落ちなかった百個のきのみと、少女が歩む一個の夢の感想

葉穂々さん
評価:☆☆☆☆☆
選択肢が多いというのは、難儀なものですよね。わかります。
どうしようもない不安に駆られた学生時代を思い出してしまいました。

好きポイント
・共感できる少女の悩み。最後に道を見つけられたようで、安堵しました。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆☆☆
進路に迷っているアユが、夏休みの体験を通して、なりたい将来を見つけていく物語。
背中を追いかけたいと思うような、自分の目標の人がいるということは大事なことだと思いました。
骨が折れたシーンではこちらにも痛みが伝わりそうなくらいリアリティを感じました。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
自分の将来・進路に関するお話ですかね。
俺は進路に関しては小さな頃からやりたい仕事が決まっていたのでその時点ではあまりあれこれ悩むことはありませんでしたが、それでもいざ就職するとなるとどの会社に入るかとか、設計やるのか整備やるのかとかの岐路に立たされたので、アユちゃんの気持ちにはとても共感できました。
アユちゃんが漠然と「ポケモン」に関わる仕事がしたかったように、俺もある業種に関わりたいとずっと考えていながらも、具体的にどんなことをしたいのかはなかなか答えが出せなかったもので…。


>けれどもアユが持っている知識といえば、どの進路も選べるように保険を掛けた中途半端な教科書知識ばっかり。人とポケモンの役に立ちたいと夢見て勉強していたはずだったのに、結局そんなのは口先だけで、何一つ意味がなかった。何の役にも立たなかった。


ここですよ、これが書けるのすごいなあって…ただなんとなくコレに関わる仕事がしたいなーって、やりたいことが漠然としすぎてるせいで一つに絞り切れてなくて、中途半端な知識しか持ってないせいでまったく役に立たなかった就活直前の自分に重なりました。心にずっしり来ました…。
ポポがピジョンに進化できたのを見て、アユちゃんは焦っただろうなあ…これ、周りは目標を決めて歩き出せているのに自分は置いて行かれてるってことを意味してるんですよねきっと。俺は運よくみんなと同じように就活して同じタイミングでそれを終えて、一応の夢を叶えてはいるのですが、もし自分だけ前に進めてなかったらきっと死ぬほどつらかったんだと思います…。

きのみたちは可能性を指し、時期になって落ちてきた一個が自分の選んだ道。見つめていればいくらでもその可能性は残っているけれどもそれじゃあ何にも始まらなくて、一個を手に取ってしまえば可能性は潰えるけど夢を追いかけて進むことができる…タイトルはどういう意味なんだろうと思いながら読み進めてきましたが、この発想とても面白かったです。しかもムンナのセリフが刺さる刺さる…就活前に読みたかったです。もっと早くこの作品に出合いたかった。

とっても素敵な作品でした、ありがとうございました!
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
繰り返し違う形で脳裏に浮かび、時には形になったりならなかったりする夢を投稿作品やそれになる前のアイデア、そして思春期の少女が迷う将来の夢に見立てたストーリーラインはまさに「何かを決める」時の迷いに満ちていて、それを定めるまでの難しさ、形にしようとした後の苦しみ、先に何かを決めた人への嫉妬心、そして何にしようか迷っている時が一番楽しいこと、生々しく思い出されるたくさんの要素がきちんとひとつひとつ押さえられていて、夢とその決定というテーマにしっかりと向き合って書き上げられた作品と感じました。
女子会をしたり修学旅行の遊びの予定が一番早く決まったりといった時折差し挟まれるまさに年頃の女子高生という顔、トレーナーになった夢やシキジカを前に無力を痛感するシーンなど夢を先延ばしにして得たもの失ったものも描かれていて、それがあるからこそ最後の決定とその夢の発芽がより輝いて見えました。
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆☆
素敵なお話でした!
進路選択って確かに悩むところですよね……漠然とやりたい事はあるけど、ただ一つこれになりたい!っていうのは無いというこの感じ。共感できましたね。ポケモンの仕事って考えてみるとたくさんあってどれも楽しそうですし((
それからポポやシキジカなどのポケモン達が皆、それぞれ愛くるしさがあってよかったです。人間がポケモン達と仲良くしようとするように、ポケモン達も人間といっぱい寄り添いたいと思っているのかなぁーなんて思ったり。アユちゃんの骨折の固定の為にシキジカが宿り木を出してあげる所とか、すごいグッときました……!
あとは「夢」という言葉の使い方がとても上手いと思いました。将来の「夢」と眠っている時の「夢」、この二つをお話に上手く取り込んでいるのが読んでいて面白い所でした。
照風めめさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
正面からストレートにズバッと響いてくる気持ちの良い作品でした!
百、確かに木の実にも見えないことはない……笑
わたしは物凄くアユの気持ちに共感出来ますし、アユを羨ましいと心底思います。アユは十七歳にして進路を決めたわけですが、わたしは未だに進路を選んでしまったものの、この選択で良かったのか。何にもなれていない学生のままでいたかった。と思う人なのですごく刺さりました。
学生時代もなんとなくボヤッと、やりたいことがあるような気はするんですが、その詳細が決まらなかったんですよね。
周りがやりたいことを見つけたり、そういった進路に進んでいくとほんとに取り残された気がします。
本作ではアユは友人だけでなく友達だと思っていたポッポのポポ(名前がめっちゃ可愛い)にも抜いていかれる構図が印象的でした。
物語にたくさん散りばめられていた伏線の回収も綺麗に決まっていて、読みやすかったです。
骨折したことがないのであまり分かっていないのですが、シキジカを夢中になってまで助けようとしたアユの健気さがとても好きです。しかし添え木で対処するとかサバイバル能力やべえ。
将来の夢と予知夢をムンナが上手いこと繋げてくれるのも面白かったです。
その他、うまくまとめれなかったので箇条書きで好きなところを挙げます。
・序盤でお出かけする前の身だしなみを整えるシーン、思わずこっちもウキウキしてきてめっちゃ好きです。
・ハジメ君はゲームのポケモンレンジャーのキャラなんですね。発売から十年経っている、というのもリンクしていておおっ! と思いました。
・おじいちゃんめっちゃ良い人だなあって思います。
>「アユは賢くて優しい子やからな。ようけ勉強して、そのうちじいちゃんもオドシシも仲良く暮らせる方法、見つけてくれるかもしれん。」
とか、この付近のセリフからはすごい優しさを感じました。
・ポポがとにかく可愛い……。ポッポの時もピジョンの時もどっちも可愛い。
読み終わった後に、「あー面白かった!」とページを閉じれる素敵な作品でした。
一葉さん
評価:☆☆☆☆☆☆
最近百が木の実に見えてきました
迷ったり苦悩したり挫折したりしても最後には前を向いて歩けるって王道っぽくて良いですよね
アユは自分一人でなんでも解決出来るような強いタイプではないかもしれない、むしろ今回みたいに迷ったりしてしまうかもしれない、でもシキジカを助けてあげようとした時のような優しさや芯の強さを見るとやっぱり応援してあげたくなりますよね
カイさん
評価:スキップ
拙作にお目通しいただき誠にありがとうございます。
お題を見て、さてどんな物語にしようか、せっかくならばこのお題ならでは、ポケストカーニバルという場ならではのお話にしたいと、思いついたのがこの作品です。目標は「一瞬でもこの世に存在したテーマAの物語を舞台に上げる」でした。いかがでしたでしょうか。

前回ポケストフェスを大きく上回る参加者様の数に、私も大変驚いておりました。一体どれくらい沢山の人がテーマAのイラストを見たでしょうか。そしてどれくらい沢山の「こんな物語を書こう」「あんなお話を作りたい」「こういう作品が読めるんじゃないかな」という夢想が生まれたでしょうか。その夢の一つでも欠けていれば、アユの物語がこの結末を迎えることはなかった、かもしれません。
ポケストカーニバルに参加された全ての方に、素晴らしいイラストをご提供くださった揚げなすさんと浮線綾さんに、そしてなによりこの場を創造された主催の照風めめさんと灰戸さんに、改めて敬意と感謝の気持ちを申し上げます。
本当にありがとうございました!

(余談)
当作に登場するハジメは、10年ほど前の漫画「ポケモンレンジャーバトナージ トップレンジャーへの道」という作品の主人公です。作者の松島リュウ先生へ、この場を借りて敬愛の念を表明いたします。
リングさん
評価:☆☆☆☆☆
出会いが出会いをよんで、夢を得る。とてもいい青春ものだと思いました。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆☆
・少女の年相応の悩みのようなものをしっかりと書けていたと思います。テーマの使い方も素晴らしい
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆☆
レンジャーを目指す女の子の葛藤と強さがふんだんに溢れた作品でした!鳥が細くなったり膨らんだりの表現が細かくて飼ってらっしゃるのかな…?
まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆☆
レンジャーを目指すまでの過程にしっかりと説得力が持たせられていて良かったです。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆☆
ハジメさんかっこよくてこれは憧れて人生変えられますね…!そのくらいかっこいい台詞回しと動きで素晴らしいキャラクターでした。そしてシキジカがジョウトにいることの違和感をオドシシと比べるというのが素晴らしかったです。その前の罠のくだりも生きていて…。これは会うとぞくっとしますね!アユちゃんは優しいし、きっとレンジャーの素質がありますね、素敵なレンジャーになってほしいです。
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
やっべ、好きだわあ、これ。と、思わず天を仰いだ作品でした。
読了後の余韻に、暫く呆けてしまいました。
夢見心地のような気持ち良さがあり、この作品に出会えてよかったです。
ありがとうございました!!
森羅さん
評価:☆☆☆☆☆
なんか今回結構夢や将来をテーマにした作品多いですね。その中では一番好きです! 余談ですが、マスクネームの「百という漢字がきのみに~」が本当に木の実にみえてきました……見えますね……。
アユちゃんたちの中高生感、とても可愛らしくて好きでした。そして高校2年生という年に進路で悩むのも「あーそうそう」と頷いてしまいました……。そしてその現実の「進路に悩み、ポケモンレンジャーのハジメさんと出会った彼女」と「木の実が落ちてくる夢」との交差が非常に面白かったです!! ムンナが持って来た沢山の夢はどれもこれもアユちゃんの言う通り広がりを見せる可能性の欠片であり、現実の「宿題」となってしまった彼女の進路表は白紙のまま。いやあ、めちゃくちゃ上手いですね。どれかを選べず、「可能性」の前で立ち往生していたアユちゃんを想うとタイトルの意味が非常にすとんと来ます。お見事でした……!
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆☆
すごくアユちゃんに共感する話でした。歳を重ねても捨てきれない夢ってありますよね。あれもいいけどこれもいい、でも一本に絞ったらそれまでの夢はどうなってしまうのか。
なかったことにはならない、それも自分の土台となるということをこの作品が数あるアンサーのひとつを出してくれたと思っています。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
すごい。落ちなかったきのみと落ちたきのみにそんな意味があったなんて!私の心に刺さったナイフは、しばらく抜けることはなさそうです。何故か?それはとても暖かくて、眩しくて、そして私がいずれは通らなければならない道だから。私は今、百個のきのみが落ちないようにと願っているアユさんのような状況なのかなぁと思ってしまったのです。つい自分を登場人物に重ねてしまう悪癖です。いや、もっと悪い状況かもしれません。これはどうだろう、あれはどうだろうという目標がいくつもあるわけではなく、むしろ何もない。目指すべき場所がなければ、進むことはできない。なんて、そんなこと言ってばかりではいられないんですけれども。
情景描写がとにかく綺麗なんです。雫の輝き。虹の煌めき。空のあおさ。果実のみずみずしさ。読んでいるだけなのに、本当に感じられるかのようでした。
進化したって変わらない関係、というところにも痛みを感じました。いい意味で、です。最初に思わず身じろぎしてしまう気持ち、わかる気がするんです。ずっとそのままだと思っていたものが、いつの間にか変わってしまう。諸行無常とはまさにこのことなのだなぁと思い、しかし、その中でも変わらないものもあるんだって再確認できて、嬉しいんだと思うんです。
そして、「夢」に関するお話。私も「夢」に関してはいろいろ書いてきたつもりでしたが、このお話は素直にすごいと思ったんです。ちゃんと意味を持たせている。そこから何が分かるのか、登場人物が何を感じ取ったのかを、ちゃんと書いてある。あるいは、それがちゃんとわかるようになっている。多くの人に読まれる小説はきっとこうなんだろうなって思いました。悔しいですけど、私はこの作品を超えることはできそうにありません。勝ち負けがつくコンテストだから、というのもあるのかもしれませんが、そうでなくても。いずれこんなふうに、ぼかさず書きすぎもせず人の心を動かせる作品が書けたらって思います。思っているだけではだめですね。努力の仕方を見つけなければ。
ありがとうございました。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆
この作品一番のメッセージである「一つに決めなければ、夢は夢のまま」というところが凄く好きでした。決断して一度挑戦してみなければ、分からないこともありますもんね。ダメだったらやり直すことだってできますし。
後半、シキジカを助けようとして誰にも連絡が取れないシーンが、焦燥感に溢れていて良かったです。偶然の重なりとは言え、肝心な時に連絡が取れない、しかもケータイを落とす、と最悪の状況に追い込まれていくまでの流れが鮮やかでした。ピンチを描くって、案外難しいんですよ。
進化が遅れていたポポと、進路が決まらない自分の境遇を重ね合わせるも、ポポは進化し、置いていかれてしまう。この時のアユの心境たるや、たまらなかったでしょうね。
少し残念だったのが、ハジメの登場がちょっとあからさまだったかな、というところです。アユの進路をレンジャーにするために出てきたことが露骨さを感じてしまいました。
例えば、進路相談の時に働いている人がそれぞれの仕事について話すインタビューが載ってる冊子を受け取って、そこに乗っていたのがハジメさんだった、など、偶然出会う前にもうワンクッション置いた方が物語として自然な流れが演出できるかな、と思いました。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆☆
この作品における未来感が、キラキラしていて、青春の香りに溢れていて、大好きです。
なんでもできそうな、希望に満ち溢れた甘い夢の世界。でも、いつかは夢に浸っていないで、一つの夢を叶えるために、選び取らなければいけない…この「夢」を二重の意味で使っているところが上手かった。
そして舞台となる田舎町でのんびりと野生ポケモンが暮らしている様子や、アユちゃんと友達との他愛ない会話にスイーツ、ご近所におすそ分けされるモモンなどの描写も温かみがあってどれも大好きですが、お爺ちゃんが食害対策に罠を張るところまでしっかりやっているところがグッと世界観の精度をあげていると思います。それもまたアユの夢を決定づけるファクターの一つになっているのがまた良かった。
仲良しのポッポが進化してしまった、という他人からすれば他愛もないことで大きくアユの心が揺れるシーンもまた、悩みの中に陥っている人の心理描写として見事でしたし、何もせずに自分の可能性に浸っているままではシキジカ一匹助けることができない、という厳しさを突きつける後半の山中のシーンがめっちゃよかったです。山を舐めてはいけない、半端な知識で山に入ると死ぬということがはっきりと示されていたので…(実際、本当に山は危ないので…)
ふわふわした口調だけどはっきりとアユを諭すムンナ(このムンナっていう選出がまたセンスがあると思います)に導かれて、とうとう一つの夢を選び取り、ポッポと同じように進化を果たす、というオチがまた、作中の色々な要素をしっかりと回収して終わっていて、非常に完成度の高いものを読ませていただいた、という満足感がありました。ありがとうございました。
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆☆
お手本みたいな物語の作り方。この作品、読み返さずとも構成なんなく思い出せちゃうんですよ。印象的なイラストの光景の謎を描き、主人公まわりの描写に季節やポケモンを忍ばせ、進路に悩むテーマを置き、尊敬できるハジメとの出逢いとポケモンが密輸された事件性、冒頭の夢を形を変えて印象付け、進化しないポポに自分を重ねることでテーマを深め、それをまるっとひっくり返す嵐の危機とシキジカを救えない無力感、ムンナが語りかけてくるという予想外な夢でテーマや密輸事件と繋げ、夢の光景が現実になる心地よさ、ハジメもポポも駆けつけてアユが夢を掴む決心する……。ステキな文体を削ぎ落として説明するのは無粋なんですけど、1度読んだだけでこれだけ印象を残せる構成力なんですわ。
構成もすごいんですけど、それぞれに割り当てる分量が的確でした。なかでも1番「読ませるなあ……」って唸ったのが、進路に悩むテーマが示されるところ。世界観の説明文もアユの心情と女の子たちの会話を挟んで簡潔に読ませてしまう筆致。読み返すとけっこう説明説明してるんですけど気にならない。目立たないんですけどそれがすごい。
山場の盛り上げ方もステキ。予知夢の続きで落ちるオボンをキャッチしたところ、心の中で「YES!」って叫んでました。危険を知らせるために嵐のなか飛んで行ってくれたポポや、眠っていた間に逃げてしまわなかったシキジカ。主人公がポケモンとの信頼関係をしっかりと築いていて、彼女のレンジャーとしての成功を予感させてくれます。
贅沢を言えばそうですね、もっと気取ってよかったかしら。シキジカと木のうろで嵐をやり過ごすシーンの心理描写や、ラストで主人公がどの夢を目指すのかは、ほとんどの読者は推察できるはず。あえて詳しく書かずにほのめかす演出のが、より爽やかな読後感を出せたかもしれません。完全に作者様の好みによることなんですけど、初めの段落の『ポポはアユに近づこうとして足を止め、首をかしげながら仲良しな少女の背中を見送った。』とか、時たまアユ以外の視点で区切られることが多くて、そういう雰囲気だったらこんな終わり方もアリなんじゃない?ってワケでした。これだけの文章力・構成力があれば説得力はバッチリなので、あとは読み手に託してみてはどうでしょう。
コメットさん
評価:☆☆☆☆☆☆
あのイラストの使い方がとても印象的でした。最初は夢オチか何かなのかなと疑りながら読んでいたのですが、全然そんな事はなく。ポケモンの進化とアユ自身の成長の対比なんかが全編を通じて上手く描かれているなあと思いました。別の方が感想でおっしゃっていたのですが、この物語はとても安定している。でも結末がどうなるのか読めない。そんな感じでした。何の変化もないアユの日常に、ハジメやシキジカというイレギュラーの登場で、アユ自身の気持ちと未来さえも変わっていく。ほんの些細な非日常が一石を投じるというのはよくある事ですが、アユが等身大に描かれている事もあって、より深く訴えかけてくるものがあるように思いました。
終夜さん
評価:☆☆☆☆☆☆
『どの夢だって素晴らしい。けれどもいずれは、どれか一つを選ばなければならないのだ。』
本文の中でも、この一文がとても心に残りました。
骨折後、シキジカと寄り添う場面では一体どうなってしまうんだ……?!と若干はらはらしてしまいましたが、最終的にポケモンレンジャーという目標を定めたアユさんは強い子だなあ、と思いました。
ピジョンに進化したポポ、この先彼女の良いパートナーになりそうですね。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 良かったなあ。自分の将来について悩む系は他にもありましたが、こっちはしっかり答えが出ているところが良いと思います。前に進めているのは、変な言い方だし悪い言い方かもしれないけど、読んだ甲斐がありました。
 いつも同じところで終わるたくさんパターンのある夢と自分の夢、状況を重ねて、ムンナとの会話からその先に進まなくては、と気づいた瞬間、夢の中というふんわりした情景、雰囲気にヒビが入り、その先の未来を見つめる。夢にヒビが入ったかのようなその絵が浮かんで、とても心地よかったです。レンジャー登場シーンやラストのシーンから、アユがレンジャーを目指すという流れも、とても綺麗な説得力のある流れになっていたと思います。
アユがハジメさんとレンジャーとして会っているところなんか想像すると、にやけますね…….。
逆行さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 素晴らしく完成度の高いお話だと感じました。テーマAの中で最も安定感があり綺麗に纏まった作品であったと思います。 
 イラストの使い方が抜群に面白かったと思いました。このコンテストってイラストから様々なお話を作るものであった訳ですが、その仕組みそのものをテーマに合わせてくるという。これは凄い発想だなあと感心しました。全く自分が想定していなかったやり方でしたね。 
 主人公が進路で悩み、そしてレンジャーになる決意を込めるまでが非常に丁寧に描かれている印象でした。突拍子もない心情の変化もなく、極自然にまるで双曲線を描くように主人公の気持ちが下がって、そして上がっていった感じです。 
 特に優れているなあと思ったのが、ポポが進化していないのを見て安心してしまった所。あそこの心理描写はインパクトがとても強く、いやーな感情をうまく表現していたと思います。自分と同類であるポポだけが世界で自分の味方であるというのは、とても良く分かりました。 
 このお話では、高校生の主人公が進路を決めるまでが描かれているのですが、そのストーリーを描くにあたってどうしても「進路を高校生で早く決めなくてはいけない」っていう側面が強くなりすぎちゃったかなあっていう印象があります。「夢を持つことの大切さ」というのを伝えたかったのだと思いますが、「早く夢を決めるべき」っていう風に聞こえちゃう所がどうしてもありました。ちょっと自分の読み方が悪かったのかもしれないですね。 
 後若干文章の読みづらさが目立った感はありましたかね。どこが読みづらいかって具体的には難しいんですが、ちょっと回りくどい言い回しが多かったのかなあって思います。『「見た」と言っても、物体の反射した光が網膜に刺激を与えその情報が脳に届いた、という意味ではない』とか、凄く面白い文章だなとは思うのですが、「夢で見た」ってことを示すだけなのにこんな難解なことは書かなくてもいいかなあと……。 
 投稿お疲れ様でした! こんな綺麗なお話自分も書いてみたいですね。無理ですけれども( 
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆☆
 特に印象に残っているのが、ポッポのポポが進化していたことがわかるシーンです。自分の味方だと思っていた、あのポポが……!
 結局はほかのピジョンたちと同じように、しっかりと成長して、ピジョンになっていた。置いて行かれた。
「ポポがなんだかとても遠い場所にいるような気がして」
 アユのこのときのこの気持ち、痛い位わかります。
 彼女が夢をみつけられて、本当によかった。とても気持ちのいい作品でした。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 将来の進路に悩む主人公、個人的に身につままされると言いますか、共感できるところでした。「どの可能性だって選べるってことは、とっても自由で気持ちよく感じるかもしれない」、このセリフ刺さりました。何か一つを選ばなければならないというところで、こんなはずじゃなかったと後悔したくない、みたいな心理、選択肢を複数用意されていると、どうしても足踏みしてしまいますよね。途方に暮れてしまう気持ち、とても分かります。けれどこの主人公のアユちゃんは最後に一つの道を選ぶことを決め、その一歩を踏み出そうとするところ、非常に気持ちのいい終わり方でした。
 将来の選択肢として提示される職業も、ポケモン世界らしさが垣間見えると言いますか。ポケモンドクター、看護師、スクールの教師……ポケモンという不思議な生き物がいる世界で、彼らと共存する世界だからこそ、といった印象です。野生のポッポ/ピジョンの群れの中に、とりわけ人懐っこいポッポ(ポポ)がいて餌をあげたりしているとか、オドシシを捕るための罠を設置して云々などというところは、ポケモン世界なりの、か、アユの家の周りの、かは分かりませんが、より自然に近い生き方をしているのだろうな、と感じさせる描写であります。
 「みんなで同じ絵を見て空想にふけったりした」という描写はもしや企画メタでしょうか。色んな発想が生まれてきても、作品にできるアイデアは一つに絞らなきゃいけない、みたいな苦悩は前述の進路のそれに似たものがあるかもしれませんね。アユちゃんがそれを予知夢として見た(見ようとしたけれどムンナに食べられた)というのは、作者さんがこのイラストのシーンから想像するシチュエーション(=行き着くべき展開)であったのかな、と思いました。
 百がきのみに見えたという発想も作中での使い方も非常に面白かったです。マスクネームがなかったら気付けなかったかもしれませんが……。
 非常に気持ちのいい、未来を感じさせる終わり方にじんときました。
春さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 パンケーキ……スマートフォンで撮影会……あぁ、女子高生を感じる……。スイーツがやたらと美味しそうでした。カタラーナ私も好きです。食べたい。
 オボンのイラストの風景を、夢で見た光景そのままに繰り返す。イラストで提示されていることもあり、そのくだりを読みながら繰り返し繰り返し、あのイラストが思い起こされました。何度も何度も繰り返す夢にいったいどんな意味があるのだろう。と、思ってたらまさかムンナが見せていた夢だったとは。流石に予想外でした。あれこれと正しい夢を探していたと聞いて、不思議な感じがしました。
 「大事なポケモンがおって、そいつと一緒に生きてくって決めたら、人間いつでも誰でもポケモントレーナーや」というお爺ちゃんの言葉がちょっと好きです。
 アユちゃんの悩む気持ちはよく分かります。進路決めるのって難しいですよね……いつまでもふわふわしていたいし、色々な夢を見ていたい。でもそれじゃ何もつかめないのも事実で、「耳が痛いなー」と思いながら読んでました。高校時点でも、大人になった今でも、ひとつに絞るなんて無理無理。だからアユちゃんが、進化してしまったポッポを見て置いて行かれたような気持になったのも、ハジメさんが迷いなく道を選んでいった姿に憧れる気持ちも、よく分かります。アユちゃんは答えを出したから凄い。何かを選んで、その道に進むってものすごく怖いです。でも、自分で納得して道を選べたのなら大丈夫な気がします。なんか昔の偉い人も、「大事なのは選択ではない。選択した後にどう努力するかだ」って言ってた気がします。アユちゃんはこれから、とても頑張るような気がします。ハジメさんという、目標に出来る人にも巡り合えました。
 高校生の複雑な気持ち、進路について悩む少女の気持ち。それらを瑞々しく表現された、青春を感じる短編でした。ポケモンレンジャーになった彼女の姿を見たくなりますね!
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 テーマA個人的トップ3の一角です。
 異色の青春物語といった感じのお話でした。章区切りの"百"の意味が気になるのですが、もしかしてマスクネームに書いてあることを意図的にやっているのでしょうか?
 人生の選択という、青春時代に直面する重苦しいテーマを取り上げていて、決して明るいだけの話にもしていない。それだけにかなり心に残るお話になっていると思います。
 自分で進む道を選ぶことが怖くて、選ぶのをためらってしまう気持ち、個人的にとても共感できるところがあって、それ以外の感情表現もリアリティがあって、見ているこっちの心にもナイフが突き刺さってきそうです。それでもその人間臭さのおかげで、主人公のアユに深く感情移入して読むことが出来ました。
 物語を単純な成功者の英雄譚にせず、終わって振り返ってみればアユの行動はむしろ失敗に近くて、でもそれを糧にするために将来の道を決めるという終わらせ方。これもすごく心に刺さりました。
 自分もこんな選択をしてみたかった、と思えるような、厳しくも美しい人生の物語をありがとうございました。
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 アユちゃんの進路が決まってよかったですね! 目標を決めることと実際に目指すことはまた違うと思いますが、アユちゃんならハジメに負けないくらいの立派なポケモンレンジャーになれる気がします。ファッションにスイーツといった今どきの高校生を謳歌している傍ら、将来設計にポケモントレーナーを選択肢に入れつつも今一つ気持ちが煮え切らない。秀才なので周りの期待も大きく、俯瞰的にいろんな自身の未来像を考えることができるアユは多方面で恵まれていますね。しかし恵まれている子にも恵まれている子特有の悩みや迷いがあるものですよね、きっと。ポッポのポポがピジョンに進化した時、アユの取り残された心情にドキリとしました。手首を傷つけた時もハラハラしました。アユはとてもいい子ですから、不安な目や危険な目に遭ってほしくないと、途中からぐいぐいと親のような目線で心配したり応援しておりました。ムンナの語った夢のはなし、迷子の夢や形になれなかった夢、主を待つ夢……興味深かったです。読み終わった後で懐かしいような寂しいような、温かい気持ちになりました。投稿、お疲れ様でした。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 なんて、なんて、なんて美しい物語なんでしょうか。白状します、泣きました。二回読んで二回泣きました。しかも我ながら「えっそこ?」みたいなシーンで泣いてしまう……笑 ですがその話は最後に!
 ポケモンレンジャーだー!! しかもバトナージだーヤッター!! ハジメくん、かっこいいですよね!! かっこいいですよね分かります!! ポケモンの主人公ビジュアルの中ではBW主♂に並んで好きです……!! 甘いマスクの小綺麗なイケメン……ッ!! 調べるとアニポケにも出ていたようですが、アニポケのハジメの手持ちはリオルだったようですね(wiki情報なので正しいのかは分からない)。ムクホークだから原作準拠かな? いやしかし、もう10年前のゲームとは……笑 ビジュアルだけでなく、普通にポケモンレンジャーシリーズ好きなんですよね。まあ光の軌跡やってないんですけどね。大昔、ハジメを主人公にして連載を組もうとしていたことを、この作品を読んで思い出しました笑。大好きだったハジメくんの成長後の姿が、こんなにもカッコよく描かれていて、いやあニヤニヤが止まりませんでした……!! カッコイイ!! ハジメくんがめっちゃ仕事の出来て常識的で頼もしい正統派イケメンの社会人に成長してくれて、おばさん嬉しいです!!
 全体としてとてもまとまりのいい、「綺麗な」という言葉がよく似合う短編作品であると感じました。ポポの進化を重ね合わせてきたところが物凄くいい演出だったのですが、進路が決められないアユちゃんは、ポッポというよりは、まさにイーブイですね。何だってできる、何にだってなれる。可能性は無限大。それを絞ってしまうのが嫌、決めてしまうと、他の可能性の芽を全部摘んでしまうことになるから、かあ。いいなあ……。自分語りになり恐縮ですが、正直、進路の話については、個人的には共感できないんですよ。高校生時代、私はやりたいことがなく、将来の夢を見据えて学部を選んでいる友人たちと自分を比べると凄く劣っているような気がしていて、進路が決まらないことにめちゃくちゃ不安を覚えていたタイプだったので。こんな考え方の人がいるんだ、これが陽キャの考え方なのか……というのが、アユちゃんに対しての印象でした。笑  でもそれが苦手だと言っているのではなく、未来が不安定でも、希望に満ちた不安定さだからこそ、この作品は安心して読んでいられるんですよね。この明るさがいいよなあ。
 人間も、ポケモンたちもなんですが、登場キャラがみんな優しい。ひたむきで、まっすぐ。「毒がなさすぎる」ともとれるけれど、上述のように綺麗で明るい物語であるならば、この作品はそれで良かったのだと思います。気になったのはアユちゃんだけ方言が出てなかったことくらいでした(越してきたという様子でもないし……書き分けの都合だったのかな?)。 好きなキャラとしては、ハジメさん以上に実はおじいちゃんなのですが、

>「なんでそんなん思たんや? ちっとも遅ない。大事なポケモンがおって、そいつと一緒に生きてくって決めたら、人間いつでも誰でもポケモントレーナーや。」

 この台詞……良いですよね。ぐっときました。今年の映画を彷彿とさせるようでした。誰だってポケモントレーナー、傍に大事なポケモンがいるなら。よいですね……しみじみ。病院シーンでのおじいちゃんの、気持ちや行いを肯定しながらももっといい方法があったとちゃんと指摘してくれるシーンも好きですね。綺麗、綺麗、まっすぐ、優しい、なんですけど、土台と言うか、根幹がすごくしっかりしていると思うんです。事件があって、大人の言葉を受けて成長して、しっかり足元を踏みしめて前に進んでいるという感じ。こう言ってくれる大人が傍にいるっていうのは、子どもにとって本当に良いことだなあと思います。こんな人たちに育まれたんだから、アユちゃんはきっとこれからも健やかに成長して、ポケモンの気持ちに寄り添える素敵なポケモンレンジャーになるはずですね。

 そんで、どこで泣いたかですよ。すいません、ここから自分でも何を言っているのかよく分らなくなっています笑。

>『私、その夢を、たくさん見た。』

 ここからなんですよ。ここからの展開でぶわあーーとくるんですよ。つまり、「お題の使い方」なんですよ。いやそこで? って思うじゃないですか、いや作者さんが思うかは分からないですけど私は思うんですよ私なんで泣いてるんだ……? って思いながら読むんですけど、何にグッときてるのは正直よくわかんないんですけど、めちゃくちゃグッとくるんですよ……!!
 「夢」を一つに絞らなけりゃいけない、それは「将来の夢」だけの話でなくて、夢想……空想、つまり、テーマAイラストを見て多くの人が思い描いた、この企画短編の没ネタの話でもあった。アユちゃんにとってはそうじゃなかったろうけど、読んでる私たちにとっては、そうだったんですよ。私たちも、無限の可能性の中から、ひとつに選ばなきゃいけないわけですよね、書く時間も有限だし企画に出せるのはひとつきりだし。そのネタを選ぶということは、あったかもしれないもっと良いネタの可能性を摘んでしまうことになる。それはネタだけでなくて、展開ひとつ、語彙ひとつとってもそうじゃないですか。展開や語彙の話でいくなら、自分語りばかりで本当に恐縮なんですが、私すごく長い連載を書いているんですよ。で、私の頭の中で夢中で空想してきた連載の未更新分を、執筆してネットに掲載する行為って、まさに、たったひとつを選び取って、他に頭の中にたっくさんある可能性を摘んでしまう行為なんですよね。伝わるか分かりませんが、それって私にとって、すごく残酷で苦しい行為なんですよ。でも、でも、

>『それじゃあ……夢はいつまでたっても夢のままだよ。何の役にも立たないままだよ。』

 そう、そう――そうなんですよ!! 決めなきゃ、選ばなきゃ、前に進めないんですよ……っ!!
 このように「進路選択」という部分では感情移入できなかったものが、ここにきて、めっちゃくちゃ深い共感に至ったわけです!!笑 ああっ、わかる、気持ちわかるなあ……!! しかもムンナが運んでいた(まず夢を探してあげるという行為がかわいいし尊いよね)この「夢」は、もしかしたら、私の「夢」だったかもしれないんでしょ。読んでる参加者の心の中まで利用して巻き込むような、このお題の使い方、まさに「企画だからこそ出来る」小説ですよね……っ!! あ~すごい。企画と言う舞台まで無理なく利用してきてるんだから本当に凄いです。私の没ネタも、こうやって世界の一部になってればいいなあ、またどこかで再会できれば幸せだなあ。幸せだあ……。いやああったかい気持ちになりました。お題の使い方についての感想がめっちゃ的外れの感想になってる気がして本当に申し訳ないのですが笑、ストレートに読んでも、アユちゃんの悩みに示される解としては、とっても好ましくて美しい、これ以上にないものだったと感じます。
 本当にひたむきでまっすぐで、素直で美しい、大変まとまりの良い上質な短編作品だったと思います。いや~、浄化されました! こんな作品を描ける綺麗な心が本当に本当に欲しいです……!!笑
 投稿お疲れさまでした!
はやめさん
評価:☆☆☆☆
 この作品の流れは、アユの以下の台詞によって説明されているように思えました。
「私ね、なんとなく勉強していれば何にでもなれるような気がしてた。可能性をいっぱい持ってるのが居心地良くて、そこから抜け出すのが怖かった。だけどそれで結局何にもなれなかったの。人とポケモンの役に立ちたいって気持ち、何一つ形にできなかった。だからそんな中途半端、もうやめる。私はたくさんの知識を得たい、技術を学びたい。困っている誰かを助けるために、人とポケモンの役に立つために。そのためにポケモンレンジャーになりたい。」
 進路モノですねえ……つい最近までの自分のことのように思い出され、身につまされる思いです。もしかしたら、自分もアユと同じような変遷を辿ったのかもしれないなと感じました。何にでもなれるかもしれないという可能性、それを居心地良く感じて、モラトリアムのはざまに漂って、このままでもいいんじゃないか? という甘えにすがってしまう。何もしないで施しを受けることは、とても楽ですからね。
 でもそうではいけなくて。何かを始めて、何かにならなければ、何も持っていないのと同じこと。皆そうやって、自分で自分のことを考える歳になり、自立していくんですよね。 
 自分の価値観が変わったせいか、アユの「可能性を持っていること」に対する共感がいまひとつ出来なくなっていることに驚きました。でもよくよく考えると、最初は自分だって足踏みしていたというか、あれもこれもと慎重に吟味して、欲張りだったことを思い出します。なんか自分語りが多くて大変申し訳ないのですが、この作品はやはりある意味では自分はどうだったかなと、追想させるようなつくりにもなっていると思うんですよね。進路って、ものすごく身近で、誰もが通る題材じゃないですか。アユは早い段階からレンジャーという方向性をきっちり定められて、凄いなと思います。
 お話は大変良く出来ていて素晴らしいなと思う一方、アユがレンジャーになるという既決の結末に向かってストーリーラインが流れている、という印象も拭えませんでした……。そこに至るまでが結構早かったというか、あっさり決まったなというか、もうちょい感情移入していたかったです……。確かにシキジカを自分のせいで大怪我させてしまった、という苦労はありますし、別に苦労することが良いとは全く思いませんが、物語ですので、盛り上がりをもう一山設けて欲しかったなというのがありました。アユがレンジャーになる夢を抱くこと自体は本当に素晴らしい結末ですし、自分もレンジャーを描いているので企画内でこういう形で取り扱ってくれる小説を読めて、とても嬉しかったです。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
 このくらいの年なら誰もが抱えそうな悩みに焦点を当てた話ですね。私も将来はどうしようか、かなり悩んだものです。話の最後に「アユの可能性が小さな発芽を迎えるのに、それほど時間はかからなかった」とあるので、彼女はこれからポケモンレンジャーへの道へと進んでいくのでしょうね。
 小さな可能性を掴んだ彼女が険しい道を乗り越え、無事に夢を叶えることを応援したいです。
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆☆
わやさん
評価:☆☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
ionさん
評価:☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆
秋桜さん
評価:☆☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆☆