反耕期の感想

うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆☆
関西弁が非常に流暢でところどころくすりと笑えてとても楽しく読ませていただきました!
まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆
関西弁、張り手をするラプラスという組み合わせで、ゆらのさんの同人誌持っているんじゃないかと思いました。
一葉さん
評価:☆☆☆☆☆
謀ったな、ショウジ!
冒頭の方から木の実農園が実家かなーってわかった方はたくさん居ると思うのですが、まさかショウジが全部知った上での計画だったとは思いもよりませんでした
前半から押しの強さが目立って大雑把そうな印象がありましたけど、よくよく思い出すと強かだし計算高そうなところもあるしでなるほどと納得してしまう
ブルータス、おまえか!と言いたくなるようなひっくり返し方、良かったです
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆
自転車がカギとなって進む和解のための旅物語。面白かったです。
とりわけ道中の描写が落ち着いていて、非常に読みやすい文章でした。ショウジのキャラがコテコテでありながらも中々の策士ですね。
休みが取れないでいて欲しいと願いつつ、結局取れてしまう流れが良かったです。
父親と話すシーンであっさり和解してしまったことと、ラプラスの活躍が殆ど無かったのが少し残念でした。
後で気付いたのですが、文字数が結構ギリギリだったのですね。読んでいる最中は全くそのような印象がないほどすらすらと読めてしまったので驚きました。この分かりやすさは作者さんの技量ゆえかな、と思います。
3万文字制限で文字数が足りなくなるのは凄い。それだけ、描写する言葉を多く持っていらっしゃると言うことなのだと思います。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆☆
最初はちょっぴり迷惑な奴だと思ってましたごめんなさいショウジさん……悪い人じゃないどころかめっちゃいい人でした。こういう人間関係いいなって素直に想える方でした。ハルヤさんとラプラスの関係も。なんだかんだ父親と折り合ったのも。縁って不思議なものですね。それにしても、親に対する「反抗」と、農家を継ぎたくないという意味での「反耕」を掛けたタイトルとは。面白いネーミングだったと思います。RSE時代に多くの方にトラウマを植え付けた橋の下のハルカのネタに、ああ、こんなこともあったんだなぁと懐かしく思いました。(私はキモリを選んだため、ワカシャモをラルトスだったかキルリアだったかの念力で楽に落としたわけなのですが…)
終夜さん
評価:☆☆☆☆
強かなショウジくんのコガネ弁がとても小気味よかったです。
ホウエン地方でもがんがん商品を売り込んでいく、彼の商人魂逞しさには憧れます。
ハルヤくんの相棒が、つながりの洞窟で出会ったラプラスだったところも素敵でした。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆☆☆
家業を継ぎたいがそれを許してもらえないショウジと、逆に家業を継ぎたくないハルヤ。
ショウジの“抗議”に付き合わされる形で、ハルヤは二度と帰らないと決めた故郷に帰るが、家族との二年間の溝を埋められて、すっきりとした気持ちで新たな冒険を始めることができた。
本家の懐かしいネタも盛りだくさんで楽しんで読めました。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
一行目から出てくる「おうごんのみ」の名前があまりに懐かしくてつい頬が綻びました。十何年ぶりに見た。
その後も孤独と見えた主人公に開始1ページ半で嵐のような友人がいるとわかり、その印象的な出会いのエピソードに引き込まれ、その嵐ぶりを存分に生かして突然に決まる帰郷、これは主人公を狂言回しにしたショウジさんの話なのではと思い始めた頃に父との対面・和解ととてもテンポ良く話が進んでいき、実はすべてが仕組まれていたというオチまで気付けば読み終えていたという感覚でした。
その構成の上手さのみならず、ゲーム中でもきのみをくれる家や広い土があり実際に段差地形も多い123番道路にある「ひふみきのみ農園」、地方による「おうごんのみ」「オボンのみ」の名前の差違、さりげなくシリーズ全作品において「折りたたみ式」の記載がある自転車など、実際のゲーム中の事細かな事柄によく着目した上で書かれた作品であると思います。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆☆
・物語の作り方がとても上手だと思いました。舞台設定や世界観が魅力的で、CMや自転車などの細かいオブジェクトも面白かったです。
・ショウジのキャラクターも素晴らしかったです
あまもさん
評価:☆☆☆☆
ハルヤ君がお父さんにぶつけた感情とセリフがとても生々しかったですね…思いのたけをぶつけるシーンですが、それ以上の作者様の気持ちの爆発を作品から感じたようでした。こういう、ちょっと、気持ちや人生の回り道する時って、きっと成長するのに必要なんですよね。まさに反耕期でした。
葉穂々さん
評価:☆☆☆
ジョウトが舞台ならオボンではなく、おうごんのみ。なるほどなるほど!

この話で特筆すべきは、ショウジ君の有能さと策士っぷりでしょう。
彼はどこまでも有能であり……それ故に、最後に明かされた真実には、強い後味の悪さを感じてしまいました。
ショウジ君のおかげで、登場人物達は前進し、ストーリーもハッピーエンドになったのは間違いないのですが。

好きポイント
・タイトル。上手い!
・ポケモン世界で生活する人々に着目した話。生活感が良いですね。
カイさん
評価:☆☆☆☆☆
ショウジのキャラクターが非常に良かったです。派手すぎるくらいのジョウトイメージ、終始笑みの絶えない明るいムードメーカー、実はすべて知っていたという演技派な一面で、主人公ハルヤとストーリーをしっかりと支えていてくれたと思います。親と子の確執という重いテーマを扱いつつも、所々くすっとしながら楽しく読めました。読後感もさわやかでとても良かったです。
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆
ショウジさんいい人……!ラプラスもいい子!
なかなか第三者でここまでついてきてくれる人っていないんじゃないかなってくらい彼らの優しさに惹かれました。
ハルヤくんは親への反抗をしたんだと思いますが、心の奥では捨てきれなかったのかなぁってとても強く考えさせられました。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆☆
カッチカチアイス!カッチカチアイス食べたい!!!
まあそれはいいとして、後半の旅のシーンが楽しげでとてもよかったですね。リニア、自転車、ポケモン、徒歩と移動手段がバリエーションに富んでいて、それぞれの行程で二人が見聞きし、体験するものについても細部まで表現力豊かに描かれていて、読んでいてワクワクしました。景色が大都会から見慣れた故郷のものに移り変わっていくのとともに、緊張と不安の色を隠せなくなっていくハルヤの心境もとてもリアルでした。
要所要所で出てきてはハルヤを励ましてくれるラプラスも、人を乗せて泳ぐ以外は特別なことはしないけど、その存在そのものがハルヤの大きな力になっているんだなと思える書き方がしっかりなされていましたね。
家のチャイムくらいは自力で押して欲しかった気がしなくもないですし、心の準備ができてなかったかもしれないとは言え逃げるのもちょっとなぁとは思いましたが、きのみ畑でのお父さんとの再会シーンは絵としても美しかったです。
惜しいのは話のバランスがちょっと悪いかなぁというところでした。特に最後にショウジがネタばらしするシーンが少し冗長というか、あれもこれもショウジがやりました分かってましただとハルヤの自主性とは…になってしまうので、ある程度は途中でネタばらししてしまって、その上でハルヤが自分から旅への前向きさというか、強い決意を持って実家に行くシーンがあったらいいかなと思いました。
あとあのモンボにポケモンが入った時の星って具体的に見えるものなんですね、この世界…ちょっとびっくりしたけど面白かったですw
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆
これぞ原作の二次創作! ゲームの街や施設なんかを踏襲しつつ展開される物語には、つい先を読ませてしまう魅力があります。主人公だけじゃなくてショウジ側の物語も用意してあって、途中ルビサファ主人公たちのひと幕が見えてゲームの場面が浮かんできたり、背中を押してくれるラプラスまでいて、いろんなキャラクターの物語が交差していてワクワクしました。丁寧な展開によるテンポの遅さをキャラの魅力でカバーするのも巧い。
ショウジに家のチャイムを押され、確執の残る親父の声がしたとき、ハルヤが泣くでもなく怒るでもなく逃げ出すのがいいですよね。で、そのあと独りになってから泣く。この流れ好きです。
ラスト、ショウジが演技だったとCOするのは必要だったかしら。主人公の父親に協力してハルヤを先導するのはいいんですけど、何から何まで彼の策略のうちだった、というのは読み手の期待するキャラと違ったですかね……。最後まで主人公と一緒に等身大で家族について悩む、彼が最も共感できる親友でいてほしかった。
照風めめさん
評価:☆☆☆☆☆
このタイトルの捻り具合好きです。
キャラクターも良いですね! この作品の魅力はショウジの逞しい商魂と底抜けに明るいキャラな気がします。
おうごんのみとオボンが同一であることをうまく扱っているとも感じました。
特に移動シーンでは読んでいるわたしも一緒に彼らと旅に出ているような気分を味わえて、楽しかったです。
物語からしっかりと主題が伝わってきて、読んでいて面白いと感じました! オチでショウジが最初からすべてを仕組んでいたっていうのも面白いですね。それを知ってもう一度読むと、確かに胡散臭いな~と思えて来ます笑
これは単にわたしが合わなかっただけとは思うのですが、全体的に描写のくどさを感じました。
丁寧に丁寧に描写を重ねてくれているのは非常に伝わってくるのですが、やや多いかなと思います。特にハルヤの実家へ帰りたくない葛藤に関しては序盤から実家に帰るまでずっと同じことを心の中で言い続けていることもあり、くどいと思ってしまいました。
後半の父親との会話がスムーズ過ぎる事もあり、分量の比率が悩んでいた字数に対してあっさり解決してしまったという印象も受けてしまいました。字数が足りなかったのであれば、葛藤部分を含めた起承の部分をスマートにした方が良かったように思えます。
と、なんだかんだ言いましたがとても楽しい作品でした。
森羅さん
評価:☆☆☆☆
おうごんのみ=オボンのみという発想がまずすごいです。言われてみれば確かに効能的にはそうなのですが、本当にその発想なかった。
ショウジくんとハルヤくんの掛け合いがまた良いですね!! 18歳、19歳とのことで、そうそう大学生くらいの会話ってこんなんだよなあと突き刺さりました。お仕事ネタというか「働いて稼ぐこと」が物語のサブテーマみたいになっているのも彼らの年齢を考えると(初めてアルバイトをするのが大体この辺りの年齢からの人が多いと思われるので)「あーそうそう」と思えてとても好きです。アルバイトなんかで稼ぎ出すと労働の価値の低さを思い知ることになるんですよね……わかります……。さてお仕事ネタは置いておいて。メインテーマ的には多分「帰郷と(父親との)和解」というところになってくるのかなと思いました。家業を手伝うのが嫌で家を飛び出したハルヤくんがお父さんに思いのたけをぶちまけて、和解する。ショウジくんと共にホウエンを移動しているところの描写(僕は沼クローとジュプトルのバトルの描写すごい好きでした……!!)も細かなところまで書かれていてなおかつハルヤくんの心の揺れを丁寧に書いてらして素直にすごいなあと思いました。ですが、その後、実際お父さんとハルヤ君が和解する辺りで、お父さんが「咎める気がない」と言ったすぐ後に「誰のおかげで~」となっているなど非常に駆け足な気がしてしまいました。
ラプエルさん
評価:スキップ
あとがきです。読みたい方だけどうぞ。

まず最初に。関西に住んだこともないのにエセ関西弁なんか取り入れちゃって申し訳ありませんでしたーっ!!!!
一応おべんきょうしながら書いたつもりでしたが大丈夫だったかなあ…。絶対どこか間違ってると思うので詳しい方こっそり教えてくだされ…。
ただ、ショウジ君のセリフは考えててすっごい楽しかったです。はじめてポケノベに手を出してから(飛び飛びで)十年くらい書かせてもらっていますが、動かしてて楽しいと感じるキャラクターは彼が初めてでした。私の作風を知る人(投票未参加の身内です)からは私の書くキャラクターっぽくないなあと言われましたが本当に楽しかった。
まあ、多少ごり押し気味にラプラスが出てきたあたりで私の作品だとばれていたかもしれませんが。

さてこの「反耕期」、最初はもっと違うストーリーでした。ハルヤが家で親父と口論になって家を飛び出すシーンまで書き終わり、そのあとは色んな地方の都会で暮らしてみてやっぱり肌に合わず、家に戻って「品種改良の仕事」というちょっぴりベクトルの違う方面から家業を支えていくというストーリーを考えていたのですが、どうにも三万字でうまくまとめられる自信がなかったので、五千字書いた段階で破棄してこの形にしました。
ただ、皆様の感想を一通り拝見させていただいた上で改めて思いましたが、ラストあたりは随分駆け足になってしまってますよね。これは自覚有でしたがやっぱりそう感じますよね。推敲が甘かったです。

実は、なんて言わずともお気づきかとは思いますが、この作品は三万文字ギリギリです。ショウジ君を動かすのが楽しくて、文字数のことを意識せずに筆が乗ったまま123番道路にたどり着き、さー今どのくらいかなと確認した段階で血の気が引きました。
結果完成した段階で三万二千文字くらいになり、細かな描写を削って三万文字に無理やり押し込めたのですが、これならもっと序盤を削って一番大事なラストシーンをもっと細かく書き込めばよかったなあと思います。うーん悔しい。文字数とテーマに縛られて書いたのは初めてでしたが、いい経験になりました。それにしても期間がまだあったのに詰め切れなかったのは甘えだ…。

でも、ショウジを「食えないヤツ」「かなわないヤツ」にするのは初めから決めてたので、そこはぶっちゃけ思い通りです。折角最後まで共感して読んでたのにショウジてめえ…みたいになってる人が居たら、正直してやったり顔です。このやろーって気分なのになんか憎めないなあって思っていただければ百点満点です。そういうキャラクターです。
ただ、姉妹の指輪については最後まで悩みました。全部わかってて動いていたつもりが、最後農園まで来てみたらふたりとも既婚者で崩れ落ちる…なーんてショウジ君も考えてたり。どっちがよかったのかなあ。

蛇足ですがリニアは現実の新幹線をモデルにしてます。キッサキ行は北海道新幹線を、カイナ行は九州新幹線がモデルです。本当は九州新幹線ルートだとカナズミが福岡、キンセツが熊本、ミナモが鹿児島に相当するのですが、それやるとサイクリングロードが書けなくなるので、無理やり長崎新幹線ルートにして長崎がモデルのカイナに捻じ曲げました。キンセツにしてサイクリングロードを丸々カットした方がラストは綺麗だったのかなあとも思いますが、やっぱり自転車屋である以上ここは外せなかったのと、橋の下のライバルネタが挟みたかったので…。
作中の「カッチカチアイス」は、新幹線やJR特急で車内販売しているスジャータのアイス、通称「シンカンセンスゴクカタイアイス」がモデルです。めっちゃおいしいですが、状態によってはマジで十分くらいスプーンが通りません。ぜひお試しあれ。

長々語らせていただきましたがこのあたりで終わろうと思います。
極力リアリティを持たせようと頑張ってみましたが、文字数の壁は厳しかった…。けれども本当にいい経験だったなあと思います。
楽しい企画をありがとうございました。
そして、「反耕期」を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!
春さん
評価:☆☆☆☆
 親と子のお話。
 コガネシティ懐かしの自転車屋。ゲームで行ったことのある場所や店、町が小説に出てくると、なんだか少し嬉しくなります。それに細かい街の描写やリニアの描写などが細かく、生活感があるのもすごい。高架下のポケモンバトルを横目に見たり、自転車で競争したりと二人の遠出は、夏休みの少年たちの小旅行感があって、とても好きです。ポケモンの世界を壊すことなく、リアル感を持って表現されていると感じました。
 ハルヤとショウジの旅路の序盤から中盤にかけて、お互いに少しずつ自分の親との関係や、想いなどを語り合っていくところがとても好きです。明るい様に見えたショウジも、本当は苦労してたんだなぁ、と。私も似たような経験があるだけに、ハルヤやショウジの気持ちがとても分かり、かなり感情移入して読んでいました。
 ただ、終盤の締め方が急に雑になった気がします。序盤から中盤がとても丁寧に話を書かれていただけに、思わず「え?」となりました。一番の見せ場のシーンである、ハルヤと父親の会話部分。父親が「誰のおかげで~」と反論したこともあり、「ここから親父と本気の直接対決か!?」とわくわくしていただけに、ハルヤが少し言い返しただけで父親が納得したのが、なんとなく私は納得できないものを感じました。そこはもっとムッとしたり、正面からぶつかり合って険悪になってさらにひと悶着あっても良かったような。もう一つ、ショウジが語った親との確執ですが、「実はもう解決していた」というところは「は?」となりました。ショウジお前……。ハルヤと同じ悩みを抱えていたと思い、とても親近感が湧いていただけに、私としてはショウジに裏切られたような悲しい気持ちになりました……。同じ立ち位置で頑張ってたと思ってた相手が、実は上からの立場でこちらを見ていたような。例えるなら同じぼっちだと思ってた唯一の友人が、実は黙ってただけで彼女持ちリア充だったと判明したような気持です。いっそ黙っててくれた方が良かったとすら思います。序盤から中盤はすごく好きなので、私の好みの問題なのかもしれませんが……。中盤から終盤のシーンがもっと違えば、7ptつけていたかもしれません。
フィッターRさん
評価:☆☆☆
 描写がとても丁寧で引き込まれるお話なのですが、ハルヤとショウジの馴れ初めの回想シーンや地域によるひふみきのみ農園のCMの違いなど、後の展開には特にかかわらないのに無駄に尺が長い箇所が特に序盤に多いと思います。そのせいで終盤の父親との和解や、すべてを仕組んでいたショウジのネタばらし、旅に出ると決意するハルヤなどの終盤の描写が、割を食って雑になってしまっているように感じました。そこがとても惜しい作品です。
 説明のためのセリフ、長いセリフが多いのも気にかかるところです。例えば"「心配してくれるのか、ラプラス。(中略)行った先に答えがあると信じるよ、ついてきてくれ」"というセリフ。全部セリフにせずに、地の文を挟んだほうがよいのではないかと思いました。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 庄司のキャラいいなあと思いました。
 父親との和解という一番大事な部分もぐっときますし、冒頭の庄司との出会いだってぐっとくる、僕が好きだなって思ったシーンが多くあって、読むのが楽しかったです。父親は息子の正面から向き合った言葉を聞ければ、息子が何をしようと文句を挟む気なんてきっとなかったんだろうなって思います。ついでほしいという願望もあるかもしれないですが、息子の思った通りに生きて欲しいという思いから、正面からの言葉を聞けただけで本当に嬉しかったのでしょうね。
 全員知ってた展開は肩透かしを食らう人もいるのかもしれませんが、僕は好きでした。みんな主人公のことを考えているんだなってわかりますし、優しさが伝わってきます。
オチも納得できるもので、とても好きでした!
はやめさん
評価:☆☆☆☆
 原作ネタが非常に細かく散りばめられているのが、まず読んでいて目を惹かれる点ですね。オボンのみはジョウトで「おうごんのみ」と呼ばれているとか、原作ではカントー・ジョウト間しか開通していなかったリニアを全国的に拡張することで「世界が繋がっている感」を演出されているのが、非常に上手だなと思いました。また、サイクリングロードのトラウマ橋の下ライバル戦闘とか「ピーコ丸」とか、随所に仕込まれたポケモン世界観から、読者としても冒険している感覚、一緒にホウエンに向かっている感覚を追体験しながら楽しめるようなつくりになっていたと思います。
 また、個人的にコガネサイクリングを継ぐ・継がないで、家業を継ぎたいが、親が反対するという構図に対し、「反耕期」のハルヤが家を飛び出したというのは、一種の対比的な構図になっているのかなという印象を持ちました。ショウジの方は家業に関して解決済みとのことですが、オチに辿り着くまでは、「家業を継ぎたいと子どもが願うのに、親が継ぐな、もっと稼げる仕事に就け」というのは、なんだか珍しい気がしましたので。私が知らないだけで、他にそういう作品はもっとたくさんあるかもしれませんが……。
 非常に丁寧、丁寧な筆運びで、ハルヤの家に帰りたくないという一種の恐怖にすら近い怯えを演出されていた点はよかったと思います。なのですが一方で、相当道程までの文字数を割かれていたので、最後親父を説き伏せるシーンがアッサリ上手くいきすぎた感はちょっと否めないかなあと感じるところでした。実は作者さんにとって思い入れがあるであろう道中を、ここは割いてでも、一度親父に跳ね返されるぐらいの波乱があった方が、より和解のカタルシスは得られたのではないかと思うところです。
 作中として全体的にハルヤは背中を押される立場、割と受身で応援を受けることによって初めて踏み出すタイプの人間、ショウジは計算高く自分からガンガンいく人間、ここも対比なのかどうか私には分かりませんし考えすぎかもしれませんが、ハルヤのカッコいいところというよりはショウジが何もかもお膳立てしてあげた成果、という印象は残ってしまいました。もうちょいハルヤのいいところ見たかった……。ただ、そうまでしないと多分ハルヤは踏み出せなかったと思うし、実際啖呵を切って家出したあと帰るのは、親が怖いとなおさら始末が悪いと思うのは絶対子どもなら抱く感情だとも思うので、尺云々に関しては好みの問題でもあるかなと同時に思います。
 しかし、全体として非常にガッチリと練りこまれたシナリオで、これを一部分だけ修正すると全部を直さなければいけなくなるぐらい、パズルのピースがひとつひとつハマっていたような作品だと個人的に思っています。大変読み応えがありました。
逆行さん
評価:☆☆☆☆☆
 主人公が父親と仲直りし、一歩踏み出すお話ですね。とても晴れやかなハッピーエンドだった印象です。主人公の心理描写がとても細かく描かれていて、非常に見応えがありました。作者さんの実力が伺えます。ショウジに引っ張られるのを止めてくれと思いつつも、でも微かに、なんとかしたいという気持ちも残っている。この微妙な感情をとても細かく描写していたと思います。 
 また世界観の構築も素晴らしかったと思います。ショウジの自転車屋という設定を存分に活かしまくり、最後にはその自転車で旅をするというオチにまで関連付けているという。本当に抜かり無いですね。 
 文章力に関しても自分が見る限りトップクラスに上手かったと思います。心理描写の細かさもそうだし、故郷の描写も細かくて上手い。それでいてちゃんと読みやすく、すんなり入ってくる文章だったと思います。三万文字ぎりぎりの作品でしたが、途中で飽きることなく楽しく読むことができました。 
 主人公の友人であるショウジというキャラクターですが、非常に性格と行動が関連されていてよかったと思います。他人をぐいぐい引っ張るキャラが非常に立っており、それに巻き込まれる主人公の葛藤を楽しく読むことができました。 
 ラプラスに背中を押されるシーンは、今年のポケモン映画の“あのシーン”を思い出しました。パートナーのポケモンに背中を押され、一歩踏み出すという構図がそっくりだなあと。作者さんももしかしたら影響を受けたのかなあと思いました。 
 ただ自分ちょっとだけ思ったんですけど、この小説に関しては、ちょっと色んな人やポケモンが背中押しすぎてるかなあって思いました。ショウジの家族まで協力するっていうのは凄く親切だなあって思うんですが、その一方でやりすぎな印象があります。 
 今年のポケモン映画に関しては確かにサトシやポケモンから背中は押されるけれど、そこまで押しまくっていた訳でもなく、あくまで登場人物本人の意思を中心にして一歩踏み出していたと思うんです。 
 あの映画の最後に「ブレス」って歌が流れていたんですが、あの歌は「ポジディブな言葉で溢れてるヒットチャート。頼んでもないのにやたら背中を押す」って歌詞から始まるんです。あくまで自分のペースで、時折息継ぎしながら進んでいこうって歌詞なんですよね。この小説は、息継ぎをしないで喋るショウジが主人公をひたすら引っ張っていくので、そこに関しては対称的だなあと感じました。 
 本当に自分の意見なので、参考程度に聞いて欲しいんですけど、もう少し主人公の意思で動いていく所があっても良かったかなあと思います。家のインターホンぐらいは自分で鳴らしても良かったかなあと。ちょっとそこだけ自分の性癖から外れてしまったなあって所でした。 
 ただどの程度背中を押すかっていう塩梅は難しいなあって思いますね。たぶん「いや主人公は自分の意思で十分動いていただろ」って思う方も多いと思います。 
 最後になりますが、タイトルの付け方が非常に上手いと思います。この小説の本筋を上手く表しているなあと感じました。印象にも残るし、非常に良いタイトルの付け方だったなあと思います。投稿お疲れ様でした。 
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 タイトルが非常に良いですね! この発想は無かった!
 ハルヤがあまりぱっとしない生活をしているのが部屋の様子から垣間見えたり、カイナやサイクリングロードの景色だったり、そういった描写がとても上手い、という印象です。ショウジがインターフォンを押したときのパニックな様子とか、そういった心情描写も、とても丹精込めて書かれたように感じられます。親父と言い合いになるシーンも緊迫感ありましたし、そこからの最後のネタばらしはなかなか痛快でした。ハルヤ同様、「嵌められた!」と。(「嵌める、やないってゆーとるやろ、オイッ!」)
 ショウジのキャラクター、私はとても好きです。明るく、商魂逞しく、物怖じしないキャラクターを上手く描かれている印象です。ハルヤの状況を見ると、ポスティングの少ない収入で食いつなぎ、それで特に何か別のことをしたいというわけでもなく(家出の理由も「農家を継ぎたくないから」以外に見受けられませんでしたので……)、ただただ地元に戻りたくないというだけでコガネに住んでいるというふうに解釈できます。袋小路というか、停滞して動き出せないというか。自分だけではどうにもならない状況を打破するのに、なあなあでいつの間にか解決してしまうよりは、ショウジほどに明るいキャラクターに強引なまでに思いっきり引っ張ってもらう方が、私としてはある意味諦めがつく進み方だったかな、と納得しています。
 指摘の多いところかもしれませんが、親父とハルヤとの間でかなりあっさりと解決してしまった印象を受けました。というよりは、ハルヤのターンはしっかりとセリフも地の文も上手に書かれていると思うのですが、親父のターンでその心中をもっとしっかり説明して欲しいということです。この親父はハルヤの「農家を継ぎたくない」というのを「仕事したくない」という風に受け取っていて、ハルヤとの間ですれ違いを起こしていたのではないかと解釈しているのですが、だとすればそういったところを補強して、相互理解を深めたということを示していただければと思います。まあ私が勝手に深読みしているだけかもしれませんが……。
 あとクルミちゃんの親戚設定は少しやりすぎ感あったかな、と。いや驚かされましたけれども!
 全体を通して色々な感情が見え、最後の未来を感じさせる描写はとても眩しかったです。読み応えのある一作でした。
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆
 ショウジの策士ぶりに度肝を抜かれました……! なんて知恵が回るのでしょう、これは同年代のハルヤが太刀打ちできませんって。ハルヤが主人公の物語だと思えばショウジは脇役なのでしょうけれど、ハイテンションで抜け目が一切ないショウジはW主人公に感じられるほどの存在感でした。その反面、ハルヤのサポートに徹している、悪い言い方をすると主人公ハルヤが積まないようにハルヤ周辺の人間関係やストーリ-展開にとって都合のいい役回りに徹している脇役ポジションが、ショウジというキャラクターを完全無欠にしすぎて人間的な面白みが薄れてしまったような気がしないでもないです。伏線がとんとん拍子で回収されていくさまや、こじれていた親子関係が存外すんなりと修復される場面がテンポがよくて好きでした。完全に私好みですが、ラプラスが好きなので出番があって嬉しかったです。コガネといえば金銀既プレイならやっぱり自転車イベントは印象的ですよね。ラプラスを道連れに実家のオボンと親友の自転車を宣伝して回る旅、いいですねえ、想像しただけで夢と希望がいっぱいです。ショウジの自転車屋も彼が立派に跡を継いでもりもり繁盛するといいですね。これから始まるハルヤの冒険、応援しております。投稿、お疲れ様でした。
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆☆
 カイナシティからサイクリングロードを通ってキンセツシティまでいくところが特に好きです。
 チャリンコのタイムアタックに、下の道のライバル戦(ライバルが強くて負けて帰るところまで忠実に再現してらっしゃる!)。RSファンにはたまりません! 作者さんの書く文字の上でホウエン旅行がしたい!! です!
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆
 まず、タイトルがいい!! これ以上ないタイトルだと思います、こういう発想できるのいいなあ、オシャレだなあ。
 無駄のない構成で、かなり完成度の高い短編だなあと感じました。ハルヤくんがポスティングをしていること、ショウジくんが自転車屋さんをしていること、家出したときはいなかったラプラスが今は傍にいること、二人が自転車で旅をすること、ショウジくんの営業活動をハルヤくんが間近で見たこと、ハルヤくんが家業のことを肯定しようと思っていること。作中の様々な要素が、すべて「ハルヤくんが旅をして見つけた目標」の内容ですべて回収されるんですよね、これはお見事でした。しかも、「ちょっと出来すぎでは?」というツッコミをあらかじめ予見しているかのような、すべてはショウジくんの手のひらの上でしたオチ! それを123ばんどうろ手前でしっかり匂わせている点も抜かりがない! いやあ、ショウジくん、やり手ですねえ……!!笑
 この作品で描きたかったことの大きなひとつは、「旅」なのかなあと思いました。ハルヤくんにとっては帰郷なんだけれど、因縁の故郷へ立ち向かう二人旅でもあるんですよね(三人かな)。サイクリングロードでハルヤくんが自転車を漕ぎながら、こんなに気分よく自転車漕いでるのはいつぶりだろうな、と考えるところがとても好きです。いつも自転車をこいで生計を立てているハルヤくんだからこその清々しさですよね。ラプラスがいるから、ショウジがいるから、きっとコガネにいる間思い出すのも嫌で嫌で仕方なかったはずの「ホウエン」というそのものが、あんまり嫌じゃなくなっている。二人旅のさなかに一人の時間を得て、そこに思い至るところが、何故と言語化できなくてもどかしいのですが、なんだかとても好きです。なんっていうか、こうなんですよね、自転車を漕いでいる時って。凄く思考が働いて、頭の中が整理されていくような感じ。私も久々に自転車が漕ぎたくなりました(ママチャリですが)。
 ハルヤくんの実家への思いは、予想以上に壮絶でした、完全に「トラウマ」としか言いようのないハルヤくんの感情は、もう経験者じゃないと完全には添えないところなのかもしれません(でも理解はできます)。今回、農業をテーマにした作品が何作か出されていますが、それを継ぎたくない若者、という着眼点は面白いなと思いました。お父さんとの対話シーンは、ここまで字数をかけて溜めて、溜めて、の山場シーンだからこそ、ちょっとアッサリ終わってしまったな? という印象は受けてしまいました(字数制限の問題かもしませんね、29800字越え……ッ! お疲れ様でした……!笑)。ただ、個人的には、「お父さんの心変わり早すぎじゃないか?」という印象は受けなかったです。ハルヤくんがこの二年間、ポスティングの仕事に汗を流しながら考え抜いてきたように、お父さんもまた、なぜハルヤくんが「反耕」してしまったのか、悩み抜いてきたでしょうからね。「無理強いをしてすまなかった、お前の道を歩んだらいい」というお父さまの答えは、おそらくハルヤくんと再会する前から用意していたんじゃないかなあと思いました。自転車屋さんでショウジくんと話をしている段階でもう、会って謝りたかったんだろうなあと。だから、このシーン、ずっと本心では和解したかった二人が、照れ隠しで相手を攻撃するような言葉を放ってしまった後に、観念して本心を晒しあったような、不器用であったかいシーンに見えますね。二人が和解してくれてよかった。
 しかし、最後まで、ショウジくん、掴ませない奴だぜ……!!笑 ショウジくんの実家の問題が既に解決してる発言も、アオイちゃんと親戚発言も、「本当か!?www」と思ってしまったんですがどうなんでしょうwww ハルヤくんに気を遣わせないために吐いた嘘という可能性は……!? そうだったとしたらショウジくんかっこよすぎるぞ! ハルヤくんの言うとおり、「どうやっても適う気がしない」ですね……!笑 最後まで気持ちよく振り回されることができました、爽やかで気持ちのいい作品でした!
 投稿お疲れさまでした!
雪椿さん
評価:☆☆☆
 「プラスチックのスプーンも通さないほどカッチカチに冷凍されたアイス」が妙に印象に残る話(え)。
 成り行き(?)で始まった二人と一匹の旅、かと思いきや全てが計算(?)されたものだったとは。結果的に主人公と父親の関係はよくなりめでたしめでたしでしたが、仲間だと思っていたのにそうじゃなかったとわかったら、少しショックを受けそうな気がします(主人公はあまり気にしていませんでしたが)。
 主人公が何も言わずに旅に出たら彼がどういう反応をするのか、だいたい予想はつきますが少し気になりますね。
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆☆
リングさん
評価:☆☆☆☆
わやさん
評価:☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
ionさん
評価:☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
秋桜さん
評価:☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆