楽園の輪舞曲の感想

終夜さん
評価:☆☆☆☆☆
登場人物の名前で花言葉を調べてみると、しんどさ倍プッシュでますます切なくなりました……ナズナちゃんマジヒロイン……。
ループ+楽園の人柱となった守護者、という設定のコンボが実にえぐいですね。
緊迫感のある戦闘描写の数々に魅せられました。ありがとうございました。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆
次々と学園を襲う侵入者との壮絶な戦いが印象的でした。
セレビィの時間移動が上手く使われていて良かったです。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆
感想というより私の心の叫びになってしまいます、失礼いたします。もう一周したいです!!できればナズナさんで!!かなわない願望ではありますが!!(´;ω;`)このお話はこのお話で完結しているのですが、なんだか、このお話を救うまた別のストーリーがあるような、あってほしいと願いたくなるような、そんなお話でした。流れるような戦闘描写と心理描写が熱かったです!!
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
忍装束に身を包んだ、若き守護者の闘いと死の話。

ポケモンという題材から構築された、独特の世界観。繰り返される凄惨な戦い。
ストーリーで理解できなかった部分はありましたが……それでも、この作品には星7に足る凄まじい魅力を感じました。

敵も味方も、とにかく登場人物が良いんですよ。その中でも、主人公のミズキが本当に素晴らしかった!
冷徹な守護者を務めながら、その本質は、泣き虫で、痛みが嫌で、幼馴染が大好きな少年ミーくん。
私は弱いんですよ。彼の様なキャラクターに……

「作品から感じる魅力」と言う観点で言うならば、私の中ではポケストカーニバルのトップ作品です。
この作品を読めて良かったです。ありがとうございました!

好きポイント
・振り切った、独特な世界観! 文字通り、生死を賭けたポケモンバトル。繰り返される痛み、血、そして死。
・繰り返される毎に変わっていく、守護者と敵対者との関係性。
・「忍者ポケモン」使いの正体。
・守護者「ミズキ」と、泣き虫「ミーくん」。私とボク。少年の二つの姿。
・最後の最期で格好つけられずに泣くミーくんの、なっちゃんへの本心の吐露。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆
徹底的に可愛らしさや癒し、和みの要素を削ぎ落とした、楽園を守れなければ終わりの、戦いのみの世界。ひたすらにミズキが格好良く、冷徹に役目をこなそうとする姿の中に少しだけ垣間見える少年らしさや、人を殺すことに徹しきれないところがまた人間的な厚みを増していて、大変良いキャラ造形でありました。
そしてこの、どの選択肢を選んでも誰かが命を落とし、どこかしら苦い結末になるというのが、洋ゲーのようで苦味があっていい。何もかもがリセットされるのでなく、自身の記憶のみが残ることでどんどんミズキが自分を追い込んでいき、時間が戻るたびにナズナとの気持ちがずれていくところが痛々しかった。この作品のR15はただ苦いだけではなく精神的なものでもあるような気がします。
でもやっぱり最後まで読んで「これしか手段はないのか」という思いに駆られてしまうことは確かですね…あとシグレがとにかく可哀想で仕方ない。何度も時間を遡る中でボロボロに傷つきながら健気に尽くしてきたのに、せっかく進化できるほど通い合えたのに、その相手が最後にこんな終りを迎えるなんて…幸せになって欲しかった…
カイさん
評価:☆☆☆☆☆
守護者の使命、なんて重いのでしょう。ひっきりなしにやってくる敵と戦わなければならないなんて、ナズナの言う通り、逃げても不思議はない役職ですね。植物を剪定するように切り捨てられる運命にも、痛みを感じて生きていた人やポケモンが確実にいるというのに…。
その中で戦い抜くミズキは年少ながらも非常に強い人だと思いますが、それよりもさらに、無駄な殺生を嫌いその輪廻と呪いを断ち切った彼の覚悟と信念が、物語の後半で強く輝いている印象でした。同志としてのリオルから、パートナーとしてのルカリオへの進化も胸の熱くなる展開でした。
それだけに、主人公の死で終わる結末がとても悲しいですが、それが彼が満足して選び取った幕引きであったというのなら、涙の称賛を送りたく思います。
花鳥風月さん
評価:☆☆☆
久しぶりにバッドエンドの王道を見たような気がします……!
丁寧かつ流れるような、それでいてR-15らしく容赦のない戦闘描写に圧巻されました。最後にタイトルをもってくるというのも粋です。
リングさん
評価:☆☆
世界観が訳が分からない。
大樹を守る理由が分からない? 力を得られるとか、何かとてつもない効果があるようになっているが、そもそも力を手に入れられる割には守護者が弱いし。
当然守護者は一般人よりはるかに強いとはいえ、複数のポケモンを相手にするにはあまりに力不足、守護者のポケモンもまだ進化すらしていないリオルとか舐めてんのかって感じ。
守護者を決めた大人たちも出てこないし、あれならジムリーダーくらいのトレーナーが戦ったほうがよっぽど強いんじゃないだろうか。
当然、このお話の時代は現代の話とは違うからジムもポケセンもないと思われますが、例えば主人公にアイリスとかグリーンのような天才的な才能や風格があるかといえば、全然ないと思います。大地から力を得ても、棒立ちの大人一人を一撃で気絶させられない程度ですし……もちろん、敵も異能というか特殊能力持ち、ほかでも同じような木の実を何種類も食ってたのかという可能性はありますが……


そして大人たちはいったい何をやっているのか、子供に守護者を任せるし、守護者の数もたった一人だし、訳が分からない。大人たちが数で押して戦ったほうがよっぽどいいし、襲撃者も一人とか三人とか、一桁でやってくるとか馬鹿じゃないかと。もっと複数で来いよ、守護者に勝てたら木の実がもらえる試練、じゃないんだから。
逆に、リオルと少年だけで二〇人倒せるならそれは『守護者が弱い』と思うこともなくなるし、守護者が『大地やポケモンの力を借りる』ことで、『指揮官がやられない』という意味を持たせることもできます。リオルがいくら強くても、指揮者がやられたら困りますからね。
子供しか守護者ができないとか、もう守護者の才覚があるのが一人しかいないとかならわかるのですが、だからと言って大人が戦わない理由にはなりませんけれどね。敵も一日に三人来るようだから、年中無休そうですし、ブラック企業顔負けです
ラプエルさん
評価:☆☆☆
不思議な世界観のお話でした。「守護者」がポケモンの力を借りるという発想はポケモンレンジャーにも通ずるところがあるのかなあとも思いましたが、波導の力をそのまま自分で使うことができるのは面白いです。

ループもののようなシーンが目立っていましたが、どのような道理だったのかがイマイチ読み解けませんでした、申し訳ない…
バトルシーンの重厚さは好みでした。ただ、それが際立っていてテーマAの象徴たるイラストのシーンを強く感じさせるような場面に乏しかったのが残念だなあと思いました。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
・伝統的な雰囲気の中で展開されるSF的な世界観が新鮮でした。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
ループする時間の中で繰り返される愛情と戦闘が心をドキドキさせてくれました!
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆☆
バトル描写で殴るタイプですね。人間がポケモンをばったばったとノしていく戦闘は私はじめて読んだかも。ポケモンの技や特性も鮮やかに仕込まれていて、多人数戦だったりタイマンだったり、ループを挟んで同じバトルでも主人公が手負いの状態でスタートだったりと変化をつける工夫が見られたのもいいですねえ。1日に襲撃者3組は多すぎだろとか、集落の方を狙われたらどうすんのとか、ヒロインが颯爽と現れアッサリ斬られる急展開、シリアスなのにいきなり飛び出す誤字に興を削がれる、などなどツッコミ所は少なくありませんが、「これが書きたくて書いたんだ読め!!!」っていう作者様の強い情熱が確かに伝わってくる文章はとてもとても魅力的。
ループを経て主人公の行き着いた先が不殺でしたが、果たしてそれが正解なのでしょうか。けっきょくラスボスと刺し違えているし、最後まで激アツなバトルを突き通してほしかった。読み手としては“守護者の運命に縛られて拳を振るうのではなく、好きな人を護るために刀を抜く”彼がちゃんと読みたかったな……、って肩透かしを食らわされたような気分。すべてのループのすべての戦いを順当に描く必要はないですし、戦闘描写を魅せるのか、ループものの構造を生かすのか、主人公とヒロインの離別で泣かせたいのか、どれかに焦点を絞って字数配分できるとよかったかも。これらの要素がお互いに足を引っ張っていた印象です。
とくに最期の死別シーン、それまでさんざん死人が出ているせいで(なんなら主人公も3回しんでますよね)ぜんぜん感動的な気分にはならないです。もっとアッサリでいいかなあ。でもかんざしの形見を託すのと、守護者の呪縛から解放されて愛しい人の呼び方が変わるの個人的にぶっちぎりの性癖どストライク性癖な演出なのでありがとう〜〜〜って読後感でしたありがとう。
コメットさん
評価:スキップ
タイトルに篭められた意味、主人公たちの名前が持つ意味、実は描き切れなかった設定や幻の“五周目”など、語りたい事はいっぱいあります。しかし、感想欄にそれを書くのもあれという事で、その辺の後日談(?)は某SNSの方ででも纏めるとして。この作品はB部門以上に悩みに悩んで生まれたものなので、手に取って読んでいただけただけでも最高の幸せです。読んでくださった皆さん、改めてありがとうございました。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆
そしてミズキは殊に、“波動”という力を賦与されており、
波動→波導
ではないでしょうか。意図的に「波動」としてあるのであれば問題ありません。

何度世界が変わっても、誰かしらが嗤って奪い去る。
繰り返して三度目で、ようやく気付いた自らの使命。
むぅ。哀しい物語、とひとくくりにしてしまえるほど簡単な物語ではないような気がします。少女にとってはバッドエンドでも、少年にとってはやっと掴んだハッピーエンド……と解釈してよいのやらどうやら。何度も繰り返される中で、少年だけが記憶を持っている。一度命を落とした。一度は深い傷を負った。一度は想い人を殺された。その末に辿り着いた答えが、それまで守ってきたものと、「守護者」の存在を同時に壊してしまうことだったなんて。確かに、同じ未来を辿る者は二度と現れなくても済むかもしれません。でも、他に何か道はなかっただろうかって、どうしても考えてしまいます。これはエゴです。
戦いの描写がキレッキレでいいなぁって思います。そこに挟まれる少年の葛藤も。ちょっと難しい言葉で書かれているのがまた、いい雰囲気を出しているなぁと思います。
照風めめさん
評価:☆☆
あ、剪定事象だ!
今回は時渡りモノ多いですが、その中でもがっつりループしてる作品ですね。
バトル描写が濃厚なのもこの作品の特徴だと思います。
ループこそしているんですが、全ては最後のループのために繋がってるのがいいですね。
全体的にバトルの描写に注力して、ストーリーが薄味になっていたように感じます。尺が足りていないのかな? と思いました。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆
「ニンジャごっこ」というトレーナーはゲーム中にも存在しますが、「ごっこ」の域を遙かに超えた命の取り合いの様子が緻密に描かれていて納得のR-15。「守護者」というヒロイックな名前で背負う役割が完全なダークヒーローなのがいい。
守護者として背負ったその過酷な使命、そして自らの死をきっかけに時間が巻き戻り、激しい戦いと死に何度も直面するのがまだ守護者となって間もない少年というのもその壮絶さを引き立てており、自らの刃で人を殺めるどころかその小刀を抜くことさえ躊躇していた主人公がパートナーにさえ心を閉ざし、恐怖と罪悪感に苦しむ姿はこちらまでも胸が痛くなるようでした。
しかし一旦どん底まで落ちたからこそその後の希望を得ての再起が一際輝いており、トレーナーになつくことで進化するリオルの原作設定とも相まってその心の動きをしっかりと表現できていたのはとても良い点だと感じました。
ですが制限字数に比してループによる繰り返しが4回と、字数的にも大変厳しい戦いをされたのではないかと思います。それまでの集積を生かして最大限の効率化を図った結果という書き方はされているのですが、最終ループでの解決がやや駆け足に感じてしまうところはありました。
人間がポケモンと同等に戦う活劇ものは戦いというポケモンの活躍の場を人間が奪ってしまうこともあり、その両者を生かした構成が難しいジャンルだと感じているのですが、原作でも人間が扱っていた描写があった波導やそれを守護者としての特別な力とすること、リオルとの心の支え合いの描写などを駆使し、その難度の高いジャンルを見事成立させていると思います。
森羅さん
評価:☆☆☆
「らくえんのろんど」じゃないんですか! 「りんぶきょく」なんですか!?
ループモノですね、ループモノ。ループしてもあの結末なのがR15たる所以なのでしょうか……。セレビィが手を貸す理由やこの「ループが起こる呪い」がどこから発生したのかよくわからなかったのが残念なのと、セレビィの口調がころころ変わるのがちょっと違和感でした……。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆
 読み切り漫画を読んでいるような気分になりました。時間が巻き戻ったときからどう話をもっていくのかわくわくしていましたが、護るべきものまで壊して続いていた呪いに終止符を打つと言う展開、自分を犠牲に、という展開は、手に汗握るとても熱くなれる展開でした。ただ、ナズナをもっと掘り下げたり、最後の回答にいきつくまでに、ミズキとシグレの関係の掘り下げや切れ込みをいれておくと、もっともっと良かったのかななんて思いますが、この作品のこの塩梅でも十分面白かったですし、どうなんでしょうね。難しいです。
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆
 戦闘描写がハードでスリリング、スピード感も合って読んでいて引き込まれました。綿密な世界観や複数の設定を盛り込むのは読み切り作品では尺の問題もあって、ハイリスクというイメージがあります。守護者や楽園、黄金の果実などといった専門用語が飛び交い、企画の字数制限内で収めるには勿体なかったのではないかという感覚は否めないです。ミズキとナズナの関係についても、戦闘描写が作中のメインだったので掘り下げる前に物語が終了してしまったように感じました。ミズキはナズナが守護者になる運命を拒否したことで代わりに自分が選ばれた事実は寝耳に水だったみたいですが、守護者になる・ならないは当事者に選択権があるのでしょうか。ナズナを守るため、ミズキが命を捨てて守護者と黄金の実を両方とも断ち切るという道を選んだにもかかわらず、ナズナにミズキ以上の素質があったのならば、ミズキの死とともに守護者の宿命がナズナにふたたびスライドしてもおかしくないと思ったのですが、これも選択権があるなら拒否したら済む話なのでしょうか。悲劇を生み出す黄金の実と守護者を未来へつながないことで、黄金の実を守り抜いた先代たちの遺志や犠牲になったものたちの命は浮かばれるかどうかと考えると、難しい問題だと思います。物語はミズキの死で幕を下ろしていますが、主演の終焉をもってと言われましても、まだ大樹も枯れてはいないことですし、今度はナズナがセレビィを執念で呼び出して過去に戻って未来を変える、なんてことも起こりえそうだなと感じました。投稿、お疲れ様でした。
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆
 戦いの描写に圧倒されました。作者さんつよい。私は戦闘とか書くの苦手なので、こう、動きがあって、濃密で、結末の読めない手に汗握るバトルシーンがいくつも入っているこの作品はとにかくすごいなとただただ感心して読んでおりました。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆
 単刀直入に申しまして面白かったです、面白かったんですがあああああーーーバッドエンドだ!! ハピエンスキーの私が咽び泣いています、何故だー!! 何故殺したー!!笑
 いやまあ、バッドエンドとは言いますが、このエンディングでしかミズキくんを救済することはできなかったんですよね……? 自分が死んで、ナズナちゃんの働きによって果実が永遠に失われれば、守護者という因縁は絶たれる。この行いによって、ミズキくんはこれから先に自分のように悲しい宿命を背負う人が現れないように、そのためにこの選択をしたんですよね? だからまあバッドエンドっていうか……そういう意味ではミズキくんの願いが叶ってのエンディングと言える……だから完膚なきまでのバッドエンドではない、そうなんですよね? ああ~…でも、ミズキくんは本当は普通の男の子で、ナズナちゃんと一緒にお祭りに行ったりしたかったんですよね……? 髪飾りをつけてるナズナちゃんが笑っているところを見たかったんですよね……? 序盤に出てきた髪飾りをそんな……そんな使い方をするなんて……ウッ……セレビィよ、この惨状を見て君は何を思うんだ……君の力でどうにかならなかったのか(まあならないからこうなったんでしょうけど)……他の選択肢はなかったのか……いや~虚無感がハンパないですね。ううう……読み返すのがしんどいほど殺傷力が高かったです……(もちろん誉め言葉です!!) 
 戦闘描写が熱い。ですがそれ以上に、この作品は心理描写が熱いと感じました。特に三周目の心理描写の迫力は凄まじいものがありました、命のやりとりをしている壮絶さを、重厚な文章の圧力でしっかりと描き切られていると感じました。

>ただがむしゃらに、体力が尽きるまで走り続ける。足よりも、胸よりも、心が痛いと叫んでいたから。

 ここがめちゃくちゃ好きです。個人的に今回テーマAの中でもトップ3に入る心に残った文章になったと思います。いやああ~刺さる……この三周目・wave1の敵を屠るところの心理描写、本当にたまんないですね。追い詰められきって壊れかけてヤバいことになってるミズキくんの内心にマグマのように煮えたぎる怒り、それでいて冷徹な精神、ひとつのきっかけで噴きあがるぎりぎりの心の攻防が非常に巧みに描き出されていたと思います。短刀をついに振るったところもよかった。こういうの書くの超楽しいですよね、分かります笑。でもパワーがいるんだよなあ。このパワーは凄いなあ。いやあ本当にカッコイイ……。中二心がこれでもかと擽られました……笑
 大樹と果実が守られるという未来が選択されない限り、無限に同じ時を繰り返し続ける。そんな大樹による時間遡行の呪いに、セレビィの「ときわたり」の力で干渉することで、ループを阻止する? というお話……と読み解きました(あまり自信がない)。一度目と二度目、ナズナちゃんの行動が大きく変わった理由は何? 実はナズナちゃんもループしていたんだろうか……とも考えましたが、『並行世界』だから、起こる概要は同じでも子細な部分では勝手に枝分かれしていくものなのでしょうね。この設定、シナリオは大変面白く、楽しませていただきました。ただ、「このきのみはそんなに大事なの? 食べると力が得られるとは何? なにが『楽園』? なんで独占してるの? なんで一人で守ってるの? しかもなんで子供が守護者なの? こんなに頻繁に狙われてるのに、そもそも侵入を防ぐ術は講じてないの? 何故少人数で小刻みに戦いに来るんだ? ミズキを『守護者』に選んだ他の人たちは何をしているの?」といった、「ここに至ることになった理由」という物語の背景が、やや説明不足だったかなという印象は受けてしまいました。舞台背景がもう少し鮮明に見えてくれば、疑問点にひっかかることなく、もっとこの作品の魅力に没頭することが出来るのではないかなあと、そこが惜しいなと思ったポイントでした。これほどの実力をお持ちの作者さんなら、きっとこのあたりも詰められるはずと感じています。
 前回大会(ポケストフェス)終了後、戦闘描写の多い作品はシナリオに割ける字数が減るから不利なのではないか、という話が出ていました。ですが、ポケモン小説ですもの、やっぱりバトルも読みたいですよね。今回大会もバトルシーンに字数をかけた作品が少なかった印象ですが、個人的には、バトルシーンをうまくシナリオに組み込んだ作品にもっと出てきてほしいと思っています(私も書いてみたい)。難しいけれど、だからこそ挑戦し甲斐がある! この作品は、ほぼ全編を通して戦闘ガン振りにもかかわらず、とても読み応えあるシナリオを組み上げられていました。これは凄いことではないでしょうか! 意欲作だと私は思います。作者さんのこのチャレンジ精神に、拍手を送りたいところです!
 投稿お疲れさまでした! 
はやめさん
評価:☆☆☆
 作者さんがやりたいであろうことを存分に筆に興している、きっと楽しんで書かれたのではないかなと読んでいて思いました。波動や得物を用いた殺陣は緊張感があり、スムーズなテンポから、バトルシーンを書き慣れた方であろうことが伝わってきます。
 自分もバトル系作品をいくつか書いているので、その点親近感が湧きます。個人的に思ったんですが、吹き矢を戦闘の最中にも取り入れることで、また違う駆け引きやトリッキーな戦い方が生まれるから、よりバトルの択を増やせるのではないかと感じました。割と吹き矢が強そうな割には、あまり使われている場面が無かったので、これをはじめとした、もっと小道具を活かした戦闘というのも見てみたい気持ちがありました。
 また、シグレを大切なパートナーであると認識する場面など、もっと文字数を使うことでグッと感情が昂ぶるようなシーンが、割とさらりと流れてしまっている感じがあって、もったいないなと思いました。画面いっぱいに展開・凝縮される文字列の中で、ほぼ均一のテンションによる進行が続いたので、書き手側的にはどこを目立たせたいかというのが少し伝わりにくかった気がします。
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆
 今回では珍しい、バトルシーンが豊富な小説でしたね。描写自体は淡々としていても、躍動感や迫力が伝わってくるような戦闘描写に胸が踊りました。僕もこんな戦闘シーンを書きたい。でもラストシーンでシグレとエルレイドの戦いが描かれていなかったのが、戦闘シーンの描写が見事なだけに少々残念に思います。
 ナズナの言った"自分の名前の意味、全う出来た"というのは、ナズナの花言葉「あなたに私のすべてを捧げます」にちなんだものでしょうか。覚悟を決めて計画を遂行してからの『死にたくない』と呟くラストシーンも心に刺さりました。
逆行さん
評価:☆☆☆☆
 ループものですね。セレビィの仕業だということはなんとなく読めてはいましたが、何度も挑み続ける様子を楽しく読むことができました。なんだかパチスロを思い浮かべてしまいました(すいません)。いやいや全然悪い意味じゃないですよ。何回も何回も絵柄が揃うまでやり直している感じが自分は好きでしたね。 
 枝分かれしているパラレルワールドの書き方がすっごく面白かったです。次はどうなるんだろうってワクワクしながら読み進めていくことができました。どうすれば殺されずに済むのか必死に考えて、行動に修正を加えていく。しかし中々ゴールにはたどりつけず、結局主人公は生き残るという目標を彼女を守るという目標に変えた。この流れが非常に良かったなあと思います。オチは陰惨でしたが、悪くない読了感でした。 
 お話の大部分をしめるバトルシーンも上手く描写しているなあっていう印象です。同じポケモンとの戦闘ばかりでしたが楽しめました。硬派な文体で繰り出される肉弾戦は圧巻でしたね。人間が一緒になって戦うっていうのも新鮮で良かったと思います。 
 世界観の説明をもう少し加えて頂けると嬉しいかなあって思います。守護者に関する説明はありましたが、それ以外の説明がちょっと不足していたかなあと。パチスロだったら世界観の説明は要らないですが(知ってる機種でしか遊ばないし)、小説は要ると思います。『壱』の前に『零』を入れて、そこで世界観の説明をしてからループに入ると分かりやすかったかなあって思います。三人称ですし、そのあたりは融通が効きやすいかなあと。世界観が分かれば、主人公の心情に感情移入がしやすくなる部分もあると思います。 
 後欲を言えばもう二回ぐらいループしてるのが見たかった感じもありました。もっと見たいって思ってしまいましたね。ただ文字数制限的にこれはしょうがないですかね。むしろ三万文字という制限の中ではよく纏まっていると思います。 
 ループものは自分も好きですので、同じようなお話をいつか書いてみたいなあと思いました。投稿お疲れ様でした! 
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆
 バトルシーンの描写が非常に凝っていて、作者さんの努力をひしひしと感じる部分でした。戦いの中でリオルがルカリオに進化したり、そういうシーンはぐっときますね。守護者という大命を負い、気張ろうとするけれど、どうしてもナズナの前だと子供っぽいところが抜けない、そんなミズキというキャラクターのかわいらしさと相反する戦闘時の冷徹さというものを、上手く両立させている印象です。
 あと、ミズキが肆のところで、余計な争いをしないで盗賊も隣村の襲撃者も生かす道を選ぶところ、個人的に良いなと思ったところです。主人公にとっては確かに、ナズナを守るためにとった行為の一つにすぎないわけですが、戦って決着をつけることに拘らないスタンスというものを自分で選んで実行したというところ、これって現実にはかなり難しいことだと思っていて、どうしてもしきたりとかそういったもの(楽園の場合は侵入者全員排除、みたいな感じの掟がありそうですね)に拘泥してしまいがちなところを、よく打破してくれた、そう思えました。
 ただ、自分が死ぬ経験をする展開を、特に初回のループ(弐)のところでそれを夢だという風にあっさり納得していたり、その直後に来る盗賊についても、夢の通りであることについて何の疑念も抱かなかったり、そういうところから主人公が事態をすぐに飲み込み過ぎているような感覚を受けました。もう少し驚くとか、もしやと思うとか、そういった心情描写があったら印象も変わるかもしれません。大樹の加護的なアレでそういった正夢(予知夢)をよく見るとかで、例えばそれが日常茶飯事なことであるならば、そういった設定の説明も欲しいところ。
 あと、「楽園を守る使命の重要性」をもっと強調していただきたかったです。力を得られる果実を狙う輩の対処、そのための先代から受け継いだ守護者という役割、といった設定に破綻があるわけではないですが、使命を投げ出してでもナズナを守りたい、と決心するにあたり、投げ出すものの大きさを感じさせる描写が欲しかったところ。近くに集落があるっぽいですし、集落の住人からの期待が重いだとか、あるいは土地の歴史みたいなものを少し足すとか。
 ループものという題材で似たシーンを何度も書くにあたり、どう飽きさせず演出するか、とても悩まれたのが文章から見えるようでありました。挑戦的な姿勢は私も見習わなければならないと思っているところです。
春さん
評価:☆☆☆☆
 オボンの実の守護者の、繰り返す時間の話。
 戦闘描写がおそらく7割を占める、硬質な文章の作品。もうちょっと軟質な文章が好みなので、文章力のある作者さんなのですが、「これは少し相性が悪そうだな……」と思いながら読んでいました。戦闘描写がかなり多いので、戦闘を書くのが好きな作者さんなのかな? 読みつつ思ったのですが、一文の構成が「~~~~、~~~~~~。」の形が多い様に思います。主観で申し訳ないのですが、「、」ではなくいっそ「。」と文章を分けてしまうと読みやすいのでは。一文に入っている情報が多すぎると、読んでいて息切れを起しやすいそうです。これはこれで文章の個性だと言われれば、それまでだとも思いますが……。
 ミー君とナズナちゃんの関係性が重要になっているみたいです。終盤、なずなちゃんが「自分が守護者だ」と言い出すシーンですが、ナズナちゃんにあんまり感情移入できなかった事もあり、読み手側の感情としてはいまいち盛り上がらなかったように思います。どっちかというと、とっつあんを殺された少年とのシーンの方が比重が大きい? 最終シーンまでにナズナちゃんとの関係性を掘り下げ、守護者の伏線を書けると良かったと思います。特に彼女の心情や事情、立場などはあまり語られなかったように感じます。「キャラがどう感じているか」も大事ですが、同時に「読み手がキャラをどう見ているか」も個々のシーンの感じ方に関係しているのではないでしょうか。どのシーンもかなりの密度で書きこまれていますが、シーンごとの比重を考慮して、大切なシーンの比重を重く、それ以外のシーンをやや軽めにすいてみては。殺伐とした世界観で淡々と生き死にについて書きたい、という事であれば、逆にミー君の前にセレビィは姿を現すべきではなかったと思いますし、ミー君もナズナを救いたいとか言わない方が良かったと思います。どちらに振りきるかは作者さん次第だと思います。
雪椿さん
評価:☆☆☆
 よくある(?)タイムループもので、主人公にとっての救いがない少し悲しい話でした。しかし主人公や彼女にとってはバッドエンドでも、周りの人やこの先のことを考えるとハッピーエンドに近い終わり方。つまりはメリーバッドエンドでしょうか。メリーバッドエンドは嫌いではないです。むしろ好きな部類に入ります(え)。
 木がなくなったことで平和が訪れた楽園を見て、彼女は何を思うのでしょうか。想像すると少し悲しいですね……。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆
2回目で何が起こったのか分からず、3回目でループに気付きました。読み終わってみれば、2回目が1回目より悪い結果になっているところが好きです。やり直しても、状況が良くなっていくとは限らない。何が起こっているのか分からず、繰り返すたびに精神的にも疲弊していく。そこからのシグレの進化シーンは胸が熱くなりました。
ミズキが最期に本音を漏らすところも良かったです。
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆
わやさん
評価:☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆
ionさん
評価:☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
一葉さん
評価:☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆
秋桜さん
評価:☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆