のんびり屋さんの精霊馬の感想

円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆☆
精霊馬ってどのポケモンでしょう。卵から生まれたのは、精霊馬か、あるいは精霊馬に乗ってきたお姉さんの魂が宿った何者かじゃないかなって思うんです。というよりも、そうであってほしいだけなのかもしれません。これは私のエゴです。
こちら側へ来るときは早馬で、あちら側へ戻るときは牛の歩みで、というのがきゅうり馬となす牛の由来と聞いたことがありますが、戻ってきたい時にのんびり戻ってきたらいいよって言っているような気がして、どちらものんびり屋さんというのも何だかいいなって思ったりします。
チョウジ君が「愛されていない」と感じていたというところに、あれ、これは兄や姉が感じる気持ちだったんじゃないかなって思ったんですが、きっと姉が病気を患っていたからこそなんですね。見てもらえないもどかしさは、分かるような気がします。兄や姉だったら、「あなたは弟や妹が生まれてくるまで愛情を独り占めしていたのだから、今は我慢して」と説得できるかもしれませんが(そもそも説得されてはくれないでしょうが)、そういう弁明冴えないのはちょっと寂しいことなのかなって。
私自身きょうだいがいるのと、きょうだいがいるいとこを見てきたのでついつい話が長くなってしまいました。チョウジ君には10年越しに生まれてきた子を大事にしてほしいなって思います(これも私のエゴです。エゴだらけの感想で申し訳ありません)
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
気持ちいい短篇ミステリ、よくこれだけの短さに洗練されました。冒頭のオボン精霊馬で映像をつくる、淡白な説明文でミステリの下地と主人公の心情・目的をこしらえる、ギャグを挟みつつ展開される伏線はラストで気持ちよく回収され、姉の手紙による独白で泣かせ、託されたタマゴが無事孵ることで明るい未来を暗示し、思い返せば傾いた額縁や頭に落ちてきたオボンさえ余韻の一端を担っている……完ペキですかよ。亡くなって同い年になってもかなわない姉、実際に描写されていないのにありありとそのキャラクターが眼に浮かぶところも巧いです。
カイさん
評価:☆☆☆☆
最後に生まれたポケモンがなんだったのか、あえて描写していないのがいいですね。その子を連れて、チョウジはポケモントレーナーになったのでしょうか。想像が膨らみます。
あすぺふさん
評価:☆☆☆
姉が亡くなった年と同い年になったチョウジが、姉の残したタイムカプセルを発見して、十年経ったタマゴを孵す感動の物語。
姉は長い年月が経っていてもタマゴがしっかりと孵ることが分かっていたのですかね。
森羅さん
評価:☆☆☆☆☆
好きです! 亡くなったお姉さんの「たからもの」を宝探しするという物語もとても素敵ですし、構成も無駄がなく、「ようこそ、待ってたよ。10年も待たせて、ごめんな」の台詞も締め方もとても好きでした!! おかあさんとチョウジくんとのやりとりもなんだか定番と言えば定番なのですが、くどくなくて良い塩梅で使われているなあとふふふとなれました。ただ。ただ、申し訳ありません。僕個人としては「姉と同い年になってしまった『僕』はこれからも生きていく」という構成めちゃくちゃ性癖に刺さるんですが、「データ化されたポケモンのタマゴが無事に孵るかわからない」の所がどうしても受け入れできませんでした。姉であるハナちゃんにとって「弟がいつタマゴを発見できるか」ということが未知数だったことは手紙の中身から想像に難くありません。また、「弟に意地悪なことを言ってしまった」こと(チョウジくんが「姉はポケモンを好きじゃなかったんだろう」と思ってしまっていたことが書かれています)も「両親を取ってしまった」こともきちんと理解されている様子が書かれています。それだけ賢明な彼女であれば「(もしかしたら恨まれているかもしれない)弟が自分の言うことを聞いてくれるのか(=データ化されたポケモンがそのままデータとして死んでしまう事)」を考えなかったことがちょっとどうしても考えづらいなと思ってしまったんです。データ化のリスクの部分が描かれたことでリアルになってはいるのですが、ちょっとここがもやもやとしてしまいました。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆
味噌バターカレー拉麺パン…気になる…!
いやそれはいいとして、よくまとまったいい話だと思いました。
宝物、小さい子とかがうっかり見つけてしまいそうなところにあって、よくもまぁ十年も見つからずに埋まっていたものだと思いますが、お姉ちゃんもまさか十年もかかるのは予想外だったのではと…(地図隠した場所も絵の裏だから、そんな複雑な場所ではないですからね…)隠し場所も病気の身では選択肢が多くなかったでしょうしね。
もうちょっと字数があって、両親がお姉さんの真意を知ってチョウジ君がトレーナーになることを応援してくれるシーンがあったら良かったなとは思いました。両親が病気の姉ばかりかまって弟をないがしろにしてるくだりが作中で処理されていないのが気になります。
あとは最後に落ちてきたオボンの精霊馬がタマゴにぶつかってタマゴが孵ったらオチがきれいで面白くなるかなと一瞬思いましたが、さすがに少し乱暴ですね…やめときましょうw
あとタイトルがとても好きです。素朴なんだけどそれがいい。作風にぴったり似合ってます。
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆
全体的にすっきりとした印象で、読みやすい作品だと思いました。
最後のポケモンが孵化するところは、
あえて何のポケモンかを明記しないところがいいなと思います。
読み手側が想像できて楽しいです。
ただ引っかかったところが、
残される者のことを考え、何も残さなかったお姉さんが、
タマゴをボックスとはいえ、残したことに首を傾げてしまいました。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆
主人公の軽妙な視点から語られるオボンならぬお盆の日々と、10年間の時を経たトレーナーカードとタマゴとの出会い。オボンの精霊馬、ヘタの部分を首に見立てる感じでしょうか。ずんぐりしたユーモラスな体型は確かにのんびり屋そう。
預けられっぱなしだったタマゴがまた人の手に戻った日でもあるんですが、お姉さんの思い出が10年ぶりにひとつ更新された日でもあるんですよね。
最後の「10年も待たせて、ごめんな」は果たしてタマゴと遺影の中の姉のどちらへ言っていたのかと考えていたのですが、お姉さんがタマゴの中身になって戻ってきたから両方に言っているのかと考えると辻褄が合う気がしたので私の中ではそういうことになりました。タマゴが発見され次第そうして戻ってくるつもりでいた魂が10年の歳月に痺れを切らし、様々なポルターガイストを起こして主人公を導いていたと考えても楽しい。あの世に帰るための精霊馬も倒れてしまったことだし……
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
・お姉ちゃんの置き土産がお盆に見つかるという展開がとてもいいですね、オボンとお盆をかけているのでしょうか?
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆
トレーナーになれなかったお姉さん。彼女は、トレーナーを志すチョウジ君への発言に、強く後悔してしまったのでしょうね。
オボンサイズのタイプカプセルということですが、ボール11個とトレーナーカードが入ることを考えると、この世界のオボンは想像以上に大きいのでしょうか?

好きポイント
・オボンで造る精霊馬。牛の様なイメージでしょうか。
・「あれ、でも味噌バターカレー拉麺パンは結局麺類……?」
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆☆
チョウジの独白で静かに語られる、姉と過ごした時間。
長い時間が経ち、全ての悲しみが昇華され切った後のお話なので、落ち着いた雰囲気がありますね。故人を懐かしむこの感じがいいなぁと思います。
チョウジがやたらと頭にモノがヒットするのが面白かったです。
キャラがブレなかったからなのか、落ち着いた文体のせいなのかは分かりませんが、地の文が凄く読みやすかったです。
照風めめさん
評価:☆☆☆☆
オボンで作る精霊馬、なるほどその発想はなかった! 確かに投稿時期はお盆を跨りますしピッタリですよね。
わたしは一人っ子なのでピンと来てるわけではないのですが、表面上はトゲトゲしちゃうけど、実は弟のことを想っていたお姉さん。お姉さんが亡くなって家族のそばに居てやりたい弟君。このキャラクター達にグッと来ました。作者さんは実際に兄弟がいそうだなあ、と推測します。
タマゴが孵るシーンは胸が熱くなりましたし、何が生まれたかをあえてボカすのも良かったなあと思いました。
お姉さん的には2〜3年で弟くんがタマゴを見つけて、旅に出てくれると想像していたのかなあ?
そういう意味では刹那的に見ると凄く熱い作品なんですが、俯瞰して見ると少し都合の良さも感じてしまいます。
こんなことを言うのは無粋で申し訳ない、というのを承知で言いますが、弟くんが旅に出なかったという必然性が無ければこの話には至らなかったな、と思います。それだけなら良いのですが、偶然が上手くできてるな〜と思ってしまいました。難しい所なんですが……。
さて、この作品の評価の分かれ目は「タマゴを預けっぱなしにする倫理観の是非」です。
ポケモンに対しての考え方が、
①ゲーム重視である
②現実の生き物に重ねている
のどちらかでこの作品の評価は二分するだろうと思います。①であれば、ゲームでも二年ほどほったらかすことはわたしもあったりするので、まあそんなものかなと思いますが、②であればタマゴへの扱いが可哀想ではないか? と思ってしまいます。
この作品の雰囲気は、文中のポケモンの表現やチョウジのタマゴに対する独白から、明らかにゲーム的な考えよりも生物的な考えに寄せた、②に近い作風だと感じました。
ですので、タマゴを預けっぱなしにする、という行為へのケアはあったほうが良かったと感じます。
実用的かはさておき、一例としてはタマゴを預けっぱなしにすることがこの世界観では全然普通のことである。(或いはそれがタマゴにとってはプラスになる、はやり過ぎか。少なくともタマゴがダメになるかもしれない、という設定は避けた方が良かったかもしれない)という設定があっても良かったと思います。
最後の精霊馬が横たわる演出を始めとして、この作品は好きな作品ですので、もう少し字数を重ねて全体的なフォローが欲しかった……! と感じます。
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆
ちょっと悲しいけれど、暖かいお話でしたね。
意地悪な事を言ったりもしたけれど、なんだかんだでお互いの事を想っているチョウジとお姉ちゃんがとても良かったです…!
テーマ絵をそのまま絵として登場させるというのも面白い発想だな思いました。
そして最後に生まれてきたポケモンがなんだったのか、想像の余地が残すところも不思議な読了感を与えてくれてとても面白かったです。良い作品でした!
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆☆
きっとハナさんが思っていたよりずっと時間がかかってあけたタイムカプセルでしょうけど、でも、それがすごくいいんですよね…!きっと今のチョウジ君だからこそ受け入れられたのかな、と思いました。新しく生まれてくるポケモンと、チョウジ君に、ありったけの幸せがありますように!祈らずにいられません!
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
お盆に生るからオボンの実、って解釈好きです。きっと企画の時期的にも色んな人が考えたと思うのですが、オボンを精霊馬に見立てていたのは面白いなあと思いました。のんびり屋さんの姉をなぞらえているのも好きです。

ポケモンが描かれていない=ポケモンのことが好きじゃなかったって世界観で進んできたけれども、カプセルからトレーナーとなるための準備が出てきて、ボックスからタマゴが見つかって…って流れは綺麗でした。ポケモンが嫌いなんじゃなくて、自分の先が見えているから悲しませまいと遠ざけてきたんですね。
ちょっと霊的な解釈になりますが、お姉ちゃんが額縁にひびが入れたことでチョウジをカプセルへと向かわせ、タマゴが孵ったことで精霊馬が倒れるほど喜んだのかなーとも思いました。お盆ですし、故人が帰ってきてなにかしてても不思議じゃないですし。10年越しの悲願を果たしてくれた弟を喜んでくれそうなお姉ちゃんだなーとも思いました。

すっきり読める長さになっているのがよかったですが、セクションが頻繁に出てきてちょっとせわしなかったなーという印象です。もう少し掘り下げがあると深みが出たと思います。
ストーリー自体は根幹がしっかりしててとても好みでした。ありがとうございました!
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆☆
お姉ちゃんの暖かい愛が心にしみる作品でした!タマゴの中身が気になる…。
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆
あああぁああ〜……お姉ちゃん………!
長い時を経て知ることのできたお姉ちゃんの思いと宝物。タイムカプセルのシーンはただただ単純に17歳の少女からのメッセージという今でも、お姉ちゃんからの手紙という意味でも胸を打たれました。
あと、全く話の本筋と関係ないのですが味噌バターカレー拉麺パン、ちょっと食べてみたいです!
終夜さん
評価:☆☆☆☆
『たからもの』を探しにきた時と、タマゴが揺れた時彼の頭にぶつかったのはきっとどちらも偶然ではなく、オボンの精霊馬で帰ってきたお姉さんが見守っていたからなんだろうな、と思えました。
お盆ならではの物語、切なくも希望が感じられて良かったです。
はやめさん
評価:☆☆☆
 面と向かってよりも、手紙とか直筆で改まって言えることってあるよなあ、とこの作品を読んでいると思いますね。弟と姉のエピソードを、もっと文字数を使って書いていただけると、最後の手紙で涙腺崩壊してたかなと思います。やっぱり30000字まで……とは決して言いませんが、手紙の描写に至るまでがちょっと早かった感はありました。
 あとタマゴの扱い、宝物だったらボックスで生死不明の状態になるような残し方するかな? というのは少し生命の扱い方的には疑問が残るところでしたね……。
 オボンのみを精霊馬にするという発想が好きです。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆
 精霊馬をオボンで作るという発想は非常に面白かったです。実際に作っているところでは実はピンと来なかったのですが、「あれじゃあ行きも帰りものんびりじゃねーか」というセリフで、ふっとどんなものなのか想像できて、ちょっとくすりとしました。とても良いセリフだったと思います。ラストのタマゴから孵ったポケモンがどのポケモンなのか敢えて示さないところも、想像の余地を残す興味深い表現でした。
 姉然り妹然り、女の子の姉妹がいるときの男の子の肩身の狭さはとても分かります……。皆が女の子可愛い可愛いと言って構うから自分は構われないで、つまらない嫉妬を抱いてしまうんですよね。姉の死でトレーナーになると言い出せなくなってしまったことも影響して、お姉ちゃんに対してあまり良い感情を抱いていないところがあって、けれど実は弟のチョウジのことをいっとう気に掛けていたのだということが手紙から伝わってきてそれを知って、読んでいるこちら側としても、ああ、いいお姉ちゃんだなあと。姉のほうも、ポケモントレーナーになれなかったことをどうしても引きずったせいでチョウジに「トレーナーになんてなれるはずない」みたいなこと言ってしまったんだろうな、と思いました。手紙を読んでどう思ったとか、そういった心情描写をほとんどなさっていないのは、こうした雰囲気を醸し出すための意図的なものなのかもしれないとも思いました。
 タマゴの放置の件、もしかしたら「このタマゴ、ワケありなのでは?」というジョーイさんの疑念が「孵らないかもしれない」という言葉になったんじゃないかと思うんですが、考えすぎですかね……? 10年間放置のボックスってこう、曰く付きな印象を受けますし。もしそうであれば描写が欲しかったですかね。お姉ちゃんのほうも絵の掃除当番を命じたことからしてすぐに気付いてくれると思ったっぽいですし、10年は想定外だったのでしょうか。……というかこのタマゴ、由来はいったい……?
 仏壇からオボンの精霊馬が頭にクリティカルヒットするというのは高低差的にありうるんだろうか、とは思いましたが、まさか……飛びついてきたんです……?
 全体的に雰囲気がゆったりとしていて、終始穏やかな気持ちで読めました、そんな一作です。
春さん
評価:☆☆☆
 姉弟の話。
 導いたのはお姉さんの幽霊ですね、間違いなく。ちょっとすれ違っていた姉と弟が、タイムカプセルを通じて仲直りする話でしょうか。シンプルかつ、非常に素直な短編だと思いました。しかし、オボンサイズのタイムカプセルにモンスターボール10個+プレミアボール……入る、のか……?
 心情描写や語りが素直でストレートすぎるので、もっとこう、文章をひねくれさせると良いと思います。心の内を直球で語らせるのではなく、友人や家族、言動を通してシーンで読者の悟らせる方が、じーんと心に来るのでは。例えるなら、「俺はあいつが嫌いだ」と言っている人物が、事あるごとに「あいつ」を助け、大切に思っているようにしか思えない行動をとるような感じです。またシーンごと、説明的な文章が目立つので、シーンや会話、行動で暗示・説明し、文章による説明をしなくても読み手が理解できる形に持って行けると良いです。精霊馬をオボンで作る、という発想は少し面白かったです。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 好きだなあとしみじみ感じられる作品です。姉ちゃんは本当に本当に死にたくなかっただろうなあ、未来がない自分をめちゃくちゃ呪っただろうなあ。悔やんだだろうなあ。弟を羨んだだろうし、嫉妬しただろうなあ。でも今際の際に残したものが弟への手紙なんて、ぐっとくるなあ。弟がとても大切ですなんて、こっぱずかしくて両親に言えないもんなあ。姉ちゃんだもんなあ。もっとちゃんと姉ちゃんをやりたかっただろうなあ。手紙だろうと本心をつづれて、姉ちゃんの満足気な顔が浮かぶなあ。いい話やなあ。弟と姉ちゃんの何気ないエピソードを思わず求めてしまう……とても良いお話でした。
フィッターRさん
評価:☆☆☆
 奇麗にまとまったいいお話でした。とは思うのですが、お話があまりにあっさりと進んでいくのでインパクトがなく、逆に印象に残りにくいお話になってしまっているなと思います。手で掘れるような砂地に看板立てるか? とか、オボンサイズのケースにモンスターボール11個は入るのか? といった、お話を作り込めていれば気にも留めなかったであろうツッコミどころばかりが印象に残ってしまった感じです。
 字数にも余裕がありますし、タイムカプセル探しの過程をもっと書き込んだり、主人公の姉に対する心情をより深く掘り下げたりすれば、もっと持ち味を活かしたお話にできたのではないかな、と思いました。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
 マスクネームにまず注目がいく話(え)。
 壁に書かれた落書きと絵に隠された地図を十年という長い年月を超えて発見し、お姉さんからの贈り物を発見。絵のガラスが割れたのを含める現象は、遂に待ちきれなくなったお姉さんの仕業、という説が流れるのも納得です。さすがに十年は待ちくたびれる……。
 ずっとデータ化され続けてかえるかどうかすら怪しかったタマゴは無事にかえり、これから彼と一緒に様々なものを見るのでしょうね。一人と一匹がどのような生活を送っていくのか、とても楽しみです。
逆行さん
評価:☆☆☆
 チョウジを思う姉の気持ちが伝わってくるお話だったと思います。タイムカプセルにしまってあった姉の手紙は特に力を入れて書いているのが分かりました。壁にチョウジって書かれていた理由はそういうことだったんですね。絵にポケモンが描かれていなかったのは、ポケモンを思い出したくなかったからでしょうか。あのイラストにポケモンが一匹もいないっていうのを上手く活用されているなあと感じました。姉は弟に対してなんだかんだ罪悪感を抱いていたのですね。 
 夏場とはいえ、冷やし中華と、素麺ばかり作る母親に笑います。まあ確かに夏場が冷たい麺類が食べたくなるけど。ていうか冷やし中華って具材を細切りにしないといけないし、そこそこ手間かかるからそんな回数増やすこともないと思うのですが( 
 あんまりポケモンが出てこないお話っていう感じで、その分兄妹の絆の方に上手く焦点を置くことができているように思います。 
 このままでも感動はできるのですが、もう少し長く書いてみても良かったのではないかと思います。姉弟のエピソードをもっと多くいれて最後に手紙が来ると、涙腺を崩壊させることができると思います。両親が病院に行ってしまって一人さびしく夕食を食べているシーンだとか、テストで100点を取るために一生懸命勉強するシーンだとかをどんどん増やしていけば良いかなあと。ただ具体的に書けば書くほどポケモン小説から更に離れていくと思うので、どこかでポケモンを絡める必要はあるでしょうね。 
 後はタマゴはなんで10年間もボックスに入れっぱなしでも大丈夫だったのかっていう突っ込みどころはありますが、これはまあそういうゲームの設定なんでそれを活用したと思えば良いかなあって感じです。たぶん姉も10年もタイムカプセル掘られないとは思っていなかったんでしょうね。 
 姉と弟の絆がたしかに感じられるお話でした。果たしてタマゴから生まれてくるポケモンはなんなのでしょうか。気になりますね。 
48095/坑さん
評価:☆☆☆
 オボンが「たからもの」の在処に導いた――亡くなったお姉さんの存在を感じさせてくれる、温かいお話だったと思います。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆
 お盆休みに入り、オボンの精霊馬に乗ってお姉ちゃんが帰ってきて、額縁のガラスに罅を入れたんですね。公園にやってきたチョウジくんの頭に、お姉ちゃんがオボンを降らせたんですね。タマゴが孵る前にオボン精霊馬を媒体にチョウジくんの頭にダイレクトアタックしたのは、「もういないんだもんな」と言われたお姉ちゃんの「ここにおるわ!!」という主張だったんでしょうね。笑 死してなおパワフルなお姉ちゃんだぜ……!! タイムカプセルの存在に気付いてもらえるのをのんびり待っていたけれど、チョウジくんが自分の享年と同い年になったところで我慢の限界だったんでしょうか。額縁の掃除の仕方まで事細かに教えてたんですもんね、そりゃあ10年も待たされると思いませんよね。笑
 あったかくてしみじみとするお話でした、取り扱われているのは「若者の病死」なのに、それを湿っぽくさせすぎない朗らかさがとても胸に沁み入ります。十年と言う月日、チョウジくんのキャラクタと語り口の軽やかさだけでなく、合間合間の思わずクスッとしてしまうようなエピソードの数々が、そういう雰囲気を作り出しているのかなと思いました。味噌バターカレー拉麺パンとは一体……なぜ合体させたんだ……笑
 子どもの頃の弟は、病気で両親を独占している姉のことを羨ましく感じていたけれど、一方で病床の姉も、元気で未来の可能性に溢れている弟のことを羨ましく思っていた。だから目の前にすると意地悪なことばかり言ってしまった、それでも心の中では、自分で名前までつけた弟のことが可愛くて、心配で仕方なかった。その愛情を、手紙と言う形で、それもタイムカプセルに隠して、その在り処を示した宝の地図さえ隠して。そうやって隠して隠さないと最後まで伝えられなかったハナさんのいじらしさは、とても好ましいなと思います。己の死を悟っているような病状のお姉さんがここまで用意できるんかとか、十年前に亡くなった人のボックスがそのままになっているポケモンセンターの制度大丈夫かとか、若干のツッコミどころは見えてしまうのですが、それを突っ込むのも無粋と思わせるような、ストレートに良い話だったな~と思います。良い話だった……。
 が、ひとつだけ。お姉さんがタイムカプセルの中身のひとつに『ポケモンのタマゴ』を選んだ点が個人的には引っかかってしまいました。お姉さん的にはきっと、引き出すのにここまで時間がかかるとは思ってもみなかったのでしょうが、「データ化され続けているとタマゴが死んでしまうことがある」という設定の世界観でこの博打を打ってしまうのは、「ポケモンが大好き、ポケモンを悲しませたくない」という気持ちを持った十七歳の行動としては、いささか思慮に欠けているという捉え方になってしまいます。「データ化されていると未来永劫生き続ける」という(原作ゲームどおりの)設定なら引っかからなかったかも……しれません……が、それでもタマゴも生き物なんだよなあ、道具じゃないんだよなあ……と感じてしまったのは事実です、まあ個人の見解なんですがね。ただ、姉から10年越しに託されたタマゴが奇跡的に孵る、というエンディングに感動したのも事実です(よって大きなウィークポイントとは考えていません)。そのポケモンがなんだか分からないというところも小粋でしたね。
 非常にいい話だったからこそ、もっと読みたかったなあ、と感じてしまうお話でした。特に「宝の地図」というせっかくの超超ウルトラワクワクアイテムが出てきてからの冒険がかなりトントン拍子だったのが、惜しいな~と思いました。お姉さんとのエピソードなどを絡めながらもう少し溜めて、溜めて、溜めて、からの手紙ドーーーン、なら、私の涙腺は完全に崩壊していたことでしょう。などと色々と書いてしまいましたが、非常にまとまりのよい素敵な短編作品だったと思います。花は地面に根を張って、一生動くことはできない。けれど、花が枯れても、花の色や匂いを知っている蝶は、空をどこまでも飛んでいくんだろうな。花が咲いていた思い出と一緒に。なんちゃって。みたいな。えへへ。いやあ、綺麗な作品ですね!
 投稿お疲れさまでした!
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆
 お盆、オボン、亡くなったお姉さん……センチメンタルな気分になりました。チョウジが家庭が姉中心に回っていた時期に嫌気がさしていた頃があったように、姉ハナにもチョウジがおなかにいて疎外感をおぼえていた時期があった……一緒にいられた時間は短くても、成長すればきっと似た者同士の姉弟だったのでしょうね。ところでお姉さん、弟に残したメッセージの隠し方がハイレベルで、もし家族の誰にも気づかれないままだったらどうするつもりだったのでしょう。絶対に見つけてくれるという自信に満ち溢れた手紙でしたが、もし私だったら母親に〇年後のチョウジにあてた手紙を託すなり、チョウジに〇年後にどこどこを探してほしいという遺言を残しただろうなと思います。10年データ化されたタマゴは無事に孵るか分からない、と言われてしまっているので、弟はもちろんですがタマゴの命に配慮すればこそ、危なっかしい賭けに出ない方がよかったのではないでしょうか。享年十七歳ともなれば、それくらいの分別はついててほしかったです。ともあれ、姉の形見というべきタマゴが無事に孵るきざしを見せてくれて、本当に安心しました。きっと弟チョウジの最初のパートナーになってくれるんでしょうね。投稿、お疲れ様でした。
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆
リングさん
評価:☆☆☆☆☆
わやさん
評価:☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆
ionさん
評価:☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
一葉さん
評価:☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆
秋桜さん
評価:☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆