん
評価:☆☆☆
効果音が多くって、絵のない絵本のよう。情景が全く頭に入ってこないのに、物語だけ進んでいくような感じがして、気持ち悪かったです。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
・これはすごかったですね、投稿ページを全部全部使って読者に物語を見せるんだという熱意がこれでもかと言うほど伝わってきました。自分がこういう魅せ方を出来ないので羨ましいですしすごいことだと思います。
・魅せるという点においては今回一番の作品だと思いました。
照風めめさん
評価:☆☆☆☆☆
ものすごく色んなことに挑戦した作品だと思います。
まず、お題の使い方がとても良いですね! お題のイラストを絵画とする作品は他にもありますが、それを巡っての怪盗モノに仕上げてくれるとは!
キャラクターもみんなクセがあって楽しいです。キャラクターが多いと情報量が過多になりがちですが、ここで無粋なキャラクター紹介が上手く機能している作品だと感じました。
ヒルダが粗暴な感じの話し方なのが、高貴なイメージのある怪盗とはまた趣が違って好きです。オレっ娘なのも個人的にポイント高めでした(
はちゃめちゃなバトルで忙しないんですが、とても楽しく読めました。予言の宝の正体も程良く、面白かったです。
まるで青い鳥文庫を彷彿とするような、テンポのいいキャラクターや展開と設定に、とても胸が踊りました。
今回の作品は特徴的な文体をはじめ、多くのことに挑戦している作品であり、成功していると思います。読む映画とはまさに誰が言ったか良い表現。
ただ、部分的に何が起きているのか分からない箇所(教会での戦闘シーンや馴染みが無さすぎるオノマトペ等)もあり、どうしてもそこが気になってしまいました。
余談ですが、サブタイについている記号は天気記号を模しているのでしょうか? 天気と密接に関係している作品でもあるので、気付いた時はなるほど!! と、とても感心しました。
まだまだ作品にはキャラクターなど謎が残っているので、読みたいなと思います。
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
な、何だこれはっ!!
が、第一の感想でした。まるで映画のようでした。好きです。
気持ちよく読むことができ、映像も鮮明に浮かびました。
読んでよかったです!ありがとうございました!!
私の中でのトップ3です!!
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆
とにかく雰囲気がオシャレで、本当にヒウンの摩天楼をヒルダちゃんが駆け抜けているかのようでした。
ネット小説だからできると思われるヒルダ様への黄色い歓声と「刹那」の文字を組み合わせた技法やサイレンの音の表現が特に目を引きました。ここは好き嫌いが別れるところかもしれませんが、わたしは個人的にエンタメとして楽しめました。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
しなる右翼を凝視す強面、
→しなる右翼を凝視する強面、

雰囲気がとてもとても好きです。ド初っ端のあの書き方といい。そこかしこにちりばめられた擬音語擬態語といい。言葉を綴るリズムといい。アルセーヌ氏の孫と仲間と彼らを追う警部を思わせる描写の数々といい。美しさに魅せられたミスター・ウォットンの気持ちが、何となく分かる気がするんです。その美しさの根源を知るためには手段を選ばない所も含めて。同時に、私の友人がこういう雰囲気が好きだっていう気持ちも、分かるような気がするのです。素敵な数日間の物語をありがとうございました。
Ryoさん
評価:☆☆☆
このスピード感あふれる文体は、多分好きな人には物凄く刺さってたまらないものなのだと思いますが、大変申し訳無いことに私の読むスピードと全く合わなくてですね…B部門の字数だったらなんとかスムーズに読み通せたかとは思います。
あと聖書のアレンジの仕方と作中の教会の扱いについて個人的に凄いモヤモヤしてしまって、でもこういうのの書き方について、自らも不信の徒でしかない自分が一個人にどこまで求めていいのかわからないので…ただ、現実に聖典がある宗教を出したい時には、私だったらもう聖典の既存訳をそのまま引用するか、アレンジはせずにほんとに物語の要約だけをやるか、オリジナルのそれっぽい宗教を造るかのどれかにするとは思います。歴史の長い宗教はもう長いこと研究がされた上で訳文が作られているので、個人でアレンジすると、その宗教の教えに対し、致命的に誤ったイメージを流布する失敗を犯してしまいそうで恐ろしいのです(あくまで私だったらの話です!)
契約の虹のシーン使いたかったのは分かるし、題に持ってくるくらいなのでメイン要素としてはあると思って言及していますが、やはり作者さんとしてはヒルダの活躍の方を見てもらいたいのだと思います。だけどもう一個の要素の扱いで致命的に躓いてしまってそれを最後まで引きずってしまいました。すみません。
ただ、一神教をメインに据えて話を作るというチャレンジ自体は、私自身一度やろうとして挫折した分野でもあるので、大変頼もしく思いました。これからもさらなる理解を深めてアウトプットを続けてほしいなと思います。
森羅さん
評価:☆☆☆☆☆
うーん、めっちゃ良いですね。いやこれは本当に文句なしで好きです。独特な地の文もネット小説で魅せることを知っている文面ですし、ヒルダたちの言い回しもむちゃくちゃにカッコいい。某有名SFをもじったタイトルもとても好きですし、個性的なキャラクターに彩られる「予言の絵・オボン・雨が降る」のストーリーの流れも怪盗クイーンシリーズのようです。いや本当に、最初読みづらい文章だなと思ったこの文章も無粋すぎではと思った「ここで無粋な人物紹介」も読めば読むほど味が出ました。スルメですねこの作品。美味しいです。ただ、すみませんここまで絶賛しておいて評価が★5になっている点についてなのですが。この評価を付けたのはそれぞれのキャラの動きがごちゃりとしている箇所があったことと、「おにいちゃん」のところです。ヒルダの回想(記憶)の「おにいちゃん」は多分Nで、「……コ、」は「トウコ」であろうことは予想がつくのですが、彼との背景が匂わせで終わってしまっていて、この短編中で何も解決していないのがどうしても、どうしても引っかかってしまいました(つまり「作者様もっと行ける人だろ!!」の評価です)。BWの主人公の「ヒルダ」なのですし、この「おにいちゃん」の記憶部分を見るにそれこそもっとこの「怪盗ヒルダ」の物語は、背景が練られているものであろうこととは想像に難くありません。これ是非連載で読みたいです。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
「バランスを崩し倒れる寸前。肉薄する面。鮮やかな紅。空いた片手が象る、銃。」この一文かっこいい、痺れる。さらっと読ませながらどんなシーンなのか瞬時に頭に入る文章を書かれる作者様は流石としか言いようがありません。

読後の感想は、「かなり挑戦的だなあ」というのが正直なところです。型破りな文章でした。空白の使い方だったりセリフの合間に情景をはさんだり。文章力がかなり高いので、普通の小説に書き飽きたがゆえにこんな作品を書いたのかなあとも思いました。擬音はひらがなを持って書くよう統一されていましたが、これがやわらかな雰囲気を持たせていてとてもよかったです。

挑戦的な文章が目立つ、作者様の個性がとても強く出た作品だったと思います。これは文章じゃなくてアニメや映画といった映像媒体で見たいなあというのが一番の感想ではありますが。
素敵な作品をありがとうございました!
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆
 映画を見ているような気分になりますね。エンタメ性も強いですし、ちりばめられた小ネタもきっと全部は見つけられていないんだと思います。ストーリーも壮大なものを感じますし、3万文字だけですべてをやるのはきっとかなりきついんじゃないかなと思います。各キャラもすごく個性があって、もっともっと掘り下げて、連載で読めたらもっともっと面白いんだろうなあなんて思います。魅せるって感じが凄く伝わるのですが、バトルのシーンについては、何がどういう状況になっているのか把握し辛かったので、そこが残念かなと思います。全体で見たらすごく熱いものが伝わってきて、好きだなあと思える作品でした。
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 描写が映像的で、映画を見ているようで面白かったです。キャラクターも生き生きしていて、作者様が楽しんで執筆されている様子が頭に浮かんでくるようでした。BWファンにはたまらない演出が多かったのではないでしょうか。途中でキャラクター紹介が挟まれているのが斬新で、読み手の好みが分かれそうだと思いました。心理描写と状況描写の切り替わりが忙しく、ムードを重視した単語でぶつ切れにする表現技法も多用されているので、一つ一つの流れが寸断されがちで時系列が分かりにくく、作品に没入したくても引っかかり気味なのがちょっぴり惜しいなと感じました。全体を通して、この作品は連載のプロローグと言われても違和感をおぼえないほどの熱量が、頼もしかったです。投稿、お疲れ様でした。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 怪盗ものですね! 主人公の名前は外国での主人公の名前だったり、こちら側の伝説を入れてあったりと随所に楽しめるポイントがあって面白かったです! 特に絵を描いたソフィさんの名前が浮線陵さんのアナグラムだと知った時は「使われているネタが細かい! すごい!」と思いました(全く感想になっていない)。
 この事実はTwitterを見て気付いたのですが、他にも気づいていないネタがありそうだなと思いました。ヒルダの仲間やウォットン氏などのキャラクターが作品をより魅力的に見せており、作者様のすごさがひしひしと伝わってきました。
 読んでいてとても楽しい作品をありがとうございました!
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆☆
 小説の掟破りをそうと思わせないほどの魅力とか奔放さとか、それがそのまま怪盗ヒルダを表しているように思えました。とことんまで魅せてくれたヒルダは、いっそすがしがしくて好きです。
「のーぷふぁん」←これすき。
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 地の文をセリフで分断したり、冒頭のスペースの数をそろえなかったりと、型破りな文章の書き方がとても印象に残る一作でした。それもただ型破りなだけでなく、きっちり演出として完成されているのがすごい。
 スペースや改行を巧みに使って、文字情報としてではなく"視覚"に直接訴えてくる形に、まるで絵のように文章をしたためていて、それでいてちゃんと文章として読めるようにもなっている。本当にすごいです。脱帽です。"ななつの光"のあとにダッシュが7行続いている演出が大好きです。リズム感を考慮して書いていらっしゃるのであろう文章が要所要所にあって、子気味よく読んでいけるところもあるあたり、作者さんの技量の高さがうかがえます。
 惜しむらくは、一度の場面にたくさんの人やポケモンが出ていて、誰が何をやっているのかわかりにくい場面が少なくないところ。ヒルダ一味のポケモンの名前がみんな2文字で『ン』で終わるのも紛らわしいなと思いました。
春さん
評価:☆☆☆☆
 今宵舞うは女怪盗ヒルダ様!
 特徴的な文章でありながら、突っ込みを許さない軽やかな物語展開。短編途中に人物紹介が挟まれ、横書きなのに縦に文章が書かれるという常識破りでありながら、突っ込みを入れることは逆に無粋な気がしてならない……!
 全編通して、作者さんが凄いノリノリで書いているのが伝わってきました。文章のノリもかなり独特なので、これは作者さんの持ち味ですね。そしてキャラが全員濃い! とても濃い! でもその中で一番、ひときわ強く輝くのはもちろん、怪盗ヒルダ! 怪盗キャラとして彼女は確固たる立ち位置と意志を持っていたように思います。仲間との仲の良さも、彼らの軽いやり取りからよく分かりました。私は特にバグが好きです。ヒルダももちろん好きなのですが、一味を頭脳面からサポートする彼はとても格好いいです。さらに言えばかなり辛辣。ちょっととぼけたところもあるヒルダのサポートとして、彼以上に適任なポケモンはいない気がします。
 初期の部分の神話語りがかなり好きです。水によって世界をまっさらに……というのは、タイトルにもある「ノアの方舟」の事。方舟の夢はそれにかけたんですね! 永遠に立てる契約は、7日間の大洪水のあと、神となされた新たな契約の話。契約の証しは「虹」でもあるので、お題イラストにぴったりだと思います。かかる七つのまばゆい光、ですね。
 盗んだ絵からさらに別のお宝へと。冒険と謎の始まりという感じがします。そして手に入れた不思議なお宝は、またも神話へ繋がる不思議な贈り物を残す。宝とは虹の事。契約に繋がる実は、どんな味がしたのかな。忘れられた遠い過去の約束の味がしたのでしょうか。雨が降った後の文章はとても綺麗で好きです。特に「傘を忘れた人々へ、笑みをともない降り落つだろう」の一文は、暖かで優しい雨を連想させ、とても素敵だと思いました。
 では、美しくも謎多き怪盗の華麗な一夜を、ありがとうございました!
はやめさん
評価:☆☆☆☆
 ロジック? 文章作法? 何それ、おいしいの? って感じの作品でした。本当に自由というか、文章表現というものの無限の可能性を感じます。
 自分が理詰めで書きがちなので、こうした表現方法には一種の尊敬の念を抱きます。やることが中途半端ではなく、作者さんの文体を確立された上で堂々とこれを出していらっしゃるので、好感がもてます(無粋な人物紹介すき)。これからも作者さんワールドを存分に展開してくださいね。
 BWの主人公をアレンジして自分の世界観に調和させているのも面白くてニヤリとします。ノアの箱舟辺りを持ち出して話を組み立てているのも個人的性癖です。しかし、バグシステムは一体何者だったのだろうか……。それが気になって気になって仕方ありません。
 あと、Nらしき人物。読みきりでこういう「におわせる」思わせぶりな展開をやるのって結構勇気が要るものだと思いますが、不思議と腑に落ちる描写でした。別段、続きは無いけど世界観が連動していて、作者さんの頭の中にはもっと広がりがあるんだろうなということを想像させるようなくだりだったと思います。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 ポケストカーニバル全72作の中で、私の中では読んでて楽しい作品トップクラスです!
 キャラクターがとても生き生きしているのが非常に素晴らしい。俺っ娘で胆が据わった女怪盗、盗むのも「盗みたいから盗む、それだけだ!!」という潔さを持ち、ちょっと抜けたところもある(「ソース・ブレンド」はめちゃくちゃ笑いました)、非常に魅力的なキャラクターになっていると思います。彼女を支えるゾロアークのジンにコジョンドのサン、シンボラーのイン、彼ら(彼女ら?)のポケモンとしての設定が活きていたり、それぞれに見せ場があったりと実に生き生きとしています。個人的には、ヒルダにゾッコンなテレビのインタビュアーのセリフが大好きです。ウォットンやボブヨシといったキャラクターもそれぞれの持ち味が非常に生きている、そんな印象です。
 あとはウォットン邸の周りの野生ポケモンを唆して大騒ぎに発展させるとかそういう展開はめちゃくちゃ私好みです。実に痛快!
 私はあまり読みづらさというのは感じず、むしろスピード感の演出としては目を見張るものが多く、テンポよく読めた作品であります。箱舟伝説の特徴的な文章で何ぞやと思わせる掴みはなかなか良かったと思いますし、逃走したり、反対に追いかけたり、戦ったりするシーンの緊迫感がひしひしと伝わってくるという点では私には絶対に真似できません。非常に作者さんらしさというものが見えてくる良い文章だと思っています。
 ただスピード感を意識しすぎてか、誰がどの動作の主なのか分からなくなり、そこで読解が止まってしまうところは少しばかり惜しいポイントです。無用に説明を加えたりすると反対にスピード感が失われてしまうというジレンマ。どうすればいいのか……難しいですね、どうにも。
 あとはバグ・システム(ポリゴンZ)がウォットンと接触していますが、ウォットンが「ヒルダがポケモンと喋れる理由」を探れる手段(ソルロックとエーフィのエスパー?)を持っていること、かつ、ヒルダが求める該当のオボンの実を持っていることを、どうやって知ったのだろう、というのはちょっと疑問ですね。バグ・システムの立ち位置がいまいちはっきりしない(怪盗ヒルダの「ご友人」だから手持ちではない?)ところも影響していますが、敢えてヒルダに嘘を教えたのか、それとも独力で調べまくったのか、気になるところです。
 作者さんのやりたいことを詰め込んだ印象で、エンタメとして非常に良かった。何度も言いますが読んでいて非常に楽しかったです。彼女たちの活躍をもっともっと見たくなる、そんな一作でした。
逆行さん
評価:☆☆☆☆
 ものすごい特徴的な文章。最初から最後まで詩的な文で統一されている感じがします。ここまで個性的な文章はポケストカーニバルの中でもあまりないのではないでしょうか。作者さんの土俵でしっかりと戦えている作品であると言えます。 
 改行を上手く利用した視覚的な文章はWEB小説ならではと言った感じでとても面白いと思います。反面縦書き表示にしたときに苦しいものがありますが。‎「ずどんっ!!!!!」とか高い所から着地した感じが上手く表現されていますね。 
「ここで無粋な人物紹介」が好きです。全くなにも紹介してない自己紹介で笑いました。同時にワクワクしました。なんかもう、ギャグなのかシリアスなのか分からなすぎて「ヒルダ」っていうジャンルを確立している気がするんですよねえ。 
 方舟伝説の所で普通の文章にちゃんと戻してくる所も「抜かり無いなあ」と思いました。 
 しかしちょっと読みににくさはあったかなあと思います。読みにくさの理由は、この文体に慣れていないからというのも大きいと思います。とは言え、どうにかしてこの文体で読みやすくできないものか。うーん考えてみましたがあまり良い方法が思いつきませんでした。 
 ただ一つ思ったのが、視点を統一させれば良いんじゃないかなあっていうことです。この小説は、主人公、手持ちポケモンの視点。ソウル・フレンド、警察と、結構視点が飛ぶんですよね。視点を移動させた方が表現できることの幅は広がると思うのですが、この文体ではもう少し控えめにした方が良いかなあって思いました。どうしても視点を移動させたいのであれば「ここで無枠な自己紹介」の所にソウル・フレンドとか加えた方が分かりやすくなる、かもしれません…… 
 この尖ったお話と文体は好きな人はめっちゃくちゃ好きだと思います。こう言った作品が出てきた場合よく「基礎が固まってからやれ」という意見が出てきますが、個人的にはこの特徴的な文章のままこれからも書き続けていって欲しいと思います。っていうか作者さんは普通に基礎固まっていると思います。
北埜とらさん
評価:☆☆☆
 どストレートのエンタメ小説!! 感覚に直接訴えるような文章で綴られるキャラクタたちの躍動感が凄いです。まさに、文章という枠に囚われず、視界いっぱい、いやそれすらも超越して、予測不可能な場所を駆け抜けていくよなイメージ。それもド派手な音と光を撒き散らしながら! いいですね、キャラクタのかっこよさかわいさ華やかさがこれでもかと表現されていました……!
 「ヒルダ」ってBW女主の海外版のデフォ名なんですね、原作トレーナー界隈には疎いので知りませんでした。ボブヨシさんも原作キャラ、途中で出てきたN(N出てきましたよね……? この作品ではトウコと兄妹設定?)も原作キャラ。もしやウォットンさんも原作キャラかな? ソフィ・ヌーレさんの名前がアナグラムと知って感心し、曜日前の記号がその日の天気を表していると知って感心し、おそらく他にも小ネタが色々……(「カメラを止めるな!」は狙ったのかな、笑いましたww)、気付かなかったところまで山ほど組み込まれていることでしょう。作者さんの粋さといいますか、遊び心がふんだんに盛り込まれた作品だなと感じます。
 この作品はテーマイラストの使い方が凄く好きです。作中のキャラクタたちにもイラストをよ~く観察させ、意味を見出させる。まさしく物語の「鍵」としてのテーマイラスト。イラストお題の使い方としてひとつの極致だったのではないでしょうか、素晴らしいなと思いました。背景の糸杉に着目しているところがまた、個性的で面白い……! 着眼点が冴えてますね!
 お話もハイテンション且つ大変メリハリが効いていていました。お宝の正体は「恵みの雨」だってところがまた、いいなあ。普通だったら「金銀財宝じゃねえのかよ~!!」って地団太を踏ませてしまいそうなものが、お宝の正体にヒルダさんがとても満足げなところが、彼女の「審美眼」を感じられてとても好ましい。こんなにドッタンバッタンしたのに最後まで絵画を大事に大事にし続けてくれたところも、テーマイラストへのリスペクトを感じてとっても素敵でした……!笑
 ヒルダ一味&バグシステムさんといったポケモンたちも皆それぞれ見せ場があって素敵だったのですが、皆それぞれ見せ場があったからこそ、「メインストーリー以外はヒルダ&相棒、あるいはヒルダ&バグシステムの関係性に焦点を絞った方が深堀りできたんじゃないか?」という気はしました。ただこれは私が序盤で「ヒルダとゾロアークのダブル主人公のお話なんだな」と勘違いしたまま読み進めてしまった結果の印象なので、違う読み方をした人は全く違う感想を抱いていることと思います。
 また、上記の魅力の数々を心地よく味わう上で、この「読ませる」というよりは「魅せる」に特化した極めて芸術的な文章の、若干の文意の取りづらさというのは、個人的にはややネックになってしまいました。これは本当にこちらの読解力不足の問題なので、申し訳ないです。これも気になったのは私だけかもしれません、というか私だけでしょう。ですが、文意の取りやすさを犠牲にしてでも、この作品の文体は、表現の方向性のひとつとしてかなり突き詰められた、『価値のある』文章だと感じています。このセンスは非常に素晴らしいものです。唯一無二のこの感性を、どうか大事にしてほしいです。このスタイルが好きで堪らない人が、たくさんいるはずですからね。
 投稿お疲れ様でした!
茶兎さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆
ionさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
一葉さん
評価:☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆
コメットさん
評価:☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆☆