二つの物語の感想

リングさん
評価:☆☆
逆から読んでみたんですけれど、けっきょく何が起こっているかわからず……おじさんと主人公が同じ名前ということは、時空を超えた近親相姦物語なのでしょうか?
秋桜さん
評価:☆☆
読み方が悪いのかどうしても物語が1つしかわかりませんでした。答えをください……
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
木を愛する人間とポケモン達との関係がありのままに描かれた爽やかな作品でした!
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆☆
折り返すことで視点が変わって違った見方ができる、面白い作品だと思いました。
テーマ絵のオボンが浮かんでいるという発想も面白いと思いました。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆
基本的にラストから上にスクロールしながらこれまでの章を逆に読み直す形式は、頻繁にスクロールを挟むためWeb小説の形態とは今ひとつ相性が合わないように思うのですが、この小説はずっと一つの場面の中で展開していくのと、一つ一つの章が短かったため、そこまでの読みづらさは感じず、じっくりと仕掛けに浸ることができました。このお話を理解しきれたかどうかはわかりませんが…
結局、このオボンの樹にはミュウとセレビィの二匹が住むようになったということでいいんでしょうか?一度ラストまで読み、そこから戻っていくということは、一章の光景が実は物語の時系列としてはラスト?
1章~4章までのラキのおじさんが6章以降のラキだったならば、なぜ前半のラキは自分と同じ名前のおじさんのことをちゃんと知らなかったのか。不思議な樹を育てている自分と同じ名前のおじさんがいて、自身も樹を育てることを仕事としているなら、石碑の主にも心当たりがありそうなものですが…
細かく見ていくと疑問点が色々出てきて、読み込みが足りないのかなぁ、とも悩んだのですが、いろいろ考えた結果、私の中では「ミュウやセレビィが寄ってくるほどの不思議な樹なので、時空がどうかなってもおかしくない」「この樹は普通の時空から隔絶されたところにあって、少しずつ違う運命を背負った『ラキ』と『マヤ』との出会いと別れを永遠に繰り返している」というお話になりましたが、これで大丈夫でしょうか…確かにラストに解釈は無限という旨のことが書いてはありますが、それはどんなお話でもそうなので、やっぱり他の小説と同じように、読み違えたり見落としてたらどうしよう、という不安は拭えません。
それでも私のこの解釈を作者様が許してくださるのであれば、なんだか凄く幻想的なお話だったな、繰り返す運命って面白いなぁ、と、テーマ絵のオボンの樹に時を超えて何度もやってくるラキの姿を重ねながら読み終わりたいな、と思います。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆
全11章の区切りを逆から読むと、過去のラキの物語になり、現在のラキに繋がっていく、という事ですね。
ツイッターで流行った短い小説で、右から読むのと左から読むのとで意味が変わる小説を書いている方がおられましたが、長文にそのアイデアを落とし込むという試みが挑戦的で、好感を持てました。
二つの物語の中で、ラキは三人出てくる、という解釈を自分はしたのですが、どうでしょう。(自信がない)
物語自体は逆から読んでもさほど変わらないので、そこだけ残念だったかな、と思います。
葉穂々さん
評価:☆☆☆
不思議な構造の作品ですね。
果たして、どちらが始まりなのか……?

好きポイント
・挑戦的な文章構造。
・小粋なオーロット。美味しい果実が生るんでしょうか、このオーロットには?
あまもさん
評価:☆☆☆
下から読んでも、上から読んでも、お話が合流する、面白いです!書くのに途方もない苦労をしそうです…!はじめは、繰り返し構造のお話なのかな、と思いましたが、この構造は面白いですね!しかも、とても解釈の自由度が高いお話だなとも思いました。
花鳥風月さん
評価:☆☆☆
上から読んでも下から読んでも成立するとは……!なかなか思いつかないアイディアだと思いました!
ただその分、話が単調かなってわたしは感じてしまったのでもう少しメリハリがあったらなぁって思いました。
Pさん
評価:☆☆☆
上から読んでも下から読んでもOK、まさにマスクネーム通りのReversible。この発想はなかった。
このトリックを成立させるために様々なことを苦慮されたことと思います。しかしその過程で(主に同じ名前の別人である上からの主人公と、下からの主人公が混在するために)やや話のわかりにくくなるところも存在しており、この形式の難易度が非常に高いことを強く意識します。
また、お題イラストのオボンを絵そのままの「浮いている」状態で固定したのはとても面白かったです。それは驚く。
上から読むのも下から読むのもいいですが、読んでいた時に思ったのは「1~9を紙に印刷して数字を消して好きに並べ替えてみたい」ということでした。この1~10まで数字つきで見たことがない人も呼んできてどんな話ができるのかをつぶさに見てみたい。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
一読したときはどういう意味だろうと思っていたのですが、指示通りマスクネームをもう一度見てからようやく理解しました。後ろから読んでも成立するようにできているお話なんですね、なるほど…
同じようなフレーズが繰り返されていると感じたのは、そこが逆から読んでも同じように中継点として機能するためというわけでしょうか。アイディアを思いついたとしても、テーマに沿う形のストーリーを限られた時間と文字数の中で表現するのは生半可なことではないでしょう。

「ラキ」「マヤ」の石碑のくだりで、どうして主人公と同じ名前が出てくるのだろうと思いましたが、もう一つの物語では兄妹がこの石碑を置いて育てていて、火事を境に別の物語に繋がるってことですかね…。
セレビィが絡んでいたということは「ときわたり」で長い長い時間を超えると、別の「ラキ」の物語に行きつくという解釈もできるでしょうか。とある漫画で時間を加速しつくすと一巡したパラレルワールドに行きつくというものがありましたが、ラキは違う世界のラキに出会い、違う物語を歩み始めたのでしょうか…ううーん、ちょっと私の妄想が強いので、結果発表後にあとがきなどが公開されればじっくり読みたいところです。
作者様の技量が光る作品でした。ありがとうございました!
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆
・二つの楽しみ方を作ろうとした事がすごいと思います。
森羅さん
評価:☆☆☆
ループモノ、ではないんでしょう。後ろから読んでも前から読んでも別のお話が読めるのがまたアイディアとして非常に斬新で、とても面白かったです!! ただすみません、同じ「キラ」という名前の登場人物が時代を変えて出てくる(「マヤ」さんとの石碑の関係で時代ループが起こっている? のでそのせいですが……)ので誰がどのキラさんなのか非常にわかり辛かったです。申し訳ありません。また、作者の意図が本編中にモロに入ってしまっているのが、どうしても……。すみません、「作者出てきて言っちゃうかー!」となってしまいました。
カイさん
評価:☆☆☆☆
この発想はめちゃくちゃ面白いですね~!逆から読むと別の物語が浮かび上がる、というのは短文小説で見たことがある手法なのですが、1万字越えの小説でこの試みを見たのは初めてです。
ただ、残念なことに私は初読(0→10→0)ではあまり上手く二つの物語を発見することができませんでした。全体像と章ごとを俯瞰しつつ、隠れた意味を探す旅にまた出てみようと思わせてくれる作品でした。
照風めめさん
評価:☆☆
この作品の試みはとても面白いと思います。
タイトルやマスクネームもギミックのために考えているなあと思いました。
その試みについてですが、三割成功、七割失敗であると感じています。
逆さまから読んでも成立する物語、という点では成功しています。よくこんな事思い付くし実行できるなあとも思います。
ですが、以下の二点に挙げられることに関しては失敗だと感じます。
①リバーシブルではあるが二つの物語ではない
逆さまから読んでも成立しますが、逆さまから読めるだけでありストーリーが激変している訳でもなく、少し徒労感がありました。また、逆さまから読む前にそれを予見できてしまいました。
また、気持ちはめっちゃ分かるんですが、後半の逆さまから読んでくださいアピールはどうしてもくどいと感じてしまいました。
②ストーリーとギミックの主従
今作ではギミックが主、ストーリーが従でした。言うならばギミックがポケモンキッズ本体で、ストーリーはそれについてくるラムネです。
そのため、ストーリーに対する感想がどうしても薄味となってしまいました。
もっとストーリーに山や谷を持たせたメリハリが欲しいなと思います。

作者さんの試みはとても意欲的であり、私は思いついても出来ないしやらないと思いますので、すごいと思いますが、大きな課題が散見されました。
とはいえこれに懲りずに今後より腕を磨いて、あっと言わせる作品を叩きつけてくれることを楽しみにしています。
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆
「読み手が読解力を試す」作品をテーマBで学びましたのでそうやって読みましたよ私えらいぞ。何か特殊な仕掛けがある、と冒頭&末尾で示してくれるとそういう作品に不慣れな読者には優しかったです。セレビィの力で火の手から護られた主人公、正順に読むと過去に、逆順に読むと未来に飛ばされ主人公が変わる、って話なのかな。妹はミュウか。
オボンの木を取り巻く、人間とポケモンの交流。夜の宴会があったり、火に呑まれたりと想像する絵に変化をつけてくれるのは楽しいですねえ。紅葉とか雪が積もるとか、そういう目に鮮やかなシーンは構成上削ったのでしょうか。欲を言えばそういうのが読みたかった。トリックを追わせるよりも、魅力的なシーンにトリックを仕込む書き方のが好みでした。
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
 読めば読むほど楽しめる作品ですね。上から読んだ時と下から読んだ時で話が変わってくるのはいいと思いました。しかし、その二つ以外はよくわからなかったのが残念なところです(読者の解釈によって話が変わる、というような感じでしたので、二つだけで正解なのかもしれませんが)。
 マスクネームを上手く使った話だと思いました。
春さん
評価:☆☆
 話自身が現実と2重構造になっているのは嫌いではないのですが……うーん……。個人的にはマスクネーム云々の話を最後に出されて、話に浸かって読んでいたのに一気に現実に無理やり引き戻された気分です。作者さんから伝えたいメッセージはそれぞれあるのかもしれませんが、それは匂わせたり、感じ取らせたり、悟らせたりするもので、直球で語るのと興ざめになってしまうと思います。あと読み返さないと理解できない構造になっている話って、あんまり好きじゃないんですよね……。「面白かったなぁ」ってなった後で、読み返して色々発見があるのは好きなんですが……。読み返して欲しい気持ちは分かりますが、それを文章の最後に強要されるのは嫌いです。
 話を貫通する手法としては、下から読んでも上から読んでも、って事ですね。マスクネームが「可逆」ですから。ラキさんが育てた木、お別れ、そしてまたラキさんが木を育てる……。発想としては面白かったと思います。個人的には、上から読んで下から読んで、よりは、くるくると円を描くように終りが始まりに繋がって循環する形式の方が読みやすかったし納得感も出て良かったかなぁと思います。後は、シーンごとの工夫が少ないと思うので、手法にこだわる以上に、シーンを読ませる面白さも追求できると良かったと思います。
 シーンが時系列に沿っていない特殊な形式は、特に読者の混乱を招きやすいです。謎解きは、読者自身が行わないといけません。謎かけした本人が答えを出してはいけないと思うのです。この形式に挑戦したハートは素晴らしいと思いますが、より丁寧に構成に気を使えると良かったです。
フィッターRさん
評価:☆☆
 後ろから読むと、前から読んだ時のお話の前日譚が読める、という構成でしょうか? 前から読んでも後ろから読んでも物語として成立する物語、という構造は面白いのですが、それ以上のものが見えてこないのが残念なお話でした。
 この構造を成立させるだけでもかなりの技量が必要だということはわかるのですが、どちらの読み方で読んでも物語の内容に大きな変化があるわけでもないので、似たようなお話を2回読んだという印象しか残りませんでした。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆
 前から読んでも後ろから読んでも物語として成立するお話、というのは非常に斬新で、その切り口そのものは度肝を抜かれるものでありました。Twitterでときたま見る54字小説や右から読んで左から読むと意味が変わる縦書きの文章といった作品に端を発するのでしょうか。それらの発想を、文字数をしっかり使った一本の小説として作り上げた、という印象です。
 ラキ、という2人の同じ名前の登場人物が、一本のオボンの木と関わっていく様子を描かれた、ゆったりとした雰囲気を感じ取りました。前のお話が5をターニングポイントとして、時代が切り替わって後のお話に移る、という流れそのものに破綻はなく、スムーズではあったと思います。物語そのものがあまり理解できている気がしませんが……。
 前から読んでも後ろから読んでも物語として成立する、というところを成し遂げた点で成功なのかもしれませんが、成立させることに重点を置いており、物語の内容において、キャラクターの成長が見られるとか、伏線を仕込んで回収するとか、そういった要素を入れたくても入れられなくなっている、というところは惜しいところです。前から読んだときと後ろから読んだときとで印象の劇的な変化がみられず、前から後からの2回で似たようなお話を4回読んだという感覚となってしまっています。印象が反転するようなギミックを仕込めれば化けるお話になるとは思うのですが、具体的にどこをどうすればいいのかは難しいですね……。
 こういう作品を作品として作り上げることが目的だとすれば、その目的は達成されているとは思います。面白い発想でしたので、作者さんのこういった斬新なアイデアというものをこれからも活かしていただきたい、そんな一作です。
早蕨さん
評価:☆☆☆
 二次創作では見たことないですね。再読が必要だったり、逆から読んでも意味が通じたりというのは、挑戦的だなって思います。これだけの作品数がある中で、再読するというのはかなり大変なことですし、そこまでいかないとすみずみまで楽しめないというのは、難しいですね。でも、挑戦的なのはすごく良いなと思いました!
48095/坑さん
評価:☆☆☆
 一つの木に、二つどころかたくさんの物語があって、それぞれ楽しませていただきました。
 ゴーストポケモンたちのシーンがかわいらしくて好きです。
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 マスクネームの「可逆」は、ラキともう一人のラキによる二つの物語が、どちらが先にオボンの木とオボンをの木を守る妖精に巡り合ったかという順番でもストーリーが成立する、という意味でしょうか。ラキという同名の人物が最低二人は存在して、別の時間軸にセレビィとミュウらしき存在とそれぞれ交流があったということはなんとなく理解できました。ただ、私は元々読解力があまりないので、この物語に仕掛けられていると思われる肝となる盛り上がりをキャッチできた自信がありません。読み手を意識してほしいと贅沢は言いませんが、作者様の頭の中では筋道が立って整理できているであろう事柄を、時系列をばらばらにしたことでパズルのような面白さよりも難解さというマイナス面が先に立っているのが勿体なく感じました。読み手を混乱させ、物語をぼかすことが狙いだったのでしたら大成功だと思います。全体的にのんびりとしていて、おだやかな雰囲気になごみました。投稿、お疲れ様でした。
北埜とらさん
評価:☆☆
 テーマの扱い方が良いですよね。きのみが落ちかけている瞬間を「念で宙に浮いている、静止している、落ちない」と捉えたのが特異的で面白いなと思いました。イラスト、確かにこう、周りがふああと光っているように描かれていますもんね。念力で浮かされている・あるいはそれに準じた透明なポケモンに背後から支えられている可能性がある……なるほどその発想はなかったです! 素晴らしい!
 不思議なオボンの木に集まるポケモンたち、それを守護する少年。作品全体に漂う優しさ、温かさがとても好きです。ゴーストポケモンたちの宴会シーンや、ウソッキーに水をかけてるところなんかも好き。男の子らしい口調のラキくんが、健気にオボンの木の世話をしたり、ポケモンたちのことを優しく見守ってあげたりしている姿には胸を打たれるものがあります。簡単に言うと性癖です。ラキくんかわいい……。彼はなんのためにこんなことをしていたんでしょうね。誰かから言われてしているというわけでもなさそうだし、生まれながらの使命感みたいなものを感じたんでしょうか?
 この小説の肝はギミックですね。前から読んで、もう一度後ろから読んで、『もう一つの物語』を発見する。ツイッターで流行っていた54字小説みたいな感じをイメージして書かれているのかなと思います、どちらから読んでも意味が通じて、かつ別のお話が見えてくるという。とても面白い試みだなと思いました。
 先に謝ります、ごめんなさい。前から後ろから、何度も読み返してみたのですが、私の読解力ではどうしても、「もう一つの物語」を見出すことが出来ませんでした……。読解力が足らず本当に申し訳ない!
 二人のラキくんがいますね、1~4のラキくん(後代ラキくん)と6~9のラキくん(先代ラキくん)。頭から読んだら後代→先代という風に時系列が逆転していて、後ろから読んだら時系列通りに読める。5だけはどちらから読むかで「ラキ」がどちらのラキくんなのか入れ替わる、というイメージです。このお話の構造は、私の認識としては、B06「機械仕掛けの海」に通じるところがあります。時系列が逆になっている、逆から読むと意味を取りやすい。ですが、「逆から読んだら意味が変わる話」とは受け取れませんでした。また、作者さんの描写力の高さゆえ「逆から読まなくても意味が分かる」ので、「時系列が逆転しているが、逆から読む必要はない」物語にも感じられました。
 きっと私の見つけられていない「もう一つの物語」が存在するんだと思うんですよ。それを見つけられなかったのは私の読解力不足ゆえなので、作者さんの意図通りの読解が叶わず、純粋に申し訳ない気持ちでいっぱいです。この後色んな方のこの作品への感想を見て、まさに

> 読者の数だけの解釈があり。
> 読者の数だけの物語がある。
> 語らい、混ぜ合うことで。
> 世界は無限の広がりを見せる。

 こういう感じに……私の見つけられなかった解釈を見て「へええええ~なるほど!!」となれることを願っていますが、私個人の読解ではここが限界だったということで、作者さん、ご容赦ください。個人的には、この「後ろから読んでほしい」という要望(?)が最後が存在することによって、逆にお話そのもののよさみが隠れてしまっているような印象を受けてしまいました。
 ですが、「逆から読んでも頭から読んでもスムーズに意味が通じる」という点では、すっごいなあ、よくできているな、とひたすら感心しきりでした。私にはとてもじゃありませんがこの発想はできません。作者さんのチャレンジ精神には、大いに拍手を送りたいと思います……!!
 投稿お疲れさまでした!
はやめさん
評価:☆☆
 とりあえずメモ書き程度に、自分の中で整理しながら読んでみました。
<物語の流れ>
1 ミュウとの約束
2 オーロットたちとの宴会
3 石碑に『ラキ』『マヤ』という名前が刻まれている
4 オボンの木との出会い
5 オボンの木が燃えてしまう
6 ラキが石碑に名を刻む
7 妹のマヤもオボンの木を世話していた
8 人やポケモンを引き寄せる木
9 ミュウが力を貸している
 で、これをもう一度読んでみたのですが、印象が変わるような劇的な展開の発見はちょっと見つけられませんでした。初読のうちに、入れ替えて読むことで一本の筋として繋がるように設計しているのだろうということはなんとなく想像できました。確かに9~1の流れで読んでみると、話としては一周目より成立しているように思えます。ただ、途中で「長い年月」って数回時間が飛んでいるじゃないですか、ここが理解を妨げかねない部分ではないかと引っかかります。これって、物語の都合をあわせるために時間を調整しているように思えてしまうんですね。自然に物語としてつなげようとしたかったところを、上から読んでも下から読んでもつじつまが合うように、少し微調整しなければいけない苦しさを感じてしまいました。なので、この年月経過、不自然とまでは言わないけれども物語の都合を感じてしまう部分です。
 このマジックに驚きが感じられなかったのは、一周目とさして印象が変わらない、という点です。例えば、読み返して面白い! と膝を打つような技は、やっぱり印象がまるごと変わってしまうようなものかなと思います。リバーシブルといえばリバーシブルなんですけど、身も蓋も無いことを言ってしまうと無理に読み返させる必要あったかな? という疑問が生じてしまう。これはこれで、お話としてひとつの流れになっていると思うんですよ。オボンの木もちゃんと説明されていて、ラキ・マヤ、セレビィやミュウ? といった存在の説明が行われている。読み直させることでかえって負担にとられてしまう可能性は否めないのと、読み返したときに印象が変わらないと、なんで読み返すように頼んだのかと思われてしまう点が、逆に評価を下げてしまう可能性があると思います。
 最後、作者さんは「読み直して欲しい」と訴えていらっしゃいますが、やっぱり読み直したいと読者に自然に思わせるのが一番気持ちよくないですか?? 投稿されている人はいくらでも自分のを読み返してほしいと(私はそう思いますが)そういうものだと思うのです。そこを自分のだけ読み直して! って文中で頼むのは、コンテストで一作に割く量・時間を考えると届かない訴えな気がします。こういうメタ要素の挿入は、慎重に行われた方がよろしいかと思います。この作品でこのメッセージが無ければ、もう少し評価を上げられたかもという気さえあります。
 いろいろとキツい注文をして申し訳ありませんが、発想はすごくよかったです。これは一本のお話として充分に通用するのではないか、というのが私の感想です。
終夜さん
評価:☆☆☆☆
3のラキが石碑を見た時は『隣に刻まれた「マヤ」というのは、「ラキ」の家族だろうか。』と語られている一方、
7では冒頭から『ラキには一人、妹がいた。名はマヤといった。』と語られていましたが、
1~4(前半)と6~9(後半)に出てくる「ラキ」と「マヤ」は、あくまでも同名の別人?ということなのでしょうか。
タイトルとマスクネームも含めた構成は面白かったのですが、謎めいた内容の一作だな、という印象が強かったです。
逆行さん
評価:☆☆
(一層のことマスクネームを『逆行』にすれば良かったのに……!) 

 ほおおおおおお。これもまた凄い構成ですね。面白い発想。中々今まで無かったようなものだと思います。逆から読んでもお話が通じるというのは。よく練られた構成だったと思います。違う時代を生きる二人のラキさんを登場させ、「5」はどっちの視点でも意味が通じるようにする。 
 巧いなと思ったのがマヤさんの存在です。彼女は一見すると、物語に必要が無いようにも思えます。しかし彼女がいることによって、二人のラキさんの明確な違いをはっきり示せていると思うのです。「あれ、どこからどこまでがどっちのラキさんだっけ」っていう混乱を招きがちな構成だと思うので、巧いこと混乱を避けるように工夫がされているなあって思いました。 
「逆から読んで欲しい」っていうのを本文で直接的に示すのはちょっとなあって思ってしまいました。しかもなんか凄い命令しているような言い方だったのでちょっとイラっときてしまいました(すいません)。できればセレビィとかが作中でうまい具合に匂わせるようなセリフを放つと良いのですが。難しいですね。 
 後はもうちょっと文章を読みやすくして欲しかったかなあと。こういう捻った仕掛けがあるお話は、その分文章を簡潔にした方が読者がついていきやすいんじゃないかって思います。ちょいちょい文脈がおかしい所もあったので。『その木には、毎日のように誰かが訪れた。世話をしているラキはもちろんのこと、野生のポケモンであったり、旅人であったりした。』。ここは『野生のポケモンや旅人が、その木に毎日やってきた。』とか、それぐらい簡単な文で良いと思います。 
 凄い挑戦的なお話だなあと思いました。この後にもっと複雑な構成を駆使した完成度の高いお話が出てきてしまうのでそれらと見比べるとちょっと見劣りしてしまう面もありますが、こういう難しいことに挑戦したっていうのは良いと思います。 
ばすさん
評価:☆☆☆
砂糖水さん
評価:☆☆☆
わやさん
評価:☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆
ionさん
評価:☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
一葉さん
評価:☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆