こちらメレメレ島茂みの洞窟前アジトの感想

秋桜さん
評価:☆☆☆
非常によくまとまっていて、しっかりと描写されていて上手だなぁと思いました。
水のミドリさん
評価:☆☆☆
退廃的な永遠の夏休み。アジトの中という暗がりの場面設定が、常夏の太陽のもと陽気なアローラの日陰者たち、という影を引くコンビを際立たせています。ゲームの試練につなげる展開はいいですねーえ。ラストも余韻ある締め方だったと思います。
作中ほとんどがスカル団の説明になっているのがもったいなかったかしら。ポケモンSMプレイ済みの身としては退屈でした。日常ものなので山場がないのも辛いか。読み手を絞る勇気は必要だったかなと思います。
しろあんさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
私、サンムーンはやった事が無いのであまりよくは知らないのですが、スカル団員達はちゃんと「スカル団」という集まりに居場所を見出しているんだなー、という事を何となく感じる事ができました。
島巡りの落ちこぼれ……なんだかちょっと悲しくなりますね。脱落者になった瞬間、冷たい視線を向けられるようになるだなんて、私だって逃げたくなりますよ、ええ!((
世間からは嫌な目で見られるならず者のスカル団ですが、神経衰弱を楽しむ彼らを見ていると、彼らにとってスカル団は暖かい居場所だから別にそれで良いんだっていう気持ちが伝わってきます。素晴らしい作品でした!
照風めめさん
評価:☆☆
相変わらずアローラは厳しい社会だぁ……。
スカル団の扱いは作品によって多少異なりますが、この作品はその中でもトップクラスにえげつないと思いました。
結構日本の村八分的と言いますか、島巡り出来なければ即レッテルって生きづら過ぎる……。
それでも脱落者は脱落者なりに今をもがいて生きている。
強制的に島巡りしないといけない? かは分かりませんが、しきたりに沿って生きていかねばならないもどがしさ、しきたりを変えることが出来ない己の無力さ。そういうのがとても伝わってきました。
それはそれで、じゃんけんがナマコブシモチーフになってるのが可愛いですね。
ただし、ポケモン二次創作的にはスカル団員の葛藤というネタはありがちなネタではあるので、何かしら突き抜けた一点が欲しいと思いました。
コメットさん
評価:☆☆☆☆☆
島巡りを達成する主人公達少年少女が光ならば、こちらはそれに隠れて見えない影の話と言ったところでしょうか。落伍者の烙印を押されるのはどんな世界でもある事だけに、読んでいるといろいろ身につまされる事がありました。原作プレイした時よりも、スカル団の事が好きになるような、そんな些細だけど共感の多い一幕でした。
Pさん
評価:☆☆☆☆☆☆
冒頭で解説される閉鎖的な、あるいは先の見えないスカル団としての生活に、本編でも存在感のあった「スカ」のスカル団が軽妙に風を吹き込むような感覚でついふふっと笑わされます。重々しい冒頭からは想像できなかったからりと爽やかな終わり方が印象的でした。
「スカ」の彼のその日を楽しむ刹那的な考えと彼の同僚の「自分たちのことを誰も分かってくれない」という悩みはスカル団という存在の両面を見せてくれるようで、そんな彼らがアローラから出て行くのではなくグズマに惹かれその下につく理由も「スカ」の彼の過去話ですんなりと理解できるなど、終始に渡りスカル団というものをよく捉えた良質な本編の二次創作になっていると思います。
島という閉鎖的な環境だからこそお互いよく顔を合わせる環境になるのでしょうし、赤子の頃から知っている、そうでなくとも島巡りの旅人として毎日顔を合わせていた相手へ急に冷たくできるものだろうかとやや疑問には思いますが、その情をも超えるほどに島巡りの風習が重いアローラなのだとしたらグレるスカル団が続出するのも納得です。
じゃんけんを「ナーマコーブシっ!」で済ませる彼らが好きです。ひょっとするとアローラにおけるじゃんけんはナマコブシ発祥までありうる。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆
何かが足りないから落ちぶれた。事情があって落ちぶれた。それらを全部、「努力が足りないから」といって斬り捨てる社会……そりゃ、スカル団みたいなならず者が蔓延るわけです……最初の淡々とした状況説明ではほとんど心を動かされなかったものの、後半になるにつれてその説明が生きてきたのか、スカル団の語りになったあたりからしみじみと考えさせられました。最後に風で捲れたトランプがカプ神というのが示唆的ですよね。あの二人の生き方に微笑んだのか、嗤っているのか、それとも。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆☆
世間や周りを変えるなんてことよりも、曲がりなりにも足掻きながら進もうとする気持ち、すごく共感させられました。カプは誰にでも平等なのかな…、どんな道を歩むかも自由、そして行く先はカプのみぞ知るということなのかな、など思わせるラストでとても好きです。
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
丁寧な導入のおかけでアローラのことをよく知らなくても読めそうなら感じがいいですね。ただちょっと説明長いと感じる人もいるかも?
ドロップアウト後の様子がさらっと書かれているだけのにあー!つらい!ってなる。表現力ぱねえ。
というか全体的に丁寧に丁寧に書かれているので物語に入り込みやすいんですよね。最初のところ以外は冗長さもなく過不足なく書かれていて、作者さんの技量の高さが伺えます。超うまい。好き。
森羅さん
評価:☆☆☆☆
スカル団目線のお話ですね! アローラの島めぐり風習はどうも「脱落者」に優しくない設定なのをよく見かけますが、実際ゲームでもかなり閉鎖的な島国の印象は持ちましたし、風習とか歴史とかそういったものを大切にしている=それらにがんじがらめになっており新しいことを受け入れづらい風土っぽいものは感じていました。そしてこの作品は本当にその(二次創作的な)アローラの風土的なもの、つまり世界観を事細かに描いた作品だと思います。より深く、より丁寧に描かれた「陽気なアローラ」の一枚皮を捲った部分。スカル団はなぜ生まれねばならなかったのか。彼らがどんな思いで日々を過ごしているのか。不安や憧憬、色々なものが見えてきました。ここまでの設定を考えられるのは本当に素晴らしいと思います。ただ、すみません。これが長編・中編の一話ならばそれで良いのですが、一万字のほとんどを舞台設定だけと言うのは少し勿体ないと思ってしまいました。文字数制限があったことは重々承知ですし、作者様としてはその「舞台設定」「世界観」の所こそ書きたかったものであろうことは想像に難くないのですが、もう一声欲しかったなと思ってしまったのが正直なところです。申し訳ありません。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆
スカル団二人のやり取りは凄くスカル団らしい不良っぽい感じが出つつも、社会から脱落した人独特の鋭く深いものがあって、そのバランスが見事だったんですけども…
スカル団視点の話だから仕方ないとは思うんですが、なんだか彼らが真っ当な気持ちや心情を持っていることを仔細に書かれるほど、冒頭のアローラ社会の厳しさとの落差が激しすぎて「アローラ、そこまで!?」となってしまいました(その落差こそ表現したいものなのだとは思いますが、島巡り諦めた瞬間から態度が変わるレベルはさすがに非情度高い…)
最後に出てきた島巡りトレーナーが恐らくはゲーム本編の主人公かな?と思い、恐らくはこのトレーナーが彼らを変えるきっかけとなるのでしょうが…プレイヤーとして何が辛いかって、結局島内で生まれて島内のシステムで育った彼らにはスカル団下っ端としての小さな反抗しかできず、外から来た主人公によって「ボスごと負かされる」ことでしか変わるキッカケがないし、本編後にスカル団の人達が変われたかどうかも見届けられないことがもう分かってしまっているんですよね…サンムーン本編をプレイしたのがずっと前なのでこの辺何か忘れてるかもしれませんが、やっぱこのワンミス即終了みたいなシステム酷いなあ、となんとも言えない気持ちになってしまいました。でも本編で救えなかった人やスポットライトの当たらない人に愛を与えたり光を当てることができるのが二次のいいところで、この作品は確かにそういう作品だったと思います。
リングさん
評価:☆☆☆☆
スカル団になることしか出来なかった、という彼らの苦悩をうまく描けておりました。
悪役にも、そうなるだけの理由があるのだと考えると、無暗に倒してしまう主人公がどれだけ残酷なことかと思いますw
雪椿さん
評価:☆☆☆☆
スカル団が主役の話……ですが、ここのアローラの人、島巡りを諦めた方々にかなり厳しいですね。今まで温かかった場所が、突然冷たくなってしまったら結構きつい。それだけアローラの方々にとって「島巡り」は大切なのだろうと実感することができるのですが、豹変が突然すぎる……。色々落ち込んでいると思われる時に知らんぷりとかよそよそしい態度を取られたら、疑問を持ってしまうのも無理はないと思ってしまいました。
疑問を抱いた結果「水たまり」へと行った彼らが過ごす、ひと時の穏やかな時間。相棒君のキャラがいいですね。その口調になった理由は違いますが、ゲームに出てきた彼を思い出します。そういえばあの彼は途中からどこへ行ってしまったのでしょうか。ムーンの途中までしかプレイしていないのですが、もしかしてまたどこかで出てくるのですかね?
最後に相棒君が見つけた島巡りトレーナーは、ゲームで言うところの「主人公」でしょうか。ゲームではスカル団は「よくいるならず者集団」という感じでしたが、これを読んで「彼らがああなったのも、それなりの理由があるのかもしれない」と思えるようになった気がします。
さねたかさん
評価:☆☆☆☆
スカスカな口拍子。すごくいい。語呂がいいです。ナマコブシじゃんけん、トランプの絵柄、メレメレの海が作り出す波音のメロディー……ああ、アローラいいなあ!
カードの絵柄からグズマくんの話になって、そこから過去の話、しんみりしたところで妨害のために意気揚々と出かけていく。流れが滑らかで、ほぼアローラの体制について書いているのにするすると読めました。
ただ、冒頭からずっと何度もアローラの社会やそこに住む人たちが悪であるかのように書かれているのが引っかかりました。確かにアローラに住む幾ばくかの人は感情的で排他的でしょうが、だからといってスカル団が反社会的行動をとるのを肯定するのは違うと思うのです。彼らがいじめていたロコンや、彼らにポケモンを奪われてしまった幼いトレーナーたちは悪でしょうか。
読ませる魅力と豊かな文章力でぐいぐい引き込んでくれますが、ちょっと方向性が私には合いませんでした。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆☆
ゲームでの茂みの洞窟の試練にスカル団が入ってくる前の裏話のような感じ? 最後の微笑むカプ神など、良かったです。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆☆
アローラの闇をシンプルに表現した作品。島巡りをこなせなかった人に対して滅茶苦茶冷たいですね。ここまで冷たい描写はあまりないかもしれません。
「島巡りの証を返納したその日から、昨日まで温かく見守ってくれていた人間の目が冷たく蔑んだ目に変わる。」
この一文が、アローラの冷たさを端的に示していると思います。きついなぁ。そりゃ人生に対してやる気も無くすってもんですよね。
じゃんけんの掛け声がナマコブシなのも面白かったです。ここは作者のアイデアの勝利だと思います。カードの柄なども凝っていてよかったと思います。
島巡りをドロップアウトした人への世間体の厳しさとスカル団の心情を描くというこの話のコンセプトは伝わってくるのですが、ただそれだけに終わってしまった印象があります。小技が十分効いているだけに、展開の捻りが欲しくなってしまうところが惜しく感じました。
猫村さん
評価:☆☆
アローラってこんなに裏表が激しいのかと衝撃。しかし、最後のカプさんに希望が見えてよかった。スカル団良いキャラしてますね。
終夜さん
評価:☆☆☆☆☆☆
とあるスカル団のしたっぱコンビに焦点を当てた作品。
ゲーム中のスカル団は、たびたび一般人から迷惑がられているような描写もあったような気はしますが、それでもアローラってここまで過酷な社会だったっけ……??とちょっぴり思いつつ、現実に即したらこういう雰囲気になるのかなあ、とも考えさせられました。
ナマコブシが掛け声のアローラ式ジャンケン、いいですねえ。ほくほく。
ボスを慕い、ぐにゃぐにゃな道であったとしても構わず進もうとするしたっぱな彼らのことが、読んでいてとっても愛おしくなりました。
ラストで茂みの洞窟にやってきたのは、もしかしてSM or USUMの原作主人公なのかな?
スカ口調な相棒くんの、軽い話し方も大変自然で良かったです。彼らとお友達になりたい。
ionさん
評価:☆☆
ちょっと説教臭いな、というのが当初の正直な印象でした。
というか、BWを説教臭いと評して嫌う人のことは正直自分はその価値観を共有できないはずなんですけど、
でも多分これ読んでた時は自分の方の精神状態に問題があった。
成り果てた、とか、評価語なんで、そういうのをTVで流されると疲れるというか、小説っていうのは贅沢者の遊びだとするなら、前半の状況説明は物語の中で感じさせてくれるともっとよかったかな、というか。  あと自分はそこまで(作中のオチまで)楽天的にはなれませんでした。
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆☆
この世界のアローラは手厳しい、手厳しすぎますよ……
一体何人のトレーナーが島めぐりを攻略できると言うのか? 恐ろしい世界です。

こちらでも相変わらずスカスカなスカ男君、アローラポケモン沢山のトランプ等など……見どころは多いですが、この作品はとにかくラストシーンが素晴らしい。本当に素晴らしかったです! 
個人的には、「読後の余韻」部門ではAB纏めて今企画の頂点に君臨する作品です。
カイさん
評価:☆☆☆☆
おお~~これは原作ゲーム内に登場するスカル団したっぱ二人を主人公にしたお話ですね!SM大好きなのでこういう作品に出会えると大変嬉しいです。
トランプ遊びに興じる二人を通して、スカル団やアローラ、グズマなどを中心に深く考察した、良作だと感じました。
ラプエルさん
評価:スキップ
あとがき的なものを書いておきます。よろしければご覧くださいませ。

スカル団、これまでの悪の組織の中で一番好きなんです。思想やキャラが目立ちがちなリーダーだけでなく、下っ端にもちゃんと光が当たっているなあ、と思ってるので。


前置きが本編と比べてちょっと重めになっているのは、アローラが日本と同じ島国という閉じたコミュニティにあって、昔からの伝統を何よりも重んじるという点で共通してるなーというのを強調したかったからです。
学生は勉強しなきゃダメ、いい学校を出ていい会社に入って、結婚して子供を育てて社会を築いていくのが当然。その枠組みから外れた「不良」「ならずもの」「落ちこぼれ」は排斥されて当然。これが私が日本社会に感じていることです。きっとアローラでも同じようなことがあるんだろうな、島巡りをして一人前を目指すのが当然って風潮があるんだろうなって思いながら設定を作りました。
もっとも、この世界観だと自信のないトレーナーはそもそも島巡りという選択肢を切っちゃいそうな気もしますが、それはつまるところ「自分が本当にやりたいことを、周囲の目が気になって我慢する」ってことなのかなーと。なんだかマイナーな趣味とかを排斥しがちな現代社会に通ずるものがあると思いませんか。ここまで重たくするつもりはなかったのですが。

この作品では意図的に登場人物に名前を充てていないので、三人称視点から「彼」と「相棒」って呼んでいるのにちょっと違和感があるかもしれません。ただ、ゲーム本編で思いっきり登場している人物をモデルに作った話である以上、「スカスカいってる相棒」以上に公式から名前に関して言及されていない人物に勝手に名前を付けるのに抵抗があったのでこういう書き方になってます。おまけ程度にグズマさんも名前を出してません。

遅くも書き終わってから気付いたのですが、肝心のポケモンがカードの絵柄としてしか出てきてませんね…折角だからちゃんと動かしたかった…。
手持ちポケモンとの思い出も回想シーンで出したかったんですがうまい話が出て来ませんでした、精進。

およそ一年ぶりに筆をとった作品なので至らぬ点も多く見受けられたかと思いますが、最後まで読んでいただいて何か一つでも感じるものがあったなら、作者としてとてもうれしく思います。ありがとうございました。
うにゃさん
評価:☆☆☆☆☆
「試練の脱落者に冷たい」の一文で心がきゅっとなりました…わかりみ…全体的にー(のばし棒)が多かったのが逆にゆるゆるなスカル団を表していてよかったです~!
はやめさん
評価:☆☆☆
 最初の*までの説明はサンムーンをプレイ済の人にとっては省いても大丈夫そうな情報で、前置きが少々長く感じられたので、この部分は物語を転がしながら、要所要所で説明を挟む、という形でも良かったかなと個人的には感じた部分です。そうではない人には親切な説明だと思いますが、二次創作に懇切丁寧な前置きが必要かというと自分はあまり感じていないタイプです。
 島巡りを成功出来ず、ドロップアウトしてスカル団に堕ちた人達への目線が厳しい…原作ここまで厳しかったっけ…
 昨日まで優しかった人が明日には冷たくなってしまうと、豹変したのではというぐらい、この作品で描かれるカースト制度は根強い白眼視なのだなぁと感じました。と思ったらここに書いてあった。
>けれども、そこに零れ溜まる人間は、そこまでひねくれ者ばかりではないのかもしれない。
 そうそう、スカル団という総体として見ればもちろんアローラにとっては百害あって一利無しかもしれない存在だけど、ひとりひとり心のうちを覗いていけば、そこにはいろいろな思いが渦巻いていると思うのです。だから、スカル団になることで疎遠になってしまいながらも、逆に気にかけてくれるような人がいると彼らも少し救われるのかなぁと思いました。
早蕨さん
評価:☆☆☆☆
 島巡りを達成できなかったスカル団の話。
>>スカル団が人々から蔑まれる存在であろうとも、その長の真意を何も知らないままであろうとも。彼のすべきことは、ただ自分の立ち位置に従って前に進んでいくだけなのだ。
 とありますが、やっぱりちょっとちがうんじゃないかなあ、と思いました。前に進む、やることをやるしかない、というのはなんとなくわかります。長の意向はわからない。それでも、自分を取りこぼしたものに精一杯の反抗をこめて目の前のことにぶつかっていく。誰のためないなるかわからなくても、やっていくしかない。それは、島巡りをしていたころとは違うのではないでしょうか。島巡りは、目の前のこともありながら、その先の未来だって見据えていたはずです。目標があったはずだと思いました。
 お話自体は、柔らかな雰囲気がとても好きでした。島巡りを達成できなかった者が島民から蔑まれ、集まってギャング化するというのは、同情というかぐっとくる設定で、彼らの真意を解き明かしたり、島巡りシステム自体の崩壊を望みながらも、達成していない者が喚いても説得力がないみたいな話として展開すればいろとりどりな、サンムーン屈指の二次創作しがいのある部分だと思っています。そういう意味で、スカル団の生活を描いた本作。雰囲気としては好きで、ほんわかした気持ちにもなれますが、もう一個、どこかにお話を転がしてもいいのかなあ……と思いました。
フィッターRさん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
 テーマB個人的トップ3の一角です。
 原作からしてそうだというのはあるのですが、スカル団のお話は落ちこぼれに厳しいこの社会に生きるものとして身につまされるものが多いですし、それゆえに我々の生きる社会の問題もあぶりだしているようで見るたびに痺れます。本作はそんなスカル団たちを"受け皿のない最下層"の"水たまり"と表現するセンスが素晴らしいと思いました。
 序盤で"あまり問題の根幹まで深く考えている人間など殆どいないのかもしれない"と語られ、描かれるのはのんびり神経衰弱に興じるスカル団員ふたり。でも主人公はなぜ自分はこうなってしまったのかずっと考えているし、相棒もまた、コソクムシのカードをきっかけに、スカル団ががなぜ存在するのか、これからどうすればいいのかという問いへの彼なりの答えを導き出す。社会のことなんてさして考えてもいないんだろうなこいつら、と思わせておいて、実は彼らなりにきっちり考えていることをしっかり描いている。この構成が凄くいいです。
 "そんな枠組みを変えたい、と心のどこかで思ってこそいるが、具体的にどうこうしようというビジョンがあるわけでもない。"という主人公の考え、その上で"自ら望んで落ちてきたこの水たまりの中で、自分を取りこぼした皿に向かって精一杯の反抗をすればそれでいい"、"まっすぐ直進ではなくとも、ひねくれてぐにゃぐにゃの道になっていようとも。とにかく進んでいくしかないのだ"と導き出す結論、このふたつが社会の皿から零れ落ちても、社会の中で生き続けなければならない人間としてとてもリアルだと思います。
 最後に個人的な話にはなりますが、まさに僕自身がこのお話の主人公のような生き方をしているので、このお話に抱いた好意は身びいきじみたものだと思っています。でも、社会で落ちぶれた人間にここまで寄り添ってくれるお話に出会えたことは、僕自身にとっては大きな救いでした。こういったお話があることが、皿からこぼれ落ちてしまった人間のひとつの受け皿になってくれるかもしれない、とも思っています。
 落ちこぼれた人間への愛に満ちた、温かいお話をありがとうございました。
レイコさん
評価:☆☆☆☆
 スカル団結成の背景が濃密に語られていて、サン・ムーン未プレイの方に親切な導入ですね。既プレイの私は、一般的なアローラ人はおおらかでそこまで島巡りの脱落者を白い目で見ておらず、スカル団団員は落ちこぼれの自分自身を受け入れられず勝手にグレたのが大半、という印象を持っています。でも解釈は自由でいいと思います。ただそんな彼らが不良グループ的な悪さをすれば、アローラの人々から嫌われるのも当然かな……と。団員のひとりが、誰にもわかってもらえない、とボヤいてますが、同情の余地があるかと言われるとちょっと難しい問題ですね。気の毒だとは一応感じるのですけども。あまりスカル団員のフォローになっていなくて、すみません。団員たちも色々悩んだり、考えたりしてるんですよね。立ち位置が違ってもトレーナーとスカル団員は本質的に同じかもしれない、と前向きに締めくくられていて少し安心しました。いつか彼らからならず者の烙印がなくなり、それぞれの思いが報われる日が来るといいですね。投稿、お疲れ様でした。
シガラキさん
評価:☆☆☆☆☆☆
 スカル団下っ端のお話ですね。普段は軽視されがちですが、例えスカル団の下っ端という名前すら覚えてもらえないようなモブにも生きているからには人生も葛藤も後悔もあるわけで、この物語はそんなモブキャラにスポットライトを当てた作品であり、私はそういうのが大好きです。
 ポケモンを第5世代以降プレイしていない私は、スカル団について事前に情報を持たずに読み始めた訳ですが、それでも物語を十二分に楽しめました! 動きだけを見ると神経衰弱をやっているだけなのに、すごく引き込まれました……! スカル団という場所は、まさしく落ちこぼれの行方。アローラの風潮がなるべくして生み出した集団という印象を受けました。他人から後ろから指を指されるのがつらい。そんな中、唯一手を差し伸べられたら、もう掴むしかないですよね。それが悪いことをしている集団のリーダーであっても。そういう、うまく言葉で表せず恐縮なのですが、心理推移といいいますか、心理表現が非常に巧みで読んでいて楽しかったです!
 作品投稿、ありがとうございました! ほのぼのしつつも、考えさせられる作品でした。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆
 スカル団のお話ですね。島めぐりに失敗し、後ろ指を指されることとなった彼らを水たまりと表現するというところは面白かったです。登場するスカル団員の二人も、普段は言い合いとかしていそうな感じで、されど仲が悪いわけでもなく、という絶妙な関係性をよく描き出せていると思いました。「本質的には、島巡りトレーナーも脱落者も同じなのだ。ただ、自分の立ち位置に従って、がむしゃらでも理由もわからずとも目標に向かって前進していくという点では。」この一文、とても好きです。
 神経衰弱というゲーム、多人数でわいわいやるイメージがかなり大きかったのですが、二人でカードをめくりながら昔の話をしつつしんみりやるのもいい雰囲気だと思いました。ジョーカーがカプというのもなかなか粋ですね。4体のうち2体ずつ×2枚って感じなんでしょうか。
 最初の島めぐりやスカル団に関する説明は、サン・ムーンをプレイしたことのない読者に対しての作者さんの配慮、かつ世界観の提示なのだと考えています。が、もう少し簡略化したとしても後の神経衰弱をするシーンである程度伝わる気がするのです。これは例えばですが、コソクムシの絵柄からボスの話に繋げたように、もう一つ二つ絵柄と嚙合わせる形で説明していくと、絵柄入りトランプというアイテムがもっと活きてくるかもしれないな、とは思いました。ただやりすぎると話の流れが止まってしまいそうなので、作者さんがなさったように一つだけ、というのが実際には良いのかもしれません。好みの問題でしょうかね。
 最後の余韻までかなりいい雰囲気を醸し出していたと思います。
48095/坑さん
評価:☆☆☆☆☆
 アローラ人の裏の顔、人々の仄暗い面の描写にぞくぞくしました。
 スカスカの彼が愛おしい。彼の「スカ」に物語を与えるなんて、ステキです。
逆行さん
評価:☆☆☆☆
 アローラの島巡りという風習の問題点及び闇を描いた作品の中では、最も『シビア』な印象を受けました。 
 「島巡りに失敗した者はもはやスカル団に入るしか道がない」というのはしんどいなあと。スカル団とも波長が合わないっていう人はどうするんだろう。 
 ここまで排他的な世界観であると、自殺者が多く出そうとか、内部テロが発生しそうとかそういう心配をしてしまいます。 
 ただこの世界観にもメリットがあると思っていて、社会に対する風刺性がより強くなっているなあと感じました。現実に努力をしても中々実らない人というのは確かに存在していて、そのせいで周囲から嫌われてしまっているという人もいるでしょう。そういう人達の中には「自分の努力が足りないせいだ」と自己否定に陥ってしまっている方もいると思われます。彼らとってこの小説は救いになるだろうし、励まされるものだと考えます。 
 一言で言うなら「スカル団への入団を半肯定している世界」であると感じました。確かにここまでシビアならば悪の道に進んでしまっても無理はなく、むしろ社会の方が悪いという印象があります。 
 世界観に関してはこれぐらいで、肝心の内容に関してなのですが、登場人物のスカル団になった経緯だとかそういうのが一万文字という制限の中で上手く語られていた印象です。語尾に「スカ」が付いた理由を語る部分なんか、良い感じに重箱の隅を心地良く付いていて楽しく読めました。 
 相棒との神経衰弱もほのぼのとしましたね。割と神経衰弱のシーンで文字数を贅沢に使っていたと思うのですが、前半のシビアな世界観とのギャップ効果で上手く間延びせずに読み進められることができました。 
 終わり方も正しく纏まっていると感じました。「島巡りトレーナーもスカル団も本質的には変わらない」という締め方は好みでした。
春さん
評価:☆☆☆☆☆☆
 ほんわか優しい気持ちになれる! スカル団への愛の溢れる素敵な小説!
 実はダイヤモンドパールでドロップアウトしたので、アローラ地方の事は全然知らなかったけれど、前提知識なしでもすらすら読むことができた。作者さんが丁寧かつ分かりやすく、アローラ地方やスカル団の背景について序盤で説明をしてくれたためである。
 序盤の説明の時点で「スカル団さん……(;ω;)ウッ」となった。社会からつまはじきにされてしまった彼らも、もともとは志高き、あるいは純粋に冒険やポケモンを愛するトレーナーであったと分かる。二人の名もなき団員が神経衰弱しているだけ、というストーリーラインなのだが、二人の過去や気持ちが読み手に開示されていく過程、相棒に対する気持ちが少し変わる様子などが、心理的変化的な起承転結になっており、退屈することなく読めたし、非常に魅力的なストーリーだと思った。というか、読み終えた時点でどっちの団員も好きになっていた。個性がはっきりとしていたのも原因だと思う。うっかりボスも好きになりそうだった。これは……スカル団の巧妙なステマ! くっ! スカル団に入りたくなるじゃないか! むしろ入れてくださいボス!
 かなり書きなれた印象の作者さんかつ、スカル団への深い愛を感じる。文章も全体的にポケモンらしいほんわかした雰囲気が漂っており、脳裏にアニポケ映像再生余裕だった。作者発表後、ぜひとも他作品に突撃したくなる魅力的な作品でした。ありがとう!ありがとう!
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆
 とても丁寧で読みやすい文章で綴られた作品だったと思います、巧みな比喩表現などが美しくストーリーもよく纏まっていて、全体として大変ハイレベルな作品であると感じました。相棒くんの素直さが身に沁みる……、きっと純粋できらきらした眩しい笑顔をするんでしょうね。本質的には島巡りトレーナーも脱落者も同じっていうのが、ぐっときます。正しく生きることだけが正しさじゃないんだなあみたいな。スカル団に優しくしたくなるような作品でしたね。
 またスカル団のお二人の日常風景が、ものすごく自然に日常らしく描かれているのがとっても好印象でした。私がこの作品でめっちゃ好きなのが、

>「くーずるいっスよ!」
「ルールに則ってずるいもへったくれもあるかよ」
「俺のめくったカード使うなんてー!」

 このシーン! そうそう、神経衰弱で自分のめくっていたカードを使ってペアを取られてしまうと、悔しさのあまり「ずるい~!」っていう気持ちになるんですよね……!!笑 神経衰弱で遊ぶシーンを含む作品が今回とても多かったですが、読者にも身に覚えのある遊び・体験であるからこそ、こうやって「そうそう!」って思えるようなシーンが含まれていると、読んでいて楽しいなあと思いました。穏やかな日常がとても日常らしいという点、この作品はとても素晴らしい。ほのぼの日常は最高だぜ!! こういう等身大の日常が描かれているからこそ、スカル団の思いにより寄り添える作品に仕上がってるんだろうなあと思います。

 ところでこの作品を一読したときの印象が、「雑誌のコラムか特集記事みたいな文章だなあ」でした。冒頭の解説と全体的な纏まりの良さ、オチの締め方の雰囲気がそう感じさせるのかなあ(いうてほぼ雑誌読まないのでイメージで語っています、見当違いでしたら申し訳ない)。これは『だから悪い』と言いたいのではなく、例えば前回大会ポケストフェスではテーマB40番に『記事』というていの作品が投稿されていてそれもとても素晴らしかったので、そういう形式の小説もあるうえで、この作品はそれに近いものを感じたという話です。
 まあ私がそう感じたというだけでそう感じない方も多数おられるでしょうが、もし作者さんが「そんなつもりはなかったんだけど」と思われたなら、例えば冒頭の解説パートを、主人公のスカル団くんが町を歩きながら実体験を回想しつつアローラの現状を悲観している、みたいな形式にすれば、『記事』というよりは『お話』っぽさが増すのかな~、私ならそう書くかなあと読みながら思っていました。ただ、『記事』みたいな形式の作品がナシということは全くなくて、むしろ大いにアリだと思っているので、そういうやり方もあるかもな~くらいの認識で受け取っていただければなと思います。

 ここからは評価には関係のない話ですが、この作品の中のアローラ地方ヤバすぎる……ホンマに『誰も得をしない残酷な構造』になり果てていますね。こんなリスクを負って島巡りをしようと思う子供がこれからどんどん減っていきそう、自分たちで自分たちの伝統を根絶やしにしようとしているような。だからこそポケモンリーグが必要になったんやろうなあ……私はゲームをプレイしているときはアローラたのしー!!最高!!くらいにしか思っていなかったのですが、島巡りの伝統はこの作品のように暗部として取り扱っている二次作品が多くて面白いです。アローラ地方、闇の掘り甲斐がありますね。笑
 投稿お疲れさまでした!
rairaibou(風)さん
評価:☆☆☆☆
 この手の話は自分も書いたことがあります。スカル団はこれまでの悪役と違い親近感の持てる悪役でしたね。
 一万字という上限の中で彼らの立ち位置と救いを上手に書いていると思います。
 神経衰弱の出し方にもう少し工夫があればもっと良かったかなと思いました。
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆
 この作品は冒頭の背景説明で少しとっつきにくくなっているのがひたすらに惜しいなと思われる次第でございます……悪役の背景を考えさせてくださる作品なので好きです……!!!!!スカル団はこれまでの悪の組織の中でもなんとも哀れっぽさがありますね……
トビさん
評価:☆☆☆
Lienさん
評価:☆☆☆☆☆☆
花鳥風月さん
評価:☆☆☆
BoBさん
評価:☆☆☆☆☆☆
伊雑アゴバルさん
評価:☆☆☆☆☆
風間深織さん
評価:☆☆☆☆☆☆☆
ゾイシアさん
評価:☆☆☆☆☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆
黒糖さん
評価:☆☆☆☆
天波八次浪さん
評価:☆
クーウィさん
評価:☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆
じゅぺっとさん
評価:☆☆☆☆
えびフライさん
評価:☆☆☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
ばすさん
評価:☆☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆☆
小樽ミオさん
評価:☆☆☆☆☆