海中への憧れの感想

葉穂々さん
評価:☆☆☆
野生に生きるポケモンは、決して可愛いだけじゃない。そんなことを思わせる一作でした。
主人公のツクモちゃんには、今度こそ、最初から最後まで楽しいダイビングをしてもらいたいものです。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆☆
違和感を感じた→違和感を覚えた

サクラビスってきゅうけつは覚えないんですよね。しかし図鑑の記述には「獲物の体液を吸う」とあります。ドレインキッスでしょうか…?なんて無粋な感想は置いておいて。
ダイビングのライセンスを取りたいって思ってしまいました。こういう光景を、私もこの目で直に見てみたい。マスククリアやレギュレータークリアという単語はおそらくダイビング用語でしょうか。海水が入ってくるなんて考えたこともなかったので、一つ勉強になりました。そしてそれ以上に、ツクモさんとサクラビスの関係が眩しくて仕方がありません。心が洗われるようでした。
まーむるさん
評価:☆☆☆☆
衝撃的なサクラビスの光景を見せられた割には、後があっさりで少し拍子抜け。
Pさん
評価:☆☆☆
漂着海獣にそれを引き取り治療する水族館、詳細なダイビング描写、そしてダイビング初心者の初々しい目から見た美しい海中の描写と海に関する多方面の知識が光り、サクラビスをめぐる一連の出来事を通して主人公が自分の失敗のために封印した「海中への憧れ」を回復する流れもまとまっていると思います。
惜しいのは主人公を見た瞬間サクラビスが見せた奇跡的な回復、サクラビスの美しい外見に反した衝撃的な捕食シーン等、主人公の感情が強く揺れ動きそうな箇所が比較的さらりと流されていることでしょうか。
また、作中のバトルのように野生ポケモン同士が戦闘を行うような海中に護衛となるようなポケモンを連れず潜るなど野生ポケモン以外の影が感じられず、細かなダイビング描写の代償とも思えますが多少ポケモンのいる世界としての描写が薄いように感じました。
しかし、主題とするダイビング=海中に潜る行為に伴う死の危険や、それが迫った時の危機感や焦燥までも詳細に描いているところはとても好きです。美しさも命を繋ぐことも死の危険も、すべて内包する海が描かれていると思えまして。
ionさん
評価:☆☆
海荒れる中、サクラビスとの交流。もう一度海に潜ってみたい!!

 昔ポケモンのアニメ観ていた頃を思い出しました。
あれにいわゆる、アローラ図鑑とかから生まれたアローラ残酷物語を違和感なく溶け込ませたらこうなるって感じですね。
サクラビスとの、どこか懐かしい感じがする交流が本体なんだろうなあって気がします。
あと、最後に話しができるようになってるあたりに、前のフェスでのナマコブシみたいな、深読みしたら怖いんではって気もしなくもない。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆
一度は諦めたダイビングへの想い、閉ざしてしまった憧れを、サクラビスとの出会いと交流によって再び取り戻す主人公、そしてもう一度訪れた海中の、目の覚めるような美しい光景…この流れ、とてもカタルシスがありました。
しかし、なんと言ってもサクラビス。なんと言っても「きゅうけつ」。
確かにサクラビスを出したらずるずる啜らせたいのは分かります。私もきっとそうするでしょう。そして、それまで主人公と仲良く戯れていて、分かり会えたと思っていたポケモンが、不意に人間の感情で図り難い行動をするというシチュエーション自体は個人的にかなり燃えるものがあります。
非常に残念なのは、上記の点がオチとうまく繋がっていないように感じた点です。確かに主人公はサクラビスのきゅうけつを目の当たりにしてショックを受け、二度目の命の危機にさらされますが、それはサクラビスが助けてくれた、ということでは精算しきれないことのように個人的には思えます。海中で最後に主人公が見たのは、自分から仕掛けたバトルの最中に、溺れかけている自分に対して屈託のない笑顔を向けるサクラビスなのですから。
下手したら更に大きなトラウマを残しそうなこの一連の事件が、ラストに全く絡んでいないように見えたのが違和感の元でした。個人的には、この事件を踏まえて、サクラビスというポケモンを受け入れるか受け入れないか、主人公にもう一歩踏み込んでほしかった思いがあります。
しかし、必要以上にグロくもなく淡々と、それでいて生々しく捕食シーンを書ける人というのはやはり物凄く貴重だと個人的には思います。この程よいさじ加減を出せる人というのはなかなかいません。今後もぜひ頑張って欲しいと思います。
終夜さん
評価:☆
マスクネームはおそらく数式?でしょうか。
作者さんが、一体そこにどのような意図を込められていたのか、数学が苦手な私には悲しくも読み取れませんでした……無念。
ダイビングに挑もうとする女の子と、傷ついたサクラビスの交流。
彼女らにとって、お互いの出会いが運命そのものだった、ということなのかな。
しかし、出会ったばかりにしては打ち解けていくペースが妙に早いような……サクラビスにとって、彼女は命の恩人だと認識していたからこそ距離も縮まっていったのか?
私事で恐縮なのですが、この作品を読んでいて大昔、家族で海水浴へ行った際に目の前で当時小学校低学年の弟が溺れかけたことを思い出しました。
一緒に来ていた母は元々泳げず、父はちょうど地平線の向こうまで泳ぎに行っていたため近くで弟を助けられるのは私一人だけという状況で、弟は幸い大事には至りませんでしたがものすごく怖い思いをした記憶があります。
そんな自分にとってのトラウマをピンポイントで刺激されたのもあってか、死ぬかもしれない、と理解していながらも一度死の恐怖を感じた海で再びダイビングを希望する彼女と、死にかけた女の子に対し再びダイビングしよう、と普通に誘ってくるヤイチおじさん。
この両者の気持ちが、私にはなかなかに理解し難いものでした。
怖い思いを味わってなお、彼女がダイビングという行為に強く執着している描写はむしろ自分から死に向かっていくようにも見えてきて……思わずこの作品は、バッドエンドなのだろうか?と勘繰ってしまったものです。
ダイビング中、彼女が見た景色の描写は美しいな、と思ったのですが、ルート変更後無表情でシードラの体液を啜り出したサクラビスの行動も自分にとってはホラーでした。
最終的に、主人公が死亡する結末を迎えなかったことにはほっとしております。
森羅さん
評価:☆☆☆
ポケモンの技のダイビングかと思ったらまさかの本物の方でしたか……! ダイビング(技の方ではない)にとても詳しくて、きっと作者様は経験者なのでしょう。登場するポケモンがサクラビスなのもタイトルに即していてとても好きです。でもサクラビスが出てきた時点で「まさか」とよぎった不安がまさか本当に回収されてしまうとは!! 暖かな交流話と思わせておいて体液吸うシーンが出てきちゃいましたよ……騙されました! ただ、基本的に作中のサクラビスはツクモちゃんに懐いていますが、2回目ツクモちゃんが溺れたのって完全に元をたどればサクラビスのせいで、(サクラビスは野生なので仕方がないのだとは思いますが、)「シードラにちょっかい出したのサクラビスやん……」と思ってしまいましたしそのあたり物語とうまく噛み合ってないなと思ってしまいました。また、「数日後に来てもらえればサクラビスに会わせてくれる」のであれば、行くのは翌日ではなく2、3日後ではないかとも思いました。
カイさん
評価:☆☆☆
ダイビングを通じてサクラビスと心を通わせる、涼やかな作品でした。
マスクネームの由来がめっちゃ気になります。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆
ダイビングはまだ体験したことがないですが、誰かの写真や動画を見るだけでもすごく楽しそうです。ダイビングとは言わずともいつかイルカと一緒に泳いでみたいなあなんて空想をしたことも数知れず。そんな思い出を呼び起こしてくれる作品でした。
助けたポケモンと一緒に楽しい海を泳ぐ、なんだか浦島太郎のような恩返しのお話。とっても綺麗でした。サクラビスはこれからツクモちゃんと一緒に過ごすのかな。

ただ、なんとなく粗があるなあと感じました。
サクラビスが打ち上げられているのを見て海岸へ駆けだしたツクモちゃん、ここで部屋着に着替えてるってことは随分と軽装だったのかなあと。しかもそのまま水族館へ移動してってなかなか…?軽装から部屋着になったなら部屋着を「羽織る」表現の方がいいかもしれません。もしくは部屋着じゃないちゃんとした服の描写に切り替えるか…。
他に気になったのはシードラとのバトルに巻き込まれたシーン。サクラビスにとってはいわば恩人のツクモちゃんが巻き込まれて生命の危機なのに、助けに来た顔が屈託のない笑顔ってのに微妙に違和感が…ポケモン目線からすると「大丈夫だよ」って笑うのかもしれませんが、もうちょっと緊迫感のある表情でもいいのでは、と思いました。あくまで個人の考えですが…。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆
ダイビングの描写が細かくて良かった。BCとか全然知らなかったです。
あと、サクラビスの傷の理由が海ゴミとなった網と言うのも、環境問題と絡めていて非常にリアルを感じました。
サクラビスの吸血を見て気味悪がったり、サクラビスから仕掛けたバトルに巻き込まれて再度死にかけたにも関わらず、サクラビスともっと仲良くなりたいという終わり方なのはどうなんでしょうか……自分はあまりしっくりこなかったです。もっと全体的にサクラビスに好印象を抱くシーンを見られれば良かったのかな、と思いました。
更に、既に一度死にかけたにも関わらず、浮上の指示に従わないのも疑問でした。
また、冒頭のシーンでの描写が、主人公がどれだけ苦しい思いをしているかを沢山描いていますが、何があったかを明かすまで少々引っ張りすぎかな、という印象を受けました。大体想像はつくけど、早く言って欲しいという気持ちになってしまいました。
雪椿さん
評価:☆☆☆
ダイビングのことがよくわかり、ポケモンの表と裏もわかる話。
あいにくダイビングのことは詳しくないので、出てくる単語がよくわからず「???」となりながら読んでいましたが、ダイビングの楽しさと恐ろしさはよく伝わってきました。途中サクラビスのあのシーンで「ポケモンの裏」もわかり、綺麗やかわいいだけがポケモンじゃない、ということも伝わってきました。
読み進めるうちに、ダイビングに色々な意味で興味をひかれる。そんな素敵な作品をありがとうございました!
コメットさん
評価:☆☆☆
ダイビングに恐怖心を抱いていた少女が、サクラビスとの邂逅をきっかけに一歩を踏み出す。お互い似た者同士という感じで通じ合うところがあったのでしょうか。それとも、ツクモちゃんの豊かな感受性がサクラビスに通じるところがあったのでしょうか。読んでて温かくなれる小説だと思いました。――サクラビスの習性を思い知らされた以外は(誉め言葉です)。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
ダイビングって結構命懸けですよね考えると…。でもそれでサクラビスとの繋がりが強くなっていて幸せな読後でした!
秋桜さん
評価:☆☆☆
サクラビス恐い……。主人公のメンタルが弱いようでいて強い……。となりました。海中のサクラビスのシーンは気になりましたが、全体としてほのぼのとしていて好みでした。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆☆☆
サクラビスを助け、助けられる。お互いを支えあっていく姿に感動しました。
照風めめさん
評価:☆☆☆
また小説を通して新たな知識が身につきました!
海の描写や生き物の描写がめっちゃ綺麗でした。ダイビング面白そうだなあ、と思うきっかけにもなりました。
ダイビングの用語について事細かに書かれてあるわけではないのですが、前後からの文脈からある程度察することが出来たので、とても読みやすかったです。
ポケモンの生態に対する造詣が深く、ポケモン図鑑をきちんと利用されてるなと思いました。海中での戦闘も珍しく、見所たっぷりです。
ただ、どうしても主人公が最後にまたダイビングをしたいという気持ちになるプロセスが納得できませんでした。
2回目のダイビングでトラブルになった原因は、確実にシードラにちょっかいをかけたサクラビスが悪いと思うのです。シードラが怒ってサクラビスに攻撃するのは当然だし、巻き添えを食らう主人公からすれば諸悪の根源に助けてもらって、感謝の気持ちはまああるとしても「余計なことしよってからに……」というのがあっても良さそうなんですが……。自然の恐ろしさを伝えたいにしても、どうも身内の不躾感の方が前面に出てるような気がしました。(サクラビスに無事で良かったって言われてもお前のせいやないかーい! と吉本新喜劇ばりに転びそう)
吸血シーンの前後におけるサクラビスに対する主人公の評価の手のひら返しが早く、それで良いのか感は否めませんでした。ほんとに心通じ合ったのかなあ?
サクラビスの設定を使いたいならば、シードラが味方キャラにする。サクラビスを味方にしたいならばシードラから喧嘩を売ってくる。そのどちらかであればとてもスムーズに理解できた作品だったのではないかなと思います。
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆
ぢゅるぢゅるサクラビスちゃん! 初見でウトウトしながら読んでたんですけど、ここのシーンで跳ね起きました。作者様はきっとそういう意図でこのシーンを用意された訳ではないでしょうが、それまでのストーリーをぶち壊してくれたため否応でも印象に残されました。脳内で組み上げてきた美しい海中の風景が一瞬で台無しにされた感じがまさに野生どうしのポケモンのバトルに巻き込まれた感あってよかったです。全体の雰囲気、なんとなく今年の映画キャッチコピーの「ひとりじゃできないこともキミとなら」感がありました。サクラビスは作者様のパートナーなのかしら。
ストーリーを大事にするなら、美しい海とダイビング失敗のトラウマ→傷だらけのサクラビスを保護→回復の過程で友情を深める→ダイビング再挑戦も海が静か→暴れん坊でサクラビスを傷つけたシードラにリベンジ→ふたりで協力してなんとか撃退するも呼吸器が外れてパニックに→今度はサクラビスが助けてくれた……みたいな流れが美しかったんじゃないですかね。
砂糖水さん
評価:☆☆☆
そうなんだよな〜サクラビスって綺麗な見た目に反して怖いとこあるんだよな〜と思いながら読みました。わざじゃないダイビングの描写が細やかで詳しい方が書いたのかなって思いました。海やサクラビスの描写も素晴らしかったです。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆☆
すごくダイビングがしたくなるお話でした…!作者様はダイビング経験者の方なのでしょうか…臨場感たっぷりで、海中という無音と空気のない世界で繰り広げられるせめぎ合い、ハンドサイン、バトルが鬼気迫って最高でした。海のブルーに、サクラビスのピンクは映えて鮮やかで美しいですね。どんなポケモンよりもサクラビスがこの作品にはぴったりだったと思わされるくらい美しい絵です。ツクモちゃんは失敗も悔しい思いも経験にしながら立派なダイバーへなっていくんだろうなと思いました。
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆
 私事で恐縮ですが、ダイビングで似たようなことを経験をしました。二回目か三回目かの時に、ゴーグルの何が悪かったのか海水が入ってきて、何度やり直しても直らず……インストラクターさん付きでも潜るのが怖くなってしまったんですよね。あれ以来一度もダイビングはやってませんし、やりたいという気持ち湧きません。海は好きですし、海中の美しさは忘れがたいんですけどね。なので、ツクモさんの恐怖心に共感できました。でも、本当は嘘だったんですね。勇気がありますね、ツクモさんは。海のポケモン達を見つける楽しさ、サクラビスの美しさ、自然の恐ろしさが映像で目に見えるかのようにぎゅっと凝縮されている、素敵な作品でした。投稿、お疲れ様でした。
48095/坑さん
評価:☆☆☆
 短いながらも、サクラビスのうつくしさや力強さ、ずるずると体液をすするというおそろしさまで含めてサクラビスの魅力をあますことなく詰めこんだ一作になっていると思います。
 水ポケモンはたくさんいますが、その中でも一緒にダイビングするポケモンとしてサクラビスをチョイスした作者さんステキすぎます。
はやめさん
評価:☆☆☆
 直接ダイビング経験は無いですが、アニメでかじった知識によると、やっぱりクリアリングはすごく重要で、これが出来ないと潜ることを認められないみたいですね。主人公のトラウマも無理は無いかな…と思いました。
 というわけで、サクラビスと潜ってダイビングってたのしい! ってなるお話だと思うんですが、気になったところがあります。
 吸血鬼とまで称され、実質リカバリーが利かない状態まで追い込まれたのに、すぐ怖かったけどそれ以上に楽しかった、って切り替えられるかなぁ、と……。トラウマがひとつ増えちゃったのでは? というところが引っ掛かりました。
 かといって、シードラが攻撃すればよかったのでは? という意見にも首を傾げる部分があります……。ポケモンは決して人の思い通りに動くものではないから。この作品はポケモンの野生らしさをそういう形で上手に表現されていたと思います。自分のせいでツクモがピンチに陥ったことを反省してすぐ助けに向かったなら、確かにそんなに突っ込むような展開でもないかもですね。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
 王道な流れの良作だと思いました。サクラビスの生態も細かく回収してて良かったです。
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
 海のポケモンを水族館に連れて行く展開がすごく好きです……! でも自分は地元の水族館しか行ったことがなく、自分がイメージできる海や水族館の情景と作中の景色が食い違っていそうでそれが悔しい……
逆行さん
評価:☆☆☆☆
 全体的なお話の流れが凄い良かったです。起承転結がよく纏まっていて、サクラビスと主人公の友情及び、ダイビングへの憧れを取り戻す流れを楽しむことができました。 
 冒頭の心理描写が非常に丁寧だったなあと。ダイビングに対する恐怖心が非常に伝わってきました。時化ている海の様子を描写したのも素晴らしい。海の荒れている様子と主人公の感情が良い具合にリンクしていた印象を受けました。 
 サクラビスと出会ってからの描写も、非常に丁寧な印象を受けました。主人公は何回も水族館に行っていて「お金大丈夫かな」って不安に思っていたんですが、後で入場料は無料になっていたことが分かりホッとしました。サクラビスが傷だらけで倒れていた理由にもちゃんと丁寧な説明があって良かったです。 
 全体通して見ると非常に素晴らしい作品だったんですが、よく読んでみると細部にちょっと違和感がある所が見受けられました。 
 まず、サクラビスは捕食しているシーンがあって、それに対して主人公が恐怖心を抱いていたじゃないですか。この恐怖心が物語においてどういう意味を持っていたのかがよく分からなかったです。主題と関係ないですしここは詳しく書く必要はなかったかなあと思います。 
 後主人公がサクラビスと一緒にダイビングしたいって思うようになった所がちょっと唐突だったかなあと。冒頭であれだけダイビングに対する恐怖心を描いていたので、その恐怖心を乗り越える部分も同じぐらい細かく描かないといけないと思うんですよ。なのでもうワンエピソード追加する必要があったのかなあと思います。主人公の恐怖心がやわらぐようになるイベントが一つあればいいかなと。 
 凄く丁寧だなって思う部分と、ちょっと惜しいなって思う部分がはっきりと別れている印象があります。 
 ただこのお話結構自分には気に入っています。サクラビス捕食シーンも整合性が取れていないと思ったものの、とても迫力があって脳裏に焼き付いています。気持ち悪い音だったり、細い口を刺している描写が最高ですね。後はやっぱりダイビングに対する恐怖心の描写が非常に良いです。あそこは作者さんの実力を感じました。 
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆
 ダイビングというとルビー・サファイア時代のひでんわざのイメージが強いですが、確かにポケモンを連れない人間の為の(現実世界と同じあるいは近い形の)ダイビングもあってもおかしくないな、と思いました。そこに目を付けるというのは感服したところです。
 失意を感じさせる冒頭の描写は目を見張るものがありました。海の中の様子もそうですし、水中でのバトルも、全体的に濃厚な情景描写が素晴らしかったと思います。サクラビスの図鑑設定にあった「体液を啜る」という記載、私は完全に忘れていまして、そういうところを活かしているところは感嘆したところであります。ツクモちゃんと一緒に泳いでいるときでも食事を優先しようとするあたりは、暫く人間の世話になっていたとしても、やはり野生なのだなと感じられました。
 これは指摘が多いところかもしれませんが、前回溺れかけたとき以上に危ない目に遭ったのに、「楽しかった」と言えるものなのだろうか、というところです。サクラビスに助けられたというところは美しいのですが、考えればその原因はサクラビスが作り出してしまったわけで、どうにも共感しづらかったのだと思います。ツクモちゃん本人がそこを追及しないのであればとやかく言うこともないのでしょうけれど、これは私たちがあくまでも第三者だからそう思ってしまうのだろうなと思います。
 ストーリー全体として、失敗して塞ぎ込んだツクモちゃんと、傷つき流れ着いたサクラビスとが出会い、互いに心の支えとなり、一緒に泳ぐ楽しさを味わうという明るくなっていく流れはとても良かったと思います。
春さん
評価:☆☆☆
 サクラビスとダイビングのお話。
 ダイビングが怖くなった主人公でしたが、サクラビスとの交流によってふたたびダイビングをすることができるように。ポケモンと協力しあうことや触れ合いによって恐怖を克服するというストーリーラインは、ポケモン二次でも王道のひとつだと思います。話は淡々と進んでいく感じでしたが、サクラビスとのシーンはもっと掘り下げると更に良かったと思います。ストーリー自体はいいのですが、見せ場が盛り上がりきれていない感じがしました。特にサクラビスが水族館で泳ぎ出したシーンは、唐突な気がします。交信した結果元気を出すのは良いと思うのですが、結構重要なシーンだと思うので、もう少し丁寧に書かれても良かったのではないでしょうか。また「先ほどまでの怠惰な様子~」と文章が続きましたが、サクラビスはさぼってた訳ではないので、表現として引っかかりを覚えました。水族館の館長が「お礼」と言い出すのもやや引っかかります。サクラビスはもともと水族館の所属という訳ではないですし、むしろ治療のために連れていった主人公たちの側がお礼をする立場では? この流れなら、サクラビスが海に戻れるかの確認も兼ねて、主人公とダイビングするのはどうか? と館長に主人公の側から提案し、それに了承してもらう……という方が自然だったのではないかと思います。そうすれば主人公もダイビングが怖かったけど、「サクラビスを無事に戻すため」という理由を得ることができます。
 サクラビスとは結局、お別れしたのでしょうか。主人公のポケモンになったのでしょうか。そこはたぶん、読者の想像にお任せします……という感じなのですね。
 でもなぜ主人公は出会ったばかりのサクラビスと交信できたのでしょうか。運命といえばそれまでですが、あと少し、決め手となる理由が私は欲しかったです。あと主人公の喘息設定ですが、普通に溺れたとかだけでは駄目だったのでしょうか。咳きこんでいる様子も、薬を服用している様子もなさそうですし……。
 話としては良いのですが、引っかかる部分が多い様な気がします。ストーリーのために動かすのではなく、「自分がこの人の立場だったらどう考え、行動するだろう?」「この設定は必要な設定か?」と、執筆前後に考えられると良いのでは。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆
 サクラビスって、可愛さと美しさをいいバランスでもったポケモンだと思っていました。そのサクラビスがありありと書かれていて、とてもいいなと思いました。サクラビスはどうしてシードラを襲ったのでしょうか。単純に捕食に入っただけでしょうか。逆だと話がすんと綺麗に入りやすいのかなと思います。それを抜きにしても、心温まる作品でした。
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆
 まずダイビングという、意外性を突かれました。遊泳ぐらいは思い浮かんだんですけど、ダイビングという発想はなかったなあ……。そしてすでにダイビングがトラウマになってしまった主人公。最初の雨風によって窓がガタガタと不安を掻き立てる音をたてていたりと、主人公の暗い気持ちを表すような表現いいですね!
 そんな中、主人公は波に打ちつけられた瀕死のサクラビスを助けます。ここにきてこれからの流れは主人公がこのサクラビスと仲良くなって、一緒にダイビングの楽しさを思い出すのかなあ、という展開を想像した読者は少なくないと思います。私もそうでした。しかしこの作品はそれだけじゃなかったんです!
 まさかの捕食……! ポケモンもかわいいだけじゃないことを思い出させる、まさに夢から現実に引き戻される感覚。ここで再びマスクの中へ水が入ってしまう……。私はダイビングに関して知識は全くの0なのですが、メインであるダイビングの描写、すごく調べられていると思いました。もしかして作者さんはダイビング経験者なのかな?
 しかし何がともあれ、最終的にサクラビスのおかげで憧れだったダイビングを好意的にとらえられることができるようになってハッピーエンドでした。ただやっぱりサクラビスの捕食はすごく印象に残りますね……。
 作品投稿、お疲れ様でした。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆
 うお~ダイビング小説とは! 同名の技もありますし、ポケモンとは非常に相性のよさそうな題材ですね。作者さんはダイビング経験がおありか、お詳しいのかな? こういう自身の経験や得意分野を活かして書かれた作品というのは他にはない魅力がありとても素敵です、海底の景色の目の前に浮かぶような色鮮やかな描写、また専門用語を交えるからこその緊迫したシーンも、わくわくしながら読み進めることができました!
 喘息を患っていて出来なくて、ずっと夢に見ていたダイビング。やっと叶えることができたのに、あんなに楽しみにしていたのに、それを楽しい思い出として残すことができなかった。冒頭、この落胆の様子がものすごく上手く描かれていましたね、そりゃあ落ち込むよなあ……。だから、もうダイビングなんてしない、と自分に言い聞かせようとして、それでもモヤモヤは晴れなかったり、
>何の希望もない一日が始まるのかと思うと気が重くなり、体から力が抜けていく。
 このあたりもとても俊逸だ……。身に覚えがありすぎてめっちゃ感情移入してしまいました。ツクモちゃんがダイビングをすることにどれだけの思いをかけていたのか、本当に巧みに描きあげられていたと思います。
 からの、傷ついた水棲ポケモンを助けてからの交流。別のことで心が満たされて、その中で、もう一度ダイビングへの欲求が生まれていく。この流れもとても自然で丁寧だなと感じました。ツクモちゃんの思いがなぜかサクラビスに伝わって、サクラビスが元気になるところも、言葉が通じ合わないポケモンだからこそこういうことが起こるのかなあと妙に納得してしまいます。サクラビスを救ったツクモちゃんに感謝をする水族館の方々の対応も、「この水族館スタッフ、自館の所有ポケモンだけでなく、水棲ポケモン全般を生き物として凄く愛しているんだなあ」というのが伝わってきて、個人的には好意的な対応だなと感じました。で、元気になったサクラビスとともに、ツクモちゃんは晴れてダイビングリベンジを果たす。優しい世界……ここまでは、ここまでは、この作品、超超ド王道まっしぐらだと思うんですよ……からの……
 突 然 の 捕 食 … … ! ! ! ! www
 いやあこれは正直度肝抜かれました……完全に一本取られましたね……!!www このシーンがくるまでサクラビスの生態のことが完全に頭から抜けていて、ただただ美しくて愛らしいポケモンだと思っていただけに、この吸血シーンの落差……海底に響きわたるずるずるという気味悪い音……

> その音に鳥肌が立つ。明らかに気持ち悪いこの音はサクラビスが発しているもので、その姿はまるで吸血鬼だった。無表情にすするその姿が恐怖を増大させ、先程まで優雅に泳いでいたサクラビスの姿はなくなっていた。その突然の変化に頭をガツンッと殴られたような衝撃が広がり、頭の中が真っ白になっていく。

 あまりにも理解が出来る……あまりにも共感できる、ツクモちゃん分かるぞ、そりゃあビビるよねなんか自分が今まで慈しんでいたものの正体がバケモノだった的な絶望感はんぱないよね分かるよ……からの、

>「~でもね、確かにまた溺れかけたことは本当に怖かったけど、今回のダイビングはそれ以上に楽しかったよ。新しい景色を見ることもできたし、何よりサクラビスと一緒に泳ぐことができたから。それにいまこうやって私は生きてるわけだし、大丈夫だよ」

 えっ、待って、楽しかったで終わっていいの……!?(驚愕)
 ここまでの、ここまでの一連の心理描写が非常に丁寧で感情移入できていたばかりに、ここのツクモちゃんの反応だけは「それでいいの!?www」という不自然さが残ってしまい、どうしても気になってしまいました、申し訳ない……! 普通に溺れる以上の恐怖体験だったはずでは!? いやいやツクモちゃんが楽しかったならいいならいいんですけどね、いいんですけども!!
 個人的には、「サクラビスとダイビングをしようとする→でも思い出してやっぱり怖い→サクラビスが励ましてくれる(?)→恐怖を克服する」という流れであれば鉄板ド王道だったとは思います。ですが、この作品のインパクトっていうのは、絶対にこの吸血シーンがあったからなんですよね。可愛がっていたポケモンが、やはり理解が及ばない残酷な行動もとる別種の生物なんだという、そこが凄く魅力なんですよね。この吸血シーンがなかったら、もしかしたら、綺麗でまとまりがいいけどあまり印象に残らない話、になってしまっていたかもしれない。でも吸血シーンの破壊力によって、読者にばっちり印象を残しました。ツクモちゃんの台詞1つだけに違和感が残ってしまいましたが、それでも、この作品で取り扱われたこのネタが、私はかなり好きでしたよ! ポケモンの生態を練り込んでくる作品大好きです!!
 投稿お疲れさまでした!
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 いろんな意味で『生々しい』お話だったと思います。サクラビスのゴミによって傷を負い弱った姿、岩の上に寝そべる元気のない姿、元気を取り戻しシードラの体液をすする姿、戦いに巻き込まれて溺れたツクモを助けてくれた姿……時に美しくもあり、醜くもある姿ですが、どれもサクラビスが『生きている』からこそ見られる姿なのですよね。
 『生きている』サクラビスの美しい一面も醜い一面も、その両方を見たからこそ、ツクモさんは"ダイビングできてすごく楽しかった"と思えたのではないかな、と思います。
 作者さんのスキューバダイビングに関する詳しい知識がうかがえる、機器や動作の緻密な描写も魅力的でした。僕はこのダイビングに関する知識は全くないのですが、知らなくてもお話を読み解く邪魔にはならずに、考え込まれて作られていることがしっかり伝わってくる形に仕上がっていることが伝わってきました。ダイビングに関する知識を持ったうえで読んだら、より深くこのお話を楽しめるのでしょうね。
小樽ミオさん
評価:☆☆☆☆
リングさん
評価:☆☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆☆
風間深織さん
評価:☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
黒糖さん
評価:☆☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆
天波八次浪さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆
えびフライさん
評価:☆☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆