ポケモンのタマゴの感想

北埜とらさん
評価:☆☆☆☆☆☆
>正直なところこのドロバンコに対する愛着は微塵もない。無事にやるべきことを終えたという冷酷な喜びを胸に、私は部屋に戻った。

 ひぃっ俊逸過ぎる……wwwwこの二文だけで何杯でも飯が食えそうです、素晴らしい!ww
 この短さでこの面白さ、いやあ凄い、恐れ入りました。冷静になって考えればなんでそんなことを……というようなことをやらかしてしまうパニック加減が非常に生々しい。子どもらしい浅はかさや残酷さが光り輝いていて大好きです、それを後になって懺悔するところもまた好きです。ポケモン世界、こういうこともまれによくあるんだろうなあ……過去の罪に囚われ続けてしまう彼が、どうかドロバンコと楽しい旅路を歩めますようにと願うばかりです……www
 すいません、完成度が高すぎて書くことがない!! めっちゃ面白かったです……!!
 投稿お疲れさまでした!
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆
生まれたばかりのポケモンを逃がすということを私もゲーム内で一度行って、その後逃がしたそのポケモンがどうなってしまったのだろうと罪の意識にさいなまれたものでした。Ifの世界線を考えても仕方がありませんが、もしもこのときドロバンコを捕まえることができなかったら。逃がしたイーブイがどうなったのか、「私」が知ったら。逃がしたイーブイが環境に適応できずに野垂れ死にしてしまったら――と、色々考えさせられました。
終夜さん
評価:☆☆☆☆
懺悔、懺悔、そして懺悔。
そんなフレーズが思い起こされるほど、ポケモン世界ならばむしろ有り得そうな出来事に心からぞっとさせられました。
誕生日祝いを込めて、両親が自分に渡してくれたポケモンのタマゴ。
育て屋さんから譲ってもらったのか、はたまた両親の知人辺りに譲ってもらったのか?
主人公の両親が、そもそもこのタマゴをどうやって手に入れたのかが気になりました。
何が生まれるのか知らなかったにしても、「故郷から遠く離れている」アローラ地方のポケモンが生まれたことについて、彼らは一切疑問を持たなかったのでしょうか……。
タマゴから孵ったのが丑三つ時、というところもこの作品の重要なポイントですね。
朝や昼間だったら姿もすぐ認識できていただろうに、夜中だったため見つけられず……主人公が冷酷な喜びを得た後、ベッドの下で発見した本来「初めて」だったはずのポケモンは、偶然近くにいたところを見つけたという体で一緒に連れ帰っては駄目だったのかな?
(発見した直後だったからこそ、主人公自身人生で最も混乱していたのかもしれない)
野生も生息している4番道路で逃がされた、とはいえ、生まれたばかりだったポケモンがいきなり右も左も知らない場所に放たれて元気に育つのかはかなり怪しいところですね。
ところで、最後の方で主人公の人称が「私」と「僕」の二つ使用されていたのは、何か作者さんの意図が込められていたのでしょうか……それまではずっと、「私」で統一されていたような気がしたのですが。
主人公の病を治す手段、あの4番道路でイーブイを捕獲するくらいしか思いつかないな~。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
ホラーよりもよっぽど怖いし心が抉られるお話で大好きです…!!自分でやったことなのに誰にも打ち明けられず自分を偽り、責めて、精神的に鬱になっていく、短いながらも生々しさが鮮やかなお話でした。何よりすごいのは、ずっと語り手の感情が小説に渦巻いている感じです、刺さりました…!
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆☆☆
テーマBの個人的「嗚呼無情」部門ではナンバー1の作品です。
……辛い。辛いです。文章で突き付けられる、醜い心の弱さ……
正しく、これは懺悔の告白。主人公の心境を考えると、吐きそうになります。
水のミドリさん
評価:☆☆☆☆
タマゴを神経衰弱になぞらえた表現ががっちりはまってました。「かえす」の言葉遊びも素敵で、冒頭の掴みとして完ペキ。後半バッグへイーブイを雑に詰め込んだり「無事にやるべきことを終えたという冷酷な喜び」とかの表現に主人公の切羽詰まった感情がありありと浮かぶよう。テーマもストレートでしっかりと作者様の伝えたいことがわかります。回想の形をとるより現在系にした方が、主人公の焦燥や生々しさとかが伝わりやすかったのかもしれません。あと丑三つ時(午前2時〜2時半)のすぐあとに両親が起き出す気配がしたり、イーブイの卵から成体のドロバンコはサイズ的に産まれないだろうから流石に両親気づくでしょとか、そういうアラが目立ってたですかね。
森羅さん
評価:☆☆☆☆
タイトル詐欺に遭いました!! かわいいほわほわとしたお話かと思ったのにふたを開ければなんてダークなんだ……! 心を抉られました。事故なんですよこれは。たまたまタマゴが暗い時間帯(両親が眠っている時間・生まれたポケモンが良く見えない時間)に孵ってしまって、たまたま主人公が孵ったイーブイを見付けられなくて、たまたま主人公はボールを買っていて、たまたま主人公はちょっと冷静で頭が良くて。「おかあさんおとうさんどうしよう!」って両親をたたき起こさずに自分で「何とか解決しなきゃ」ってなったこと。色々な要件が合わさった事故であり、だからこそ苦しいです。「どうしてイーブイを捨ててしまったのか(2匹目のポケモンとしてうまくごまかせられなかったのか)」「なぜ両親に言えなかったのか」今更考えても遅いことが今きっと彼の頭の中ではぐるぐるしていてそれが神経衰弱に繋がってしまったのかと思うともう本当に、主人公に「つらかったね」って言ってあげたいです。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆
イーブイちゃんを逃がしたのはイーブイちゃんのためだったと信じたい…!ドロバンコちゃんはラッキーだったねぇ
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆
ないようでいて、身近にありそうな出来事だと感じました。そうしてしまう気持ちもわかるのが、また怖い。
イーブイが出てきたときは、すうっと何かが静かに引いていく音が聞こえた気がして、ぞくっとしました。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆
どんな種族でも同じタマゴの柄をトランプの裏面と称するユーモアある例えから始まり、語られるのは主人公の胸にだけしまわれた事件の顛末。事件の内容そのものは文体次第ではギャグ小説の題材にすらなりそうなものですが、極端に感情を抑え出来事だけを思い出していく終始冷静な語り口は秘めたその嘘が故に神経衰弱に陥っているという現在の状況を深く納得させると同時に、読者にもその後悔を追体験させるような独特の読後感の形成につながっていると思います。
「最初の手持ち」を巡る一連の事件における主人公の対応は機転が利き空気は読める割に融通は利かないという非常に真面目な人物像を思わせ、それもまたオチへの深い納得を与えます。これは病む。
ごく短いながら強く印象に残る短編に仕上がっていると思います。落ち込む主人公の背中を撫でてやりたい。
照風めめさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
これ凄い作品が来ましたね!
この短さでこのインパクト。決してオチにインパクトを懸けた一発モノではなく、罪の告白のように語られる中でズドンと重い一撃から畳み掛けるようなラッシュに目が離せませんでした! もうややこしい前口上はいいので端的に言うと、凄い好きです。
文章に対するストーリーの密度は随一だったと思います。
>正直なところこのドロバンコに対する愛着は微塵もない。無事にやるべきことを終えたという冷酷な喜びを胸に、私は部屋に戻った。
>私は両親の目を盗み、素早くイーブイを捕み、雑にバッグに詰め込んだ。その後、トイレに行く振りをして、イーブイを4番道路に逃がしてやった。
ここの罪深さが凄まじい……。特に後者においては、普通にイーブイを捕まえてしまえば良かったものの、逃してしまう所に本当に切羽詰まっているんだな。という現実感があり、見ていて(良い意味で)心苦しくなりました。
愛はないままであるけれど、それでもドロバンコを連れて旅を続けるがまるでイーブイを逃したことに対する贖罪のような気もしますね。それにしてもドロバンコが一番浮かばれない……笑
この作品のオチに来る神経衰弱のインパクトは絶大です!
本当にワガママを言うのであれば、一行目の神経衰弱を無くしてオチだけにする方が、よりインパクトが強いものになったのではないかなあと思います。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆☆☆
これはやられた!と思いました。ほとんど無駄のない文字数でお題の消化をし、強く印象に残るストーリーを作り上げている。短い文章で面白いストーリーを練るのは、長文とはまた違った能力が必要なことだと思います。最近だと五十四文字小説なんてのもありますが、この小説にはあれを初めて読んだ時のような新鮮な驚きがありました。
国語か道徳の教科書に載っていそうなくらいによくまとまった、かっちりとした文体。誰の心にも残っていそうな後ろめたさをうまくポケモンの世界観で表したストーリー。
ただ、短いぶんどうしても一人称や時間軸の乱れ、捕まえたドロバンコが野生のまま(誤植?)だったりするところが目立ってしまって☆7には至りませんでしたが、この手際の良さはぜひ見習いたいものです。
ラプエルさん
評価:☆☆☆☆☆
これはなかなかにインパクトのある作品…短くまとまっている分かなり衝撃的でした。
タマゴをトランプになぞらえた喩えはお見事。

最初のポケモンってすごく大事ですよね、誰を選んだかずーっと最後まで付きまとうものだと思います。私も20年くらい前に初めてポケモンを遊びましたが、そのとき選んだポケモンがヒノアラシだったということをずーっと覚えていますし。
だからこそ、主人公のこの行いはずーっとこびりついて離れないでしょうね。大事な大事な十番目の誕生日、アローラに家族旅行までして祝ってもらったトレーナーとしての門出。その出来事を、自分の不注意で台無しにしてしまった…しかも、勢いのままにポケモンを捕まえて、それをタマゴからかえったと親に嘘までついて…10歳の男の子にはかなり重たい出来事ですね、相当焦ったことでしょう。

面白かったですが、ちょっと落ちが弱かったかも…。神経衰弱でまとまって落ち着いているし、懺悔の文を主として短い文章の中でストーリーが綺麗に完結しているのですが、なんだか物足りなく感じました。
もう少し短い文章を多用して切迫感や緊迫感を出したり、深刻に悩まされていることが表現されていればよかったのかなーと思いました。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆☆☆
これはすごい、と思った作品でした。
自分が言わなければ誰も咎めることのない罪を、ひっそりと抱き続けている主人公。
誰にも言えないからこそ文章に書き出したのがこの作品。小説として、これ以上ないくらいのシチュエーションですね。
また、誰にでもやってしまう可能性がある間違いなのがまた辛いところですね……焦って過ちに過ちを重ねてしまうこの感じ、すごくよく分かります……
「タマゴが かえって ポケモンが うまれた!」「あっ! 野生の ドロバンコが 飛びだしてきた!」という原作準拠の表現に、胸を締め付けられるような思いがしました。
このドロバンコがタマゴから生まれたポケモンだったらどれだけよかったことか。自分勝手ではあるものの、どうしてもそんな考えが浮かんでしまいます。
イーブイを慌てて逃がす主人公の姿に胸が痛くなりますね。イーブイもきっと主人公のことを恨んではいないと思いますが、それが却って主人公を苦しめるのでしょうね……。
まさにポケモンの短編でした。ありがとうございます。
雪椿さん
評価:☆☆☆
この作品を読んで、確かに生まれた瞬間をその場で見ていなければ「そのポケモンが本当にタマゴからかえったのか」なんて超能力でも持っていない限りわからないかもしれない、と思いました。ゲームみたいに調べると生まれた場所や何かが出てくるわけではありませんからね。
タマゴから生まれたポケモンを逃がしてしまった、そのことを親に知られたくない。そんな思いから主人公がついた「嘘」。もう少しよく探していたらそんな「嘘」をついて後悔することなんてなかっただろうに……と思いましたが、焦りに支配された頭ではそんなに冷静には考えられませんよね。
生まれたばかりのイーブイは野生でちゃんと生きていけたのか、それがとても気になります。イーブイは野生のイーブイやエーフィ、ブラッキーと出会って逞しく生きていると信じたい……。
最後主人公は「野生」のドロバンコと旅をしているとありましたが、捕まえたドロバンコをボールから解放(?)して旅をしている、ということでしょうか。愛着がないからすぐにボールから解放(?)した。でも野生にかえすと両親から不審に思われる。だから旅を続けている……。色々と考えるところが多いですね。
この後、主人公は一体どうしたのでしょうか……(治療に専念するのですかね?)。
ionさん
評価:☆
ここで野に放たれたのでアローラには野生のイーブイが生息しているとかだと面白いと思います。
闇度でいえば、挫折を受け入れながら生きていく弾五郎のトレーナーとか、ほかにもたくさんいるんで、自分は自称光属性です。
性癖ではない。というのを楽しみかたが見つけられなかったことへの許しをこう言葉に変えてしまうのもどうかと思うけど。
カイさん
評価:☆☆☆☆☆
うわあすごい……これはなんといいますか、自身の心にもあるえぐい部分を白日の下にさらされたような、グロともホラーとも違う意味でぞくっとするお話でした……。これ、ご両親はもしかしたらタマゴの中身知っていたんじゃないだろうか?と思ってしまいました。にこにこしていたのでたぶん違うと思うのですが、もしもこの深読みが当たっていたとするとますます怖いですね……。
ドロバンコとその後仲良くなれたのか、イーブイはどうなったのか、全く触れられないというのも、この作品の最も不気味なところであり魅力だと思います。色々と考えさせられました。
秋桜さん
評価:☆☆☆☆
うわあああああ……。うわあああああああ……神経衰弱になりますわ……
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆
う、うわああああああ!!!心にめっちゃくるやつ!!!やめて!砂糖水のMPはゼロよ!(
よかったです(小並感
普通に両親に言えよって思わなくもないんですが、こうやってミス?を隠してしまう気持ちめっちゃわかるのでそこがしんどいですね…。わかる…故にしんどい…。
コメットさん
評価:☆☆☆☆
いつかどこかの世界でありそうなお話。人間に置き換えるとおぞましい以外の何物でもありませんが、確かにポケモンのタマゴだとこういう事が起こりそうで怖いですね。結局逃がしてしまったイーブイが可哀そう、という思いが頭から離れなくなりそうです。タマゴを孵す時は周りに注意しないとですね……。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆☆☆
 過去にあったことを実にシンプルかつ冷酷なまでに客観的に短くまとまった文章に仕上げたというところは作者さんの技量を感じるところであります。生まれるまでどのポケモンなのか全く分からないタマゴと、神経衰弱の裏返しのカードとを結びつける発想にも感服いたしました。
 一度吐いた嘘は吐き通さねばならず、そのために嘘を重ねる、というどなたかのセリフが頭をよぎりました。そして自分のみが知っている秘密を誰にも話すことができず、どうしようもなくなって文章にしたためた、そんな印象の作品です。こういう業を抱えたキャラクターやその心情描写というのは個人的に刺さる部分でありました。
 文章の最初から最後までずっと客観的で冷静で、そういうキャラクターであるということも分かる点では非常に良いのですが、個人的にはこの手の懊悩は人格が捻じ曲がるレベルまで到達してもいいかな、と感じました。例えば書いていくうちにどんどん感情的な文体になっていって、最後のほうではまとまりのない文章にまで変質してしまうような、そういう技法も使えるかもしれないな、と思った次第です。あくまでも個人的な好みの話ですが……。
 書きたいストーリーをズバッと書いてコンパクトにまとめておられたところ、見習いたいところであります。
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆☆
 短い内容なのにも関わらず、重くのしかかってくるような内容でした。子供って時には大人よりも残酷……。でも主人公の気持ちも分からなくはないんですよね。そこがまた良いところ。読者として第三者目線で読むから『それはあかん』って冷静な判断で入れるんですけど、私が主人公と同じ年で同じ状況になったら、似たようなことをしていたかもしれないです。イーブイをバックに入れた時点で嫌な予感がよぎって、『トイレだけやめろ!』と思いながら読み進みました。野生に返す……まあトイレよりはマシかもしれませんが、生まれたての赤子を野生に放っても餌にしかならない気が……。
 その後のイーブイが描かれないこともまた後味悪いですよね……。イーブイはどうなったのか……。暗い話でしたけど、読者の心を仕留める威力は十分にあった作品でした。
 作品投稿、お疲れ様でした。
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
 短い中でまとめた素晴らしい作品だと思います。長ければ長いほど有利な傾向にあるこの様な企画においてこれはすごいことだと思いました。
 ただやっぱり起承転結の起だけといった印象が強かったです、これはもう好みの問題です、申し訳ない。
春さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 短いのに……なんだこの破壊力は……。心にズンとくるホラー短編。これは間違いなくホラーですね。しかもポケモン二次ならではのホラーです。素晴らしい。そしてきっと私はこの短編を2度と忘れないでしょう。
 イーブイがその後どうなったか、誰も分からない。でも、レベル1のイーブイが、タマゴから生まれたばかりで、親もそばにいないイーブイが、その先やっていけるのでしょうか。確かめる術のない後悔は恐ろしいものです。別のポケモンを捕まえた気持ちも分かる。偽ってしまった気持もわかる。でも、イーブイを逃がしてしまってはいけなかった気がする。ひとつの偽りと罪悪感が彼の心を蝕む。イーブイを雑にバッグに放り込んだシーンは、「え?」と声が出ました。淡々と、しかし丁寧に。臓腑の底から寒くなるような短編をありがとうございました。
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆
 短いながらも心に刺さるお話でした。子どものころに犯した過ちを後悔する様子が凄く生々しくて、読んでいる自分の心に残る後悔の傷跡もえぐられるような感覚がありました。この罪悪感を持った日をもって"確かに「大人」になったのである"と語る主人公がまた……
 最後から2つめの段落で、主人公の一人称が一部"僕"になってしまっている所が玉に瑕。
逆行さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 例えるならばボーリングでピンが全部倒れたような「パーン」と嵌った気持ちの良いオチでした。良く分からない例えですねすいません。  
 短いながらもエゲツなく読者の心を抉ってくるお話だと思います。オチがうまい。真剣衰弱の使い方が秀逸すぎます。 
 4番道路に野生のイーブイが生息していて良かったですね。ただそれでも生まれたばかりのイーブイがどこまで一人でやっていけるのか……。イーブイの安否が気になります。食われてないと良いのですが。 
 イーブイを雑にバックに入れたり、ドロバンコに対する愛情はないとはっきり言ってしまったり、この小説は本当にこう容赦がない。両親に対して嘘を貫き通そうとする少年の『小さな狂気』がひしひしと伝わってきました。 
 少年の頃の罪悪感というものは一生胸にこびりつくものなのですよね。「あのときあの人になんて思われていたんだろう」っていう不安はとても辛いです。 
 個人的に思うのが、これ、拗らせるとやばいんじゃないかってことです。よく「過去の嫌な記憶を思い出してしまい、反射的に大声を挙げてしまう人」っているんですよ。自分もそういう時期があったんですけど。 
 この主人公もそうなる可能性があるんじゃないかなって、ちょっぴり心配になりました。そうなったら厄介だと思います。 
 しかも、過去の思い出したくない記憶って一つだけではない筈です。年を取っていくに連れてどんどん増えていくものですよね。特に思春期の頃は。これから主人公は、いよいよ生き辛くなるんじゃないかって思うのです。 
 それにしてもこの短さでここまで印象に残ったお話も珍しいです。特に突っ込めるような所もありませんでしたし、作者さんに精一杯の称賛を送りたいです。お見事でした。
レイコさん
評価:☆☆☆☆☆
 なんとも言いづらいお話でした。主人公の心情は理解できますが、共感できると言ってしまえば自分という人間の卑小さに嫌気をおぼえますし、同じ行為は真似したくないといいますか。嘘をつくのって、あまり気持ちの良いものではないですよね。もちろん、時と場合によりますけども。主人公が当時子どもで、運の悪さが重ならなければ、十年も恥ずべき記憶を引きずることもなかったのでしょう。そう考えると憂鬱になります。文章に無駄がなく、それでいて淡白になりすぎておらず、読みやすかったです。トランプの神経衰弱とタマゴの柄の設定を結びつけた、お題の使い方にセンスを感じました。ところでこの指摘は野暮かもしれませんが、ドロバンコはアローラ初出のポケモンで他の地域では生息が確認されていませんのに、遠く離れた主人公の故郷から一緒に旅行にきた両親は、タマゴからぽっとドロバンコが生まれた事に多少なり違和感をおぼえなかったのでしょうか。イーブイへの罪悪感に引きずられて神経衰弱にまで至る主人公のパートナーを務めなければならないドロバンコ、随分と不幸な星のもとに生まれてしまいましたね。投稿、お疲れ様でした。
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆☆
 この何食わぬ顔で証拠隠滅を図る感じがたまらないです。面倒を避けるために隠れて色々と工作をするその姿勢に尋常ならぬ共感を覚えます。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 こういうお話大好きです。お見事です。主人公の懺悔の気持ちがとてもよく伝わってきます。おやがわからなければポケモンのたまごは生まれるまで中身がわからない。というのを利用したのは、面白いなあと思いました。ドロバンコがなかなか報われない感じではありますが、これだけ読者をナーバスというか、よい意味で沈んだ気持ち(なんと表現すればいいのか……悪い意味ではありません)にさせるのは、すごいことだと思います。
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆
 きっと人として共感してはいけないもの。
 ……のはずなのだけど共感というか、この子の行動の一つひとつに納得してしまう、とても恐ろしい作品でした。
はやめさん
評価:☆☆☆☆☆
 「正直なところこのドロバンコに対する愛着は微塵もない。無事にやるべきことを終えたという冷酷な喜びを胸に、私は部屋に戻った」この2文が効いてます。はじめに読んだとき思わず二度見しました。
 短いながらすごく毒のある作品で、人間の矛盾を鋭く突いている。主人公が本当にイーブイのことをこれっぽっちも想わないなら神経衰弱になるはずないので、この罪悪感に囚われ続けるのも酷だろうなぁと思いました。本当なら、親に打ち明けてしまった方がいっそ楽になれたでしょうね。それが出来ないからこそ、この懺悔が生まれるんだなと。
小樽ミオさん
評価:☆☆☆☆
リングさん
評価:☆☆☆
トビさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆
花鳥風月さん
評価:☆☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆
風間深織さん
評価:☆☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆
猫村さん
評価:☆☆
天波八次浪さん
評価:☆
クーウィさん
評価:☆☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆
さねたかさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
あすぺふさん
評価:☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆