おちびとおいちゃんの感想

ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
金銀時代のアニポケに、はぐれたトゲピーを優しいヘルガーが子守りする回があったと思うのですが、あれを思い出しました。ヘルガーは強面のポケモンですが、だからこそ優しいことすると余計優しく見えちゃうんですよね。ギャップ萌え。

「おいちゃん」はお兄ちゃんって言おうとしてるのかなあ。色んな事に「お」を付けて話すおちびちゃんかわいいです。舌ったらずな感じも幼さを感じてかわいらしい…
ヘルガーは昔トレーナーと一緒に居たんでしょうか。多くは語られていないですが、「染みついた匂いは、どれほどの時間が流れても消えない」って書かれているあたり、地獄の使いとしてたくさんのポケモンを傷つけてきたのでしょうか。はたまた傷ついてきたのか…どうしてトレーナー(?)と離別したのか。優しいおいちゃん、死別とかじゃなければいいなあ…
細かいところが明言されていないぶんもっといろいろ知りたいなあと思いましたが、さっぱり終われる長さであることや雰囲気的にこの長さでちょうどいいのかもしれませんね。

この後、おちびちゃんはどうなってしまうんだろうなあ…ヘルガーが事切れているかどうかはわかりませんが、両親も帰ってくるかわからないし…
やさしいおちびちゃんが幸せであれるようにと願わずにはいられません。
優しい気持ちになれる作品でした、ありがとうございました!
葉穂々さん
評価:☆☆☆
謎多きヘルガーのおいちゃん。
人のポケモンであった彼は、何故一匹でやって来たのか。何故重傷を負っているのか。彼の犯した罪は一体何なのか……?

好きポイント
・終始二匹の語り合いで進む形式。
・最後まで明かされないヘルガーの過去。
ばすさん
評価:スキップ
自作のため評価はスキップですが、あとがきのようなものを少し。
まずは「おちびとおいちゃん」を読んでいただいたうえに、評価、感想までありがとうございました。
これを書いている今はまだ結果発表前ですので、これから読む感想もあるだろうなとは思います。
twitterに呟かれている感想は読ませていただきました。
人それぞれ、別の視点での感想。なるほど、と思うものもあり、
自分が抱えていたもやっとしたものを、形にしてくれるものもありました。
それらを踏まえ、加筆したものを改めて投稿できたらなと思います。

twitterに呟かれている感想だったり、感想チャット会だったり、
意外とおいちゃんにも人気があったりで、私としては驚きました。
キャラで力を注いでいたのはおいちゃんよりもおちびだったりしたので、
おいちゃん人気は読んでいて、画面の向こうでにやにやと怪しい奴と化していました。ありがとうございます!
このお話はおちびとおいちゃんの物語。ちょっとした物語。ですので、メッセージ性はと問われれば、答えられないのが現状のところ。
伝えたいことがわからない、テーマがない。と感想もありました。
私としては、おちびとおいちゃんのちょっとした触れ合いを描きたかったので、あまり余分なものは入れたくありませんでした。
なので、おちびの両親はいないし、おいちゃんの背景もあまり触れていません。これはおちびとおいちゃんの物語ですから。
私はこれでいいと思っています。けれども、投稿後にもう少し物語の波があってもよかったとは思いました。読んでいて、単調だなと。
それが、これからの私の課題だなと思います。ストーリー。難しいですね苦笑

最後になりますが、読んでいただいたうえに、評価、感想までありがとうございました。
花鳥風月さん
評価:☆☆☆
穏やかに時間が流れるような雰囲気と、おちびの「〜なの」という喋り方がとても印象的でクセになります。
地獄の使いは怖いけどおいちゃんは怖くないって、「おいちゃん」を真っ直ぐ見ているおちびの健気さに心を打たれました。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆
明かされていないからこそ、想像するしかありません。おいちゃんは、おちびの両親を見ていた。川に流される様か、おいちゃん自身に噛み砕かれ、殺された姿か。おいちゃんがけがを負ったのは、おちびの両親の攻撃によるものか、おいちゃんが言った通り倒れた木によるものなのか。倒れた木にぶつかったのは偶然か、はてまたおいちゃんがおちびの両親を助けようとしたのか。最後の最後、眠ってしまったおいちゃんの眠りは覚めるのか、それとも二度と覚めることのない眠りについてしまったのか。ちょっとした物語の中で、初めて出会ったふたりが何でもない会話をする。いろんな隠し事をするおいちゃんと、起こったことや感じたことを正直に話すおちびと。こんな凸凹な組み合わせだったからこそ、おいちゃんはこんな気持ちになったんでしょうか、なんて。推論ばかりで感想になっていませんね。こういう関係が、素敵だって思うのです、ということです。
カイさん
評価:☆☆☆☆
悲しいお話……なんというか、悲しいお話でした。
パチリスの両親も、ヘルガーのおいちゃんも、みんなおちびを置いていなくなってしまったのでしょうか。ヘルガーと二本足の生き物についての過去も、なんだか訳ありのようですし。
綺麗な風景描写の中に、ただただやるせない感情だけが残る、独特のお話でした。悲しいなぁ…。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆☆
作中で語られていることは決して多くはなく、何か大きな事件が起きるわけでもありません。しかし、私の中に強い印象を残す作品でした。
おちび視点でわかることが本当に少ししか無いのに、この物語の先は決して明るくはない、ということが端々で暗示されていて、切なさがいっぱいになりました。
おいちゃんが何も語らなかったのは、中身が何であれ小さなおちびに聞かせる話ではなかったからだろうし、その心を汲みたいと思います。
この二匹が重ねた時間はほんの僅かで、書かれない時間軸には辛いことが沢山あるのだとしても、少なくともこのお話の間、二匹は幸せだった。おいちゃんにとっておちびの存在は今際の救いであったであろうし、おちびにとっては、オボンを食べておいちゃんと仲良くなって、希望に満ち溢れた時間であった。
生きている上で、心から幸せだと思える時間というのは、生そのものの長さからしたらほんの一瞬みたいなものなのですが、このお話はその一瞬を切り取ったものだと私は受け取りました。ありがとうございました。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆
何にでも「お」をつけて喋る絶妙にいろんなことを分かっていなさそうなおちび、あまりにもかわいい。
純真な幼女と裏稼業に手を染めたおっさんは様々なジャンルにおける鉄板のペアですが、それがポケモンでも十二分に通用することを身をもって実感しました。
様々な言葉を知らないがためにおちびが行う自分の感覚と知識を頼りにした独特の表現、後ろ暗いことに手を染めてきたと思しきおいちゃんにも全く物怖じせず話をする爛漫な姿、その一挙一動に頬が綻びます。そしてその純真さが輝いているだけにおちびがまだ思い至っていない数々の死がこちらへ突き刺さる。
おいちゃんの過去など様々に語られていないことはあるのですが、それを不足と感じさせず必要な分だけ情報を出した余白として読み手を納得させているのはとても良い点だと思いました。
親を亡くしたと見えるおちび、その幼さでこれからどう生きていくのかと心配していたのですが、よく考えれば食べ物は入手できているし電気も一応は出せるようだし生き方の基礎基本はもう身体が知っているのかもしれない。
水のミドリさん
評価:☆☆☆
不穏。嵐の後の静けさというか、太陽の明るみにさらされる被害状況を目にする直前、フタを開ける瞬間のおどろおどろしさみたいな雰囲気で満ちていました。途中ずっとパチリスが変なにおいを追う展開、これヘルガー絶対おちびの両親焼いて食べたんでしょ!!! って変な勘ぐりしてごめんなさい。やさしい方でした。
「あのね、きのうね、おかぜがぐわあんって、おそらとおもりをまぜまぜしちゃったの」
ってセリフ、的確な描写ですよね。パチリスが見た嵐がどんな様子だったか、簡単に想像できます。無知って残酷ですねえ。ラストカットは嵐が過ぎさり大輪の虹がキラキラ輝くもと、えへんと胸を張ったパチリスにヘルガーの亡骸、帰ってこない両親になぎ倒された木々やめくれ上がった大地。この対比はとても美しいです。ストーリーはなくても成立しそうな空気感ありましたので、もうちょっと対比を際立たせるような描写が欲しかったかも。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
・嵐の夜に何があったのか非常に気になりますねえ
・話の展開的にあまりハッピーエンドが期待できない感じではありますが、おちびちゃんやおいちゃんが可愛らしかったのでなんとかなってほしいです。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆
パチリスのおちびとヘルガーのおいちゃんの哀愁漂う作品。
地獄の使いのシーンではおいちゃんの動きの一つ一つが地獄の使いを正確に表現していて、全体的にテンポの良い作品であると感じました。
照風めめさん
評価:☆☆☆
キャラクターが可愛いです! おいちゃん好きですねえ。
おちびの語りの可愛さに反して、辛い現実と立ち向かわないといけないキャラクター達とのギャップが唸らせるものがありました。
やはりポケモンの力をもってしてでも自然には勝てない、そういった世界の厳しさを感じます。
おいちゃんもおちびを遠ざけようとしていたんですが、おちびの人懐っこさったらありゃしない……!
彼らやおちびの両親がどうなったかは具体的に記されていませんでしたが、お察しの通りかと思います。どうかこのおちびには強く生きて欲しいと思いました。
リングさん
評価:☆☆☆☆
これって、両親はすでに消えていて、ヘルガーも最後に息絶えていますよね。一人取り残されたパチリスも野生で生きていくにはつらい年頃ですし、さわやかそうな最後なのに、残された問題があまりに残酷すぎますね……
あまもさん
評価:☆☆☆
おちびの動きがころころしていて可愛いです!こういう純粋無垢な子には、つい、疲れているとき心のもろさが出てしまうんですよね…。ヘルガーにとっては最後にあえたおちびちゃんは天使のようだったかもしれませんね。許された気持ちになれてよかったです。
終夜さん
評価:☆☆☆☆
おちびのパパとママが帰ってくる可能性は、やはり絶望的なのでしょうか。
この先おちびだけで生き抜いていくには余りにも心許ない状況で心配が尽きません。
せめて、おいちゃんが再び目を覚ましてくれたらいいのですが……難しいかなあ……。
森羅さん
評価:☆☆☆☆
おちびとおいちゃんがどっちもとても可愛い!! です!
 童話の様な語りに反して、なかなか中身はハードというか現実的というかなところがありましたね。こんな可愛らしい語りなのに中身こうきたかー!! ってめっちゃ思いましたよ。「オボン」のことを「おおぼん」など「お」を付けていうおちびが幼さをにじみ出していて本当に可愛らしかったです……! これ、最後ってどうなってるんですか。おいちゃんはやっぱりやっぱりなんでしょうか……。そして、おちびもこの後どうなってしまうのか。おいちゃんが「語るべきではない」と判断しておちびに語らなかったニンゲンといた彼の話はもう少し知りたかったなと思ってしまいました。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
おちびちゃんの純真無垢なキャラにきゅんきゅんします!せつなかわいい…。
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆☆
おちびちゃんとおいちゃんが、どっちも、とても、可愛らしかった……!!!((
幼い言葉で、なんでも「お」をつけちゃうおちびちゃんが凄い可愛いし、おいちゃんも訳有りな人生を送ってきたのにおちびちゃんにはとても優しい態度を取っていたところが、ホント暖かくて良かったです……!
おいちゃん、多分もう目覚める事は無いんだろうけれど、でもおちびちゃんの「怖くない」という言葉を聞いて、本当に救われるような気持ちになったんだろうなと思います。ええ、良かったです。涙が出そう……!
本当に暖かい優しさが心に沁みて、彼らが救われるハッピーエンドも見てみたいなと思ってしまいました。素晴らしい作品でした!
早蕨さん
評価:☆☆☆
おちびがいる環境を考えると、両親がいなくなり、おいちゃんもいなくなり、おちびはその後どうなるのでしょう。そんなことが気になってしまいます。とてもほんわかした雰囲気の良い小説で、こちらまでふわふわと物語の中に入っているような感覚になりますね。おいちゃんの優しさが泣ける……。
秋桜さん
評価:☆☆☆☆☆
おいちゃんは【眠る】で回復し、両親は無事帰ってくるんですよね?(迫真
おちびの口調が可愛かったです。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆
あっ……
お父さんとお母さん、無事じゃないですよね多分……ヘルガーももう……。
おちびの無垢さがつらい話でした。
はやめさん
評価:☆☆☆
 癒しですね。作品の結末自体は癒しと対極にあるんですけど、それでもおちびちゃんの口調にはほんわかとした中に、一発で核心を言い当てるような語彙センスを感じられる面白さがあります。独特なテンポや間で進行していく、ゆったりとしたリズムに落ち着きを見出す、そんな作品です。多分空行を多く設けているからそう感じるのでしょうね。
 「あらしって、きげんのわるいおかぜが、おそらとおもりをぐわあんってまぜまぜしちゃうこと?」おそらとおもりをぐわあんってまぜまぜしちゃう、という表現がすごくいいなあ。これは自分だと出てこない気がします。それに対して「嵐は、風が空と森をかき混ぜてしまうことだな」といった風に、おちびちゃんの言葉をおいちゃんがひとつひとつ置き換えて理解していくのにも、優しさを感じます。もう体力が残っておらず、逆に思考力がはたらいていなかったのかもしれませんが……。「おおぼんはね、かりってたべると、ふおおってげんきたくさんなるの」この表現の仕方も秀逸で面白いなと思いました。ふおおって言われるとこっちもふおおって元気が出そうですね。
 あと、地の文とのバランスが良いのかもなと思いました。この手の語りには童話調の優しい文章が挿入されていきそうな気もするのですが、この作品、結構語りがドライというか良い意味で淡々として短めのキッパリした文章ですよね。そこで上手く緩急を調整なさっている印象を受けました。台詞では寄り添うようでありながら、字の文では突き放して現実を見せている、といいますか。結末と上手くマッチしていると感じます。
 語りの方を中心に延々と感想書いてるんですが、展開はもうひとつパンチが欲しかったというところです。パチリスとヘルガーの語りで物語が閉じられてしまって、それが良くも悪くもシンプルさに繋がっている気がしました。バックボーンを掘り下げればいいというものではないと思いますが、パチリスとヘルガーに物語の中で動きがあるとより話の中に躍動感が生まれたのかな、とも感じました。
逆行さん
評価:☆☆☆☆
 大変微笑ましいお話だなあって感じで読んでいたので、ラストのオチには大変驚愕しました。確かに伏線は冒頭から張られていましたが、ここまでストレートに描くとは……。 
 このお話に関しては、特にメッセージ性とかは無いんですよね。冒頭にあったように、ポケモン達の「ちょっとした物語」を描いていた印象です。ここをどうみるかって所だと思うのですか、これはこれで良いかなあって思いました。 
 パチリスのキャラが濃厚でとにかく上手かったです。幼児の口調とか仕草とかが一々上手く、最初から最後まで一切ブレることなくやり通してくれたなあって思います。 
 おちびの両親は大丈夫なんでしょか。やっぱりもう死んでしまっているのかなあ。ヘルガーさんもこれ最後たぶん。パチリスはこの先一人で生きていけるのでしょうか。誰かが森へやってきてくれると良いのでしょうが。 
 もうちょっとストーリーに波があればよかったかなあっていうのはありました。会話文が中心だったので。なにか事件があっても良かったなあって思います。このお話の肝は、地獄の使いと言われていたヘルガーが、パチリスに肯定されることだと思うのです。だとしたら、ヘルガーがその恐ろしい牙や爪を使ってパチリスを守るシーンがあったら良いかなあって思います。その後で、ヘルガーがパチリスに「こわくない」って言われたら個人的には良かったかなあなんて思います。 
 いやーしかし可愛らしいお話から一点して落下すると破壊力が凄まじいですね。投稿お疲れ様でした!なかなかインパクトのあるお話だったと思います。 
48095/坑さん
評価:☆☆☆
 パチリスに恨みでもあるのかと思うほどおちびに救いがないようにみえる。読み手の心をへし折るためだけに書かれた作品なのかと最初に読んだときは思いました。
 だけどヘルガーのおいちゃん目線でみると、今まで卑下してきた自分をおちびに否定してもらえた、最期に心が軽くなった、安らかな心地になれた。そのことだけでも、この物語に、このふたりの出会いに意味はあったのだと思えました。
春さん
評価:☆☆☆
 パチリスとヘルガーおっちゃんの触れ合いのお話。
 パチリスのなんにでも「お」をつけるところが可愛いですね。話の裏を読むに、父母は嵐で死んだのかな?それをパチリスは知らず、健気に待ち続けている、と。ヘルガーの方は怪我しているっぽいですね。同時に、嫌われ者でもある。パチリスは幼すぎるだけに、そこら辺の事情を知らなかったんでしょう。最後に返事がないところを見るに、ヘルガーも死んだ……のかな。本気で眠っているだけ、という可能性もありますが、死んでる線の方が濃厚な気がします。結構死者多数ですね。
 話自体の設定や雰囲気、事情は好きなのですが、いかんせん起承転結がこの話には存在していないように感じます。ヘルガーが嫌われている事や、両親の死などを掘り下げて、もう少し山場や見せ場、一慣性のあるテーマを意識して話が構成できると、とても素敵な話が作れると思います。
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆
 なんといいましょうか、優しいのに悲しくて、切なくて。読後感がすごく不思議なお話でした。
 おちびとおいちゃんのやりとりがすごく暖かくて心温まるのに、おちびにもおいちゃんにも、幸せな結末はもはや訪れないのですよね。おいちゃんと自分を待ち受ける運命も知らずに、すべてを知っているおいちゃんを介抱するおちびの健気さったら……
 不幸に満ち溢れているのに、どこまでも温かいこのふたり。このふたりが出会えたことは、ふたりにとってのささやかな幸せになれたことを願ってやみません。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆
 おちびの幼さが非常に愛くるしい。「おちび、ひとついいこになったっ!」と胸を張ったり、「おいしいのっ!」と笑みを見せたり、「おちびのおなかちがうの」「おちび、おなかすいてないの」というセリフの慌てた様子も、天真爛漫で表情豊かなおちびのキャラクターを非常に良く示せていて、おいちゃんの物静かな様子と対比されてとても良い会話が織りなされていると思います。
 上手いなあと思ったのは、血の匂いの表現です。リスはだいたい草食か昆虫食と考えた時、パチリスも似た食性だと仮定すると、血の匂いには縁がなく、ましてや子供ともなれば何の匂いなのか分からないものに対し、「へんなにおい」とかそういったやんわりした表現をするところ、おちび目線というものをしっかり表現できていると感じます。
 地獄の使いであるところのおいちゃんが、自分の怖さを一言一言迫るようにおちびに語り、「な、怖いだろ?」と問いかけるシーンは、読者側としても少し背筋が寒くなるところでありました。ここを含め、おちびとおいちゃんのキャラクターを濃く映すセリフ、これを邪魔しない地の文は全体的に良い塩梅だと感じております。
 おちびについてはともかく、おいちゃんのキャラクターはもっと掘り下げても良かったかもしれません。ヒトらしき生き物と居たこと、嵐で倒れた木に脇腹を割かれたこと、何より嫌われ者だと自覚していることとか、昔の記憶が呼び覚まされたりとか、そのあたりは示されていますが、詳しいことは伏せられたままです。だからといって全部語ってしまうのはそれはそれで違う気もするのですが、そういった経験を語ったうえで、おちびに「怖くないの」と言ってもらえるシーンを描くと、より救済の深みも増すかも、と思います。
 ですがしっかりとおいちゃんは救済されたのでしょう。起きたら虹のことを訊いてみようというおちびの心の無垢さに、読者側としても浄化されたような、そんな一作です。
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 おちびが可愛いー!! 元々パチリス好きなこともあり、一発でハートを鷲掴みにされました。素直で幼くて優しくて寂しがり屋のおちびちゃん……ひとりぼっちで、可哀相です……ご両親はきっと……こんなに可愛いおちびに懐かれたら、即行で森から拉致してしまう自信ありますよ。いやこれでは完全に危ない人の発言ですね、失礼しました……自称嫌われ者、または地獄の使いのヘルガーのおいちゃんはなぜ、二本足の生き物と別れて森をふらついていたのでしょうか。自分から逃げてきたのか、はたまた逃がされたのか。おいちゃんはおちびと正反対に素性をほとんど語らなかったので、最後まで謎めいたキャラクターでしたね。昔のままの立場だったら、おちびをどんな恐ろしい目に遭わせていたことか……考えたくありません。ふたりはいつまで一緒にいられるのでしょうか。おちびとおいちゃんの物語がこの先良い方向に転がることを祈ります。投稿、お疲れ様でした。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 おちびがとてもかわいい話でした。単語の全てに「お」をつけるおちび。かわいいです。その幼さから「現実」がわからない、ということが何とも言えないですね。おちびが現実を知るのはいつなのでしょうか。いつかは知るとは思いますが、それはかなり先のことになりそうですね。
 もしすぐに知ったら知ったらで更にモヤモヤとした気持ちが広がりそうですが、彼女がこれからを強く生きていけるよう応援したいです(壁がかなり多そうですが)。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 あ~好きです……堪らなく好き……。どこまでもすんと澄み渡る青空のような、明るくてどこか物悲しい、ひりひりとした痛みと優しい嘘に包まれた空気感。耳心地の良い柔らかな文章。もう、もう、ずっとずっと読んでいたくなるんですよね。それはこの作品のキャラクタや文体に対する私の居心地の良さでもあるし、終わりになにが待ち受けているのか、悟っているからこそ……、ずっと読み続けていたいと思ったのだと思います。終わってほしくない、終わらないで~と思いながら、スクロールバーの残りが少なくなるほどに、一文一文噛み締めるように読みました。ああ、終わらないでほしかった……ずっと読んでいたかったです。上質で幸せな読書体験でした……。
 おちび、おいちゃん、ふたりの優しさが、とっても身に沁みるんですよね。傷ついたおいちゃんを家に迎えようとするおちび。へんなにおいをさせては可哀想だからと、致命傷を抱えながらもその場を後にしようとするおいちゃん。震えるおいちゃんに寄っかかるおちび、オボンをおちびに食べさせるおいちゃん、川の増水を知りながら、「早く、帰って来るといいな」、「おちび、おいちゃんすきなのっ!」、「本当にまいったな……」、眠いおいちゃんのためにおうたをうたってあげるおちび、おうたのなかで深い眠りにつくおいちゃん……あああああ……!!!!(代わりに慟哭する読者)おちびはただひたすらに無垢で無知で、対するおいちゃんは、なにもかも知りすぎている。悟っている、自分の最期までも……。その最期に出会った幼い生き物に、彼はなんと優しいんでしょうか。良い人だよおいちゃん、おいちゃん、良い人だよ君は……。きっと救われるべきだったんだよ……。 
 そう、優しいおいちゃんに、救いがあったんですよね。最期におちびに出会ったことで、彼は救済された。この作品は、最後に、こういう結末にならざるをえなかったんですが、確かに救済はあった。ここが、すっごく良かったんですよ……。ただただ終わっていくだけの悲しい物語じゃなかった、ちゃんと救われたんですよ、だから読んでよかったって思えたんです。本当によかった……。
 おおぼんをおいちゃんが食べていれば、何かが変わっていたのだろうか。それとも何も変わらなかったのだろうか。……生き死にの話をしてもいいんだろうか、この作品は、あんまり生き死にについて皆まで語りたくない、包み込んで心の中に閉まっておきたい作品ではあるのですが、せっかくの感想なので口惜しいけど触れてしまいます。このままであれば、おちびはそう遠くない日に死んでしまうのでしょうね(パパママ生きてる、おいちゃんも普通に寝てるだけ、とかそういう超展開のハッピーエンドを迎えてもいいんですが、この作品はそうじゃないほうが個人的には美しい)。どちらがオボンを食べていたとしても、どちらも死んでしまうしかない定めの中にあったのだろうか。でも、おいちゃんがオボンを受け取っていれば、何らかの奇跡が、二人の結末を変えることもあったんじゃないだろうかと思わずにはいられません。その可能性を一抹感じさせる、でも、そうはならなかった、このもどかしさ、寂寥感が、たまらなくよかったです。たまらない読了感でした。
 いやあ、癒しですね……本当に癒し。死を取り扱いながらこの癒し具合、ちょっと意味が分からないくらい凄いですね。大好きです。私もいつか、こんなひりひりした優しさに包まれている物語を、書いてみたいなあと思います。本気で、この空気感を、私も生み出せるようになりたいです……!! 素晴らしい!
 投稿お疲れさまでした!
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆
わやさん
評価:☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆
ionさん
評価:☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
一葉さん
評価:☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆☆